しかし、秋も美しかった。 暗青色の湾から吹く風や素晴らしい 仲秋名月 を楽しむ事が出来た。 窪地には抒情味豊かな 紫苑 が咲き、 りんごが鈴なりの果樹園からは 子供達の笑い声が響いて来た。 上グレンの山の牧場の夕べは澄み渡り、 銀色の鰯雲の空を黒い鳥が渡って行った。 日が短くになるにつれ、小さな灰色の霧が 砂丘を静かに越えて港に上って来た。 【「炉辺荘のアン」 第11章】 |
夏が戻って来て3日目。快晴。
さすがに一昨日、昨日とエアコンのお世話に。勿論、今日も。
とは言っても、あのまま秋に向かう筈もなく、
そんな事は当然分かっていながら一旦、
秋を体験した身体は、我慢を忘れてしまったようです。
ところで昨夜のお月様の美しかったこと!
明日(12日)が満月(十五夜)ですから、
ほぼ真丸のお月様が輝いていました。
しかも左手にお月様を見ながら眠りにつけるというおまけ付き。
それも 「仲秋の名月」 を。明日も晴れて欲しいものです。
さて、折に触れ
お届けしている
「藜(アカザ)」。
ここに来て又々、
その背丈を伸ばしたようです。
テーブルの模様の隙間を縫って、
伸びたものですが、それが丁度
いい具合に支えになり、安心して
成長して行ったのでしょう。
どこまで伸びるか試してみたくて
切らなかったのですが・・。
しかしながら、
これが思わぬ目隠し効果にも。
いつの間にか鉢置き台と化して
しまっていた、本来のテーブル。
折しも台風のため、どけた鉢。
土を雨が綺麗に洗ってくれたようで、
ほとんど汚れもありません。
そんなこんなで。今日は久し振りにこちらでお茶を。
紅茶に昨日の藜や庭のハーブを混ぜました。
そうそう生姜も。これならイケます。
野村紅葉と藜の葉っぱが影絵模様となって、
ゆらゆら揺れています。
風もありますから思ったほど暑くありません。
こんな時は、気楽に読めるクリスティーの短編がいいですね。
その中の 「ヴェールをかけた女」、1編読了。
日本ではあまり馴染みのない、顔にヴェールを掛けた美しい依頼人。
それは、こんな風に始まります。
「そこの通りを、小説なんかに出て来る “深くヴェールを掛けた女”ってやつが歩いているぜ。 おや、段を上がって来る。(中略) 面白い事が起こりそうだぞ。 女もあんなに若くて綺麗な頃は、大事件でもない限り、 顔にヴェールを掛けたりしないからな」 【A・クリスティー 「ヴェールをかけた女」~「ポアロ登場」より】 |
事件解決のヒントは 靴。
これは日本でもよく言われていましたが、最近はどうなのでしょう。