工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

梅雨の晴れ間に東京駅へ

2024年07月01日 | 鉄道・鉄道模型

 毎日梅雨らしい天気と言いますか、東京ではしとしと降りというよりももっと強く降られてしまうこともあり、少々憂鬱な日々になっています。金曜の夜もこんな気持ちを吹き飛ばすべく、というわけではありませんが、セルジオ・メンデスとブラジル'66を聴いておりました。こういうときには「CONSTANT RAIN」でしょう、とばかりに、結局ウォークマンで「WAVE」や「LOOK OF LOVE」など、20代で完成度の高い楽曲を世に送り出したセルメンってすごいなあ、と感心して何曲も楽しんでいるうちにすっかり夜も更け・・・。翌土曜日は良く晴れましたが、豚児を連れ出して 東京駅に行きました。

 豚児が最近児童館で東京駅の本を借りてきてすっかり気に入ったようで、ならば本物の東京駅を見に行こう、となりました。

考えてみると、東京駅をわざわざカメラに収めたことってなかなかありません。

せっかくなので反対側の「KITTE 丸の内」ビルの屋上庭園にも上がってみました。

赤レンガ駅舎越しに在来線、新幹線が見えます。

豚児は大喜びです。手前には山手線や京浜東北線、さらには常磐線も来ますし、奥には写真のように東北新幹線、東海道新幹線が見えます。よく行くホビーセンターカトーで見ている光景の実物が見られるわけですから、大人も興奮します。

ここから駅に戻ります。

せっかくなので新幹線駅のホームに上がってみよう、となりまして、入場券を購入してJR東日本側の新幹線ホームに行きました。

幸運なことに今や少数派のE2系が入ってきました。

これから回送されるところでした。柵などが映っていまして失礼。黄色い線ギリギリまで下がって撮ったものなのでご容赦ください。

好きな形式ですのでこうやって出会えてよかったです。

「はやぶさ」と「こまち」の連結風景を見たり。お客さんの邪魔にならないようにホーム上で楽しませていただきました。

お土産というほどではありませんが、せっかくなので駅弁を買って帰りました。

豚児のは北陸新幹線E7系を模したお弁当です。

中身はこうなっていました。

私は発売から60年という「チキン弁当」にしました(写真がなくて失礼)。ケチャップライスと鶏のから揚げが入ったシンプルなお弁当ですが、年々マイナーチェンジをしていて、ライスにドライトマトのようなものが乗っていたり、唐揚げがおいしくなっていたり、久々に楽しみました。

   


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カトー マイトラムクラシックがやってきた

2024年06月25日 | 鉄道・鉄道模型
 ご無沙汰しておりました。本業が忙しく、また模型の方もあれこれ手を出しているうちにパソコンの前になかなか座れず、ということで6月が過ぎてしまいました。
 
 さて、カトーがNゲージで「マイトラムクラシック」という2軸単車のフリーランスの市電を発売しています。クラシカルな2軸市電は広島の「ハノーヴァー電車」がリリースされて久しいわけですが、こちらはバリエーションが4種類ありまして、それぞれ赤/白、青/白、黄/白、緑/白の2トーン塗装で、特定のモデルを持たない自由型となります。冬に赤白塗装が、そして先日青白塗装が我が家にやってきました。
 ちょうど欧州型の建物をいくつか組んだりしていたものですから、トミーテックのワイドトラムレールの上に電車を乗せ、背景に建物を置いて写真を撮ってみました。

建物はファーラー製ですが、壁はファレホで再塗装し、欧州の建物でよく見かける雨戸をプラ材で表現するなど、それなりに手を加えています。
赤白塗り分けの車輌、ウィーンあたりの電車を思わせます。あの赤白塗装はウィーンの街に似合っていたし、このような古くて小さな市電が保存されていると聞きました。

左側はジオコレの教会です。屋根を塗りなおしています。


青白塗り分けの車輌も来ました。路面電車のだいご味、平面交差ですね。青白塗装はその昔ミュンヘンを訪れた際にこの塗り分けの路面電車をたくさん見かけました。鉄道コレクションの海外路面電車シリーズでミュンヘンの車輌もありましたね。バイエルン州の旗が青と白の二色ですので、街のいたるところでこの色を見かけた記憶があります。
マイトラムクラシックは2輌編成のセットですが、もちろん単行で運転もできます。

後ろの映画館「さらば友よ」に「狼の挽歌」ですか。なかなかマニアックな名画座なようです。

さて、肝心の走りの方ですが、スムースかつ静かな走行です。重心が少し高めのせいか、ふらつきもありますが、それもまた実物らしい妙味ということで悪くないものです。
セットには屋根に使う広告看板も入っています。また、ナンバー、行先、系統板などは自分で用意する必要があります。私もこれから手元の在庫を見つつ、まずはこの電車に似合いそうなナンバーを付けたいところです。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特急用客車の光と影 スハ44系客車の本

2024年06月14日 | 鉄道・鉄道模型
 ネコ・パブリッシングの「RM LIBRARY」は毎号ワンテーマを深く掘り下げて、特定の型式、路線、ときには「工場」まで紹介しているシリーズです。私もこのシリーズは実物への理解、模型の資料と重宝しているのですが、最新の287号は「スハ44系客車の履歴書」(和田 洋著)というテーマで、気になるテーマだったものですから購入いたしました。

 スハ44系は戦後の特急運転再開から少し遅れはしましたが、特急専用の座席客車として新造されました。スハ44、スハ44に車掌室をつけたスハフ43、車体の一部を荷物室にしたスハニ35がそのグループに属します。小さな窓がたくさん並んだ姿は壮観ですが、当時の3等座席車としては特異な立ち位置にありました。というのも、当時の東海道線の特急「つばめ」、「はと」に連結するためにボックス席ではなく2人掛けのクロスシートがずらりと並び、しかも固定されておりました(後に回転するように改造されましたが)。足元も少しゆったりしており、また背もたれもやや角度がついていましたので、通常の3等よりもワンランク上の「特ハ」という呼称も部内ではあったようです(飛行機のプレミアムエコノミーみたいですね)。座席の進行方向を固定していたというのは、当時の特急は機関車のすぐ後ろに荷物室を持った車輌がつき、3等車、2等車、食堂車・・・とつづき最後尾は展望車となっており、終着駅に着くと三角線を使って回送して向きを変えて上り列車でも最後尾に展望車が来るような運用をとっていたことによるものです。この特急の編成の美しさ、と言っても良いと思いますが、それを構成する車輌としてスハニ35、スハ44はマッチしていて、小さな窓が並ぶ姿がより「特別な列車」であることを際立たせていました。
 スハ44については東海道路の特急として、さらには山陽路の「かもめ」に使われ、その後は常磐線・東北本線の「はつかり」に、後には急行列車に併結されて・・・というくらいの知識でおりましたが、それだけではないさまざまな運用の記録が、豊富な編成の記録とともに紹介されていて興味深かったです。どれも模型で再現してみたいですね。
 特急専用として製造されたがゆえに、特急の電車化などで活躍の場がなくなってからの方が実にさまざまな列車に組み込まれています。また、スハニ35については初めから東北に配属されたグループもあって、ローカル列車に組み込まれて走る姿は意外でした。さらに、本書では昭和30年代に運転された団体観光列車として使用されたスハ44系についても触れており、青15号と車体裾にクリーム色の帯を巻いた塗装についても解説があります。
 スハ44は昭和40年代から東海道線の夜行急行に組み込まれており、寝台車の後ろに連なる姿はさしずめ夜行バス的な感じですが、硬くて直角の座席を持つ座席車よりは幾分快適だったことでしょう。こうした優等列車だけでなく、末期には四国でローカル運用にもついており、座席についてもボックスシート化されてしまったものがありました。最後に残ったスハフ43も昭和61年に型式消滅ということで、国鉄の最後まで見届けたような感がありますが、大井川鉄道で保存されております。知っているようで知らない話も多く、楽しみながら勉強させていただいた一冊でした。そうそう、私も「さくら」の青大将時代を作らないと。

 特急用の客車で座席車となりますと、20系寝台車のグループにはナハ20、ナロ20といった座席車もありましたし、波動用ではありますが14系座席車というのも走っていました。電車化、気動車化が進んで「客車特急」は寝台特急を除くと早いうちから珍しいものになりましたが、それゆえに模型では多少のifもあり、ということで20系の座席車で組んだ昼行特急とか、14系座席車に本来なかったグリーン車や食堂車をつけて楽しんでおります。そのあたりのお話はまたいずれ・・・。
 ともあれ、本来の「花形」運用の期間より、さまざまな列車に組み込まれることが長かった形式ではありますが、どの列車でも存在感を放っているように見えます。そこは「元」スターの矜持なのか、どんな場所でも置かれた場所で咲くことができるこの形式の特性だったのかは分かりませんが、模型でもそのさまざまな塗装とともにこの形式が入った編成で楽しみたいものです。

(茶色時代・カトーの「つばめ」セットより)


(青大将時代・カトーの「はと」セットより)



(特急「はつかり」仕様。右からスハニ35、スハフ43、スハ44。スハフにはテールマークがありました)

 
 
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

GWR パディントン号の話 つづき

2024年03月22日 | 鉄道・鉄道模型
 前々回のブログでイギリス型Nゲージの「パディントン号」が入線した話を書きました。そのパディントンですが、もともとは児童文学ですので、子供のおもちゃなどになっています。
 私が2099年にパディントン駅で買ったのがこちら。

駅の構内に「パディントン・スタンド」というグッズ売店があり、玩具や書籍が売られています。原作のイメージに近い青いダッフルコートにしました。


胸元には「このクマをよろしくお願いします」というパディントンを象徴する札がついています。

そしてこちらはだいぶ古びてしまったのですが、1980年に父が欧州を訪れた際に買ってきてくれたものでした。

パペットスタイルになっていて自立しませんので、使わなくなったお茶の缶を芯にして立たせています。
ガブリエル・デザインズという版権許諾を得たオリジナルのぬいぐるみを作っていた会社の製品というのが、例の荷札にも記されています。ウィキペディアによると、ガブリエル・デザインズの経営者の子供がBBCの人気番組、トップ・ギアで司会を務めていたジェレミー・クラークソンとあります。もともと紅茶ポットに被せる布製のカバー「ティー・コージー」を販売していたと英語版のウィキペディアには書いてありますが、それ以上の情報は分かりません。パディントンのぬいぐるみは版権を得ていないものもあったようですから、父はきちんとしたお店で買ったようです。「うちの子供が大好きでね」と英語で店員さんに話したところ、店員さんもとても喜んでいた、と聞かされました。今以上にポンドが強かった時代ですので、ちょっとした買い物だったことでしょう。しばらくは実家でテレビの横に鎮座し、今の寓居では自分が買った方のぬいぐるみと共にアクリルケースに収められていますが、細かいほこりなども入ってしまい、気の毒なことをさせてしまっています。
パディントンのぬいぐるみはこんなかわいらしいものもあります。

彼のトレードマークのトランクの中に

小さなパディントンのぬいぐるみが入っています。大きいぬいぐるみが14.99ポンド、こちらは4.99ポンドでした。
Nゲージの「パディントン」と比べてみましょう。


2009年のロンドン滞在では、他にも本を買って帰りました。帰国後、通勤時間がそれなりに長かったので読んでみましたが、自分が子供の頃喜んで読んだのはこんな世界観の作品だったのかという気分になりました。児童文学ですので中学卒業程度の(私のような乏しい)英語力でもなんとかなりますが、ときどき難しい言い回しが出てきたりしたことを覚えています。

お店の買い物袋も捨てずにとってあります。丈夫な紙袋です。

パディントン駅には銅像もあります。待ち合わせスポットのようになっていて写真が撮れず、こちらはウィキペディアから持ってきました。


パディントンの関連商品ですが、我が家には他にもケーキ皿だったり、日本で購入した英語の絵本などがあります。メトロカードのデザインにも使われていましたし、三井銀行のキャラクターだったこともあり、キャッシュカードのデザインにも使われていました。カテゴリーを鉄道としながら「玩具道楽」の方に脱線してしまいましたが、メトロカードの名前が出てきたところで、ようやく鉄道の方に戻ってきました。

ロンドンで買った原書(などと言うとおおげさですが、日本語版では「パディントンのどろぼう退治」というタイトルだそうです)とSFメトロカード。メトロカードの方は東京メトロの販売機で普通に売られていたと思います。なお、パディントン駅は地下鉄も多く乗り入れており、世界初の地下鉄路線の駅の一つにも数えられています。東洋初の地下鉄である東京の地下鉄のカードのデザインに使われたのも何かの縁でしょう。

本の栞のかわりに使っていたパディントン→ヒースローまでの列車のチケット。





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第9回 鉄道模型芸術祭に行ってきました

2024年03月19日 | 鉄道・鉄道模型
 池袋の東京芸術劇場で16日、17日は鉄道模型芸術祭が開催され、初日は豚児と、二日目は沿線在住ベテランモデラー氏と行ってきました。
 気になったものなどを写真も交えてお伝えします。
 地階の無料のエリアではおなじみJ-TRAK Societyさんの集合レイアウトが出迎えてくれます。

20系さくら号は連日走っていました。また地元の西武の電車、昨年も紹介しましたがレアな「レオコンテナ」も走っていました(奥にちらっと見えます)。そういえば16日は西武ライオンズのOB戦がありましたね。

お城の情景、インパクトあります。まだ作りこまれていく感じがします。


地方の駅ですが、駅前のタクシー乗り場も架空の事業者と思われるタクシーが見えます。また、ストラクチャー類も完成品については塗りなおしたり、なにがしか手を入れています。



雪の情景はやってみたくなります。

1階のアトリエイーストにて。「小さな架空鉄道風景」の万葉線のレイアウト

私も10年以上前、さらには高校生の頃と訪れていますが、確かに現在の万葉線のイメージにぴったりです。こんな感じなのです。


5階のギャラリー1の「陸Jokies」から。古典車輌を走らせています。塗装の解釈なども興味深く、しばし明治時代にタイムスリップです。

ロシアン・アイアンと呼ばれた青く光っていた蒸気機関車

明治の機関車はどれも小さいですね。蒸気機関車は明治末期以降に大型化した感があります。

ギャラリー2の「これがレイアウト」から。遠野軌道 春

満開の桜の下、良く見ると妖怪たちが宴を開いているというなんとも日本的な風景が展開されています。

個人的に今回驚きと心を動かされたのが、模型各誌で活躍されていた岡田徹也さんの作品を観ることができたことです。その昔の「とれいん」誌などでイラスト、模型で活躍されていた方で、今回は1980年代初頭でしょうか、同誌に発表されていた満鉄の展望車の模型、金剛山の電車の模型などをイラストと共に見ることができました。

ラストエンペラー・溥儀が乗っています。

内装などもほぼ自作ですから大変です。カーペットなどはカーペットのカタログページから切り出しているそうです。昔はそうやって、身近な材料とアイディアを駆使して作ったものです。写真には写っていませんが、急行「大陸」の展望車も展示されていました。岡田徹也さんはその昔「大陸」には幾度か乗車されているということで(!)、当時の色を忠実に再現して、残したいというお気持ちがあったようです。金色の帯は烏口(からすぐち)で再現されたということで、当時は品質の高いデカールが出回っていなかったということで、大変な作業です。

写真にはありませんが、アメリカ型のナローゲージなど、自分の「守備範囲外」に面白いものが多く、こういうイベントの楽しさだったりします。また、豚児は路面電車がお気に入りで、東急世田谷線の自動運転を飽きずに眺めていました。また「M8」様ではBトレインショーティの都電(動力等未組み込み)をいただきました。ありがとうございます。早速飾るようにして眺めたり、床を転がしたりして大事に扱っています。
夏の国際鉄道模型コンベンションとは異なり、こじんまりした展示ではありますが、その密度と情熱はますます高まっているように感じました。来年度は施設側の都合で開催されないそうですが、再びレベルの高い模型、情景に会えることを願って・・・。










  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする