工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

あのキットは、こうなりました

2019年06月28日 | 飛行機・飛行機の模型
 本ブログの一回目に掲載した写真には、私の工作台の周辺の様々な物が並べられていますが、あの中にあった飛行機のキットができあがりました、というお話です。
 そのキットですが、ハセガワ1/72 F-16A PLUSです。ハセガワのF-16ですが、息の長い製品であり、私もタイプに応じていくつか作っております。いつもは飛行機のキットというと日の丸のついた機体が多いのですが、(派生型のF-2はともかく)日の丸をつけていない機種の中ではF-16は初飛行からだいぶ経過しているものの、今も色あせない未来的なデザインがお気に入りです。
 このキット、マーキングについては米空軍とオランダ空軍のものが入っています。今回の作例ではいつもと違う国の機体にしてみようと思い、ベルギー空軍にしてみました。


 キットそのものはストレートに組んでおり、付加工作らしいこともしていません。パイロットをドイツレベル製品「NATO PILOTS」のものに変えたくらいです。このキット、立ち姿、着座姿勢のパイロットのほか、グラウンドクルーも入っています。着座姿勢のパイロットについては背中とシートにやや隙間ができてしまいましたが、ほとんど加工せずに座ってもらうことができました。また、機首のライトニングストリップスを伸ばしランナーで強調しました。


 装備品ですが、キットにはミサイル、爆弾に至るまで豊富にセットされていますが、実機の写真ではフル装備と言うのは見かけないので、燃料タンクを提げ、両翼にサイドワインダーを装備した状態にしました。なお、サイドワインダーはタミヤ製のF16CJ(こちらは最近のキットですね)を製作した際に余剰となったものを使用しています。
 ベルギー空軍機ということでキットのマーキングをすべて使うことはできず、タミヤ・イタレリのF-16(イタレリのキットにタミヤの説明書がついたものです)からベルギー空軍のマーク等、一部のデカールを持ってきました。
 ベルギーのF16ですが、機番が垂直尾翼に入っています。アルファベット2文字と数字の組み合わせです。機番をどれにするかについては、Belgian Wingsというサイトを参考にしました。こちらのサイトは戦前、戦後を問わず、ベルギーの航空機の登録番号、記号を網羅しており、軍用機、民間機の双方とも掲載されています。こういったサイトのおかげで、実機のことをより深く知ることができます。この場を借りて彼の地の三つの公用語で御礼申し上げます。merci/dank u /danke
 ということで、垂直尾翼の「FA」まではタミヤ・イタレリの製品のデカールを使い、数字は手持ちのものを使用しました。


 今回のF16ですが、生産時期、使用されている国ごとに細かな相違があり、そのあたりも改めて勉強する機会となりました。モデルアートの「飛行機模型スペシャル」でも以前特集が組まれており、今回の製作でも参考にしております。知っていたつもりでしたが、勉強不足を思い知らされた感じです。キットの方もタミヤ・イタレリ、ハセガワなどまだストックがありますので、また折に触れて製作することになるでしょう。
 それから、本ブログの一回目に掲載した写真には、他にもNゲージの板状キットがありましたね。あのキットたちもそう遠くないうちに形になっていくと思います。

 実は以前、ベルギー空軍のF16については実機を見たことがあります。既に退役した機体ですが、ブリュッセルの王立軍事博物館に1号機が展示されておりました。その時はF16よりも初めて見る他の欧州の機体や旧共産圏の機体、第一次大戦、第二次大戦の機体の方が珍しく、それらを興奮しながら見た覚えがあります。

 おそらくベルギーの方がこの完成写真をご覧になったら、いろいろご指摘があることは重々承知ではありますが、遠い極東のモデラーが、彼の地に思いをはせて製作したということで、温かい目で見ていただければと思います。
 それに、ベルギーの機体にしたのはもうひとつ、私の好きなベルギーのビールに敬意を表して、というのもあります。今夜はさくらんぼのビールを開けて、乾杯といたしましょう。

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お気に入りのお店が、また・・・

2019年06月20日 | 玩具道楽
 6月16日をもって、プレイモービルというドイツの玩具を取り扱っていた専門店「プレモランド」さんのショッピングサイトが閉店し、10数年の歴史に幕を閉じました。 
 このブログは模型、乗り物が中心ですので、玩具は本来ならばテーマには入らないのですが、今日は私の玩具道楽の話に少しだけお付き合いください。
 ご存知の方もいらっしゃると思いますし、このブログのテーマ写真にも使っているのですが、プレイモービルと言うのはドイツ、ジオブラ・ブランドスタッター社で45年前に誕生した笑顔がトレードマークの人形の玩具です。
 似たような玩具に「レゴ」がありますが、あちらはデンマーク産でブロック遊びができるものです。プレイモービルは人形が主役で、現代の生活から古代、中世、海賊、宇宙までさまざまなテーマの製品が発売されています。日本でもその昔、お菓子のおまけについていたのでそれで知った、という方も多いようです。
 プレモランドさんはそのプレイモービルの専門店としてオープンし、当初は代々木上原で、後に下北沢で実店舗を営業されていました。2年前に実店舗を閉めてからはネットショップのみで引き続き営業を続けていましたが、今回の閉店となりました。先日のグリーンマックス下北沢店に続き、お気に入りのお店がネットも含めて閉店、ということで、寂しい思いをしております。

 私も以前からプレイモービルのことを知っていましたが、実際に手にしたのは10数年前のことでした。その頃にプレイモービルが古代ローマをテーマにしたシリーズを発売し、取り扱っているお店を探していたところ、プレモランドさんを見つけました。プレモランドが下北沢にあったということもあり、先日閉店されたグリーンマックスさんなどと共に、頻繁に訪れるようになりました。私自身、高校生の頃に西洋古代史に興味を持ち、その頃発売されていたエッシー1/72のローマ軍団兵フィギュアキットなどに興味があったのですが、塗装が難しそうなのと、日本では一般的でない軟質プラスチックという素材もあり、手を出せずにいました。その後、大人になってから子供向けの玩具とは言いつつも印刷などを駆使してリアルに再現された武具、装束を身に着けた人形に出会ったわけですが、それはまさに古代ローマの兵士そのもので、一気に夢中になりました。その頃発売されていた他のシリーズも魅力的なものが多く、我が家で笑顔の人形たちがじわじわと増殖していきました。

(ローマシリーズの兵士たち。左側の兵士が持つ軍旗にはしっかり「SPQR(ローマ元老院並びに市民)」の文字が入っている)
 プレイモービルは子供向けの玩具と言いつつも細かいところと言うか、思わぬところに凝っていたりと、大人を「おおっ」と言わせる製品が多いのが特徴であり、大人のファンが一定数いる理由でしょう。私もそんな「細部に宿る」ところに魅かれた一人です。欧米だけでなく、日本でもファンサイトを立ち上げている方がいらっしゃいます。

(水道屋さんの工具に注目。手に持っている「あれ」はもちろんのこと、手前の工具類もリアル)

(左側は1970年代、右側は2000年代の製品。現代の製品は印刷により細かいところまで再現されている。それにしてもスピード違反取り締まりのレーダーもセットされているとは)
 余談になりますが、鉄道模型とのつながりも多少ありまして、大型模型鉄道のLGBと組んで製品を発売していた時期がありました。プレイモービルの人形の身長が7.5cmということで、縮尺1/22.5のLGBとサイズが合っていたからでしょう。後にプレイモービル側が独自の模型鉄道のシステムを発売したため、今ではコラボはしていないようです。以前、国際鉄道模型コンベンション会場でもLGBの巨大なレイアウトにプレイモービルの人形がたくさん配置されているのを見たことがあります。

 プレモランドさんでは店長さんほかスタッフの方々とプレイモービル談義もしましたし、店頭ディスプレイを見るのも楽しみの一つでした。中にはとてもレアなものもあり、欧米のコレクター向け本でも「絶対に入手困難」となっているものもありました。店長さんはじめ、スタッフの方々も皆さんプレイモービルが好きな方ですので、知識も豊富ですし、お店で楽しい時間を過ごすことができました。
 プレイモービルは長年日本国内に代理店があり、安定的に供給されていましたが、2010年に代理店がなくなるという逆風もありました。そんな中でもプレモランドさんは独自のルートを駆使して国内のファンのために販売を続けられていました。
 6月16日をもってショッピングサイトは閉鎖、今は情報サイトのみ残っています。また、プレイモービルの中でも動物関連の製品は、以前からプレイモービルとは別に展開されていた動物のフィギュア、玩具のショッピングサイトの中で引き続き販売されるそうです。

 初めにお話ししたように本ブログでは模型、乗り物の話がメインではありますが、プレイモービルには乗り物関連の製品もあり、私もいくつか持っていますので、今後機会がありましたら、紹介したいと思っています。
 プレモランドの皆様、これまでお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。これまでに購入したプレイモービルたちは、これからも我が家でずっと微笑み続けることでしょう。
  
 
 

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古いキットの楽しみ方 1/144UH-1の場合

2019年06月09日 | 飛行機・飛行機の模型
 先月は同じテーマで100式司令部偵察機を新聞社の社有機にして遊んでみましたが、今回は現代のヘリコプターです。
 フジミから1/144でUH-1などのヘリコプターが発売されています。もともと1980年代初頭の製品らしいのですが、10年ほど前に再販され、UH-1とウエストランド・リンクスがデカールもついて発売されています。
 UH-1という名前だけでは、飛行機に詳しくない方は分からないと思いますが、軍用としてだけでなく、警察、政府機関等で長年使用され、また派生型も多く作られているロングセラー、ベストセラーな機体です。写真を見ていただければ、ああ、あれかとなるのではないでしょうか。
 1/144では、近年ヘリボーンコレクションやトミーテックの技MIXなど、精密かつ美しい製品が発売されています。フジミのキットはどうでしょうか。接着剤不要のキットとしてもともとは発売されていたようです。前面の窓はモールドのみの表現のため、付属のデカールを貼るか、塗りつぶす必要があります。側面の窓は開いていますが、窓のパーツがついていません。裏からプラ板をあて、こちらも塗りつぶすなりの加工が必要です。
 フジミでは1/72でもこの機体をリリースしており、米軍仕様とイタリア海軍の対潜ヘリコプターであるAB212が発売されていました。1/144では近年再販された際には2機セットとなり、米軍の2種とイタリア海軍仕様から選択できるようデカールもついていました。
 せっかくデカールも入っていますので、今回はこちらを使ってみました。米空軍仕様については側面の窓に裏からプラ板をあてた以外は加工らしい加工はしていません。箱絵も参考にして塗装して、デカールを貼って完成です。

(後ろはヘリボーンコレクションの機体です)
 米空軍のUH-1ですが、米軍基地で必ずといっていいほど見かけるもので、自衛隊基地の航空祭でもゲストで見かけたことがあります。そういう意味では最新鋭のステルス戦闘機よりもこのヘリコプターがいることで、その国とアメリカとの同盟関係が分かるような存在です。 
 イタリア海軍の機体ですが、ストレートに組んでおしまい、というわけにはいきません。胴体左側の窓配置が異なっています。作例でも窓のうちの一つはエポキシパテで完全に埋めています(それでも実物とは窓配置が少し違います)。細かいことには目をつぶり、イタリア海軍のヘリコプターという珍しさを楽しんだ方がいいでしょう。

 背景は「現行」製品の箱絵です。1/72キットのそれが流用されているようです。
 ということで、二機のヘリコプターが完成しました。なおこのキット、近年再販されたものでなくても、中古プラモ屋さんで旧製品も入手できます。


 もともとの製品は上の写真のように、箱の裏がヘリポートになっていたり、ヘリ空母の甲板になっていました。昔の子供たちは塗装もそこそこに、こうやって遊んでいたわけです。
 
 今回はフジミのキットを使ってみましたが、1/144のヘリコプターというのは鉄道模型の世界でも使えるので、食玩で発売されているUH-1、V-107バートル、OH-6についてもSWEETさんがシーキングで発売したようにデカールと未塗装の機体を組み合わせてバリエーションを楽しめないかなあ、と思っています。それからフジミのキットですが、ジェットレンジャー、ガゼルといった機種も発売されていたそうですが、こちらは1/100だったそうです。これらの機体も実機は傑作ヘリコプターでしたから、いずれどこかのメーカーで1/144での発売を希望しています。
  

 

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グリーンマックス 下北沢店の閉店

2019年06月03日 | 鉄道・鉄道模型
 5月31日で、グリーンマックス・ザ・ストアー下北沢店(GM下北沢店)が閉店しました。
 ネット等では24日で閉店とアナウンスされていたようですが、実際には31日まで営業を続けていたようです。私は5月26日に偶然下北沢店を訪れた際に店主から閉店を知らされました。31日に閉店します、というお知らせもその日に貼りだした、というようなことを店主が話してくれました。この数年は営業時間を短くしたり、臨時休業もあったりで、心配することもあったのですが、閉店の理由としては店主の高齢化などが大きいようです。私にとっては青天の霹靂と申しましょうか、ただただ言葉が無かったというところで、当座必要なパーツや板状キット、塗料やアクセサリーなどを買い、今までのお礼もそこそこにお店を後にしました。その後、29日にもう一度訪れる機会があり、他社完成品をばらしたパーツや塗料を買い、本当にお別れとなりました。昨日のブログで紹介したトラムのジオラマに登場するミキサー車も、26日にここで購入したものです。「外国製」と書かれた小さなビニール袋に入れられていたもので、「ああ、あれか」と思い出す方は、レジ横の開閉式の扉になっていたラックでミニカーのバラ売りのお世話になった方でしょう。
 GM下北沢店との付き合いはおそらく30年くらいになるかと思います。その頃は大山店がまだ本店として健在だった頃で、下北沢、大山ともに当時の住まいから同じくらいの距離でしたので、目的に合わせてどちらかに行ったり、下北沢には南口に今でも盛業中のサニーというプラモデル屋さんがありますので、そちらに行った後で北口に渡り、GM下北沢店に向かう、といったこともありました。
 20代になってからは下北沢店には月1ペースぐらいで通っていた時期もあったかと思います。90年代後半だったかと思いますが、今の場所に移った後は特に、随分とお世話になりました。GMの他のお店がパーツプロショップとして、主に自社製品と他社のパーツ類に特化している中で、下北沢店だけは他社の完成品や車輛セットの品揃えもかなり充実していました。また、これらの完成品をセットからばらして単品で販売したり、車輛を分解したうえでパーツとして販売していました。私も下北沢でカトーやトミックスの機関車を購入したり、車輛のセットもいくつか購入しています。動作確認をしていて前照灯に不具合が見つかった車輛をその場で調整して、点灯するように直していただいたこともあり、そのあたりも「昔ながらの模型屋さん」の雰囲気を残すお店でした。ただし、移転前も移転後も、店内はとても清潔で、陳列などもきれいに並べられており、とても気持ちの良いお店だったという印象があります。
 GM下北沢店で買い物をして、その後はお気に入りの喫茶店でコーヒーを飲みながら買い物の余韻に浸る、というのは、休日の贅沢だったわけですが、このところ下北沢ではお気に入りだったお店がいくつか無くなっており、なんとも残念でなりません。
 下北沢店で購入したキットやパーツは、まだ手元にたくさんあって私の組み立てを待っております。これらのキットを組むたびに、きっと下北沢店のことを思い出すでしょう。また、他社の完成品についても箱を開けるたびにお店が同梱した黄色い「動作検査済証」を見つめながら、買い物をした日のことを思い出すのでしょう。
 GM下北沢店様、いままで、本当にありがとうございました。
 

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トラムのジオラマを作った話

2019年06月02日 | 鉄道・鉄道模型
 このブログは「工作台の休日」と名乗っているくらいですし、もともと語れるほどの腕も持ち合わせていないものですから、工作そのものの話は少ないのですが、こんなものを作りました、ということでご覧いただければと思います。
 ヨーロッパの街の風景を切り取ったようなジオラマを作りたい、できれば持ち運びできるサイズのケースに収まるようにしたい、ということでウェーブから発売のTケース・Mの上にそんな風景を作ってみました。

 このジオラマを作ることになった発端ですが、ジオラマの上の道路にいる乗用車も関係しています。ご覧いただくと分かると思いますが、乗用車たちの半分はノーブランドの近代的なセダンです。

 ここではタクシーに化けたり、パトカーに化けたりしています。5台で500円など安価なのが特徴ですが、それゆえに出来の方は値段相応と言いますか、トミーテックのカーコレクションなどには叶わないわけです。ただ、こういった乗用車は現代の街並みにはマッチしますので、バリを削り、色を塗りなおし、クリアランナーから回転灯や行灯のパーツを作って乗せてみたところ、我ながら見られるようになったので、次はこれらの自動車が活かせるジオラマができないかな、となって話がどんどん膨らんでいきました。ただし、私の悪い癖で、膨らみすぎた話はしぼむのも早いので、持ち運びできるケースに入る大きさで、として自分の腕の範囲で風景を作ってみようとなりました。
 乗用車についてはさきほどのセダン以外にも、カトーのクラウン(ク5000の積荷と言った方がいいですね)にあれこれ手を加えています。こちらも1台あたりの単価は100円程度です。手前のダークグリーン(鉄道カラーの緑2号です)に塗られたものはタイヤ、ホイールに色を差し、灯火類もクリアーレッドなどで塗った以外は大きく手は加えていませんが、路面電車を挟んで反対側の2台は運転席の手前で一旦車体を切断、1ミリほど削ってから再度組み上げたものです。こうすることで若干車体長を縮め、クラウンらしさを消しています。メタリックブルーの方は後方にエアロパーツもつけています。これはNゲージ車輛の屋根上用のランボードを切り出したものです。
 右側の建物(トラットリア=イタリアの大衆食堂)の前に止まっているのは昔トミックスから発売されていたトヨタ・ハイエース、ジオラマ左手前のミキサー車は外国製(おそらくドイツ製)の箱なし・ジャンク品で、この中では最も高価でした。
 車輛ですが、鉄道コレクションの福井鉄道F1000形(フクラム)を塗り替えたものです。緑の濃淡に黄色の帯、はご存知の方も多いと思いますが、ローマ市電で見られたカラーリングです。ローマ市電は時代によってオレンジ色一色だったり、緑の濃淡だったりとさまざまです。ローマには低床車も走ってますが、こういったスタイルではありませんので念のため。
 後ろの建物についてですが、ケースのサイズに収めるために正面だけを作っており、家人にも指摘されましたが書き割りのような感じです。
 左側のホテルは建物コレクション「昭和のビルC2」を使用しています。ただし、ケースの丈に合わせるために高さを詰めています。右側のトラットリアの入っている建物ですが、津川洋行のシーナリーペーパーを切り出して作っています。窓の部分を切りぬき、エバーグリーンのプラ材で窓枠を作り、ヨーロッパの建物でよく見かけるタイプの雨戸もプラ材から作っています。

 シーナリーペーパーは柔軟さが売りですが、カッターで窓に相当する場所を切り抜く際には柔らかさが仇になってしまい上手く切れず、、私の不器用もあって大きさが揃っていません。あしからず。
 右側の新聞スタンドはトミックスの木造駅舎の横についている売店部分を移設しました。新聞スタンドは多くの場合、黒色かダークグリーンに塗られています。
 歩道も津川洋行のシーナリーペーパーを切り出しています。ローマの歩道は黒ずんだような色をしているイメージがありましたので、かなり暗めのグレー色(ミスターカラー301番)で塗装しています。車道の敷石のように見えるところはファーラーの紙製シートを使っています。
 手前側の掲示板ですが「SPQR」と入っていますので、これで完全にローマの街角です。SPQRとは「ローマ元老院議員及び市民」のラテン語の略で、まるで古代ローマの演説かと思わせますが、今日では市のお知らせやマンホールのふたに至るまで「SPQR」の文字が入っております。市のお知らせにこんな重厚な単語を使うのもローマくらいではないでしょうか。人形については手持ちのものを動員してこの街の一員になってもらいました。
 もともとこのジオラマ、習作のつもりだったこともあるのと、初めにプランニングをきちんと行わなかったこともあり、作りながらああでもない、こうでもないと進めていきました。出来上がってみるといろいろ不満もあって、どうせ作るなら次は建物も書き割りでなくて、線路も複線にして、などと欲が出ております。
 かくしてジオラマが完成しました。こんな作品ではありますが、ミニチュア人形のお店、秋葉原YFS様のご厚意で店内で展示いただけることになりました。ありがとうございます。お店のfacebookで一足先にご紹介いただいております。店内には他のモデラー諸氏によるもっと素晴らしい作例もございますので、何かの折にお店にも足をお運びいただき、ご覧いただければ幸いです。

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