「天に星 地に花」 帚木蓬生 著
話は宝暦4年(1754)
庄十郎が
稲次家老の墓所を詣でている場面から始まり
つぎの章から、
享保13年(1728)
庄十郎の子供時代に遡る。
百姓、庄屋、大庄屋 お上
を廻って
年貢の取り立て
それに対しての
百姓達の一揆
が
このストーリーの流れを作っている。
庄十郎は
大庄屋の家に生まれるが
次男の為
あとを継ぐということはない。
子供の時
疱瘡にかかり
一命を取り留めたものの
看病した母親が代わりに亡くなってしまう。
母を慕っていた兄はそれを恨みに思って
庄十郎を
勘当に等しい一言で
追い出すことになる。
庄十郎は
自分の命を救ってくれた
医者
鎮水を頼って
鎮水の下で
医師の道を目指すべく弟子入りする。
庄十郎が疱瘡にかかった年も
百姓の一揆が起こりかけていたが
稲次家老の力量で
なんとか治まり
その代り
稲次家老はお上に煙たがられ
蟄居を命じられ
しかも
疱瘡にかかり亡くなってしまう。
その後
庄十郎が
一人前の医者として
独立し活躍している時
またもや一揆がおこる。
この時には
稲次家老の様な人物がいなかった為
酷い結果が生まれ
庄十郎の兄が継いでいた大庄屋も襲われ
そして
お上からは
責任を取る形で
兄は死罪を言い渡される。
庄十郎の医師としての
人生と
百姓 庄屋 大庄屋 お上
との社会を絡めた
ある意味
スリリングな
それでまた
心温まる人との関係も
山いっぱいの
お話です。