【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

揺れる秋

2011-09-19 16:11:16 | 路傍の花~道草












「芝生にあるあの大きな木も大好きなの。
誰があれを植えたのか知らないけれど、
でも、二階へ行く度に
必ず踊り場で足を留めて・・・
ほら、踊り場に 風雅な窓 が付いていて
幅の広い深々とした 腰掛け があるでしょう・・・
あそこに座って暫くなりと外を眺めながら、
『誰であれ、あの木を植えて下すった人に
神のお恵みがありますように』 と言うのよ。
実際、家の周りに木が多過ぎるのだけれど、
あたしたち1本でも手離すつもりはないわ」
                  【「炉辺荘のアン」 第2章】


   






   台風の進路が再び気になりますが、こちらは今の処、快晴。
  午前中は、その太陽、出たり入ったりしていたのですが・・。

   じっとしている分にはしのげますが、ちょっと動けば汗。
  気温のわりに暑さを感じるのは、高い湿度のせい。
  それでも午後になって随分、ましに。

   ところで今日の引用文。
  私も階段を下りる時、つい踊り場に足を留めます。

   と言うのも、吹き抜けの窓から丁度、お隣の大きく育った、
  木槿(ムクゲ)の花が風に揺れるのが見えますから。

   折しも昨日の映画が重なります。
  「木漏れ日の家で」 というタイトル通り、木々に囲まれていましたもの。
  朝食などもその木漏れ日の中で。勿論、犬と一緒。やはり優雅です。

   そう言えば彼女、91歳にしては何度も何度も
  階段を上がったり下りたりしていましたっけ。

   長いスカートを履いていますから、心の中で “転ばないで・・”
  ~なんて、つい祈っていたものです。










【「狗尾草(えのころぐさ)」】



   






   さて、今日の写真。昨日の帰り道に撮ったものです。
  まだまだ秋の黄金色ではないけれど、
  収穫を待つ田圃(たんぼ)。

   畦(あぜ)道には、何本かちらほら・・と咲き始めた彼岸花も。
  そして田圃を見下ろす土手には一面の狗尾草(エノコログサ)。

   どこでも見掛けるお馴染みの雑草ですが、
  微かな風に揺れるその姿は、子犬のしっぽが
  一斉に揺れているようで、壮観です。
  夕刻が近いのも忘れて、しばし佇んでいました。
  









【風船葛】



   






   “風に揺れる・・” と言えば、
  もう1度 「ステビア」 と 「風船葛」 を。

   葉っぱこそ違いますが、色と言い大きさと言い、
  この二つの花は良く似ています。

   この風船葛、植えるのが遅くて、
  肝心の風船が出来ない・・と心配していましたが、
  やっとその片鱗のようなものが見えて来て安心です。

映画 「木洩れ日の家で」

2011-09-18 20:32:32 | 映画の香り




   気温は、それ程下がった
  訳ではないのですが、今日は
  爽やかな朝を迎えました。

   これまでがこれまで
  でしたものね。

   余計にそんな風に
  感じたのかも知れません。

   下の写真は
  早朝の朝焼けの空。
  東と南の空です。  

   さて今日は予(かね)てから
  観ようと決めていた、
  ポーランド映画、
  『木洩れ日の家で』
  を観て来ました。

   9月末で閉館が決まっている映画館。
  今会員は、ほとんどの映画が1000円で観る事が
  出来るようになっています。

   今日は閉館が間近という事や、
  日曜日という事もあったのでしょうね、
  かなりの人出。

   尤も、普段に比べれば・・ですが。
  それでも、いつも今日くらいの人出があれば、
  閉じる事もありませんでしたのに。

   ~なんて、つい思ってしまいます。
  得てしてこんなものなのでしょうけれど。

   ~話が逸れました。
  『木洩れ日の家で』 というタイトルにまず惹かれた私。
  それにしても、モノクロームの映画がこんなに美しいなんて。

   見慣れたカラーではありませんのに、
  違和感など全くなく、見事に溶け込んでいたものです。
  観終わるまでモノクロームという意識すらありませんでしたから。

   映画の舞台は、ポーランド、ワルシャワ郊外の森の中。
  そこにひっそり佇む、古色蒼然たる屋敷。

   木洩れ日に一面の硝子窓がキラキラ輝きます。
  私などは、もうそれだけで、ワクワク。

   屋敷の住人は91歳のアニェラ(ダヌタ・シャフラルスカ)と
  愛犬フィラデルフィア(フィラ)。

   両親の残してくれた家に住み続け、夫はとうに他界。
  息子は結婚と同時にこの家を出て行き・・。

   若かりし頃の甘美な思い出と、
  去来する少年時代の愛らしい息子の姿。

   しかしながら、その息子からは同居を断られ、
  家の相続を巡るいさかい。

   そして彼女の思い切った決断。
  とは言え、最近では良くあるパターンでもありますね。

   映画は、ほとんど二人? の対話劇です。
  淡々と静かに進んで行きます。

   この犬が実に良いのです。名演技。
  目で会話出来る・・その目の表情も最高でした。

   ただ、主人公の年齢が91歳ですものね。
  度々の顔のアップには、いくら何でもちょっぴり閉口。
  姿勢や歩き方などは、年齢を感じさせないものでしたが・・。

   ところでこの屋敷、古いとは言っても確か
  2千?平米でしたから600坪余り。庭にはブランコがあり・・。

   そう言えば子供の頃、
  ブランコが無性に欲しかった事を思い出しました。
  今は、ハンモックですが・・。

   そして、ベランダでお茶・・
  ~なんていうシーンもあったのですが、
  今で言うサンルームみたいになっています。
  そこにはテーブルと椅子。

   インテリアだって結構、素敵。それこそ、レースがあって。
  方眼編みの薔薇模様のカーテンもありましたっけ。

   そうそう、極めつけは彼女のレースの肩掛け。
  それは四角だったり、三角だったり。とっかえひっかえ。
  そんな所は大層優雅です。

     


















【東の空】


【南の空】
 

小さな逃避行

2011-09-17 16:16:16 | ハーブと香り雑学

【「藜」 の木洩れ日】












「この辺りは本当の田舎だという事が
はっきりお分かりでしょう。
全く人里離れていますよ。
隣人は少なく、大変離れているのです」

グエンダは感じの良い彼の声の底に潜む
物淋しさを突き止めたような気がした。
彼女は孤独な生活を垣間かいま見た ――
煙突の中で風がヒュウヒュウ鳴っている
暗い昼の短い日々 ――
カーテンは下ろされ ―― 閉じ込められ ――
満たされぬ、不幸な目をしたあの女と共に
閉じ込められ ―― 隣人は少なく、大変離れている。

やがてその 幻想は消えて行った
再び夏に戻った。
             【「スリーピング・マーダー」 ~A・クリスティー】


   





   今日は目まぐるしく変わる空になっています。
  意外にも青空だった起床時。

   でも、あのカ~ッと照り付ける夏の空ではありません。
  どこか気の弱そうな・・。

   それでいて気温だけは負けていません。
  おまけに湿度の高さ。
  爽やかな秋が待ち遠しいです。









【黒レースの付け襟(薔薇)を発見】


   こんな日は、
  お庭に出ましょう。
  ちょっと庭まで逃避行。

   それに来週からはお隣が
  リフォーム工事に
  入られるとか。 

   そうそうお庭にも
  出られませんでしょうから。

   場所は勿論、
  藜(アカザ)の下。
  蚊取り線香も携えて。

   でも先日、この藜の花の蕾に
  毛虫を見つけましたから。

   今日はじっくり
  確かめましたけれど。

   今日は風こそありませんが、
  いつにも増してアゲハ蝶や
  シジミ蝶がヒラヒラ、
  ひっきりなしに。

   お茶を頂きながら、そんな様子を
  ボ~ッと眺めるのもオツなものです。

   ~なんて。
  やはり今日は相当の蒸し暑さです。
  引用文と同じく、私の幻想もス~ッと消えて行きました。

   それにしても隣近所をあまり気にしなくて良い、
  広大な田舎の広い庭は憧れですが、それなりの悩みもあるのでしょうね。

   ところで、ちょっと前の “アンティークな雑貨特集”
  雑誌を眺めていましたら・・。 
  黒いレース編みの付け襟の写真が載っていました。

   しかも薔薇模様。何でも1900年頃の物だとか。
  さすが、ロンドン。前から黒が欲しいと思っていた私。
  早速、黒のレース糸を買いに行きましょう。

妖精の銀の杖

2011-09-16 17:58:17 | 私の手作り夢時間

【モーツァルトを聴きながら~♪】













リンド夫人が編んだ林檎の葉模様の掛け布団と、
これも リンド夫人かぎ針で編んだ
幅広のレースの飾りが付いた枕には
しみ一つなかった・・・
床に敷かれたマリラの手製の敷物・・・
遠い以前のここでの初めての晩、
泣き泣き眠り付いた、小さな孤児の平らな顔を
映した鏡などをアンはいとおしげに眺めた。
                    【「炉辺荘のアン」 第1章】


   





   お天気、そろそろ下り坂との事ですが、
  起床時はいつもの青空。残暑の厳しさも相変わらず。

   ただ南の海上にある台風の影響なのでしょうね。
  風は、かなり強く、しかも湿った南風。
  家の中の風鈴がチリン、チリンと鳴っています。

   普段は、鳴る機会など、ほとんどないのですものね。
  この時とばかり気持ち良さそうに。

   同じく 『アンの世界』 の住人であるエミリーによれば、
  南風は、“灰色の小さな妖精” なんだそうですね。
  あら、又々、妖精。妖精尽くしですこと!

   尤も、こちらではこんな南風は台風の風の事が多く、
  少々気の荒い? 妖精ですね。

   









   





   さて今日の私は、リンド夫人 の部屋へ。
  リンド夫人と言えば、刺子(パッチワーク)のイメージが強いですが、
  今日の引用文にもあるように、レース編みも。

   家事は勿論の事、このような手芸・・
  いいえ彼女には手仕事と言った方が似合いますね。プロ中のプロ。

   そんなリンド夫人にあやかって又々、
  レースを編み始めました。マフラーを。

   ただ、あまり丈の長いものではなく、スカーフ的に使えるもの。
  今は白ですが、出来上がってから紅茶で染めます。

   そうそう、今日のタイトル。
  銀色の鈎針は 「妖精の銀の杖」 なのだそうですよ。

   長さも然る事ながら、(妖精には丁度良い?)
  1本の針から何でも作り出せる、魔法の杖ですものね。

   そう言えば、よく友達から聞かれます。
  「リラは、毛糸は編まないの?」

   ハイ! 私はレースの感触、雰囲気、優雅さが好きなのです。
  庭で野菜を作らない、アン と同じなのかも知れません。

   尤も、これは単なる食わず嫌いかも知れませんね。
  今年は世の風潮に倣(なら)って渋々始めたゴーヤ栽培。
  図(はか)らずもハマりつつある私なのですから。

   お天気の方、先程、パラッと来ましたが、今はやんでいます。
  明日から当分お天気、良くなさそうです。土砂災害、心配ですね。

妖精が一杯!

2011-09-15 17:55:17 | リラのお気楽ユメ日記


















とうもろこし色のカーテン越しに注ぎ込む光で
部屋中が金色になっており、
白塗りの壁には外の柳が落とす影の模様が
世にも珍しい壁掛けを織り成しています ――
絶えず変化し震えている生きた壁掛け です。
何となく、たいそう楽しい部屋のように思われ、
あたしはまるで世界中で一番お金持ちの
娘であるような気がしました。
                  【「アンの幸福」 最初の1年】



   こちらは今日も快晴。
  相変わらずの残暑が
  続いています。

   それでも青い空にポカン、
  ポカンと浮いている雲は
  様々な形に姿を変え、
  見る者をほっとさせます。

   こんな風に、見るともなく
  見ていましたら・・。

   白い雲が目の前の僅か
  300m位しかない山の前面に
  下りて来たではありませんか・・。

   それはすぐそこに触れられ
  そうな位置にも感じられて。
  “アラッ、珍しい・・”

   カメラを取り出す間もなく、
  次の瞬間にはそこにはありません
  でしたが、何だか狐につままれたよう。
  こんな事って、あるのですね。

   そして今日の引用文。
  ここに来て、ゴーヤの葉っぱで同様の現象が起こっています。
  それこそ真夏にはなかった現象。

   折しも今日は風がありますから、
  “絶えず変化し、震えている生きた壁掛け” そのものです。

   さすが アン、上手い事言いますね。
  居ながらにして、こんな幻想的な光景に出会うなんて感激です。












   




   一方、リラ版 「白い妖精」 こと、ステビア。(冒頭の写真)
  開花した事は先日、お伝えしましたが、大分咲き揃って来ました。

   花も葉っぱも何もかも小さく繊細。
  おまけに今日は風がありますから、
  その風に乗って、あっちにゆらゆら、こっちにゆらゆら・・。

   それは、あたかも妖精の踊りを舞っているかのよう。
  そのお陰で写真の撮りにくかったこと!

   お隣では、今日もせっせと虹色の機織りです。
  庭には、至る所に妖精が一杯!

   それにしても機織り、良く飽きませんね。
  写真を撮る私もですが・・。

   薔薇も蕾を付け、藜(アカザ)も・・
  ~なんて見ていましたら、その藜の蕾と同じ姿をした毛虫が・・。

   嫌が応にも現実に引き戻されてしまいました。
  兎にも角にも・・触らないで良かったと胸を撫で下ろしています。

大地の贈り物~藜

2011-09-14 16:18:56 | ハーブと香り雑学














あたしはその家が月光に濡れているところが
一番好きかしら、
それとも暁の光を浴びているところかしら?
                【「アンの幸福」 最初の1年】


外では樅や楓越しに月光が
銀の雨 のように降り注いでいた。
               【「エミリーはのぼる」 第3章】




   厳しい残暑が続きます。
  今日も30度を越える真夏日。

   起床時こそ、
  写真のような空でしたが、
  今は晴れ渡っています。

   そんな中、昨夜も
  美しいお月様を
  眺める事が出来ました。

   おまけに左手にお月様を
  眺めながらの “寝ながらお月見” も。

   そう言えば、いつになく虫の演奏会も盛んだったようです。
  寝室で虫の声が気になったのは初めての事ですから。

   それにしても、『アンの世界』 では
  こと、お月様に関しては枚挙に暇(いとま)がありません。













   さて、この処の私は、
  すっかり藜(アカザ)
  づいています。

   この藜、昨日は目隠し
  効果の役目を果たして
  くれたばかり。

   そして今日は、先日の
  「藜茶」 に続き
  「藜のお浸し」 を
  作ってみました。

   お茶は単独ではもう一つ。
  しかしながら紅茶やセージ、
  ローズマリー等の
  ハーブと一緒なら大丈夫。

   意外だったのは、
  ドクダミとの場合。

   あのドクダミよりも味が勝ります。
  しかもドクダミ8に対し、藜2ですのに。

   そんな藜ですが、お浸しにしますと、
  まるで、ほうれん草のよう。
  クセがありません。

   その上、上に伸びていますから
  ほうれん草と違って、土にまみれるという事も
  ありませんから、サッと水洗いするだけでOK。

   写真、鰹節をかけてしまいましたから、よく分かりませんね。
  そこに持って来て、すり胡麻もかけましたから。

   それにしてもこの藜。
  玄関先に置いていたゼラニウムの鉢に去年、1本だけ咲いたものです。
  その種がいつの間にかこぼれて。植物の生命力を感じます。


















   



   こちらは昨日の刹那の空。
  夜の帳(とばり)が下りたのは、この写真を撮って間もなくの事です。

レースの花咲くティータイム

2011-09-13 15:51:15 | ハーブと香り雑学



【木の葉の織り成す紋様の下で・・】










月夜に眠るなんて、時間が勿体ないと
いつも考えているのですけれどね・・・
でも、早く目を覚ましてお化けの森から
射し染める明方の微かな光を見る事にしましょう。
空は珊瑚色さんごいろになり、
駒鳥が気取って歩き回る事でしょうよ・・・
                  【「炉辺荘のアン」 第1章】


   






   残暑が続きます。今日も最高気温は33度とか。
  それでも朝晩と木陰の意外な涼しさ。

   その中で、サラサラという葉音を耳にしますと、
  真夏にはない移ろう季節を感じます。
  いつの間にか・・季節も老いつつあるのですものね。

   ところで昨日は 「仲秋の名月」。
  生憎、眠りながら・・の恩恵には与(あずか)れませんでしたが、
  宵の口には美しいお月様を目にする事が出来ました。















   






   さて、今日のティータイム。
  たった1本の藜(アカザ)が、鉢置き台と化していた、
  テーブルを変えました。

   それは伸びに伸びて、
  今では大木の野村紅葉に追いつかんばかり。

   我家の庭は、道路よりも高いので歩行者からは
  ほとんど見えないのですが、
  (意識して見ると)木と木の隙間から見えます。

   幸い大きな壺を置いている場所が死角になっていますので、
  いつもそちらをテーブル代わりに利用していたものです。

   そこは、ちょっぴり穴蔵的要素(秘密基地?)があって、
  それはそれで気に入っているのですが・・。

   そうそう、そちらは椅子も壺なのです。
  こんな事も、お気に入りの最大要因になっています。

   そんなこんなで・・。
  穴蔵? から本来の場所に戻ってみますと、
  意外に風が渡り、暑さもあまり感じません。

   木洩れ日と、それの織り成す紋様、虫の鳴き声もぐっと身近に。
  ちょっと場所が変わっただけなのに。そんな風に楽しんでいましたら・・。

   お隣のご主人が草取りを始められました。(北側、我家の方)
  “エッ!? 今日はお休み・・?” やはり落ち着きません。

   早々に引き揚げました。
  “壺の上テーブル” の方にしておけば良かったな・・と自戒を込めて。

朝顔は何でも知っている・・

2011-09-12 16:17:26 | 香る庭の花綴り

【早起きの妃】

【紫の美人】










9月 のある日のプリンス・エドワード島の丘。
爽やかな風が海から砂丘を越えて吹いていた。
長い赤い街道は、うねうねと野や森の中を抜け、
生い茂ったえぞ松の木立の外れを弧を描いて
巡り、大きな羽根のような羊歯しだが敷布のように
地面を覆っている楓の植林を縫って、
窪地に傾斜していた。

窪地を流れている小川は森を出はずれて、
きらっと輝いたかと思うと、又森に隠れた。
今や街道は、秋のきりん草 やくすんだ青色の
菊が両側にリボンのように咲いている間を、
燦々と日光を浴びながら走っていた。
空気は夏の丘の住人である数知れぬ
こおろぎ の鳴き声で打ち震えていた。
                  【「アンの青春」 第6章】


   






   こちらは今日も快晴。連日、30度を越す暑さが続いています。
  ギラギラと照り付ける太陽は、あの夏の盛りと何ら変わらないのに、
  それでもそこかしこに “秋” を感じてもいます。

   独特の “9月の太陽の匂い”・・とでもいうのでしょうか・・。
  そうそう、久し振りにつくつくぼうしの鳴き声を聞きました。

   それにしても 『アンの世界』 の9月の美しいこと!
  おまけに昨日は 「紫苑」、
  今日は 「秋のきりん草」 と私の憧れの花が目白押しです。









【今日も妖精の編んだ糸】

   
   





   さて、これまで雨の日以来、出会う事のなかった白い朝顔。
  そう、リラ版 「早起きの妃」。

   この朝顔だけは私が起き出した頃には
  既に縮んでいたものです。

   こうなれば午前5時頃に起きなければ・・
  と思っていたのですが、思うだけ。
  もう今年は駄目なのかと諦めていたのですが・・。

   だからと言って早起きした訳ではありません。
  いつもと同じ時間、いいえ庭を一回りした後ですから、
  かなり遅かった筈。

   こんな事も “秋” なのでしょうね。
  植物は敏感に反応すると言いますから。
  今日は 「紫の美人」 も一緒に。

   そう言えば、いつか新聞配達の方に言われた事があります。
  「朝顔が咲いていると嬉しい」 と。

   玄関先、丁度ポストの所に鉢を置いているのですが、
  瞬間でもそんな風に思って頂いて、こちらこそ嬉しいです。

   今日のタイトルは多分に・・昨日のクリスティーの余韻です。
  クリスティーなら、ここからある事件へ・・
  ~と発展して行くのですが、生憎、文才がありません。

   ところで 『アンの世界』 もそうですが、
  この朝顔、『クリスティーの世界』 でも目にしませんね。

   やはり日本人の気質に一番合っている花なのでしょうか。
  長いこと咲いている百日草が嫌いな アン ですから、
  儚い朝顔は、アンのお気に入りだと思うのですが・・。

揺れる木洩れ日の中で・・

2011-09-11 16:53:16 | A・クリスティーの館














しかし、秋も美しかった。
暗青色の湾から吹く風や素晴らしい
仲秋名月 を楽しむ事が出来た。
窪地には抒情味豊かな 紫苑 が咲き、
りんごが鈴なりの果樹園からは
子供達の笑い声が響いて来た。
上グレンの山の牧場の夕べは澄み渡り、
銀色のいわし雲の空を黒い鳥が渡って行った。
日が短くになるにつれ、小さな灰色の霧が
砂丘を静かに越えて港に上って来た。
                【「炉辺荘のアン」 第11章】


   






   夏が戻って来て3日目。快晴。
  さすがに一昨日、昨日とエアコンのお世話に。勿論、今日も。

   とは言っても、あのまま秋に向かう筈もなく、
  そんな事は当然分かっていながら一旦、
  秋を体験した身体は、我慢を忘れてしまったようです。

   ところで昨夜のお月様の美しかったこと!
  明日(12日)が満月(十五夜)ですから、
  ほぼ真丸のお月様が輝いていました。
  
   しかも左手にお月様を見ながら眠りにつけるというおまけ付き。
  それも 「仲秋の名月」 を。明日も晴れて欲しいものです。




   さて、折に触れ
  お届けしている
  「藜(アカザ)」。

   ここに来て又々、
  その背丈を伸ばしたようです。

   テーブルの模様の隙間を縫って、
  伸びたものですが、それが丁度
  いい具合に支えになり、安心して
  成長して行ったのでしょう。

   どこまで伸びるか試してみたくて
  切らなかったのですが・・。

   しかしながら、
  これが思わぬ目隠し効果にも。

   いつの間にか鉢置き台と化して
  しまっていた、本来のテーブル。

   折しも台風のため、どけた鉢。
  土を雨が綺麗に洗ってくれたようで、
  ほとんど汚れもありません。

   そんなこんなで。今日は久し振りにこちらでお茶を。
  紅茶に昨日の藜や庭のハーブを混ぜました。
  そうそう生姜も。これならイケます。
  
   野村紅葉と藜の葉っぱが影絵模様となって、
  ゆらゆら揺れています。
  風もありますから思ったほど暑くありません。

   こんな時は、気楽に読めるクリスティーの短編がいいですね。
  その中の 「ヴェールをかけた女」、1編読了。
  
   日本ではあまり馴染みのない、顔にヴェールを掛けた美しい依頼人。
  それは、こんな風に始まります。








「そこの通りを、小説なんかに出て来る  
“深くヴェールを掛けた女”ってやつが歩いているぜ。
おや、段を上がって来る。(中略)  
面白い事が起こりそうだぞ。  
女もあんなに若くて綺麗な頃は、大事件でもない限り、  
顔にヴェールを掛けたりしないからな」
      【A・クリスティー 「ヴェールをかけた女」~「ポアロ登場」より】 


   



   事件解決のヒントは
  これは日本でもよく言われていましたが、最近はどうなのでしょう。








                            【A・クリスティー 「ヴェールをかけた女」】

時計は止めて

2011-09-10 16:03:36 | ハーブと香り雑学
















「さあ、帽子や持ち物をこっちへ
およこしなさい、レイチェル。お茶 にしましょうよ」
「じゃあ、ご馳走になって行きましょうかね」
勿体ぶって答えたが、レイチェル夫人が
お茶を飲まずに帰るなどという事はまずなかった。

レイチェル夫人とマリラがいい気持ちで
客間に座っている間に、アンはお茶を入れ、
熱いビスケットをこしらえたが、
そのビスケットがいかにもふんわりと、
真っ白に出来あがっていたのには、
さすがのレイチェル夫人も感心したほどだった。
                  【「赤毛のアン」 第30章】











                           【藜(アカザ)茶】


   夏が戻って来ました。
  おまけに盛夏の頃は
  真上にあった太陽。

   今ではかなり低くなりました
  から、容赦(ようしゃ)なく
  部屋の中に入り込んで来ます。

   折も折、1輪のステビアの、
  白い小さな花が咲いているのを
  見つけたのは、ほんの数日前。

   時々、紅茶に甘味が欲しい時に
  何枚か摘んでいますが、
  花が咲くのは毎年この時期。

   繊細なこの白い花が一斉に風に揺れるようになれば、
  本格的な秋の到来。という事は・・
  暑さも、もう少しの辛抱なのでしょうね。

   さて、前述のステビアは既に頂いていますが、
  今日は初めて藜(アカザ)のお茶を。

   庭に沢山咲いていますので、採って乾かし、お茶にしたものです。
  薬草茶ですので・・味は、こんなものでしょう。

   どんな味か知りたくて、今日は1種類にしましたが、
  他のお茶と混ぜて頂いた方が無難かも知れません。

   今日のお茶はロッキングチェアーのある部屋ですので、
  さしずめ “ミス・マープルの部屋” でしょうか・・。

   最近は暇があれば、ここでお茶をしながらレース編みをしています。
  尤も、アッという間に時間は経ってしまいますけれど。
  そうそう、もう1度 “お口直しの珈琲” でも頂きましょうか・・。