Music from Gen-dai

お気楽色の僕らのBlue

巡り

2010-03-24 00:36:33 | 日記
今日で一先ず今年度の仕事も一区切り。


間髪入れず明後日からは新年度がスタートする訳である。


いろんな意味で「別れ」や「出会い」が入り交じりながらも

次の一年がもうすぐに始まって行く。



一年と言う時の流れの「不思議」な再生力を感じながら

僕らの仕事もまた新たな一年を「巡り」行くのである。




Jon Clearly & The Absolute Monster Gentlemanの

「Jon Clearly & The Absolute Monster GentlemanJon Clearly」(2002)


1. Sometimes I Wonder
2. Cheating On You
3. More Hipper
4. Just Kissed My Baby
5. When You Get Back
6. Take My Love
7. A Little Satisfaction
8. Been and Gone
9. So Damn Good
10. Fanning the Flames
11. Too Damn Hot



イギリス出身でありながら17歳で渡米し

ニューオーリンズを拠点として活動するJon Clearly


優れたピアニストであると同時に優れたシンガーでもある彼が2002年に

作り上げた代表的作品が本作である。



多感な十代の頃に触れたニューオーリンズ独特のR&B、ファンク、パレード音楽に

ラテン、ブルースなどの要素も取り入れた

生真面目な「英国気質」あふれる「洗練されたニューオーリンズサウンド」

が展開されている。


その卓越したセンスのおかげか、タジ・マハールやボニー・レイットらとの共演でも

その名を馳せる今やニューオーリンズを代表するピアニストである。


非常に艶やかなボーカル

引き出しの多いピアノスタイル

スティーリー・ダン辺りに通ずるような色気あるコードの響きやメロディ


アルバム全体の音の質感や粒の揃った楽曲の完成度を含めて

新旧のニューオーリンズの街に鳴り響く音たちが巡り巡った

21世紀を代表する「新しいニューオーリンズの音」である

と言い切ってもいいだろう。



時の流れは一年ごとに巡るが

素晴らしい音楽の流れも一年ごとに「巡り」

我々のもとに届けられていく、嬉しいことに。
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Free

2010-03-22 00:02:37 | 日記
僕らファミリーの7年目のスタートに際して

ふと脳裏に浮かんできたテーマは「Free」


もちろん一家としての基礎的なものは暗黙の了解で存在する訳であるが

各人のそれぞれの好きなことがらに関しては「Free」で有り続けたい。


その各人の「Free」な感覚から産まれる何かが

ファミリーと言う「運命共同体」をより高みへと運んでくれると思う。



JJ Grey & Mofroの「Blackwater」(2001)

1. Blackwater
2. Ho Cake
3. Air
4. Jookhouse
5. Nare Sugar
6. Free
7. Florida
8. Cracka Break
9. Lazy Fo Acre
10. Santa Claus True Love & Freedom
11. Frog Giggin'
12. Whitehouse
13. Brighter Days



多数の楽器を操り、ソングライティングもこなす

フロリダ出身のJJ Greyを中心とするMofroの1stアルバム。


ブルース、ソウル、ゴスペル、ファンクと言ったジャンルを

見事に消化した自由な演奏スタイル。


オーティス・レディング、ビル・ウィザーズ、ダニー・ハサウェイ

マディ・ウォーターズ、スライ&ファミリー・ストーン等の影を漂わせながらも

現代における彼らにしか出せないサウンドをデビュー作にして築き上げている。


やさぐれつつも洗練された無造作なそのスタイルの基盤となるのは

縦のラインがしっかりとした骨太なリズム。


その上をうねるように「Free」に流れる歌やコーラス、そしてメロディ楽器たち。

なみなみとグラスに注がれた「Black Water」は決して溢れることなく

ゆるやかに永久に波打ち続けるのである。



バンドと言う「運命共同体」として

先人達の歩いて来た南部のぬかるんだ道を

彼らの歩調でゆったりと進み行くその様は

僕らファミリーの目指す「Free」な形なのかも知れない。
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6から7へ

2010-03-21 00:00:02 | 日記
早いもので僕らが結婚して丸6年と言う月日が過ぎようとしている。


6年と言うと、常に小1~6までのあの長い6年間を思い出す。


右も左も分からない子供が重いランドセルを背負って集団生活を始め

いろいろな楽しみや苦しみなどを日々経験しつつ

子供なりに一年の成長を遂げると

また次の学年の数字を首元につけかえていく。


そういった意味で小学校生活最後に首元につける6という数字は

大きな経験、成長の証であり、とても深い重みのあるものだった。


結婚生活も目に見えて首元に数字こそつけないが

昨日まで他人であった二人が戸籍をともにし共同生活をはじめ

一年一年何らかの成長を重ねて行くという点で同様である。


僕らも「6という数字」まで到達し、また次の「7という数字」へと

歩みを進めようとしている。


もちろん息子と言う二人のスタート時にはこの世に存在しなかった

大変重く大事な荷物を抱えて。



Art Garfunkelの「Watermark」(1977)


1. Crying in My Sleep
2. Marionette
3. Shine It on Me
4. Watermark
5. Saturday Suit
6. All My Love's Laughter
7. (What A) Wonderful World
8. Mr. Shuck 'n' Jive
9. Paper Chase
10. She Moved Through the Fair
11. Someone Else (1958)
12. Wooden Planes


ほとんどの曲がジミー・ウェブの作品でかためられた3rdアルバム。

ジミーの作る曲とArtの伸びやかな声との相性が非常にマッチしていて

海辺でのリラックス感あふれるアルバムジャケットのごとく

清涼な風に包み込まれながらの耳障りの良いサウンドに心癒される。


白眉は、やはりサム・クックのカバー「(What A) Wonderful World 」

ポール・サイモン、ジェイムス・テイラーとアートの三人の優れたボーカルと

贅沢なハーモニーがふんだんに織り込まれた極上の仕上がり。


続く「Mr. Shuck 'n' Jive 」はデビッド・クロスビー、スティーヴン・ビショップが参加した

ジャジーな味付けのナンバー。


癒しの空間を演出する仲間との共同作業。

このアルバムの素晴らしさの根底にはその要素がしっかりと築かれている。



本日、6年目の最後の日に

「(What A) Wonderful World 」を家族三人

車中で何気に聴きながらたわいもない話で笑っていた。



明日からの7年目もきっと良い年になりそうだ。

もちろん妻と息子との共同作業によって。
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生命力

2010-03-17 01:30:22 | 日記
先日知人から「影響を受けたアルバム」について聞かれた。


当ブログで紹介しているアルバムからは、全て何らかの影響を受けている訳だが

曲作りをする上で、とりわけ影響を受けた一枚が脳裏に浮かび上がった。


その一枚のおかげでテンションコードの響きやSoul,Jazz,Rockといった要素を

ふまえた曲の構成を学び、僕自身が作る曲の幅も大きく広がった。


ただお洒落に流れるだけではなく、心にフックする何かを与える音楽。

そのような類の音楽を、さらに日本語で奏でることの素晴らしさも教えてもらった。



Original Loveの「結晶 -SOUL LIBERATION-」(1992)


01. 心理学
02. 月の裏で会いましょう
03. ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ
04. スクランブル
05. 愛のサーキット
06. フレンズ
07. スキャンダル
08. フェアウェル・フェアウェル
09. ヴィーナス
10. セレナーデ


異例の2枚組アルバム『LOVE! LOVE! & LOVE!』で鳴り物入りのデビューを果たした彼らが

ベース、ドラム、コード楽器(ギター、鍵盤)、サックスの4つのリズムにこだわり

シンプルなアンサンブルにより、最高のグルーブ感を表現することに成功した

2ndアルバムである。


バンド自体の「生命力」を誇示する意味で付けられたという「結晶」というタイトルが

象徴しているように、全ての楽器に「Soul(魂)」が宿ったかのような

一体感のある演奏が繰り広げられる。


「クールな汗をかかせる」その世界観には、Acid Jazzの影響も見られるが

さらに奥深いソウルミュージックや普遍的なポップスとしての要素が

どこを切っても流れている。


「フレンズ」、 「スキャンダル」、「フェアウェル・フェアウェル」、「ヴィーナス」

と流れる後半の流れは、いつ耳にしても甘美なその魅力にやられてしまう。



後にメンバーチェンジを繰り返し、多面体的な進化し続けるバンドとなる彼らであるが

メロディ、詩、アレンジ、演奏が立体的に配列されたこの時代のサウンドこそ

もっとも「生命力」のあふれた「結晶」と言えるであろう。
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娯楽

2010-03-15 00:00:24 | 日記
春先の陽気に誘われて家族三人で京都へ。


最近の仕事の多忙さと風邪で体調はあまりよろしくはなかったが

結果から言えば、息子も連れての京都は今までとはまた違った趣きがあった。


日頃子育てに奮闘している妻の息抜きのために

産まれてこの方身近な土地にしか触れていない息子のために

しっかり裏方に徹して片道2時間半の高速ドライブ


テーマパークや遊園地のような「娯楽」とはひと味違う

京の都のはんなりとした「娯楽」


出町ふたばの名物「豆餅」をほおばりながら「美味しい」を連発する息子の姿を

見ながらこれからも毎年みんなで来ようと思った。



Gerry Goffinの「It ain't exactly entertainment」(1973)


(Disc 1)
1. Down On The Street
2. Reverend Bottoms Tojo Saloon
3. Cherokee Medicine
4. Chicago
5. Sail Away Ladies
6. Maryland Again
7. The Last Cha Cha On Jackson Highway
8. It’s Not The Spotlight
9. It’s Alright To Be Alive
10. Everything And Nothing
(Disc 2)
1. Set Job
2. What Am I Doin Here
3. Sister Henry
4. Your Precious Ears
5. Honorable Peace
6. Rainy Day Flying
7. Zebulon Pik



60年代にかつての奥様Carol Kingとのコンビで数多くのヒット曲を

世に送り出したGerry Goffinのソロアルバム1作目


ソロ作においてはBarry Goldbergとコンビを組み

マッスルショールズスタジオにてEddie HintonやPete Carの

ギターサウンドを核にした泥臭さやカントリーテイスト満載の

ルーツに根ざした曲を2枚組17曲とボリュームたっぷりに聞かせてくれる。



「It ain't exactly entertainment(まったくエンターテイメントではない)」

とアルバムタイトルで言い切られているように

職業作曲家時代のポップスを量産していた彼とは明らかに種の異なる

南部の香りいっぱいのサウンドとボブディランの姿が見え隠れするそのボーカルが

全編に溢れている。



Disc1の8曲目「It’s Not The Spotlight」

先日記事にしたRod StewartのAtlantic Crossingのにも収録されている

ナンバーであるが、オリジナルとなるGerry Goffinのヴァージョンは

より男臭く哀愁漂うバラードに仕上がっている。



彼自身には「エンターテイメント(娯楽)ではない」と言い切られてはいるが

スポットライトを浴びずとも素朴な人柄が滲み出たここでの音の世界もまた

まぎれも無い「エンターテイメント(娯楽)」の一つである。
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