(世界ランクシリーズ その9 2024年版)
3. FDI Inward Stock(FDIインバウンド残高)
(世界一、13兆ドルのインバウンド残高を誇る米国!)
(1) 2023年末のFDI Inward Stock(FDIインバウンド残高)
(表http://rank.maeda1.jp/9-T03.pdf参照)
2023年末の世界のFDIインバウンド残高(FDI Inward Stock)は総額49兆ドルである。2022年末の残高は44兆ドルであり、1年間で残高は5兆ドル(11%)増加している。2023年末の残高が最も多い国は米国の12.8兆ドルであり、全世界の26%を占めている。米国一国だけで世界の直接投資の4分の1を吸い上げている。これに次ぐFDIインバウンド世界2位は中国の3.7兆ドル、3位英国(3.0兆ドル)、4位オランダ(2.7兆ドル)、5位シンガポール(2.6兆ドル)である。
上位5カ国以外の主な国の残高を見ると、ドイツの2023年末FDI Inward Stockは1兆1,280億ドルで世界11位、米国の10分の1である。日本のFDI Inward Stock(FDIインバウンド残高)は2,500億ドルで世界31位にとどまり、米国の50分の1である。韓国の残高は日本よりも多い2,840億ドルである。インドの残高は日本あるいは韓国の2倍の5,400億ドルである。ロシアの2023年末のFDIインバウンド残高は韓国と並ぶ2,790億ドルであるが、前年に比べ残高は800億ドル強減少しており、世界順位も16位から28位に落ちている。ウクライナ紛争の長期化と欧米先進国の経済制裁の影響で外国の投資家から敬遠されている様子がうかがわれる。
中東諸国の2023年末の残高は、イスラエル、UAE、サウジアラビアの3か国が拮抗している。3カ国の残高はそれぞれ2,440億ドル、2,250億ドル、2,160億ドルであり、イスラエルの残高は日本とほぼ同じである。因みに2022年に比べるとUAEは310億ドル増、イスラエルも150億ドル増に対してサウジアラビアは前年比で▲530億ドル、▲20%の大幅減少であった。
地域の経済大国エジプト、トルコ及びイランのFDIインバウンド残高はエジプトが1,590億ドルと最も多く、トルコが1,570億ドルの僅差で続いている。経済封鎖の続くイランの投資残高はこれら2カ国より一桁少ない640億ドルにとどまっている。
(続く)
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