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(目次)
第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(8)
175 「アラブの春」の訪れ(4/4)
チュニジアの政変は同国の国花に因んでジャスミン革命と名付けられたが、革命の火は瞬く間にエジプト、リビア、スーダンなど北アフリカ諸国に燃え広がり、さらにシリア、ヨルダンはおろかGCCの王制国家バハレーンにも及んだ。エジプトの首都カイロのタハリール(革命)広場ではツィッターの呼びかけに応じて集まった大規模なデモ隊と国軍が衝突し多数の死傷者が出た。デモを鎮めようとしたムバラク大統領の演説がむしろ火に油を注ぐ結果となり、ついにムバラク大統領は辞任した(2011年2月)。
西欧のメディアは一連の現象を「アラブの春」と名付けた。アラブの春は独裁政権の圧政下で鳴りを潜めていた中東各国の反政府活動家たちを奮い立たせ、イエメンでもサーレハ大統領が激しい反政府デモに晒され、最後には身内の部族や側近にも見放されて退陣に追い込まれた。反政府デモの指導者であった女性活動家がその年のノーベル平和賞を受賞したほどの高まり方であった。
(続く)
荒葉 一也
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