今朝は、こんな雲一つない空に
なりました。
今も淡い雲が一つ、二つ、
浮かんでいる位。
遠くで、運動会の練習でも
しているのでしょうね。
風に乗って、
「ヨーイ、ドン!」 の声も・・。
本当に長閑(のどか)な、
いつもの秋の一駒です。
それにしても昨夜の寒かったこと!
昨日は、朝から長袖でしたが、夜にはもう1枚上着が必要なほど。
その気温差、昨日と今日では 8度なんて言っていましたが、
果たしてどうなのでしょう。今のところ、そんなに暑いとは思いません。
快適な気候です。
さて、司馬遼太郎著 『坂の上の雲』 第6巻(最終巻)、
やっと読み終えました。
最初に、このブログに1巻の感想を書き込んだのが、
6月(23日)ですから、ざっと2ヶ月余り。
随分、長い事かかったものです。
これまで長編小説と言えば、上下巻2巻がせいぜい。
それ以上となりますと、山崎豊子著 『沈まぬ太陽』(全5巻) を読んだ位で、
(今秋渡辺謙主演で映画公開) 6巻もの長編、しかも歴史小説は、初めてです。
折しも巷では、「レキジョ」 なるものがブームとか。
どうやら歴史に興味を持つ女性が増えているそうです。
確かに史実に基づいて書かれたそれは、面白いですものね。
この小説も作者自身が述べていますが、これを書くに当たって、
準備期間が5年、執筆期間が4年3ヶ月、およそ10年もの歳月が費やされたそうです。
40歳で始めたそうですから40代は、この小説に捧げた・・と言う事になります。
勝った事を知っている日露戦争がテーマなものですから、
戦争を扱った小説とは言え、読んでいるこちら側にも、心に余裕があります。
その上、6巻はバルチック艦隊と相見(あいまみ)える最後のクライマックス。
しかもそれは、世界海戦史上、類を見ない日本の完全勝利と来ているのですから。
しかしながら陸戦では、決して勝ったとは言い難いものがあります。
負けてはいませんが、ほぼ互角。
効果的だったのが、国際ジャーナリズムです。(ここでは特に「ロイター通信」と「タイムズ」)
ことごとく、「日本が勝ってロシアが負けた」 と世界に報じ続けたのです。
(ここでも、日英同盟の効果が表れています)
又、世界中の同情が弱者である日本に傾き、帝政ロシアの無制限なアジア侵略に、
重大な危険意識を持っていたという事もあります。
そういう面では、日本が有利だった事は否めません。
話を海戦に戻します。ここでは、何と言っても東郷平八郎という人間の凄さでしょう。
敵前回頭という大勇断が彼の名前を不朽にした事は有名です。
「東郷の偉さは、大冒険をやった事ではなく、
それを知り切って “不安なく回頭を命じた大英知” にある ~黛治夫」
この事からも、その人となりが分かるというものです。
心に残った、その最たるものを次に記して置きます。
「東郷は若い頃から運のついた男ですから」 というのは、 山本権兵衛が明治帝に対し、東郷を艦隊の総帥に選んだ 理由として述べた言葉だが、名将という事の絶対的な理由は、 才能や統率能力以上に彼が敵よりも 幸運に恵まれるという事であった。 悲運の名将というのは論理的にあり得ない表現であり、 名将は必ず幸運であらねばならなかった。 |
そう言えば・・。
今年のWBCでその監督を引き受けた原監督。
ドラフト1位(くじ引き)で意中の巨人に入団する幸運。
そしてWBCでも優勝しました。
それにしても、あの熱狂したWBCが遥か昔に感じられます。
今年の事だったのですよね。それだけ毎日が慌ただしいと言う事なのでしょうか・・。