私もネットの普及もあって以前ほどではないですが活字ジャンキーなところがございまして、趣味誌に関してもいろいろ購読しております。本当はもう少し早くご紹介したかったものもありますが、最近の趣味誌から気になったものをいくつか採りあげます。
鉄道模型趣味の12月号(11月発売)には、復活したTMSコンペの記事とともに、版元の機芸出版社前社長、石橋春生氏の訃報が掲載されていました。石橋春生という本名よりも赤井哲朗のペンネームでも知られた方でして、以前このブログにも書きましたが「陸蒸気からひかりまで」の文章など、後世に残る仕事をたくさんされています。心からご冥福をお祈り申し上げます。
さて、TMSコンペですが、受賞者の年齢層の高さに驚かされました。最近は目や手をアシストするデバイスも増えているので、年齢を重ねても「作る」模型を楽しめることは素晴らしいことではあります。また、海外のミニチュア作家さんの中には高齢でも素晴らしい作品(しかもフルスクラッチ)を発表されている方もいて、洋の東西を問わないのかもしれません。ただ、他の方も指摘されていますが、16番ゲージを中心とした真鍮工作というのが一定の年齢層に偏っているということの裏返しでもあり、模型工作の今後を考えさせられる感じもいたしました。
次は新創刊の季刊誌「Vintage Rails」(イカロス出版)です。夏の「国際鉄道模型コンベンション」の記事でも触れましたが、「とれいん」の松本謙一氏が関わる雑誌ということで、どんなものだろう?と思い、買ってみました。余談ですが機芸出版社の故石橋氏も、松本氏も(松本氏のキャリアの初期はは鉄道ジャーナルですが)10代の頃から雑誌作りに関わっています。この世界のトップランナーの方は10代の頃に既に「人生を始めている」ということでしょうか。
九州のDF50、日南3号のC57といったグラフ記事や、SL末期の宮崎機関区のC57に関する形態分類といった「機関車研究」の記事が目を引きます。DF50は好きな機関車で、模型もこれまで何両か買っていますが、関東に住んでいる人間にとってはなじみがなく、私にとってはあこがれの存在でした。掲載された写真を見ているうちに、模型を引っ張り出してみたくなりました。
本誌はどちらかというとSLブーム世代に向けて作られているようにも思いますが、古い写真や記事などに興味を引くものが多く、好奇心のある方なら(私のような)ブルトレ世代でも、さらにもっと若い方がご覧になっても得るものはあるかと思います。また、松本謙一氏の記事で秩父鉄道のED38について、デザインのルーツをペンシルバニア鉄道の電気機関車に求めているあたりは、長年アメリカ型と共に過ごされた氏の観察眼と知識が光るものを感じました。秩父鉄道のED38はもともと阪和電鉄の機関車で、独特なスタイルとともに人気があり、引退後の姿を私もカメラに収めていますが、屋外展示だったこともあって荒廃が進み、残念ながら解体されてしまいました。松本氏も指摘されているように、こういった保存車輛がゆめゆめ「いつまである」と油断召されるなというのは、その通りだと思いました。こうした出来事は鉄道車輛のみならず、航空機でも屋外展示機が風雨にさらされて荒廃した結果解体、という話を聞いておりますので、なんとも残念ではあります。
創刊号ということで実物も模型も、という感じで年代もジャンルもバラエティに富んだ内容でしたが、今後、方向性が定まっていくのかもしれませんね。
最後はプラモデルの雑誌から。今月発売のモデルアートの2月号です。カーモデルの塗装の技法で、思わず「へえ」となった記事がありました。エアブラシで自動車に塗装をする際に模型もエアブラシも小刻みに動かすことで塗料を「まんべんなく乗せる」とありました。鉄道模型などではエアブラシの塗装は「等距離、同じ速度で、対象物は動かさない」と教えられたものですが、ジャンルが違うとまた塗装方法も違う、ということでしょうか。
さらに秋山いさみ氏のF104Jの作例、この機種特有の銀色をMrカラーの「昔の」銀色のストックから塗った、とありました。Mrカラーの銀色については近年発色が改善され、よりメタリック感が強くなったのですが、昔の銀色もファンが多く、数年前には「プリビアスシルバー」として「復刻」されたほどです。確かに作例として塗られた昔の銀色はグラビア等で見たF104Jの銀色そのものであり、たかが銀色といっても、本当にたくさんあるものです。
昔の銀色ですが、湿度の高い日はいわゆる「カブり」やすく、取り扱いに苦労したことを思い出しました。
下地にも左右されますし、傷が残っていれば強調されてしまいますし、銀色は難しいのですが、それでも「きれいに仕上げたい」と思いながら私は今日も工作台に向かっております。
鉄道模型趣味の12月号(11月発売)には、復活したTMSコンペの記事とともに、版元の機芸出版社前社長、石橋春生氏の訃報が掲載されていました。石橋春生という本名よりも赤井哲朗のペンネームでも知られた方でして、以前このブログにも書きましたが「陸蒸気からひかりまで」の文章など、後世に残る仕事をたくさんされています。心からご冥福をお祈り申し上げます。
さて、TMSコンペですが、受賞者の年齢層の高さに驚かされました。最近は目や手をアシストするデバイスも増えているので、年齢を重ねても「作る」模型を楽しめることは素晴らしいことではあります。また、海外のミニチュア作家さんの中には高齢でも素晴らしい作品(しかもフルスクラッチ)を発表されている方もいて、洋の東西を問わないのかもしれません。ただ、他の方も指摘されていますが、16番ゲージを中心とした真鍮工作というのが一定の年齢層に偏っているということの裏返しでもあり、模型工作の今後を考えさせられる感じもいたしました。
次は新創刊の季刊誌「Vintage Rails」(イカロス出版)です。夏の「国際鉄道模型コンベンション」の記事でも触れましたが、「とれいん」の松本謙一氏が関わる雑誌ということで、どんなものだろう?と思い、買ってみました。余談ですが機芸出版社の故石橋氏も、松本氏も(松本氏のキャリアの初期はは鉄道ジャーナルですが)10代の頃から雑誌作りに関わっています。この世界のトップランナーの方は10代の頃に既に「人生を始めている」ということでしょうか。
九州のDF50、日南3号のC57といったグラフ記事や、SL末期の宮崎機関区のC57に関する形態分類といった「機関車研究」の記事が目を引きます。DF50は好きな機関車で、模型もこれまで何両か買っていますが、関東に住んでいる人間にとってはなじみがなく、私にとってはあこがれの存在でした。掲載された写真を見ているうちに、模型を引っ張り出してみたくなりました。
本誌はどちらかというとSLブーム世代に向けて作られているようにも思いますが、古い写真や記事などに興味を引くものが多く、好奇心のある方なら(私のような)ブルトレ世代でも、さらにもっと若い方がご覧になっても得るものはあるかと思います。また、松本謙一氏の記事で秩父鉄道のED38について、デザインのルーツをペンシルバニア鉄道の電気機関車に求めているあたりは、長年アメリカ型と共に過ごされた氏の観察眼と知識が光るものを感じました。秩父鉄道のED38はもともと阪和電鉄の機関車で、独特なスタイルとともに人気があり、引退後の姿を私もカメラに収めていますが、屋外展示だったこともあって荒廃が進み、残念ながら解体されてしまいました。松本氏も指摘されているように、こういった保存車輛がゆめゆめ「いつまである」と油断召されるなというのは、その通りだと思いました。こうした出来事は鉄道車輛のみならず、航空機でも屋外展示機が風雨にさらされて荒廃した結果解体、という話を聞いておりますので、なんとも残念ではあります。
創刊号ということで実物も模型も、という感じで年代もジャンルもバラエティに富んだ内容でしたが、今後、方向性が定まっていくのかもしれませんね。
最後はプラモデルの雑誌から。今月発売のモデルアートの2月号です。カーモデルの塗装の技法で、思わず「へえ」となった記事がありました。エアブラシで自動車に塗装をする際に模型もエアブラシも小刻みに動かすことで塗料を「まんべんなく乗せる」とありました。鉄道模型などではエアブラシの塗装は「等距離、同じ速度で、対象物は動かさない」と教えられたものですが、ジャンルが違うとまた塗装方法も違う、ということでしょうか。
さらに秋山いさみ氏のF104Jの作例、この機種特有の銀色をMrカラーの「昔の」銀色のストックから塗った、とありました。Mrカラーの銀色については近年発色が改善され、よりメタリック感が強くなったのですが、昔の銀色もファンが多く、数年前には「プリビアスシルバー」として「復刻」されたほどです。確かに作例として塗られた昔の銀色はグラビア等で見たF104Jの銀色そのものであり、たかが銀色といっても、本当にたくさんあるものです。
昔の銀色ですが、湿度の高い日はいわゆる「カブり」やすく、取り扱いに苦労したことを思い出しました。
下地にも左右されますし、傷が残っていれば強調されてしまいますし、銀色は難しいのですが、それでも「きれいに仕上げたい」と思いながら私は今日も工作台に向かっております。