Music from Gen-dai

お気楽色の僕らのBlue

3分間の夢

2013-05-29 11:05:01 | 2000
ミュージックマガジンやHMVのインタビューで

期待を膨らませて待っていた細野さんの新作。

張り切ってWebで予約をしておいたのに

発売日が来ても一向に郵便受けに届かない。


調べたところオーダーした店が最北の県だったらしく

発送されてはいるものの発売日に到着しないというまたまた痛恨のミス。

(先日のJon Clearyの件から束の間である...)


そんなこんなで、じらされてじらされて

ようやく耳にした新作。



細野晴臣の「Heavenly Music」(2013)

01. Close to You
02. Something Stupid
03. Tip Toe Thru The Tulips with Me
04. My Bank Account Is Gone
05. Cow Cow Boogie
06. All La Glory
07. The Song Is Ended
08. When I Paint My Masterpiece
09. The House of Blue Lights
10. ラムはお好き? part 2
11. I Love How You Love Me
12. Radio Activity


全編カバー曲で構成された最新アルバム。

当然のごとく巷に溢れかえる安っぽいカバーアルバムとは格が違う。


HMVのインタビューでの印象的なことば。

「3分間の夢」を見るつもりで音楽を聴き

「3分間の夢」を見るつもりで1曲をつくっている。


細野さん自らの日本語訳詩がつけられた

The Bandの「All La Glory」

Bob Dylanの「When I Paint My Masterpiece」

どちらもオリジナルで何回も感動を貰ってはいたが

日本語で歌ってくれたことでまた新しい感動がそこに生まれた。



前作「HoSoNoVa」もそうであったが

最近の細野さんのアルバムは、一日の終わりに

ゆったりとヘッドホンで聴くのがとてもいい。

やさしく耳元で曲の背景までも伝えてくれるような気になれるから。


12曲ならべられた「3分間の夢」たち。

それらは、僕らをいつでも心地よい音の天国へと誘ってくれるのである。
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経験値

2013-05-27 11:19:30 | 70s
かねてからの息子との約束を果たすため列車で岡山に。


昨年に次いで二度目の二人旅。

車窓から見える瀬戸の島々に見入る真剣な背中。


去年はそんなに興味を示さなかったのに

瀬戸内国際芸術祭で「経験値」が上がったおかげで

海に浮かぶ島々の姿にもリアルを感じられたようである。


Rascalsの「The Island of Real」(1972)

01. Lucky Day
02. Saga Of New York
03. Be On The Real Side
04. Jungle Walk
05. Brother Tree
06. Island Of Real
07. Hummin' Song
08. Echoes
09. Buttercup
10. Time Will Tell
11. Lament



オリジナルメンバーとしてはフェリックス・キャバリエとディノ・ダネリのみ。

前作「Peaceful World」に続きバジー・フェイトン、ロバート・ポップウェルが参加。

アルバムごとに変化を遂げ、その度に様々な「経験値」を蓄え

ついに行き着いたラストアルバムは

ファンキーさとメロウさが混ざり合った宴のような一枚。


スタートボタンを押して音が流れて来た瞬間から

その日一日をハッピーにしてくれる「Lucky Day」


瀬戸の海の穏やかな景色のBGMとして流したい「Brother Tree」

その歌声とサウンドでピースフルな気分に浸っていると

自然にフェードインしてくる「Island Of Real」

非常によくアレンジされた曲であるが

何よりメロディの秀逸さに脱帽である。

彼らほどリスナーである僕らの

音楽的「経験値」を上げてくれるバンドはそうはいない。



何でも便利に調べられたり

疑似体験も出来る世の中ではあるが

実際の「経験値」を上げてあげることこそ何よりの親の勤め。


僕が息子に出来る事といえば

良い音楽の「経験値」を上げてあげる事くらい。

今はまだ分からないだろうけどね。
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パトロール

2013-05-24 00:47:38 | 2000
いつものように小尾隆さんのブログをのぞきにいったところ

《ジョン・クリアリー・トリオを観た》のタイトルが!


不覚にも今回の来日ノーチェック。

いろいろと調べてみると

ギター抜きのピアノ、ベース、ドラムのトリオ編成。

セットリストにはEarl Kingの「Those Lonely, Lonely Nights」や

The Metersの「Hey Pockey Away」とかもある。


結局のところ一番近場の京都も仕事で行けなかった訳ではあるが

もし知っていたなら、なんとか調整して観られたかもと思うと

今年一番の痛恨のミスと言わざるを得ない。


Jon Cleary and The Absolute Monster Gentlemanの「Pin Your Spin」(2004)

01. Pin Your Spin
02. Agent 00 Funk
03. Oh No No No
04. Aint Nuttin Nice
05. Smile In A While
06. Doin Bad Feelin Good
07. Best Aint Good Enuff
08. Funky Munky Biznis
09. Is It Any Wonder
10. Got To Be More Careful
11. Caught Red Handed
12. Zulu Strut


BASIN STREET移籍後のThe Absolute Monster Gentleman名義での

2作目となる4thアルバム。


思い返せば先日久々に知人らと訪れたカフェで突然流れてきた本作。

2004年の作品がなぜに今頃?とも思ったが

あれも何かの暗示だったのかもしれない。


R&B, Soul, Latin、Gospel, African など様々な要素を巻き込み

ただ泥臭いだけでなくアーバンに仕上げたまさに現代のNew Orleans Funk


粘り気あるリズム

耳に残る良質なメロディ

程よく枯れた歌声


「Agent 00 Funk」「Oh No No No」「Best Aint Good Enuff」

いずれも今回のセットリストを見る限りは演奏されていないが

是非とも一度は生で聴いてみたいものである。



夜な夜なネットを「パトロール」しても

大事な情報ほど網に引っかからずに脇を通り抜けていくものである。

より一層入念な「パトロール」を強化しなければなるまい。


次観られるのはいつのことやら

Oh No No No No No No No......
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励まし

2013-05-16 00:40:06 | 70s
上手な叱り方がどういうものなのか未だに分からないが

きっと僕の叱り方は上手なものではないと思う。


ここのところ毎日のように叱ってばかりの日々。

叱られる側はきっと嫌な気分だろうが

叱る側も決して気分の良いものではない。


そう考えていたとき「叱咤激励」という言葉を思い出した。

その意味を辞書で調べてみると

大きな声ではげまして元気づけることと書いてある。


きっと僕の叱り方に足りないものってそれであろう。


Tom Waitsの「Small Change」(1976)

01. Tom Traubert's Blues (Four Sheets To The Wind In Copenhagen)
02. Step Right Up
03. Jitterbug Boy
04. I Wish I Was In New Orleans
05. The Piano Has Been Drinking (Not Me)
06. Invitation To The Blues
07. Pasties And A G-String
08. Bad Liver And A Broken Heart
09. The One That Got Away
10. Small Change
11. I Can't Wait To Get Off Work


デビュー当初よりもより一層嗄れた声で

人生の機微を歌い上げる1976年発表の4thアルバム。


オープニングを飾る「Tom Traubert's Blues (Four Sheets To The Wind In Copenhagen)」

ロッド・スチュワートによるカヴァーや

ドラマ「不毛地帯」のエンディングテーマに使用されたことでも有名な名曲。


スリリングな演奏と歌が見事に融合した「Step Right Up」

これを聴いて何度ベースを弾きたくなったことか分からない。


その昔高校生の頃に見た「Merry X'mas Show」なる音楽特番。

その中でサザンの桑田、ARBの石橋、小林克也の3人による歌唱で

初めて耳にしたのが「I Wish I Was In New Orleans」

それから数年後にTomのオリジナルを聴いて以来

いつまでたっても僕の人生の10曲に入り続けている。


「The Piano Has Been Drinking (Not Me)」

最後にNot Meと連呼するジョークの利いた文字通り酔いどれ感溢れる一曲。

たしかDan Hicksがアルバム「Beatin' The Heat」でお気楽にカヴァーしていたはず。


きっとTomのこの声が苦手な人もいるのだろうが

そこからとてつもない優しさを感じ取れた人には

すべてが「励まし」に聞こえる彼の音楽。



「叱り」ではなく「励まし」

そう考えた方が相手の心に反発心よりも

小さな変化(Small Change)を起こすことが出来るのかもしれない。
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芸人

2013-05-13 11:23:12 | 70s
日々の生活に欠かせないものと言えば

「音楽」と「笑い」


この2つ、実に似てるところあるよなと

先日知人と話していたところ

ミュージシャンとお笑いタレントがお互いに

プロフェッショナルとして深い話を引き出しあう

「ゲストとゲスト」という興味深い番組を発見。


結局つまるところは

どちらも観客に笑いと感動を与える「芸人」なのである。



Ry Cooderの「Bop Til You Drop」(1979)

1. Little Sister
2. Go Home, Girl
3. The Very Thing That Makes You Rich (Makes Me Poor)
4. I Think It's Going To Work Out Fine
5. Down In Hollywood
6. Look At Granny Run Run
7. Trouble, You Can't Fool Me
8. Don't Mess Up A Good Thing
9. I Can't Win


音楽界きっての玄人「芸人」である彼が

ブラックミュージックを独自の色合いに染上げた79年作品。


ボトムをどっしりと支えるジム・ケルトナーのドラムに

程よくうねりを加えるティム・ドラモンドのベース

絶妙のコンビネーションを見せるデヴィッド・リンドレーのギター

きっちりとスパイスを効かせるロニーバロンのキーボード

華やかな彩りを添えるチャカ・カーンの歌

その全てが集結した「Don't Mess Up A Good Thing」


ゴスペル風味のコーラスワークが冴え渡る

「Trouble, You Can't Fool Me」「I Can't Win 」


そして個人的に非常に思い入れのあるインストナンバー

「I Think It's Going To Work Out Fine」

ギター2本の絡みの終着駅はここにあると言っても

過言ではないだろう。



連休明け以降仕事漬けの日々。

少々気が滅入り気味であったが

こんな時こそ「音楽」と「笑い」である。


僕の人生を支えてくれる

多くの「芸人」の方々に改めて感謝である。
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