工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

野球が盛り上がっているので・・・

2023年03月22日 | 工作雑記帳
 WBC盛り上がりましたね。日本代表のみなさま、おめでとうございます。決勝戦も緊張感あふれる試合でしたし、21日のメキシコ戦は劇的な試合でした。WBCは2006年、2017年に東京ドームで日本戦を観ており(2017年はキューバ対豪州戦も観ました)、2006年にしても2009年にしても、優勝まで山をいくつも越える感じだったことを思い出しました。特に2006年の代表は、第一回ということもあって全員が挑戦者という立場だったせいか、選手たちが隣町に遠征した中学生のような感じでプレーしていたこと思い出します。「強豪国」である日本には、メディアの過度な期待もあったかと思います。チームのプレッシャーも相当あったのではと思います。サッカーの強豪国も、きっとこういうプレッシャーとも戦っているのでしょう。
今回大会はテレビ観戦ではありますが、3月13日(日)などはグループリーグも大詰めということで朝から晩まで工作しながら4試合も(!)観戦しました。Jスポーツの中継でイニング終了後にかかる「なにがなんでも、なにがなんでもさあー♪」のメロディが頭から離れていません(汗)。
 WBCに絡めて野球に因んだ模型を探してみました。写真多めになりますが、なにとぞご容赦ください。
 まず有名どころ、というわけではないのですが1/87の人形でおなじみ、プライザーから野球選手が出ています。ただし、選手を11人入れたサッカーのセットとは違い、投手と打者1人ずつが単体で出ている限りです。




あか抜けない赤と青、しかもチーム名の無いユニフォームで、おまけに動きという点でもあと二コマ先の動きが見たかった感があります。プレイモービルの時も書きましたが、野球が「お家芸」ではない国だと、我々ほど思い入れも強くないのかもしれません。サッカーの場合、前述のプライザーだけでなく、メルテンに至っては審判やコーナーフラッグの入ったセットもありました。
 近いスケールではこんなものが出ていました。シーザーミニチュアというメーカーの1/72「スポーツマンセット」です。

箱は共通ですが野球、サッカー、バスケの3種類が出ていました。箱絵の野球のユニフォーム、権利関係とか大丈夫でしょうか。ア・リーグ東地区のあのチームとあのチームに見えます。
内容は軟質プラの人形が8種類のポーズで20体あまり入っています。そのうち4種類を塗ってみました。軟質プラという特性上、プライマーを先に塗り、一日おいてプラカラーで着色しました。なお、いずれもユニフォームのデザインは架空のものです。


チームの打の中心でしょうか。引き付けてスイングの動作に入るところです。
投手です。


捕手からのサインを見て、投球モーションに入る前です。
そして左足を上げて・・・



守備の名手もいます。内野手がゴロに追いつこうとしています。


足元にピントが行ってしまいましたが、外野に抜けるゴロを捕ろうとしています。

そして大きな当たりは・・・


外野手がナイスキャッチでした。モールドからしてこの外野手のユニフォームは袖なしタイプのようです。袖なしタイプは日本でも思い出したようにサードユニフォームとして採用しているチームがあります。

未塗装のままですが、

バッテリー二人です。ピッチャーは本格右腕という感じですね。


左はホームランを放ったのか、悠然とベースランニングしているように見えます。隣の打者はまるでゴルフのスイングですね。高く打球が上がったようです。
このフィギュア、発売からかなり経っており、私もこの四体を塗ったのは数年前でしたが、レビューした方も見かけないのでご紹介しました。塗装をしていないと昔の野球盤についていた各ポジションに立たせる人形みたいですね。一箱あったところでチームが揃うわけでもないので、単体で何かのシーンを再現するとか、今はなきチーム、昔あったデザインのユニフォームを立体で再現したい、という使い方もありそうです(日拓ホームフライヤーズとか、トンボユニオンズなんかもできますよ)。さすがにニューヨークや幕張の某チームのようにピンストライプを再現するのは難しいですし、背番号に合わせた数字の書体を探してくるのも苦労しそうですが。

Nゲージではどうでしょうか。トミーテックからはちゃんとチームになるようにザ・人間のシリーズで野球も出ています。

色違いも出ていますので、レイアウトのグラウンドで試合ができそうです。白を基調にしていて、チーム名もないので、中学や高校の野球部の練習みたいですね。

さらに空き地の頂上決戦がこちら。ウッドランドシーニックスの少年野球です。


ウッドランドの人形は生活感が出ているものや、どこか温かみがあったりするものをみかけますが、こちらの少年たちもまさにそんな感じです。レイアウトの空いたスペースに緑のパウダーを撒いて牛を置いてというのは昔よくみかけましたが、10センチ四方でもNゲージサイズなら15m四方になります。まさに空き地の野球のレベルではないでしょうか。

 WBCの話に戻りますが、第一回、第二回の頃はアメリカの関心もさまざまだったように記憶しています。2009年に海外で知り合ったアメリカ人家族はボストンの出身ということで、その家の子供がレッドソックスファンとのことでした。WBCでMVPを獲るも、シーズンでは不調だった松坂大輔の話になり「日本の野球界はWBCをとても重要に考えている」と説明しましたが、なかなか分かってもらえないようでした。もっとも、松坂がいかに凄い選手か、ということは私もよく分かっていますので「マツザカはハイスクールの時から誰もが注目していたし、プロのデビュー登板をスタジアムで見たけど(これは本当)、あれは新人とは思えなかった」とちょっと自慢も交えつつ、野球談議になりました。
 今回の大会ではグループリーグでヨーロッパ勢もいい試合をしていましたし、初出場のチェコ代表も話題を提供していました。イタリア系アメリカ人を中心にチームを組んだイタリア代表と日本が準々決勝を戦いましたが、イタリアびいきのmarcoさんはどちらを応援するのですかと聞かれ「そりゃあジャポーネだよ。大谷。ダルビッシュばかりが注目されるけど、佐々木、今永、山本のノーヒッター投手が(以下略)」と熱く語ってしまうわけです。今回はスタジアムで観戦とはなりませんでしたが、国によってもスタジアムの空気は違うようで、中継で見た台湾のスタジアムはとても賑やかで、ちょっと台湾のスタジアムも覗いてみたくなりました。
 さて、長くなりましたが今日はここまで。日本代表の勝利と素晴らしい試合をした各国のチームを称えて、乾杯しましょう。













 

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第8回鉄道模型芸術祭に行ってきました

2023年03月18日 | 鉄道・鉄道模型
 この季節恒例の「鉄道模型芸術祭」が東京芸術劇場で開催され、私も行ってきました(19日まで)。初日の今日はあいにくの雨でしたが、それでも多くの方来場されていました。
 地下1階、無料ゾーンから。J-Track Societyのモジュールには小さなお友達もたくさん来ていましたが、大きなお友達が喜ぶ車輌が走っていました。

池袋ということで「地元」西武の車輌もいますね。

ラビューの手前には懐かしい「レオコンテナ」ですね。


1980年代前半に、カトーのコキ10000に西武ライオンズのマークを入れた製品が西武百貨店で発売されており、完全にオリジナルだったE851もリリースされていました(写真のE851は後年発売された方ですが)。

有料展示も見ていきましょう。「新百合ヶ丘鉄道模型クラブ」の展示から

日本の古い風景を中心に展示がされていました。線路配置はシンプルでしたが、風景や建築物の作りこみが秀逸。

「上州モントレーライン」より、秘境駅として名高い湯檜曾(ゆびそ)のイメージです。


「小さな架空鉄道風景」より。港町のレイアウト、いいですねえ。小さなフェリーが何ともいい感じです。




「麦レ~ル」は京葉臨海鉄道のイメージで。こちらも線路配置はシンプルですが、よく作りこまれています。


「NGP 北峰電鉄」は走行音や自動運転をテーマとしていましたが、シーナリーも丁寧に作っています。


おなじみ「これがレイアウト」。日本の古き田園風景にみえますが・・・

妖怪たちの百鬼夜行といった趣。池のハスの上には、コロナ禍ですっかり有名になったアマビエが見えます。


アメリカの漁港の風景。人形たちも一人一人物語があって楽しいです。




ご紹介しきれませんでしたが、これ以外にも多くのモデラーが車輌、レイアウトと参加されています。鉄道以外のモデラーの方にも、得られるものはありますので、お時間がある方はぜひ。

18日の東京芸術劇場はこんな公演が開催されていたようです。

右側の方は私のブログではおなじみですが、私は見に行くことが難しかったので、ポスターだけのご紹介です。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハセガワ1/72 鐘馗を作って

2023年03月16日 | 飛行機・飛行機の模型
 随分前に亡くなった私の父から「鐘馗作らないのか?」と聞かれたことが何度かありました。旧日本軍機については作ったものは海軍機が多く、陸軍機と言えば飛燕か97式戦闘機、100式司偵くらいでした。鐘馗については軍歌などでも歌われていたこともあったそうなので、父にとってもなじみがあったのでしょう。以来、鐘馗のことはすっかり忘れ、軍用機だけでなく、いろいろなジャンルの模型に道草ばかりしていたある日、模型屋さんの棚の鐘馗の箱が目に飛び込んできました。父があれだけ言っていた機種だし、何かの折に作ってみるか、ということで購入し、例によって棚の肥やしとなっておりました。昨年はほとんど飛行機を作っておらず、リハビリも兼ねて手軽に作れる1/72の大戦機でも、ということで引っ張り出してみました、というわけです。

 このキット、初版が1973(昭和48)年だそうですから、50年の歴史があります。すごいですね。70年代のハセガワ1/72の大戦機は、零戦のシリーズを除くと繊細な凹線のスジボリが入っています。
 組み立てもそれほど難しくなく進みました。主翼と胴体の接合がやや角度を出しにくい感がありましたが、接着時にきちんと固定すればよいかと思います。コクピットは昔懐かしい「バスタブ」でパイロットを座らせると「湯加減いかがです?」な感じです。しかし、鐘馗の場合操縦席の開口部が小さく、また風防も小さいですから、パイロットを乗せてしまえば気にならなくなります。ちなみに立ち姿のパイロットも入っていて、これは「飛燕」と同じです。

(座り姿のパイロット。お腹にピンホールがあるので埋めました)
 現行の「定番商品」となっている鐘馗については、中国大陸の機体と、軽加工で飛行第47戦隊「震天制空隊」の機体が再現できるマーキングが入っています。飛行第47戦隊は成増(現在の光が丘)の飛行場に展開していた時期があり、キットの「震天制空隊」もまさにその頃の機体です。この「震天制空隊」ですが、空対空の特攻を行うことを目的としていました。空襲でやってきたB29に接近して体当たりを敢行、パイロットは脱出するなどして生還することも考慮していたところが、海軍の特攻との違いではありますが、当然命を危険にさらすことには変わりません。実際に生還したパイロットもいましたが、B29も体当たりくらいでは撃墜されなかった機体もあったようです。
 私自身「成増」の飛行場の名前を聞き、心を動かされた一人ではありました。大戦末期に有名な244戦隊(飛燕)は調布に展開していましたが、成増の方が私の今の寓居からも近く、その昔あの空の上で奮闘していた多くの方たちのことも想いながら、47戦隊の機体にしたわけです。


 銀塗装は以前も紹介した「荒野のコトブキ飛行隊カラー」のパーカッションジュラルミンという、輝きの強い銀色です。少々輝きが強すぎたのでデカールを貼った後で半艶消しのクリヤーでオーバーコートしました。このあたりは個人の好みではありますが、日本陸軍機の銀色は鈍い輝きの方が似合うように思います。
 47戦隊では特攻用ではなく通常の仕様の機体もありましたので、特徴ある尾翼のマークと共に再現してみたく、かなり昔にリリースされていた「震天制空隊」仕様のキットも入手しまして、尾翼の赤いマークだけ拝借して、特定のパイロット、番号等ではない機体を仕上げてみました。
 この部隊の機体にこだわったのは「世界の傑作機 スペシャルエディション」として、飛行第47戦隊の写真史が発売されており、さまざまな塗装の機体を確認できたから、というのもあります。

 こちらはMr.カラー159番、スーパーシルバーにしました。Mr.カラーの銀色はさまざまな色味のものが発売されていて、スーパーシルバーは後発の銀色系の色の中では歴史があるほうですが、あまりぎらつきもないので使ってみました。こちらは動翼部を同じく128番灰緑色と少量の銀を混ぜたもので塗っています。動翼部の色が明らかに違う機体は当時の写真でも確認できるものがあるのですが、あまり暗い色にも見えず、明るめの128番を選びました。コクピット後ろの防眩塗装の黒色ですが、胴体の白帯に一部またがっているものも見受けられます。考証にこだわりたいという方は気をつけてください。動翼部などにファレホのライトグレー系の色で墨入れをしています。


人形とプレートというあの時代のハセガワのキットを象徴するパーツも入っています。

 鐘馗については基礎知識もあまりない中で作りはじめましたが、戦後の米軍の評価でも「インターセプターとしては好適」と好意的だったようです。改めて実機のことが勉強できるというのも、模型工作の良いところではあります。
 「鐘馗作れよ」と言っていた父の命日に合わせるように、鐘馗が完成しました。1/72の大戦機ということで手軽に作れますが、銀塗装ということもあり、下地の傷などが目立ってしまったり、いろいろ反省点がございます。拙い作例ではありますが、ご覧いただきありがとうございます。1/72の日本機、他にも仕掛中のものがあり、こちらも近日完成予定です。


 
 
 



 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

徳永克彦さんの個展に出かけてきました

2023年03月10日 | 飛行機・飛行機の模型
 新宿にありますニコンプラザ東京で開催の、航空カメラマン徳永克彦さんの個展「蒼空に魅了されて」を観てきました(3月13日まで。日曜は休館)。
 徳永さんと言いますと航空機趣味の読者には今さら説明の要はありませんが、航空機を対象としたカメラマン、特に航空機に同乗した空撮でおなじみであり、1980年代から第一線で活躍され、航空雑誌を中心に美しい写真が掲載されていますので、ご覧になった方も多いかと思います。
 会場ではたいへん大きく引き伸ばされたさまざまな航空機の写真が展示されています。そのほとんどが空撮であり、迫力ある軍用機はともかく、民間機も徳永カメラマンの手にかかると魅力が引き出されるというか、美しい仕上がりの写真ばかりでした。個人的にはマンハッタンをバックに飛行するDC-3や、ヴェネツィアのラグーナ(潟)を眼下に飛行するシティジェットのスホーイ・スーパージェット100が印象に残っています。
 迫力の写真、と書きましたが、自然をバックにしているものも多く、写真の前で片目をつぶり、写真を良くみると背景等に一層奥行きが見られる感じがしまして、いくつかの写真の前で試してみました。この観察方法、モデルアート誌で主に活躍された故・黒須吉人さんが「プラモロジー8G」という書籍で推奨されていたものです(小さな筒を作ってそれを通して見る、という見方だったのですが)。
 カメラを持っていても、空撮という行為は簡単にできるものではありませんので、普通の人ができないことを長年やられているということに改めて敬意を表しつつ、これからもたくさんの美しい写真を見られるよう願っております。


こちらは1980年代に出版された世界のアクロチームをまとめた本(ローリング イン ザ スカイ 講談社)。徳永さんが撮影をしています。

まだブルーエンジェルスはスカイホークでしたし、ブルーインパルスもT-2でした。「メジャーどころ」のチームよりもスウェーデンやオーストリアのアクロバットチームが、日本よりさらに難しい環境の中で飛んでいることを知り、共感を覚えたのもこの本によります。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現代アートとプラモデル!?

2023年03月09日 | 日記
ワタリウム美術館で開催の「寄生するプラモデル 加藤泉」展を観てきました(3/12まで)。加藤さんは絵画、彫刻(木彫)で活躍されているアーティストですが、コロナ禍で展覧会が延期になる中、スタジオでプラモデルを作っていたそうです。そのうちに昔の昆虫や動物などのプラモデルを作るようになり、作品に使えそうだ、ということで本人制作の木彫につけたりといったことから、自身のアートに「寄生する」作品が誕生し、この展覧会に至ったようです。さらには自身のアイデアを具現化すべく、石をプラモデル化して、自身で昔の洋物キット風の箱絵やポスターなども作って「作品」としています。
 昔のキットを組んだ、ということでしたがマルサンやレンウォールなどの人体、動物の骨格、内臓などが透明パーツで透視できるキットも惜しげもなく組んでいます。いや、プラモデルですから組んでこそなのですが、マルサンの「忠実なる犬」とか馬や牛、昆虫と言ったキットは写真では見たことがありますが実物は初めて観ました。切手ならば昔の「見返り美人」や「月に雁」を定形外の封筒に貼っているような、そんな感じがしました。継ぎ目やパーティングラインもあえて残すどころか強調しているものもあって、組んだものをジオラマっぽくしたり、自身の作品と組み合わせたりということで、こういう形でプラモデルが「アート」になるのも面白いなあと思って観ておりました。古いキットだと継ぎ目を消したりするのは結構大変なので、あえてそれを活かす、というのは見せ方としてはありかなとも思いました。
 会場内には作者が手掛けたキットの箱が壁一面に並べられている部屋もあり、それこそ初めて実物を見たヴィンテージキットの箱から東欧の初めて見かけるキット、さらには「これ作ったことあるな」とか「沿線在住ベテランモデラー氏からいただいたけど作っていないポーランドのキットの箱」もありまして、それぞれの箱絵が語りかけてくるようでした。豊かさの象徴みたいな昔のアメリカのキットから、単色刷りの東欧のキットまで、なかなか並べて見るという機会がないので興味深かったです。
 そのあともう一つの作品展に出向いたのですが、それはまた次回に。


 
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする