工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

大きなお友達だって新幹線は好き

2019年02月11日 | 鉄道・鉄道模型
 国際鉄道模型コンベンションなどのイベントで、迷子の案内放送で「ドクターイエローのTシャツを着た男の子が・・・」というのを聞くたびに「今日はドクターイエローのTシャツの男の子はたくさんいるからなあ」とつい思ってしまうくらい「しんかんせん」は小さなお友達には人気のキャラクターですね。
 marcoさんは新幹線は好きではないのですか?このブログも在来線の話が多いですね、と思う方もいるでしょう。速く移動できる手段としての新幹線は魅力ですし、決して嫌い、ということはありません。私の子供の頃は0系しかいませんでしたので、趣味の対象にはなりえなかったというのはありますが、いくつかの形式は模型でも持っています。その中でもJR西日本の500系だけは、特別な形式です。
 車体構造、デザインも含め「速く走るためだけに生まれてきた」というところが好きで、白とブルーだった東海道・山陽新幹線のそれまでの配色とも違うグレーを基調とした塗装も魅力でした。JR西日本はそれまでも高速化に関しては研究を重ねていましたので、それが500系で結実したと言えるでしょう。車体デザインは先頭車のノーズが長く、円形断面ということでそれまでの日本の車輛にはないものでしたが、ドイツのデザイナーの手によるものということで、確かにヨーロッパの高速列車とも張り合えるスタイルをしています。イタリアに住んでいる私の友人(イタリア人)に500系の写真が入ったカードを贈ったところ、その後も気に入って現地を再訪した際にも飾っていましたので、海外の方にも受け入れられるデザインなのでしょうか。
 車体断面が丸いことで窓側の居住性が悪いといった評価もありましたが、私はそれほど不便は感じておりませんでした。東京から新大阪くらいだったら問題はありませんでしたし、一度だけ東京から博多まで乗ったことがありましたが、その時も快適な旅行でした。もっとも、このときは営業列車で当時世界最速と謳われた時速300㎞をマークする山陽新幹線の区間に乗りたかった、という目的もあったのですが・・・。いずれにしても飛行機などは席幅もシートピッチも狭く、窮屈な旅を強いられることがありますからね。
 ということで、鈴鹿にF1を見に行く際も、岐阜に路面電車の写真を撮りに行った時も、奈良の唐招提寺で鑑真和上像の特別公開を見に行った時も、途中までは500系の「のぞみ号」をあえて選んで乗っておりました。この列車に乗りたい、この車輛に乗りたい、というのはファン心理の最たるものであり、当然のことながら模型も持っており、新発売と同時に当時行きつけだった西荻窪の模型店に買いに走ったものです。
 その500系ですが、JR東海の700系とは定員、扉の位置などの差異が原因で運用面では共通化が図れなかったこと、コスト面などもあって増備が進まなかったことから主流にはなりえず、現在では「のぞみ」の運用からは外れ、西日本管内で「こだま」の運用に就いていることは皆様もご存知でしょう。キャラクターのラッピングがされた編成もあって、東京に乗り入れていた頃とはだいぶ趣も異なっています。
 500系の数奇な運命を見ていると、理由は違えど東海道のスターでありながら全盛期は短かったC53をなぜか思い出してしまいます(もちろん、私はC53の現役時代は知りませんが)。C53は高速・優等列車を牽引するために生まれたような機関車でしたが、国産機としては唯一の3シリンダ機だったことによる保守の難しさや、軸重の重さゆえに入線できる線区が限られていたことなどが活躍の期間が短かった一因とも言われています。日本の機関車から少し離れたスタイルをしているところも含めて特別な形式ではあるのですが、特別な存在、だからこそファンは惹かれるのでしょうね。
 小さなお友達ならぬ大きなお友達は、新幹線のTシャツというわけにはいきませんが、500系やC53のタイクリップをつけて、仕事に出かけております。


本稿は2月14日に一部加筆いたしました。

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長く使える道具

2019年02月07日 | 工作雑記帳
こんにちは。
このところ本業多忙で、ブログの更新も滞っておりました。
 相変わらずあれやこれやと工作に手を出してはおりますが、中途半端になっております。せっかくいい天気も続いていて、寒いですが空気も乾燥していますので、塗装にはいい季節(もちろん火気厳禁)ですが、ちょうど塗装するような大物もなく、鉄道模型の完成品に色差しをしたり、年末から仕掛中だった飛行機の模型の細部塗装をしています。
 さて、皆様の工作台には、いろいろな道具、工具があると思います。私たちモデラーというのは物持ちが良いというか、なかなか捨てられない、というところがあり、私もその一人なのですが、一番長く使っている道具、工具は何だろう?という話です。
 塗料や筆、紙やすり、接着剤といった消耗品は除いて、自分の工作台や道具箱に長期間いて、しかも使用頻度が高いもの、となりますと私の場合は15センチのステンレスの定規です。皆様の工作台にも必ずあるのではないでしょうか。
 おそらく、中学生の頃に買ったと思いますので、かれこれ30年以上でしょうか。不器用な私の工作のお伴として、切る、測るといった場面では欠かせない存在です。
 X-ACTOのレザーソウや円のテンプレートなども同じくらい古くからあるのですが、使用頻度では定規にかなわないところです。
手元が狂って刀傷ならぬカッターの傷もついているところがありますが、今も第一線で働いています。

 私が買ったものは写真下のように光が反射しやすいタイプでしたが、写真上のようにつや消し処理されたものが最近では一般的で、目盛が見やすくなっています。ということで私は2本持っていて、状況に応じて使い分けています。
 本ブログの一回目で、さまざまな工具やら、私のお気に入りやらを並べて写真に収めておりますが、一番貢献度の高い定規だけ入れておらず、今日はブログのテーマとして取り上げた次第です。決して高い値段ではありませんし、使い慣れるとなかなか手放せないわけで、そういう道具というのは本当に信頼できるものです。きっと皆さまの道具箱にもそんな道具・工具がいくつかあることでしょう。
 我々モデラーというのは平行とか垂直、といったことがとても気になってしまう人種ですので、まっすぐとか、直角をきちんと出すことは基本なわけですが、私のような不器用な人間にはそこがまた大変だったりもします。
 私などはプラ板をまっすぐ切るのだって怪しいのですが、そんなときはあるベテランモデラーがふと漏らした「適度な剛性のある定規で、新鮮な刃を使い、刃の角度を一定に」という言葉を思い出して、今日もプラ板やプラ材を切り出しております。
 ちなみに大きなサイズのプラ板を切り出すときは、30センチのステンレス定規を使っています。こちらは道具箱ではなく、我が家では文房具の扱いを受けております。

PM建設の作業員たちが何か作るのか定規を持ち出しているようです。15センチというとこの人形二人分の長さです。

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