工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

中止、延期・・・

2020年03月18日 | 日記
 前回までのブログの続きとして、バンパイア練習機の話を書く予定でしたが、コロナウイルス関連で世の中の状況も大きく変化しております。日記という側面もあるブログですので、この時代を生きている人間の「現場証言」として書き留めておきたいという気持ちもあり、今回はテーマを変えました。ご容赦ください。
 本来なら先週末にF1の今シーズンがオーストラリアGPで開幕、となるところでしたが、中止となりました。マクラーレンチームのスタッフにコロナウイルスの陽性反応があり、同チームはオーストラリアGPからの撤退を発表、その後レースそのものを開催するか否かが各チームも交えて話し合われ、中止の発表があったのはグランプリの週末が始まる金曜日の朝ということで、ギリギリの決断だったようです。現地に行かれている方の報告をSNS等を通じて読む限りでは本当にギリギリまで分からなかったようで、手持無沙汰な週末を過ごして帰国された方もいたようです。F1は第2戦目以降も「延期」とアナウンスされ、5月の欧州ラウンドでの開幕を目指していますが欧州が国境を閉鎖する「非常事態」ですので、開催できるかは不透明です。そもそも年間22戦の過密日程の中、延期となったレースを他の日程で開催というのも難しいところでしょう。
 日本でもスポーツに関しては無観客試合、あるいはシーズン開幕の延期といった状況です。プロ野球も開幕が延期されています。今年は二リーグ制70年で球団創設70年のイベントを予定しているチームもありますので、気が気ではないところでしょう。早く世の中が落ち着いて私も球場で夜風に吹かれながらビールを飲んで応援したいものです。
 さて、このブログが模型をテーマにしている以上書かなくてはならないのですが、3月21日、22日に予定されていた池袋鉄道模型芸術祭も中止になりました。こちらも開催に向けて努力が続けられてきたのですが、1週間前に中止が発表されています。会場が東京芸術劇場ということで、東京都から都民利用施設の休止、利用の制限が呼びかけられていたことから、中止の報を聞いたときには「ああ、やっぱり」という感がありましたが、残念な気持ちには変わりありません。もちろん、準備を進めてこられた方々が一番残念でしょう。今年は夏の国際鉄道模型コンベンションがオリンピック、パラリンピックの開催(こちらも現在ではさまざまな情報や発言が飛び交っていますが)もあって1年お休みして令和3年に開催予定とアナウンスされています。このため、今年に関してはさまざまな縮尺、ジャンルで活躍されているレベルの高いモデラーの展示を都心で見ることができないわけで、来年以降にお預けとなってしまいました。
 新型コロナウイルスに関しては、最初に感染者が確認された中国、それからヨーロッパで感染者が爆発的に発生したイタリア(特に北イタリア)とも個人的には縁があります。イタリア・ヴェネツィアには長く付き合いのある友人(というより親戚の叔父さんという感じですが)がおり、つい先日電話で無事を確認したところでしたが、ヴェネツィアは昨年11月の記録的な高潮と今回のコロナウイルスのダブルパンチで、電話をした際に「ゴンドラには誰も乗っていない、店も閉まっているし観光客が誰もいない」と嘆いていました。高潮についても今までなら水が入ってこないようなところで大きな浸水があったようで、後片付けが大変だった、と私の友人も話していました。現地には私よりだいぶ年上の知人やお世話になった方が多く、みんなが無事であることを祈っています。
 中国についても私自身が若いころ中国語を学び、仕事で現地にも行ったことがありますので、当然現地でお世話になった方もいます。イタリア、中国ともそれぞれの国のお国柄といいますか、メンタリティーも多少理解していますので、いろいろ思うところはあるのですが、ここで語るべきことではないでしょう。
 現時点では各国が国境封鎖という、21世紀の移動の自由があった世界からまるで城壁に囲まれた中世のような状況に置かれています。疫病がここまで人々の生活を制限したことも経験がなく、経済にも既に影響が出ています。お金だけでなく、人も、モノも動かなくなっているわけですから当然です。このブログも乗り物をネタにしていますので書きますと、航空、鉄道といった運輸業に既に影響が出ているようです。欧州では一部の航空会社が政府に支援を求めているというニュースを聞いていますし、日本国内も人の移動が盛んにならなければ鉄道も含めて死活問題になってくるように思います。この問題が短期的に収束したとしても、経済にとっては一時的に大きなマイナスになりますので、当然これから数年は税収も落ち込み、公共部門も余裕のある予算配分ができず、公的資金に頼っている事業者にとってはさらに厳しくなるでしょう。そして、経済が停滞すればF1も自動車メーカーの撤退など、影響で出るのではないかと心配しています。
 文字通り景気の悪い話ばかり書いてしまいました。私自身は歴史への興味が子供の頃からあるものですから、昔の人はこういう未知の疫病への恐れから寺院を建てて安寧を願ったり、安全な場所へ避難して物語を語り合う、といった文学作品が生まれたんだろうなと思っているのですが、現代に生きる我々は自宅で仕事をされる方も、お客様あっての商売(私もその一人)に従事し、テレワークができない人も、正しい知識と情報で疫病から身を守ることとしましょう。そして、いずれ歴史の一コマとして語られる日のために、なぜこういった疫病が発生し、拡大したのか、なぜマスクをはじめとした品物がなくなり(マスクは1月末に既に品薄だったわけですから)、誰が買っていったのかなど、科学的に検証されることを願っています。
 今回は堅苦しいことばかり書いてしまいました。せっかく外出する機会も奪われていますので、理屈ばかりこねないで、仕掛中の模型の工作に戻りましょう。
 
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