マックンのメモ日記

気になったニュースや関心事などをピックアップ。
今チワワのプッチという犬を飼っています。
可愛いですよ。

北朝鮮の水爆実験、危険な新段階に-威力に疑問も!

2016-01-08 21:11:02 | その他
北朝鮮の水素爆弾(水爆)実験は、もし確認されればですが、同国の核開発プログラムにとって画期的な出来事になり、過去に実験してきた原爆以上に強力な兵器を生み出す可能性があります。

 しかし疑問は残ります。北朝鮮が6日に正確には何を実験したのか、その重要性はどの程度かという疑問です。北朝鮮北東部にある既知の実験場に近い地下で行われた今回の爆発実験の威力は、2013年に実験した爆発装置の威力とほぼ同じだったもようで、水爆よりも弱かったと考えられています。

 水爆(専門的には「熱核兵器」として知られる)は通常、小さな一次的原子爆発を利用し、はるかに大規模な二次的爆発を引き起こします。第1段階、つまり一時的原子爆発は、核分裂(原子を分裂させる)に基づいており、第2段階は核融合(原子を結合する)に基づいています。後者では原子が融合する際により大きなエネルギーを放出するのです。破壊力を増すために追加的な段階を加えることも可能です。

 その結果、水爆は、核分裂だけを基にした単一段階の爆発を使った初期の核兵器よりもはるかに強力になります。初期核兵器は「純粋分裂」装置として知られ、北朝鮮による過去3回の核実験で使われたと考えられています。北朝鮮はこの過去3回の実験は原子爆弾だったと述べています。

 米国の手で初めて製造され、戦争で唯一使用された原爆(1945年に日本を標的に投下された)はすべて「純粋分裂」型でした。冷戦時代に、この種の核兵器の威力は急速に増したのです。

米国は1952年、太平洋上のエネウェタク環礁で最初の水爆実験(アイビー・マイクと呼ばれた)を行いました。ソ連は翌53年、シベリアで試験的な爆発実験を行って米国の後を追いました。英国は1957年に太平洋中部のマルデン島に水爆を投下し、「水爆クラブ」に加わりました。中国は1967年にロプノール実験場で最初の水爆を破裂させました。フランスはその1年後、南太平洋で同じく水爆実験を行ったのです。

 核専門家によれば、国連安保理常任理事国5カ国(米国、英国、フランス、ロシア、中国)によって今日配備されている核兵器は、大半が熱核兵器と考えられています。

 1998年、インドは一連の核実験を実施しましたが、そのうちの一つは水爆だった可能性があります。しかし専門家の中には、それは水爆とみなせるほど威力が十分ではなかったとの見方もあります。

 北朝鮮の今回の実験でも同じような疑問が取りざたされています。今回の実験では地震の揺れが観測されており、米地質調査所(USGS)はマグニチュード5.1と推定しています。

 中国外務省とつながりを持つシンクタンクである中国国際問題研究院(CIIS)の北朝鮮専門家、楊季雨氏は「相反するシグナルが存在している」と述べ、「北朝鮮は水爆だと言ったが、そうだとすれば爆発ははるかに大きくなっていたはずで、理論的には爆発はもっと大きく、地震の震動ももっと大きくなるべきだった。本当にミステリーだ」と語っています。それでも同氏は、北朝鮮はしばらく水爆を開発していたとの見方を示し、「それが誇張であったにしてもそうでなかったにしても、北朝鮮の声明は水爆開発の方向に進んでいることを示唆している」と語っています。

 外国の多くの専門家は、昨年12月に北朝鮮の最高指導者・金正恩氏が水爆を開発したと発言したことに懐疑的でした。一部の専門家は、北朝鮮は「ブースト型核分裂爆弾(これまで実験してきた核分裂爆弾の強力バージョン)」を準備しているのではないかと指摘していました。

 北朝鮮は、6日の実験の威力がどれほどだったかをまだ発表していません。核爆発の「威力」は、爆発性のトリニトロトルエン(TNT)のトン数で表現するのが通常です。北朝鮮の2006年の最初の核実験は、推定1キロトン未満で、マグニチュード4.1の揺れを観測しました。09年の第2回実験は推定2-6キロトンで、マグニチュードは4.7でした。13年の第3回実験は、約7キロトンで、マグニチュード5.1だったといいます。

 ちなみに、米国が1945年8月に広島に投下した原爆の爆発力は約15キロトン。同じく米国の第1回水爆実験は1万0400キロトン(10.4メガトン)でした。これまでで最大の水爆実験は、ソ連が1961年に実施した「ツァーリ・ボンバ(爆弾の皇帝)」でした。威力は50メガトンだったと推定されています。(ソースWSJ)