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http://mylibrary.maeda1.jp/0440OilMajor2018-1stQtr.pdf
2.2017年第1四半期以降の四半期別業績の推移
五社の売上高、利益(全体、上流部門および下流部門)、設備投資、原油・天然ガス生産量に関する2017年1-3月期以降今期までの四半期ごとの業績推移は以下の通りである。
(1) 売上高の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)
2017年第1四半期から2018年第1四半期に至る四半期ベースの売上高は原油価格の上昇を受けて各社とも増収基調にある。5社の中ではShellが718億ドル(’17 1st Qtr)→721億ドル(2nd Qtr)→758億ドル(3rd Qtr)→854億ドル(4th Qtr)→892億ドル(’18 1st Qtr)と5期連続で売り上げトップを続けており、しかも2位、3位のExxonMobil及びBPとの格差は拡大する気配がある。Shellに次ぐのがExxonMobilでありその売上高は587億ドル(’17 1st Qtr)→629億ドル(2nd Qtr)→662億ドル(3rd Qtr)→665億ドル(4th Qtr)→682億ドル(’18 1st Qtr)である。またBPの売上高は559億ドル(’17 1st Qtr)→565億ドル(2nd Qtr)→600億ドル(3rd Qtr)→678億ドル(4th Qtr)→682億ドル(’18 1st Qtr)であり、最近の2四半期は両者の売上はほぼ同額である。
この間の四半期平均原油価格(1バレル当たり)の推移をShellの決算資料で見ると48.36ドル(’17 1st Qtr)→45.62ドル(2nd Qtr)→47.06ドル(3rd Qtr)→55.28ドル(4th Qtr)→60.66ドル(’18 1st Qtr)であり、昨年第2四半期以降、原油価格は33%上昇している。
(2)利益の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)
過去1年間の四半期ごとの利益水準は各社によって異なるものの、いずれも欠損を出すことなく、昨年第2四半期以降は増益傾向にある。
5社の中ではExxonMobilは40億ドル(’17 1st Qtr)→34億ドル(2nd Qtr)→40億ドル(3rd Qtr)→84億ドル(4th Qtr)→47億ドル(’18 1st Qtr)と毎期40億ドル前後の利益を計上、特に前期(17年第4四半期)は84億ドルと他社の2倍以上の利益を記録している。Shellは昨年第1四半期にExxonMobilに次ぐ35億ドルの利益を計上した後、第2四半期は2分の1以下の15億ドルの利益にとどまっている。しかしその後は5社の中で最も高い利益の増加率を示し今期はExxonMobilをしのぎ最高の利益を計上している。ChevronとTotalの昨年第1四半期の利益はそれぞれ27億ドル及び28億ドルであり、その後も大きな浮き沈みはなく安定した利益を計上している。5社の中で利益水準が最も低いのはBPであり、5期のうちの2期は利益がほぼゼロに近く、今期ようやく20億ドルを超える利益を確保した。
(3)売上高利益率の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)
1年前の昨年第一四半期の五社の利益率はChevronが8%と最も高く、次いでTotal6.9%、ExxonMobil6.8%であった。Shellは4.9%、BPは最も低い2.6%にとどまっている。昨年第2四半期は5社すべての利益率は低下した。5%を超えたのはExxonMobil及びTotalの2社にとどまり、BPの利益率は0.3%であった。続く第3四半期には利益率が回復したが、第4四半期には各社の明暗が分かれ、ExxonMobilは12.6%という高い利益率を示したのに対しTotalは2.2%、BPは0%の利益率にとどまった。今期はExxonMobil以外の4社の利益率が向上、Chevronは5社で最高の9.6%の利益率を達成した。これに対してExxonMobilの利益率はShellの6.6%をわずかに上回る6.8%にとどまった。
(続く)
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