Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

神軍平等兵、吠える。

2012-08-17 00:15:00 | コラム
こんな感じのヤツ? だが、建造物としての靖国神社が好きで、年に3度くらい足を運ぶ―という習慣が、もう10年とちょっとくらい続いている。

1度は「みたままつり」の期間中、

1度はデートコースの一部として、

そして、8.15の終戦記念日にも。


今年の8.15も、もちろん行ってきた。

思想信条のちがい、あるいはイメージから「え、そういうところに顔、出すの?」なんて聞かれることもあるけれど、
繰り返すが、「まず」建造物として好きなのでね。

だから初めて行くひとには、なにもない日に「散歩の感覚でどうぞ」と勧めている。
8.15の靖国は騒々しく、この日を「初めて」にしてしまうと、なんらかのアレルギーを起こすかもしれないから。

とくに小泉首相時代は「喧騒」こそが最も適切な表現だったと思う、首相に対するブーイングと拍手、メディア、ちょっとした押し問答に、軍服集団の参拝、、、などなど。

ふつうの靖国が好きなのであれば、オメーもふつうの日に行けばいいだろ?

いやさすがに、この日だけは無視出来ない。

なにも考えないよりかは、なにかを考えるほうがいいわけで。
この日に足を運ぶだけで、じつに様々なことを思い、考えるようになる―という風に感じたのが12年くらい前で、その日からずっと、8.15は仕事があろうがなかろうが、デートがあろうがなかろうが、とりあえず靖国に向かおう、、、そう決めたのだ。


戦争と、映画。

胸のすく戦争アクションもいいが、
靖国から戻った晩は、戦争を哲学する表現者たちの熱き魂に触れたい。

そんなわけで。
映画小僧が選出する、「観るものの覚悟を迫る」戦争映画のセレクションを。


(1)『ゆきゆきて、神軍』(87)

戦争犯罪を「たったひとりで」追究する神軍平等兵、奥崎謙三を追った傑作ドキュメンタリー。

ドキュメンタリーとしても突出していて、30回は観た。

(2)『靖国 YASUKUNI』(2007)

上映中止やら抗議活動のニュースにより、観ていないひとまで「これは駄作」やら、逆に「傑作!」やらといい出した、ある意味で不遇なドキュメンタリー。

観る価値は「おおいに」あると思うのだが、注文をつけていいとするならば・・・
「喧騒」ばかりがクローズアップされており、「日常としての靖国」を、もっと映し出してほしかった。

(3)『ジョニーは戦場へ行った』(71)

反戦映画の金字塔。
反骨の作家ドルトン・トランボの原作小説を、トランボ自身が執念により映画化。

静かなモノローグが、胸に痛い。

(4)『地獄の黙示録』(79)

戦場の狂気を描き出そうとして、映画そのものが狂気と化した怪物のような作品。

これ観て感情を動かされないひとは、もう人間終わってると思う。

(5)『アンダーグラウンド』(95)

自虐と絶望と、ヤケクソと・・・ユーゴ内戦中に制作された、クストリッツァによる怒りの戦争史。

(6)『TOMORROW 明日』(88)

「全身小説家」井上光晴の原作小説を、黒木和雄が「静謐に」映像化。
長崎に原爆が落とされるまでの24時間を描いている。

(7)『ノー・マンズ・ランド』(2001)

ボスニア紛争を描く小規模・低予算の作品だが、映画化のためにフランス・イタリア・ベルギー・イギリス・スロベニアの五カ国が制作に参加している。

タイトルの意味は、ボスニアとセルビアの中間地帯を指している。

(8)『ディア・ハンター』(78…トップ画像)

散り散りになる、青春。

ロシアン・ルーレットを強制されるエピソードばかりが注目されたが、個人的にはマイケル(デ・ニーロ)とリンダ(メリル・ストリープ)のエピソードが切なくて忘れられない。

リンダは帰ってこないニック(クリストファー・ウォーケン)のことが忘れられず、マイケルに「慰めあいましょう」といって、ベッドに誘うのである。

(9)『黒い雨』(89)

井伏鱒二の記録小説を、イマヘイが映画化。

モノクロームの効果もあって、墨のような黒い雨が不気味で戦慄する。

(10)『フルメタル・ジャケット』(87)

戦争と洗脳と人間を冷笑的に見つめた、キューブリックの快作。



※奥崎の「伝説的な」政見放送。
ナレーションによる経歴紹介も唖然とするが、奥崎の第一声には「ひっくり返った」。




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コメント (3)
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