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工作台の休日

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祝! 100周年「JTB時刻表」

2025年03月25日 | 鉄道・鉄道模型

 JTBの時刻表が先日発売の4月号で100周年を迎えました。JTBの時刻表は大正14年に「汽車時間表」として刊行されてから鉄道や旅の歴史と共に歩んできました。JTBの時刻表はご存じの方も多いと思いますが、B5判で1000ページ近い本です。「時刻表ファン」という方もいて、私などがとても論じることなどはできませんし、このところは記念号などで購入する程度という体たらくですが、100周年をお祝いしなきゃ!という気持ちもあって、書店で購入した次第です。

 記念号ということで、タモリさんをはじめ鉄道にゆかりの深い著名人のインタビューが載っているほか(メンバー的に「タモリ電車倶楽部」なのはご愛嬌)、付録としてJR特急系統図と時刻表100年と日本の鉄道の歩みの年表が入っていました。「笑っていいとも!」時代の多忙だったタモリさんが金曜夜から最終の新幹線に乗ってしばしの週末の旅行に出るエピソードは「時間が無いなら自分で作り出すもの」という感がいたしました。

 さて、JTBの時刻表(個人的には「交通公社の時刻表」と言った方がなじみがありますが)ですが、我が家では泊りがけで家族旅行に出るときに長らく旅のお伴でありました。乗り換えなどがないような行先でも、数時間の列車の旅を退屈にさせないための親心だったのでしょう。私も、同じく鉄道好きの兄も、列車の中でよく広げていました。時刻表のおかげで漢字も覚えましたし、日本の地理に関しては少なくとも都道府県の位置関係を覚えましたし、いわゆる「本線」と名の付くところがどんなところを走っているのかを通して、都市の位置を学んだと思います。もちろん、列車の時刻をたどって、ここに書いてある列車に乗っていくと次はどれに乗ることができて、どこまで行けるだろうか?と言った誰もが行っているであろう、頭の中での旅や旅のルートも考えたりしていました。私もそうですが、行ったことのない場所、乗ったことのない路線に思いをはせながらページをめくった方も多いでしょう。

 長じて自分が高校生になり、自由に旅行ができるようになりますと、大きなバッグの一角に必ず時刻表を入れるスペースを作っておきました。スペースも、重さもそれなりにあるのですが、そういった不自由を楽しむのもまた、青春のひとこまだったということでしょう。これは大学生になっても続き、列車に乗ったときも、待つ間も、周遊券や青春18きっぷと共に旅を続けていくことになります。時刻を調べるだけでなく、以前は掲載されていた巻末のホテル・旅館の一覧から泊まりたいところを探して電話で予約する、といったこともよくやっていました。

 やがて就職して、旅の持ち物も少しずつ変わって行き、持っていく時刻表も小さくなりました。しかし、仕事では旅費の計算などで時刻表は必携で、後ろのページの運賃計算など、別の形でお世話になっておりました。こちらも「駅すぱあと」のようなソフトの登場で、職場で時刻表を買うということもいつの間にかなくなりました。

 プライベートでどこかに旅行するときでも、必要なときだけ交通新聞社の「コンパス時刻表」という小型のものを使うようになり、ますます「交通公社の時刻表」は遠くに行ってしましました。スマートホンがあれば時刻が検索でき、さらには指定席まで買えて変えてしまうのですから、紙の時刻表が遠くなってしまうのは致し方ないところです。

 それでも、久しぶりに開いたJTB時刻表ですが、長年見慣れた作りであることもあってか、久しぶりではありながら見やすく、探しやすい感じがしました。また、特急の運転系統図や後ろのページにある優等列車の編成表を見ながら、この区間のこの列車は何両編成で・・・なんていうことも確認でき、やはりこれだけの情報量は侮れず、しばしページを繰っておりました。国鉄の民営化以降、各地域でさまざまな車輌がデビューし、私などはなかなかついていけなくなってしまっておりますが、時刻表をみることで運用といったことも理解できます。たまには時刻表を買って「今」の鉄道を知ろう、と思いました。

 先日久しぶりに宮脇俊三氏の「最長片道切符の旅」を読んでおりましたが、ああいった旅行も時刻表をめくりながらでないと計画できません。また、前述のタモリさんの言葉として「旅の計画は時刻表でなければなりません。ネット検索では連続性が感じられず不安」というのがあり、まさに出版物としての時刻表の存在意義を言い表しています。以前のように駅名を順番に暗記できるほどの若い頭脳ではありませんし、遠近両用メガネをかけるくらい眼も老化しておりますが、これからも時刻表とおつきあいしていこう、と思うのでした。

 

 

 

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