Music from Gen-dai

お気楽色の僕らのBlue

我流

2010-10-31 00:40:16 | 日記
新体制になってのスタジオ入りに向けギターの基礎を強化中。


何を今更と、ある筋からは言われそうだが

考えてみれば16歳の時にギターを手にして以来

まともに人から教わったこともなければ、教則本らしいものも

一度も見たことがない。

つまりまったくの「我流」でここまで来た訳である。


それなりに雑多なジャンルの音楽は聞いてきたつもりなので

ギターのフレーズのニュアンスなどはなんとなくの感じで弾いてきたのだが

あらためて味付けの仕方、リズムの取り方、スケールやコードの構成などを

きちんと紐解いてみると、いかに今まで適当なことをやっていたかがよく分かる。


歳を取ると自分の実力や限界を望まざるとも知らされるので

案外素直に人の言うことに耳を傾けられるようになる。


そうは言っても「我流」が身体に染み込んでしまっているので

なかなか矯正することは大変なことなのだが

今回ばかりは「我流」を押し通さずに丁寧に行きたいと思う。


Phil Upchurchの「Darkness Darkness」(1972)

1. Darkness,Darkness 
2. Fire And Rain 
3. What We Call The Blues 
4. Cold Sweat 
5. Please Send Me Someone To Love 
6. Inner City Blues 
7. You've Got A Friend 
8. Love And Peace 
9. Sweet Chariot 
10. Sausalito Blues 


トミー・リピューマのプロデュースによりブルー・サム・レーベルから発表された1972年作品。

Arthur Adams : rhythm guitar
Chuck Rainey : bass
Joe Sample : piano
Harvey Mason : drums
Bobbi Porterhall : congas, tambourins
Don Simmons : drums on 10
Ben Sidran : organ on 8
Donny Hathaway : electric piano on 3,10


錚々たるミュージシャンたちを脇に固め

時に滑らかに、時に畳み掛けるように

感情の赴くままのギタープレイを堪能出来る作品である。


10曲の収録曲のうち8曲を占めるカヴァー曲。

Young Bloodsの「Darkness,Darkness」
James Taylorの「Fire And Rain」
James Brownの「Cold Sweat」
Percy Mayfieldの「Please Send Me Someone To Love」
Marvin Gayeの「Inner City Blues」
Carole Kingの「You've Got A Friend」
Arthur Adamsの「Love And Peace」
Traditionalナンバーの「Sweet Chariot」

どれもが原曲のメロディを踏襲しつつも、自由奔放に織り込まれるフレーズにより

新しい息吹を吹き込まれている。


「我流」も突き詰めれば「ワン&オンリー」な個性となる。

名ギタリストと呼ばれる者のプレイは

言うなれば「我流」を極めた終着点。

ただし土台となる基礎無くしては決してそこには到達出来ない。



素直に先人の切り開いてくれた道をきちんと辿ることから

始めなければならない。

今頃そんなことに気づくのではホントに遅すぎるのではあるが。。。
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病は…

2010-10-29 00:47:12 | 日記
「病は気から」と言われるが

最近はどんなに気を張っていても病にかかってしまうことも多々である。


ついこないだ風邪を引いて治ったと思いきや

ここ数日の急な寒さに身体がついて行けずまたもや風邪。

鼻水だらだら、咳も相当ひどい。


ホントにやわな身体になってしまったなとつくづく思う今日この頃。


Daryl Hall & John Oatesの「Abandoned Luncheonette」(1973)

1. When The Morning Comes
2. Had I Known You Better Then
3. Las Vegas Turnaround (The Stewardess Song)
4. She's Gone
5. I'm Just A Kid (Don't Make Me Feel Like A Man)
6. Abandoned Luncheonette
7. Lady Rain
8. Laughing Boy
9. Everytime I Look At You



「Sara Smile」や「She's Gone」のヒットにより

正当に評価されることとなった1973年発表の2ndアルバム。


僕自身も多分にもれず彼らの80年代の作品をリアルに体験し

遡って本作に辿り着いた口である。

ほとばしる汗などは全く感じられないが、奥底にしっかりと刻み込まれた

ソウルフィーリングを感じ取ることが出来る「最高傑作」と言い切れる作品。


ざっくりとしたアコースティックギターに

癖のあるシンセサイザーの音色を効果的に重ね合わせた「When The Morning Comes」

ファルセットを効果的に用いたDayrl Hallの歌声も素晴らしいオープニングナンバー。


アルペジオの柔らかなギターに導かれ

囁くように優しく歌われる「Had I Known You Better Then」

John Oatesのペンによる非常に美しいメロディの一曲。


パーカションとギターと言う極めてシンプルな構成ながら

曲展開が緻密に計算しつくされた「 Las Vegas Turnaround (the stewardess song) 」

途中から絡んで来るサックスも心地よい。

佳曲ぞろいの本作の中でも一つ抜きん出た完成度の一曲と言える。


あれこれと今更多くを語る必要の無い名曲「 She's Gone 」 に続く

「 I'm Just A Kid (Don't Make Me feel Like A Man) 」

シンプルなサウンドゆえに地味な印象も感じさせるが

ドラムが入って来てからの後半の流れが妙に印象に残るナンバー。

ここでも二人のコーラスワークは冴え渡っている。


どうやら今週末は台風らしい。

暖かい飲み物などでも飲みながら、まったりと身体を休めるしかない。

こんな時は身体に優しい音楽が特効薬である。
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バス旅行

2010-10-28 00:16:25 | 日記
バスはもう「出発」の準備も出来ているのに

様子伺いの人々が実に多く、すでに乗り込んでいる人々は

ただ座席に座ったままで待たされるのみ。


「乗車するのかしないのか」は当人のみが決めることであるが

すんなりと定刻通りに皆が乗り込み

落ち着いて「出発」出来るバスはないものだろうか。


運転手への信頼なくして乗車はあり得ないのだが

誰と言わず気軽に運転手を交替するくらいの気持ちがあれば

きっと楽しい旅は出来るのはずなのだが。。。


来期の事に思いを巡らせるこの時期。

毎年のように上記のようなことを考えさせられるここ数年である。


Albert Kingの「Lovejoy」(1971)

1. Honky Tonk Woman
2. Bay Area Blues
3. Corina Corina
4. She Caught The Katy And Left Me A Mule To Ride
5. For The Love Of A Woman
6. Lovejoy, Ill.
7. Everybody Wants To Go To Heaven
8. Going Back To Iuka
9. Like A Road Leading Home



Staxレーベルから出された71年作品。

スカイヒル・スタジオ録音の4曲(Track 1,2.5.7)と

マッスルショールズ・スタジオ録音の5曲(Track 3,4,6,8,9)からなる本作は

プロデューサーがドン・ニックスと言うこともあり

土臭くファンキーな「スワンプとブルースの融合」と言うべきサウンドに

仕上げられている。


ファンキーなストーンズのカヴァー「Honky Tonk Woman」

Don Nix & Donald "Duck" Dunnのペンによる「Bay Area Blues」

Jim Keltner、Donald "Duck" Dunnのどっしりとしたリズム隊に

Jesse Ed Davisのリズムギターというこれ以上にないスワンプサウンドに

ブルージーなギターと渋みのある歌声がとても映えている。


タジ・マハールのナンバー「She Caught The Katy And Left Me A Mule To Ride」

Don Nix & Dan Pennによるバラード「Like A Road Leading Home」

Wayne Perkins,Tippy Armstrong,Barry Beckett,David Hood,Roger Hawkinsら

マッスルショールズの面々による、温もりのあるソウル風味の演奏との

相性もまた抜群である。


信頼関係で結ばれた乗客達を味方に付けた御大Albert Kingが

自由にアクセルを踏み込む大型のバスは

今日も快適にハイウェイを駆け抜けて行く。



「バス旅行」はこのくらいでないとつまらない。
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もう一度

2010-10-26 23:52:38 | 日記
何かと不景気の世の中であるが

「一見さんお断り」を貫き通す商売もある。


先日知人が持って来てくれた「村上開新堂」のクッキー。

包装も、箱を開けた時の宝箱のような様も大変格式高いものであるが

何より27種類のクッキーの素朴な優しい味に感動した。

詳しくはこちらにて → http://www.kaishindo.co.jp/products/


「もう一度」賞味したい所であるが、何やら「紹介販売」なる制度を

とられているらしく簡単には入手出来ない代物らしい。


ヤフオクで検索してみると出品もされているようだが

どうせ購入するなら正規の手順を踏みたいところ。


ということで「もう一度」はかなり先のことになりそうである。


Steely Danの「Can't Buy a Thrill」(1972)

1. Do It Again
2. Dirty Work
3. Kings
4. Midnight Cruiser
5. Only A Fool Would Say That
6. Reelin' In The Years
7. Fire In The Hole
8. Brooklyn (Owes The Charmer Under Me)
9. Change Of The Guard
10. Turn That Heartbeat Over Again


アルバムジャケットの猥雑さとはウラハラに

ロックテイストではあるものの洗練されたリズムやコードワークが

随所で見られるデビューアルバム。


いきなり繰り出されるラテンビートに揺らめくサウンド

フェイゲンのぶっきらぼうな歌声も素晴らしい「Do It Again」

間奏のシタールといい、すかしつつも熱のこもった幕開けである。


続く「Dirty Work」は、フェイゲンの歌声とは対称的な

デイヴィッド・パーマーがリードヴォーカルをつとめる爽快なナンバー。
 
緩めのキーボードやホーンと言った味付け、コーラスワークどれを取っても

隙の無いナンバー。


ドラムスのジム・ホッダーがリードをとる「Midnite Cruiser」

4曲目までで三人のリード・ボーカルを使い分ける

彼らの手法の絶妙さを感じさせる一曲。


ボッサタッチのリズムに良質なメロディ、洒落たコードワークの

「Only A Fool Would Say That」

最近はギターを持つとついついこの曲をつま弾いてしまう。


ともすれば下品になる一歩手前のギターサウンドが

非常に心地よい「Reelin' In The Years」


再びデイヴィッド・パーマーがリードをとる「Brooklyn」

良い意味で癖の無い彼の歌声が、一服の清涼剤のように効果的に配置されている。


技巧的で格式が高く感じられる、彼らの後の作品群とは少し異なる

どこか「素朴」な手触りが本作の最大の魅力。

ラストナンバー「Turn That Heartbeat Over Again」まで辿り着くと

いつも「もう一度」リピートしたい衝動にかられるのである。
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白と黒

2010-10-23 23:35:36 | 日記
当たり前ではあるが非常に対照的な「白と黒」

うまく配置されれば、非常に魅力的な世界を演出できるが

なかなかそう上手くはいかないことも多い。


僕自身、肌は非常に色白であるが、髪の毛は見事なくらい真っ黒。

ただ最近は歳のせいか白髪がちらほらとお目見えして

黒髪が強いおかげで、やけに白髪がよく目立ってしまう。


さらに黒い服は本当に似合わない。

色白の肌、黒い髪、黒い服となるとホントにバランスが悪い。


ホントに他人から見ればどうでもいい話であるが

「革靴」と「音楽」以外ではどうしても「黒」が好きにはなれない。


Tony Joe Whiteの「Black and White」(1969)

01. Willie and Laura Mae Jones
02. Soul Francisco
03. Aspen Colorado
04. Whompt Out On You
05. Don't Steal My Love
06. Polk Salad Annie
07. Who's Making Love?
08. Scratch My Back
09. Little Green Apples
10. Wichita Lineman
11. Look of Love


スワンプ・ミュージックの代名詞とも言われる彼の1969年作品。

南部の湿地帯のような粘り気のあるファンキーなギター

もみあげに象徴される、非常に男臭い風貌と野太い声

すべてを通してスワンピーな魅力でべっとりと塗り固められた一枚である。


オリジナルナンバーで固められた前半

カバー曲中心の後半と言う分かりやすい構成ではあるが

「白と黒」の配置が絶妙に施されている。


ブルーステイストのギターに、ソウル的な黒いホーンや

艶やかなストリングスが重なるオープニングナンバー「Willie and Laura Mae Jones」


絶妙のアタック&タイム感を兼ね備えたリズムギター全開の「Soul Francisco」

2分に満たないナンバーだが、この粘り気には後を引く魅力がある。


ワウの効いたギターと跳ねあがるスネアのシンプルな演奏でありながら

抜群の疾走感を見せてくれる「Whompt Out On You」


エルビスに取り上げられたことで

一躍彼の名を知らしめる事となった「Polk Salad Annie」

呟くような語りから歌へと自然になだれ込む様は、いつ聴いても鳥肌もの。

「黒」の世界の彼はいつもいかしている。


「Little Green Apples」「Wichita Lineman」「Look of Love」の後半3曲は

意表をつくほどの柔らかさを持ったハートウォーミングな彼の姿を見ることが出来る

「白」の世界の彼はいつも優しい。


僕には到底出来なそうにない「白と黒」の共存。

音楽面でのこのバランスだけは、嫌がること無く

取り入れなければならない。
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