工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

架空の鉄道は難しい

2022年07月28日 | 鉄道・鉄道模型
 今日は久々に模型の話です。
 少し前のRMモデルズ誌に「架空鉄道のススメ」という特集が掲載されました。実在に鉄道にとどまらず、自分で全くの架空の鉄道(多くの場合は地方私鉄だったりしますが)で楽しまれているモデラーもいらっしゃいます。私もそういうモデラーの一人です。以前から当ブログでも「緑南交通」という地方私鉄を紹介しています。実はそれ以外にも、場所、さらには国も違う架空の鉄道の架空の車輌を随分手がけました。
 緑南交通の車輌を作るきっかけですが、先に作っていた別の地方私鉄も関係があります。私は日本海側のどこか、小さな県の第二の都市から県庁所在地までを結ぶ路線、山の温泉地に向かう路線を持つ地方私鉄を空想し、主にGM・クロスポイントのキットから車輌を作っていきました。はじめは単行か2輌成くらいの運転を意識していましたが、温泉地の手前に軍民共用の空港があって、空港アクセスにも対応した列車を運転するとなると・・・ということで長野電鉄2000系のような特急車まで加わりました。車輌も鉄道の規模も少々所帯が大きくなり、地方私鉄にしては立派なものになっていきました。そこで、本来の小さな地方私鉄の世界を再現しよう、どうせなら非電化路線も欲しいなあ、ということで頭の中で構想をふくらませました。こうして緑南交通が生まれたわけです。
 私の場合、初めに「こんな車輌を走らせたい」という思いがあり、それに沿ってその車輌が走る舞台を考えて、となります。幸い、昔と違って鉄道コレクションでこういった車輌を簡単に再現できますから、非電化区間も電化区間も車輌たちは簡単に集まります。
 一つの鉄道会社に非電化と電化区間が両方あるというのは珍しいですね。これはおそらく二つの地方私鉄が合併したか、どちらかが吸収したから、という設定にしました。弘南鉄道でも電化と非電化の両方の路線がありましたね。非電化区間の方はもともと鉱山があって、そこから産出されるものを貨車に載せ、ディーゼル機関車で運んでいます。となればディーゼル機関車も必要だなとなり、DD13タイプの機関車もやってきました。


 電化路線の方も意識して小型の車輌ばかりにしました。こちらもトミーテックがまさに架空の鉄道として「富井電鉄」といったシリーズを企画し、さまざまな車輌をリリースしたことが追い風となりました。特に「日車標準車体」の17m級車輌を通常の鋼製車体とステンレス車体の両方で発売しており、まさにこの鉄道の規模にぴったり、ということで、当鉄道にやってきたわけです。


 実は緑南交通の車輌については一番悩んだのが塗装でした。どんな色が似合うかということで、濃いめのクリームとくすんだグリーン、明るいクリームとエメラルドグリーンなど、緑色をどこかで使いたいと思っていたのですが、どのように使おうか悩んでおりました。
 そんな中、10年ほど前に家人とイタリアを訪れた際にちょうど「女性の日」として男性が女性にミモザの花を贈るという日にぶつかっておりました。以前ブログでも書きましたが、家人もレストランでミモザの小さな束をいただきました。ここで「そうだ、この色の組み合わせでも面白そう」となりまして、黄色、緑、アイボリーという組み合わせになったわけです。
 色に関しては車輌ごとにまちまちになるのは避けたいので、いつでも、どこでも入手がしやすい色をお勧めします。ここでは、アイボリーはGMカラー21番・アイボリーA、黄色はMr.カラー329番イエローFS13538、緑はMr.カラーGXのモウリーグリーンを使用しています。

 鉄道の名前も緑、春→南風といったイメージから考えて「緑南(りょくなん)交通」としました。電化区間を銀陽(ぎんよう)線としました。これはミモザの和名「ギンヨウアカシア」から採っています。非電化区間については鉱山をイメージさせるために山という字は欲しいと思い「南山(なんざん)線」としました。
 そんなわけで最初の構想からだいぶ経って、小さな地方私鉄が姿を現しました。日本のどのあたりを走っているのか、はっきりしたことは私もお答えするのが難しいところです。双方の路線はそれぞれ国鉄(JR)と乗り換えは可能ですし、南山線の貨物はかつて国鉄の本線上を運ばれておりました。まったく別々の地域を走っているため、両路線が接続しているわけではありません。
 こうして(まだ足りない車輌も、設定もありますが)小さな鉄道が生まれました。これからも設定を補完し、少しずつ車輌も増えていくかもしれませんね。

 
 以前、別の架空の地方私鉄の話になったことがあり、ある方から「それって何県を走っているのですか?」と真顔で聞かれてしまい、走る場所の設定もしていなくて鉄道だけあるの?という顔をされたことがあります。私のように初めに車輌ありきの設定もあるでしょうし「この地域に鉄道を通したい」というデベロッパー気質の方もいらっしゃるでしょう。あまりに突飛で非現実的な設定は厳しいですし、塗装についても自分の技量に合わせて塗り分けなどを考えた方がいい場合もあります。そんなわけで、架空の鉄道というのはそんな簡単なものではないのです。そこでいろいろなものと折り合いをつけたりして考えたり、作ったりすることもまた、模型作りのだいご味ではあります。

 
 

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自主的蟄居閉門記

2022年07月23日 | 日記
 蟄居閉門と言いましても、別に私が悪い事をしたわけではありません。最近のコロナウイルスの感染急拡大で、私のスマホに昨年の9月以来久々に、厚労省が提供している「COCOA」から感染者との接触通知が来ました。私の職場では陰性証明が無いと出勤が難しいため、PCR検査を受けて、結果を待ってから出勤ということで、その間は自宅待機になっておりました。
 昨年同じ状況になった折には、近所の医院でPCR検査を受け、翌日には結果も出て出勤可能、となったわけですが、今回はだいぶ様相が違っていました。
 相談ダイヤルに電話すると「リスクを避けた行動を取って1週間様子を見てください。その間に何かあれば検査、診察を受けてください」ということで、何が何でも検査、という訳ではないようです。昨年の場合はワクチン接種からそれほど経っていなかったのであまり怖くなかったのですが、今回は3回目接種からだいぶ経っているし、ワクチン接種をしていない小さな子供もおりますので何かと不安になります。何とか検査を受けられないかということで、民間の無料の検査場が近くにあるということで行ってみました。
 平日ですが、既に検査場には列ができていて、整理券を渡されて数時間後に来るようにとありました。「待ち時間なし、予約なしですぐできます」と検査場のウェブサイトに書いてあることと違うようです(後に訂正されましたが)。出直してみますと空き店舗か何かに急ごしらえで作ったとおぼしき検査場はとても狭く、スタッフも防護服を着ているわけではなく、窓口で携帯の番号を伝えるようになっていて、個人情報もダダ漏れです。本来なら検査の翌日中には結果が判明する、とありましたが、翌日中には結果が伝えられず、翌々日の夜中の2時近くになって結果の通知があり、晴れて陰性と分かって出勤となりました。この間、職場のメールを観ることができましたがPCは職場に置きっぱなしでしたので在宅ワークもできず、メールをチェックしながら「まいったなあ」と何もできずに頭を抱えておりました。おかげで、今月発売の趣味誌は随分読み進めましたが・・・。
 出勤すれば2日分の仕事もたまっており、残業となりました。家人の負担にならないようにと、どこかで食べて帰ろうと思って入った店では30代~50代くらいの6人の男女が大きな声で盛り上がっています。「ああ、入るんじゃなかった」と後悔しつつ、チャーハンと餃子を食べてそそくさと店を出ました。よりによってこういう時にあんなことをすることが、自らの感染リスクを上げ、さらに誰かに感染させるということを分かっていないのかな?自分が社長ならああいう社員は厳しく接するだろうな、と思いながら、自分もまた自分自身を感染リスクにさらしたことを悔やみつつ、帰宅しました。翌日も残業でしたが、今度は自宅でご飯を作ったのでした。
 私の自主的蟄居閉門記でした。模型の方も、音楽の話もたまっていますので、ちゃんと更新しますね。



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夏に連れていきたい音源 その4

2022年07月15日 | ときどき音楽
 このシリーズも4回目です。ここにきてコロナの感染拡大が再び始まっており、お出かけどころではない感もいたしますが、早速ご紹介していきます。
1 Smile  (T-SQUARE SUPER BAND)   2013(平成25)年

 このアルバムは結成35周年を記念したもので、5年前と同様にスーパーバンド形式で収録、ツアー等も行われました。私の好きな曲は終盤の2曲で「微笑みを忘れない」と「あの夏のように」です。「微笑みを忘れない」はリーダーの安藤さんの曲で、スケール感と曲の盛り上がりがかつての「Travellers」をほうふつとさせて好きなのですが、ライブでは演奏されませんでした。以前、ファンイベントでサイン会があって「あの曲演奏されないんですか?」と安藤さんに聞いたことがありました。ご本人も「やりたいんだけどなかなか機会が無くてね~」とのことでした。以来ツアーで演奏されたことは無いと思いますので、なかなか生で聴く機会はないなあというところです。


2 Paradise 2015(平成27)年

ウミガメさんもご機嫌なジャケット。このジャケットから分かるように「夏」を思い切り意識したアルバムです。夏物アルバムでは私的には「うち水にRAINBOW」「ADVENTURES」「夏の惑星」に比肩すると思っています。ライブでは「Through the thunderhead」が人気曲ですが、個人的には安藤さん作曲のアルバムタイトル曲「Paradise」が一番好きです。「彼女と麦わら帽子」なんていうちょっと遠い夏の日を思い出すようなタイトルの曲もありますし「Night Cruise」は大きな客船でのクルーズと言うよりは、ベネチアの本島の北側、街の喧騒から離れたあたりからリゾートのあるリドに向けて夜間に水上バスで移動しているときのイメージ(分かりづらくてごめんなさい)です。「Eternal Glory」というこのバンドらしいスケール感のあるバラードもあります。アルバムのエンディングも「夏の終わり」となっているのも〇です。

3 TRESURE HUNTER 2016(2018)年

硬軟取り混ぜたさまざまな曲が入っていますが、全体にアルバムのコンセプトの中にうまくまとまっているという印象があります。安藤さん作曲の「Night Light」は、淡いオレンジ色の街灯に照らされたヨーロッパの夜の街を歩いているような感覚になりますし、河野さんの「Pearl of the Adriatic」、安藤さんの「Double Rainbow」は劇伴のような感じのメロディとなっていますが、それがアルバムに物語性を与えているような感じがします。安藤さん、だいぶ提供曲が少ないのですが、どれもいい曲ばかりです。

番外編 企画もの  Dolphin Through 2015年

 こちらは企画もので、架空のラジオ番組に乗せてスクエアの曲が全編に流れる、という一枚です。このCDのためのオリジナル曲もあります。ほら、やっぱりこのジャケットは夏そのものでしょう?

メンバー、元メンバーのソロ活動から
AMOUSHE 和泉宏隆 1988年

夏と言うより旅行に連れていく音源、ではあるのですが、山や川、森と言った自然が似合うアルバム。「RIVER」という曲を聴きながら国内の景色が素敵なローカル線を旅したものです。只見線をこの曲をお伴に旅してみたいなあ。

CARRY OUT  本田雅人 1999年

1991年から1997年まで在籍した本田雅人さんのアルバム。こちらも全編夏向きな曲が揃っており、すべての楽器を本人が演奏して収録したのも特徴。もちろん、ライプではそれぞれの第一人者たるミュージシャンが担当しましたが、管楽器について、曲によっては自分の周囲にいくつものサックスをぶら下げて「大道芸人のよう(本田さん談)」演奏していました。
 ちょっと暑くなってきたあたりから私はよくこのアルバムを聴きます。一曲目の「Calling The Sun」から始まり「ヒマワリ」、「Running High」が特に好きです。また「Blue Black」は東南アジアあたりの暑い夜のようなイメージにさせてくれます。
 そういえばこのCDの発売ツアー、行われたのはすっかり秋になってからでした。真夏にライブで聴きたかったなあ。

そんなわけでスクエア関係のアルバムばかりの紹介となりました。インストばかりでは皆様疲れてしまうでしょうから、ボーカルも次回以降ご紹介します。終わるころには夏も終わってそうだな・・・。更新がんばります。









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夏に連れていきたい音源 その3

2022年07月11日 | ときどき音楽
 このタイトルも三回目となりました。今回はこちらのアルバムから
1 「SPIRITS」THE SQUARE 2003(平成15)年
 スクエアは2003年、デビュー25周年を記念して1987~1990年のバンドの黄金時代メンバーにより、THE SQUARE名義で「帰還限定」として活動しました。カシオペアとの「対決」ライブなど、話題も多かった一年でした。この時のアルバムがこちらです。なお、オリジナルメンバーにプラスしてキーボードのみ河野啓三さんがサポート参加しています。

 割とオールシーズンで聴いているので、特別に夏向きとも言い難いのですが「風の少年」「EUROSTAR ~Run into the light」「True love」「The end of the  summer」など、旅でよく聴く曲が多いのです。

2「PASSION FLOWER」 2005(平成17)年

 こちらは完全に夏向きな1枚。1980年代の夏と違って、だいぶ暑くなった2000年代以降の夏のイメージです。このアルバムはバンド形式に戻って、2000年代のスクエアの方向性が固まってきた一枚。珍しいのはボーカル曲が2曲入っていることで、韓国のソ・ヨンウンが英語で歌っています。このうちの一曲「MORE THAN LEMONADE」とインストのバラード「SPEECHLESS」が特にお気に入りです。後者は夏の昼下がりに、眩しい日差しを避けながら室内で聴くといい感じです。

(メンバーの4人。ベースのみレコーディングでは森岡克司さんが、ツアーでは田中晋吾さんがゲスト参加しています)

3 「33」 2007(平成19)年

 「RONDO」がこのアルバムでは代表曲となっていますが、ディスクの後半になかなか素敵なバラードなどがあります。「Iberian Seascape」は河野啓三さんのキーボードをフィーチャーし、そこに伊東たけしさんのサックスが加わり、何ともさわやかに仕上がっています。「Again and Again」はギターとキーボードだけのシンプルなつくりで、ライブでのデュオやソロのコーナーを思わせます。以前拙ブログでご紹介しましたが、さわやかな一曲「半夏生」でアルバムを締めくくっています。

4「Wonderful Days」 T-SQUARE SUPERBAND 2008(平成20)年

 デビュー30周年を記念したアルバム。過去のメンバーなども入ってにぎやかな構成です。

 私のお気に入りは一曲目の「Islet Beauty」で、これは某ファーストフードチェーンのコーヒーのCM曲で、メンバーもCMに出演しています。メロディはサックス主体ですが、時折挿入されるアコースティックギターの音色が何とも素敵で「私の夏のテーマ」というくらいよく聴いていました。

5 「NINE STORYS」 2011(平成23)年

 この中の「ATLANTIS」はewiのメロディがさわやかな一曲ですが、途中のギターソロも何とものびやかで、私などはこのソロを聴くと月日の流れとか、そういうものまでイメージさせるプレイになっています。「A・ I ・TA ・KU ・TE」はギターとサックスを主体としたシンプルなバラードですが、それが何とも美しく、作曲した安藤正容さんのセンスが光っています。

ということで今日はここまでです。



 



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夏に連れていきたい音源 その2

2022年07月03日 | ときどき音楽
 夏に連れていきたい音源、早速いろいろな方にご覧いただき、ありがとうございます。スクエアだけでもあと2、3回はあると思いますのでお付き合いください。
 スクエア編の続きです。
1 「夏の惑星」 1994(平成6)年

 ど真ん中なタイトルですね。この年は前年の冷夏とは一転、とても暑い夏でした。それを先取りするかのように4月に発売されたアルバムです。スクエアにとっては1991年に管楽器が本田雅人さんに代わって、試行錯誤しながら前作の「HUMAN」あたりからこのメンバーでの「スクエアらしさ」が出来上がってきた頃でした。このアルバムも1曲目から最後まで粒ぞろいで「夜明けのビーナス」「COPACABANA」「夏の蜃気楼」といったキャッチーなメロディの曲がオープニングから続きます。「夜明けのビーナス」は明るく、華やかな曲で今でも時々ライブで演奏されます。「夏の蜃気楼」はそれぞれのソロに聴かせどころがたくさんあって、大海原を飛行機で飛んでいるようなイメージにさせる曲です。また「No more tears」「Season」「Sweet sorrow」といったバラードが名作揃いなことも好きなアルバムである理由の一つです。

2 「BC.AD. ~Before Christ & Anno Domini~」 1996(平成8)年


 イタリア・カプリ島でレコーディング、エジプトでジャケット撮影と言う何とも豪華な作りです。ちなみにツアーパンフも大判で豪華なつくりでした。疾走感あふれる「勇者」や「VICTORY」、それから複雑過ぎてライブで一度しか聴いたことがありませんが「Ciao!!!」といった代表的な曲もさることながら、「Pioggia di Capri(カプリ島の雨)」という曲もお勧めです。この曲、今もライブでしばしば演奏されます。珍しくフルートが使われ、アコースティックな曲ですが、夏の夜のリゾート地でこんな曲が流れてきたら素敵だろうなあ、とも思うのです。この曲、スクエアとしてだけでなく安藤正容さん、みくりや裕二さんのデュオ「あんみつ」で、さらにベース(でもありこの曲を作られた)の須藤満さんが参加された「あんみつる」でも演奏されています。

3 「BLUE IN THE RED」 1997(平成9)年

 グランツーリズモのテーマ曲「Knight's song」が収められているアルバムですが「Anchor's shuffle」、「Maze」、「Tooi Taiko(遠い太鼓)」あたりが私の中での夏向き曲として選んでいます。

4 「GRAVITY」 1998(平成10)年

 この年から管楽器、キーボードが代わるという大きな変化がありました。デビュー20年の記念盤でもあり、歴代メンバーが出演した「JAPANESE SOUL BROTHERS」がボーナストラックとして入っていますが、こちらも夏向き、旅が似合いそうな曲が多いです。見知らぬところへの期待や好奇心を掻き立てられる「Seven wonders」で始まり「Sailing the ocean」はそのものずばりのタイトルですが、岸から沖に出ていくイメージでしょうか。宮崎隆睦さんのサックスが似合う曲です。また、アルバム後半の「One step beyond」や「The forest house」、「Away from home」は草原や森、山のイメージでしょうか。ちょうど1998年のこと、フィレンツェからピサの間をローカル列車で往復した折に、これらの曲がしっくりきました。ちょうど夏草が生い茂る平野の中を列車が走り、平凡ではありますが美しい風景でした。日本なら南東北あたりの景色が似ているでしょうか。ちなみにこのころはまだ私のウォークマンはカセットテープでした。

5 「T-SQURE」 2000(平成12)年

 このアルバムで一旦バンド形式としてのスクエアは解消されました。スクエアのアルバムの中でも「異色感」が強いのですが、夏の旅行に持っていくと不思議とよく聴いています。安藤さんが作曲された「Man on the moon」(ソプラノサックスとアコースティックギターの美しい曲)「ALE-LEYAH-YAH」(アフリカのサバンナの上空を飛んでいるような曲)といったナンバー以外にも、バラードに美しい曲や心に響くような曲もあって、リリースから20年経っていますが、再評価したいアルバムです。

(当時のメンバー)

6 「BRASIL」 2001(平成13)年

 一度バンド形式を解消したスクエアは、安藤正容、伊東たけしのデュオとして再出発、それ以外のパートはレコーディングやツアーでメンバーを集めて、というスタイルに変わります。この時は名前のとおりブラジルでレコーディングするなど、その後のスクエアの流れとは違うアルバムです。Ewiがあまり出てこないというのも珍しいです。「Despedida」、「Sem Papar」といったあたりの曲もこのアルバムならではという気がしますし、アルバムのラストを飾る「Further Place」は、メンバー二人の何とも暖かみのあるバラードです。

まだ2001年時点ですね。これから20年分まだありますので、やはりあと2回はかかるかな。




 

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