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映画スタッフ別10傑(19)ゴードン・ウィリス

2021-06-23 00:10:00 | コラム
~ゴードン・ウィリスのキャリア10傑~

『グッドフェローズ』(90)こそマフィア映画の頂点に位置する作品だと信じて疑わないが、
『ゴッドファーザー』のシリーズ(72~90)が映画史、社会に与えた影響はとんでもないものだった、、、というのは分かる。

異議なし!

北野武がいう「ドラッグがギンギン状態」であるかのようなコッポラの演出も神がかっていたし、キャスト陣、ニーノ・ロータの音楽も完璧。

そしてもちろん、光と影を強調したゴードン・ウィリスのカメラも。

享年82歳、とくに70年代に活躍し、コッポラやウディ・アレンの名作を担当。

とくに「そこ」に注目していなくとも、触れた途端に「あぁ映像が素晴らしいな」と思わせてくれるテクニシャンだった。





(1)『ゴッドファーザー』(72)

室内で展開される「死の話し合い」や暗殺シーンにおける「暗さ」を基調とした映像に慣れると、かえって光が眩いこういうショットのほうに感心するようになっていく。



(2)『ゴッドファーザー PART II』(74)

過去と現在が入り組んだ複雑な構成だが、「いつ・どこ」なのかがすぐに分かるのは、映像のおかげだと思う。



(3)『カメレオンマン』(83)

ウディ・アレンが野心満々で撮った疑似ドキュメンタリー。
性格だけでなく顔や体型まで変化する特異体質の男の物語を「少しでも」リアルに見せるため、ニュースフィルムのような映像を採用している。


(4)『コールガール』(71)

ジェーン・フォンダ主演の渋いサスペンス。
邦題のイメージとまるでちがうので、ヘンな期待はせずに臨みましょう。


(5)『アニー・ホール』(77)

スコセッシの描くニューヨークは闇が深いが、アレンの描くニューヨークはひたすら洒落ている。

それはつまり、前回登場したチャップマンとウィリスのちがい、、、ともいえるのだよね。




(6)『ゴッドファーザー PART III』(90)

今回、対比として登場する「光」は少なめ。
ギリシャ悲劇を念頭に置いているので、「闇」に支配されている。



(7)『大統領の陰謀』(76)

過小評価されまくりな監督、アラン・J・パクラによる社会派映画。

ある識者は『十二人の怒れる男』(54)を観て「米国の良心が、まだ信じられた時代の作品」と評したが、自分はこれを観るとそれを思います。


(8)『推定無罪』(90)

ハリソン・フォード主演のサスペンス、この映画で「推定無罪」という業界用語を知ったひとも多いことでしょう。

グレタ・スカッキが、とてつもなく色っぽい。


(9)『ペーパーチェイス』(73)

エリート学生たちの「勉学」をテーマにしたたいへん真面目な映画で、いま観るひとが少ないのはちょっともったいないレベル。


(10)『カイロの紫のバラ』(85)

アレンが映画を愛するものすべてに送った、素敵なファンタジー。

映像も、少し甘め。

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明日のコラムは・・・

『14日連続計画か、あるいは28日か―。』
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