Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん男優列伝(164)倉田保昭

2012-08-22 00:15:00 | コラム
46年3月20日生まれ・現在66歳。
茨城出身。

公式サイト


70年代後半から80年代の真ん中ごろというのは、ある意味では、ここ強調しておきます「ある意味では」ハリウッド映画よりも香港映画が強く、この時代に青春期を過ごした映画ファンにとっては、倉田保昭(くらた・やすあき)さんは、超のつく有名人でしょう。

浅野くんや謙さん、凛子ちゃんで驚いてちゃいけない、
(一瞬ではあるものの)ブルース・リーと共演し、成龍ジャッキーと死闘を繰り広げ、チョウ・ユンファやジェット・リーと談笑出来るほど顔の広いアクション俳優が居たのだよと。
いやいや過去形にしては失礼でしょう、66歳というのは驚きですが、いまも現役のアクション俳優なのです。


※この身体能力の高さ!
ふたりの対決にここまで時間を割くのだから、扱いはスター的であったのだと。





ちなみに香港映画の斜陽を中国への返還と絡めて論じる向きが多いですが、
否定はしないけれど、原因はそれだけだった、、、というわけでもありません。

アメリカン・ニューシネマにより、表現の新しい可能性を発見したハリウッド。
実力のある映画監督たちが沢山出現しましたが、興行面においては決して成功しているとはいえない状況でした。

そのとき日本で支持を集めていたのが、香港映画だった―というわけ。

当時の香港映画の一大特徴は、銃が登場することはあるけれど、最大の武器は「生身の身体」だった、ということ。
しかし80年代に入り、シュワ氏やスライといったマッチョ系アクション俳優による大作が世界を席巻、
さらにスピルバーグ印のビッグバジェットが次々に公開され、香港映画はしだいに勢いを失っていったのでした・・・。

2000年代に入って復調の傾向にはありますが、「まだまだ、こんなもんじゃないでしょ?」と思っている香港映画ファン、けっこう存在するでしょうね。

<経歴>

自ら創設した倉田プロモーションの代表でもあり、また、全日本双節棍道連盟最高顧問や創武館道場代表も務める。

幼少のころ空手に出会い、暇さえあれば練習に励むというストイックな生活が続く。
空手だけでなく、高校時代は柔道を学び現在は三段、さらに合気道は二段の腕前を持つ。

日大芸術学部の演劇学科を卒業後、東映演技研修所の第一期生となる。
その身体能力が注目され、67年の『続・組織暴力』で映画俳優デビューを果たす。

71年の『悪客』より、香港映画界に進出。
基本的には悪役が多く、『武道大連合 復讐のドラゴン』(72)、『麒麟掌』(72)、『用心棒ドラゴン』(73)、『帰ってきたドラゴン』(73)、『女ドラゴン 血闘の館』(73)などなど、タイトルだけで観ないひとは観ないであろう特殊? 映画で強烈な印象を残していく・・・と記した自分も、『女ドラゴン』は未見であったりします。

このころ日本でも香港映画に注目する若者が増え、知名度も徐々に上昇。
以後、日本⇔香港を行き来する独特なキャリアを築いていくようになります。

千葉真一と共演した『直撃! 地獄拳』(74)、志穂美悦子が格好いい『女必殺拳危機一髪』(74)、
その翌年の75年、テレビドラマ『Gメン’75』(TBS)にレギュラー出演を果たし、
76年には『武闘拳! 猛虎激殺』でついに主演を飾り、絶頂期に。

(ゲスト的な扱いが多くなるものの)80年代に入っても好調は続き・・・
イマヘイとの組み合わせが意外な『ええじゃないか』(81)、『悪漢探偵2』(83)、『七福星』(85)、『セブンス・カース』(86)、『植村直己物語』(86)、『ぼくらの七日間戦争』(88)などで健在振りを披露。

前述したように、90年代は香港映画の斜陽時代。
活躍の場を日本に移し、ケイン・コスギと共演した『ザ・格闘王』(94)、『スッコケ三人組 怪盗X物語』(98)などに出演しますが、基本的には後進を育てる存在として活躍。

しかし21世紀に入ると、10年前より元気な感じ? でスクリーンに完全復帰、
『マスター・オブ・サンダー 決戦!!封魔龍虎伝』(2006)のような快作、成龍が新境地を開く『新宿インシデント』(2009)などで熱演、
最新作は『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』(2010)で、「まだキレッキレだよ俺の身体は!」と気持ちのいい主張を展開しています。

愚直に過ぎて、大好きです、こういうひと。

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明日のコラムは・・・

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コメント (2)
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