石油と中東

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油価下落が直撃、売上・利益が大幅減:五大国際石油企業2015年度業績速報シリーズ(1)

2016-02-16 | 海外・国内石油企業の業績

 国際石油企業(International Oil Companies, IOCs)の2015年第4四半期(10-12月)及び年間(1-12月)の決算が発表された。本稿ではExxonMobil、Shell, BP(英), Total(仏)及びChevron(米)の主要5社を取り上げ、各社の売上高、利益、石油・ガス生産量、投資額等を概観し、さらに5社の業績比較を行う。

I. 各社の業績概要
(表:http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-20.pdf参照)

1.ExxonMobilの2015年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)の業績
*同社ホームページ:
http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-162-billion-2015-28-billion-during-fourth-quarter
(1)売上高
 ExxonMobilの2015年10-12月の売上高は598億ドルであり、また通年売上高は2,689億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ-32%, -35%の減収である。

(2)利益
 10-12月期及び通年の利益はそれぞれ28億ドル及び162億ドルであり、前年同期と比較すると10-12月期は-58%、通年では-50%であり、いずれも前年比半減の大幅な減益であった。通年利益のうち上流部門の利益は2014年の275億ドルに対して2015年は4分の1の71億ドルにとどまっている。一方下流部門は2014年の30億ドルに対して2,015年は66億ドルと倍増し上流部門とほぼ肩を並べている。(注、最終損益額には石油化学部門その他の損益が合算されているため、部門別の上流・下流部門の損益合計額とは一致しない。)

 ExxonMobilでは従来上流部門の利益が大きな割合を占めてきたが、ここにきて下流部門が会社の利益を支える状況にある。原油価格の急落が上流部門の利益を圧迫し、逆に安価な原油価格に支えられて下流部門の利益が急増する状況にある。この傾向は以下に触れるとおり他の4社でも同様もしくはそれ以上の厳しい結果になっている。

(3)売上高利益率
 通年ベースの売上高利益率は6.0%であり、前年の7.9%より落ちている。

(4)設備・探鉱投資
 2015年の年間の設備・探鉱投資額は311億ドルであり、これは2014年比で19.4%の減少であった。

(5)石油・ガス生産量
 昨年のExxonMobilの石油生産量は日量平均2,345千バレル(以下B/D)であり、前年(2014年)比で11.1%増であった。天然ガスは日量平均10,515百万立法フィート(以下mmcfd)であり、これは前年比5.7%減である。石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で4,097千B/Dとなり、2013年比では3.2%増である。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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