マックンのメモ日記

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中国の15年GDP、知っておくべき5つのこと!

2016-01-26 15:09:24 | 経済・金融・投資
中国国家統計局が19日発表した2015年通年の国内総生産(GDP)は前年比6.9%増と、14年の同7.3%増から減速しました。15年10-12月期のGDPは前年同期比6.8%増となり、7-9月期の6.9%増から減速しています。成長鈍化の継続が世界2位の経済大国をさらにむしばんでいる様子が確認された格好です。

 中国のGDPについて知っておくべき5つのポイントを挙げます。

1. 25年ぶりの低成長

 中国にとって、2015年通年の成長率6.9%は1990年以来の低い伸びです。ついこの間の2010年まで謳歌(おうか)してきた2ケタ成長から経済が急速に後退したことになります。

2. 第4四半期は予想以上の悪化

 2015年の成長ペース鈍化はおおむね予想されていたことで、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が15人のエコノミストを対象に行った予想調査の中央値と一致しました。一方、10-12月期のGDP伸び率6.8%は予想中央値6.9%をわずかに下回った。つまり、10-12月期にはエコノミストの予想より成長モメンタム(勢い)がやや緩やかになったことを意味しています。

3. 中国は「目標達成」と主張できる

 今回の結果は、ある意味で中国が年間成長目標に到達し損ねたことを意味します。中国政府は2015年の成長目標を「7%前後」に定めていました。このあいまいな言い回しのおかげで、政府は目標を達成したと言うことができるのです。これは中国で政治的に重要な声明です。中国は2014年にも7.5%成長という目標を達成きませんでした。同年の成長率は7.4%で、後に7.3%に下方修正されたからです。

4. 景気刺激策はおおむね失敗

 株式市場は崩壊し、人民元への売り圧力に収まる気配はなく、債務水準が急激に上昇する中、成長ペースを引き上げる取り組みがもたついています。モメンタムの低下だけでなく、中国政府の経済運営や世界市場への下押し圧力をめぐる懸念が高まっています。

5. 中国経済は世界成長のカギ

 現在、中国経済は世界経済成長の3分の1を占めています。経済規模は6年前の2倍近くに膨らみました。国際通貨基金(IMF)は2015年の世界成長見通しを3.1%に引き下げましたが、その主な理由は中国経済が巨大だからです。(ソースWSJ)

中国の原油需要、サウジとイランが争奪戦!

2016-01-25 16:02:09 | 経済・金融・投資
中国の習近平国家主席の中東歴訪が始まりました。19日にリヤドに到着した同主席は、サウジとイランの間の原油販売競争の真っ只中に身を置くことになります。原油輸出は中東地域経済の中核です。

 中国はサウジとイランからの原油の最大の輸入国です。サウジとイラン両国はシリアやイエメンでの紛争などで対立してきました。サウジがイスラム教シーア派指導者ニムル師を最近処刑したことをきっかけに、テヘランではサウジ大使館が襲撃され、サウジはイランとの外交関係を断絶しました。

 核開発プログラムをめぐる西側のイラン制裁解除を受けて、イランは原油輸出を日量50万バレル増やす準備をしています。イラン当局者は、このうち大半を中国に向けることを狙っていると述べました。中国は制裁が実施された過去3年間、イラン産原油を購入し続けていました。ただしその量は減少していました。

 イランのザマニニア石油副大臣は先週末、国営メディアに対し、「中国は制裁期間中、イランにとって最大の購入者だった」とし、「イランの優先課題は市場シェアを取り戻すことだ」と語りました。

イランはまた、制裁中に欧州で失った市場シェアを取り戻すための動きも19日開始し、欧州大陸の大半向けの原油価格を引き下げました。サウジが今月同様の措置をとったのに続く動きです。

 習主席の中東訪問は、中国と同地域との関係発展が背景にありますが、折しも中国の石油需要の減少の兆しが世界的な石油価格戦争をエスカレートさせる雲行きです。サウジ訪問の後、同主席は20日夜にエジプト入りし、2日間滞在した後、イランに向かう予定。

 サウジとイランが直接的な戦争状態に突入すると見る人はほとんどいません。しかし中国は両国が最近の激しい言葉の応酬を抑えるよう強く求めています。2015年1-11月の中国総輸入量の4分の1近くを占めたのが両国だったのです。

 野村ホールディングスのアジア太平洋地域石油・ガス調査ヘッド、ゴードン・クワン氏は、習主席は地域的な地政学的安定にコミットするとの誓約をサウジとイランから取り付けたい考えだと述べました。中国はこの地域に大きく依存しているだけに、供給が混乱すれば中国経済にとって破滅的になりかねないといいます。

クワン氏は「中国は、中東における緊張、とりわけサウジとイランとの間の緊張がエスカレートし続けないとの再確認を求めている」と述べました。

 中国経済が一層鈍化すれば、サウジとイラン両国間で経済競争が生じる恐れがある、と石油市場関係者は言います。中国は依然として世界の需要拡大のエンジン役ですが、調査会社バーンスタイン・リサーチは今週、今年の中国の総石油需要が約3%増、つまり日量30万バレル増にとどまり、昨年の約5%増から鈍化すると予測しました。

 サウジは長年、中国からの安定した需要を享受していましたが、中国の石油輸入は現在、ロシアやイラク、そしてその他生産国からの方がはるかに急速なペースになっています。石油価格の下落はサウジ経済を動揺させており、サウジ政府はガソリンやその他エネルギー製品向けの国内補助金を圧縮せざるを得なくなったのです。また米国との長年の同盟関係は、米国主導のイラン制裁解除合意によって試されています。

 サウジのサルマン国王は、2014年3月に皇太子として中国を訪問しており、19日午後には習主席のリヤド到着を先頭に立って歓迎しました。サウジは中国企業との協力による石油精製所建設を通じて中国との関係強化に努めてきました。サウジ国営石油会社アラムコは、中国石油天然気集団(CNPC)との間で日量26万バレルの石油精製所を雲南省に建設する話し合いを長年してきました。アラムコはまた、CNPCの精製所に出資し、リテール資産を取得することも話し合っています。

 一方、イランもまた、中国との関係を構築してきています。イラン石油輸出連盟の役員ハミド・ホセイニ氏によると、イランは制裁期間中、自国のタンカーが能力を超えたのを受けて、余剰となった液化天然ガス(LNG)の一部を中国の大連港で貯蔵していました。

 西側メジャー(大手石油資本)が2010年にイランから撤退して以降、中国の石油会社はイランで操業し続ける唯一の外国プレーヤーの一角だったのです。イランの石油当局者によれば、中国石油化工集団(シノペック)はイラン石油省が増産開始を直接指示した油田オペレーターの一つだといいます。(ソースWSJ)

シャープ争奪戦を左右するアップルの存在感!

2016-01-24 16:32:11 | 経済・金融・投資
シャープの争奪戦は、アップルの存在抜きには語れそうにありません。アップルの主要サプライヤーである台湾の電子機器受託製造(EMS)大手の鴻海(ホンハイ)精密工業は大胆にもシャープとそのディスプレー技術の買収を提案しました。しかし、その条件は実のところ見た目ほど良くはありません。しかも、シャープの支援者たちには官民ファンドの産業革新機構による対抗案を支持する政治的および経済的理由があります。どちらの案にとっても、今後のアップルとの取引が大きな鍵を握ります。

 鴻海は総額6250億円の買収額を提示しましたが、これを全額、普通株の取得に充てるわけではありません。事情に詳しい関係者によると、約2250億円はシャープが昨年発行した優先株の取得に回すといいます。

これは、シャープの大口債権者である、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の取り込みを狙ったものとみられます。2行は昨年7月、シャープ救済策の一環として2000億円の債務と優先株を交換しました。残りの250億円分の優先株は、救済に参加した企業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズが保有しています。

 これらの投資家は、保有する優先株を早期に売却できるチャンスを歓迎するかもしれないのですが、歓迎しない可能性もあります。2行が保有する優先株の年間配当利回りは2.5%と実勢銀行間金利を上回り、日本の超低金利下ではばかにできません。みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行はシャープの普通株も5%前後保有しています。しかし、両行には他にもよく考えなければならないことがあります。

 「日本株式会社」の多くだけでなく、日本の政府関係者も代替案の方を好んでいるようです。彼らは、条件は劣るかもしれませんが、産業革新機構がシャープを引き受けることを望んでいます。最終的に、産業革新機構がシャープのディスプレー製造事業を同業のジャパンディスプレイと統合することになりそうえす。

 ジャパンディスプレイは2012年に産業革新機構が日立製作所、東芝、ソニーのディスプレー事業を統合して設立しました。シャープのディスプレー製造事業が加われば、真の国内最大手となります。

 しかしこれは、海外企業の鴻海から重要な業界を守ることを目的とした保護主義的、縁故資本主義的行為としてあっさり片付けられる可能性があります。しかし今回の場合、防御態勢を固めようとする「日本株式会社」の動きは理解できます。

スマートフォン用・タブレット用ディスプレーの受注獲得競争はし烈で、アップルを中心とする大手デバイスメーカーはできるだけ価格を抑えるために、容赦なくサプライヤー同士を競い合わせています。シャープとジャパンディスプレイは、わずかな受注をめぐり韓国や台湾の競合企業と常に戦っているのです。こうした状況では、事業を統合して価格交渉力を高めることは理にかなっているのです。

 別の青写真は、アップル製品を製造している鴻海との垂直統合です。鴻海は、アップルなどの顧客との一括取引の一環として、製造する携帯電話に自社製ディスプレーを組み込むことができますが、このビジネスモデルは試されたことがないため、実際にどのような経済的利益をもたらすかは不明です。鴻海が現金をちらつかせることができても、シャープの将来はチームジャパンが決めることになるでしょう。(ソースWSJ)

黒田総裁、追加緩和の賭けに出るか!

2016-01-23 11:22:23 | 経済・金融・投資
日本銀行の黒田東彦総裁は、デフレ対策にあらゆる手を尽くすと繰り返し表明している。金融政策決定会合が迫る中、総裁にまだその決意があるかどうかに注目が集まっています。

 インフレ喚起と景気回復に向けた黒田総裁の3年に及ぶ取り組みが試練に直面しています。世界市場の混乱で円相場が急伸する一方、日経平均株価は20日に弱気相場入りました。日本経済は足踏み状態で、エネルギー価格を含む物価上昇率はゼロ近辺にとどまっています。

 こうした全体の状況を受け、早ければ28日・29日の金融政策決定会合で日銀が追加緩和に踏み切るとの期待が高まっています。明治安田生命のチーフエコノミスト、小玉祐一氏は、追加緩和しない場合「日銀の金融政策のクレディビリティー(信頼性)は低下する」と指摘しました。また、「マーケットは、日銀は動きたくとも動けない、もしくは(質的・量的金融緩和は)限界だと受け止める可能性が高い」と述べています。

 安倍晋三首相の側近は匿名を条件にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、日銀は来週追加緩和すべきだとの見方を示したうえ、「追加緩和の条件を満たしている」と述べました。この側近は、追加緩和を見送れば、日銀の信頼性に疑問符が付き、期待に働きかけるという「アベノミクスの基本フレームワークが、壊れはしないが、毀損してしまう」として警戒感も示しました。

 日銀は2013年4月に導入した質的・量的金融緩和の下、年間約80兆円の資産買い入れを実施しています。その目的は円相場を下落させ、2%の物価安定目標を達成し、長きにわたるデフレとの闘いで決定的勝利を収めることにあります。緩和を受けて円はドルに対して30%下落し、企業利益は過去最高レベルへ押し上げられました。また、日経平均株価は年初こそ下落していますが、2015年末は19年ぶりの高値水準で取引を終えていました。

 黒田総裁は、原油価格の下落が低インフレの原因であり、物価の基調はエネルギー価格を除くとしっかりしているとして、日銀の政策は所期の効果を発揮していると主張しています。懐疑的な見方の高まりに直面した黒田総裁はここ数週、「さらに大胆な措置を取る用意がある」、「できることは何でもやる」と発言するなど、語調を強めています。

 黒田総裁にとって信頼性は極めて重要な問題です。総裁の言う「デフレマインド」の払拭(ふっしょく)は、国民が総裁にはインフレを喚起する力も決意もあると信じるかどうかで成否が決まります。

 黒田総裁の政策姿勢に対する投資家の疑念は、昨年秋以降に高まりを見せています。日銀は10月、物価見通しを引き下げると共に、2%の物価目標の達成時期を2017年初めへとさらに先送りしましたが、追加緩和には踏み切りませんでした。当時は7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率換算で0.8%減となり、日本経済は2年間で2度目のリセッション(景気後退)に陥ったかに思われましたが、後の改定値で0.3%増に上方修正されました。

 日銀は12月、量的・質的金融緩和を「補完」するための一連の措置を決定しましたが、規模の小ささや手詰まり感、そして、その寄せ集め的な内容に投資家やエコノミストは当惑しました。日銀の金融緩和は限界に達したとみる向きは多く、資産買い入れを大幅に拡大した場合、市場は混乱に陥るのではないか、また、これ以上の効果があるのだろうかとの疑問が浮上しています。

 オリエンタル・エコノミスト・アラート誌編集長のリチャード・カッツ氏は、日銀はジレンマに直面していると指摘しています。政策姿勢を疑問視する見方がある一方、追加緩和すれば、政策が効果を上げていないというメッセージを送ることになるからです。エコノミストらによれば、追加緩和を見送ることで予想される最悪の結果は円高です。円高が進めば、企業の利益は圧迫され、アベノミクスの重要な要素である賃上げにただでさえ慎重な企業幹部の説得は難しくなります。

 明治安田生命の小玉氏は、日銀が市場に好印象を与えるためには、年間の資産買い入れ目標を少なくとも20兆円引き上げ100兆円とする必要があると述べましたが、前回の引き上げは2014年10月で、買い入れを30兆円増額しています。

 黒田総裁にとってのリスクは、追加緩和で投資家は一時的に満足するものの、国民や企業の間にはさほど楽観が広がらないことです。日銀の追加緩和にほとんどあるいは全く効果がなかった場合、投資家は万策尽きたと結論づけ、黒田総裁に対しては、中国経済の急減速といったさらなる衝撃が発生した場合に対処できるとの信頼が損なわれる恐れがあります。

 JPモルガン証券のチーフエコノミスト、菅野雅明氏は「日銀にとっては、これが最後の緩和だという印象を与えないことが極めて重要だ」と述べています。(ソースWSJ)

今の相場下落、08年の再現にならず!

2016-01-22 10:57:11 | 経済・金融・投資
年初から世界各地に飛び火した金融市場の激しい急落が15日、一段と拡大しました。まだ終わりは近づいてはいません。あまりの惨状を受け、2008年の世界金融危機が再現するとの懸念が浮上しています。

 しかし、少なくとも米国に関する限り、当時といまでは決定的な違いがあります。相場はまだ下げが続く可能性はありますが、米国はいまの方がうまく乗り越えられる立場にあるようです。08年当時は、一つの相場下落が全面的な金融危機に変わりましたが、今回はそれを避けることができそうです。

 確かに、為替相場の下げは特に急で激しかったです。ダウ工業株30種平均は15日に390.97ポイント下げ、年初来8.25%安となっています。他ではもっと悪い事態になっています。中国株は年初来18%下がり、1バレル=30ドルを割り込んだ原油は今年の下落率が20%、15年の高値から52%下げています。

 金融危機を経験してきた人々にとって、こうした下げ幅や多数の市場に波及する状況は警戒感を呼ぶ事態です。08年の危機当初、1998年のロシア債務危機や01年のハイテクバブル崩壊と似た事態だとする人々があまりにも多かったのですが、そうした見方は全くの誤りでした。

 今回も同様な事態になる可能性は低いのです。08年にかけて危機感が深まった大きな原因は、金融システムに蓄積された債務の量を把握していなかったことにあります。そのために損失の痛みが増幅され、債券市場の機能不全につながり、銀行のバランスシートに大きな穴を開けたのです。

 米経済と金融システムは、当時とは大きく異なる状況にあります。特に米国内の債務比率は、政府を除けばそれほど高くありません。

 住宅ローン債権(モーゲージ)危機の震源地だった家計について言うと、連邦準備制度理事会(FRB)の資料によれば、07年末時点で家計の債務水準は所得の130%に相当しました。昨年7-9月期には、この水準が103%まで低下しているのです。さらに、超低金利のおかげで、家計が金融債務返済に充てる所得の割合は、07年の18.1%に対し現在は15.3%になっています。

 米国の銀行も同様に、金融危機当時よりも損失吸収力は増しています。FRBが31の金融機関を対象に実施した最新の年次「ストレステスト(健全性審査)」によると、自己資本の基本的項目を構成する普通株式等は09年初めに4590億ドルだったのですが14年末には1兆1000億ドルとなりました。投融資額にリスク度をかけて算出したリスクアセットに対する損失吸収力の尺度である普通株式等の比率は、14年末時点で12.5%と、09年1-3月期の5.5%の2倍以上になっています。

 確かに債務が心配な面もあります。米政府の債務は、07年終盤には国内総生産(GDP)比63%だったが、15年7-9月期には同101%となりました。欧州連合(EU)や日本、中国など世界の大国や地域においても同様のことが言えます。

 中国は不確実な要素です。同国は経済を活性化するために膨大な金額を借り入れ、これが工場から高級マンションにいたるあらゆるものの深刻な過剰につながっています。この借金乱用の解消が、今回市場が混乱した一因です。

 中国経済がハードランディングすると、世界中に影響し、米国にも影響が及ぶ可能性があります。ただ、どのように影響するかはまだ分かりません。米国にとってもっと重要な問題はおそらく、ストレスに誘発された海外経済の弱まりがどのように波及するかでしょう。輸入物価の下落で、FRBが既に低すぎるとみなしているインフレはさらに冷え込むでしょう。

 さらに、金融市場を沈静化する一環としてFRBは98年に0.75%利下げしたが、当時と異なり現在は利下げ余地がほとんどありません。景気を刺激するためにFRBは、また非従来型の政策に手をつける必要があるでしょう。しかし、そうした政策は以前ほど効果がないでしょう。

 もう一つの懸念材料は、米国外で発行されたドル建て社債など、国外非金融機関に対して供与されたドル建ての信用額です。国際決済銀行(BIS)によると、その額は07年末には5兆3000億ドルだったのが、昨年半ばに9兆8000億ドルに達しました。ドル高や需要の弱まり、商品(コモディティー)などの価格下落が相まって、こうした債務の返済が難しくなっています。だが重要な点は、この米国外における融資の増加は、国外銀行と債券投資家が主導したものだったということです。この面での金融上のストレスは大きいのですが、米国を中心としたものではありません。

 また、現在市場で火の手を上げている原油価格急落などは、大半が当然のことだという点が重要です。市場は以前にも商品相場の崩壊を経験しています。こうした事態はいずれ供給の破壊につながり、その結果として市場は均衡に向かい価格は安定します。

 08年と09年は対照的に、最大の問題のひとつは投資家が何が起きているかを理解していなかったことにあります。崩れているのはどのような産物なのか、それらと金融機関の相関性はどうなのかが分かっていなかったのです。

 いまのところ、今回の嵐には世の中を激変させるほどの力はないようです。08年以降、投資家の多くは金融市場で何かあるたびに、新たなブラックスワン(予期せぬ衝撃的な出来事)を懸念してきました。投資家はホワイトスワン(予想外に良い出来事)もあることを覚えておくべきです。(ソースWSJ)