(世界ランクシリーズ その8 2024年版)
(急激に悪化するイスラエル、米国に並ぶイラン!)
3.日米中露と中東主要国の世界ランクの推移(2020年~2024年)
2020年から2024年までの平和指数世界ランクの推移を見ると、アイスランドは5年間を通じてトップを維持している。2020年の日米中露と中東主要国のランクは日本が9位、カタール27位、UAE41位であったが、その他の国々はいずれも世界100位以下であった。
日本はその後10位前後を維持したが2024年は17位に悪化している。米国の世界順位の推移は121位(20年)→122位(21年)→129位(22年) →131位(23年) →132位(24年)と近年は順位が下がる傾向が見られる。一方中国は104位(20年) →100位(21年) →89位(22年) →80位(23年) →88位(24年)と昨年まで4年連続して順位が上昇し、米国との格差を広げてきた。しかし今年は88位と若干下がっている。
中東諸国の中ではカタールが27位(20年)→29位(21年)→23位(22年) →21位(23年) →29位(24年)と世界20位台を続け、中東諸国の中では飛び抜けて高いランクを維持している。カタールに続くUAEは2020年の41位から2023年には75位に3年連続して急落し、今年は53位に上昇して再びカタールに接近している。カタールは2022年のワールドカップ開催のため治安の維持、平和イメージの向上に多大な努力を払ったことがうかがわれる。
イランとイスラエルは共に140位前後であるが、毎年順位が逆転するほど競り合っている。即ち2020年はイラン141位に対しイスラエルは145位であったが、その後の両国の順位は、イランが141位(21年)→141位(22年) →147位(23年) →133位(24年)であり、一方イスラエルは143位(21年)→134位(22年) →143位(23年) →155位(24年)とイスラエルの振幅が激しい。イスラエルは昨年10月のガザ空爆に始まり、現在はレバノン南部でヒズボラ勢力と戦闘中である。さらに今後イランを巻き込む大規模な紛争に発展する可能性も否定できず、イスラエルとイランの平和指数は共に悪化の一途をたどりそうである。
(完)
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