私の人生のどん底だった二十歳位の大学1、2年で不登校だった頃に、出会った太宰治の本に書いてあった言葉です。
太宰治の作品「葉」より抜粋。
(回顧録で幼い頃の太宰治が祖母から言われた忠告です。)
「お前はきりょうが悪いから、愛敬だけでもよくなさい。
お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。
お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい。」
当時の私は友達がほとんどいない辛かった高校時代の傷がまだ癒えておらず、同世代の人達が夏に海や花火に行って青春や若さを謳歌している頃に、私は夏も本屋や図書館で一人、手塚治虫の漫画「ブッダ」や夏目漱石や太宰治や芥川龍之介の本を読んでいました。
私は他は忘れてしまっても、太宰の作品のこの言葉だけはずっとどこか心に残ってきて、あれから17年以上たち多少社会で揉まれてきて、どこまで私ができているかはあっても昨今この言葉と同じことを考えたり、この話しの確かさを実感することが多いです。
もちろんこの様に社会に適応するだけでなく、私は集団主義の強い日本では珍しい、ある意味で自分の考え方をかなり持つ人間とも思うので、結果としてか夏目漱石みたいな個人主義やデカダン無頼派の太宰治みたいに生きています。
しかし自分の弱さを痛感させられることも多い昨今に、強さや成功者の情報のみでない、この太宰の作品の様な改めて今、弱者のあるべき生き方や生きる知恵や幸福のあり方や、また弱い者の生き抜く兵法も学び考えたいです。