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ソルバッケン!

今から5年ほど前、いや6年ほど前か。

ところは、スウェーデン・リンショピング市の中心部にある<ユースホステル>

スウェーデンは、夏休みに入ると、社会全体の機能が縮小する。この時期に、メールを送っても、<夏休みしてまーす。いついつ復帰するので、またメールしてねー>との返事が多い。

高齢者ケアの現場も高齢者ケア関係の役所も、この時期には視察もインタビューも受け付けない。

万が一、リサーチが可能になったとしても、1年で最も変則的な時期を視察することになる。一般的でない状況を見て、これが高齢者ケアの姿だなどと紹介するのは、滑稽でもある。

ということで、留学中は別として、私は夏休みのハイシーズンのスウェーデンを見たことがない。

で、そのリンショピングユースホステルに宿泊したのは、2月。

お客さんが少ないせいか、シングルユースを予約したのに、ベッドが3つもあった。

確か土曜日。店もほとんど開いていない。寒いから、リンネガータンの先にある、大公園で日向ぼっこすることもできず。

で、やることがないのでテレビをつけてみた。

政治討論番組、ニュース番組、スポーツ番組、料理番組、日曜大工番組、ジェスチュア番組、歌を当てる番組、ビンゴゲームをずーとやる番組、何となく暗い深刻そうなホームドラマ、

スタンドアップコメディアンの番組、子供番組、アニメなどが主たるメニュー。

ワンパターンだなあと、ぼーっと見ていたら、いつもと違うトーンのドラマ。

So.

介護の付いた特別住宅の介護スタッフに焦点を当てた番組のようだ。聴覚障害者用に、スウェーデン語の字幕は出るが、

キョトンC用の日本語の字幕は用意されていなかった。辞書で調べても間に合わない。

その1回だけしか見ていないので、全体のドラマのメッセージは良く分からないのだが(未だに)、どうも、一人一人の要介護高齢者の介護をめぐって、合理主義派介護スタッフグループと人情派介護スタッフグループがせめぎあうような構図のドラマであるように理解した(たぶん錯覚で、激しい思いこみだが)。

任侠ヘルパーのような、マフィアがスウェーデンの高齢者ケアの現場に侵食する話ではないが、何となく、日本人にも受けそうなドラマに感じた。

私は、何だか、いけそうな気がした!

帰国してから、知り合いのスウェーデン人に、このドラマの話をしたら、録画して日本に送ってやるよとの気前の良い返事。人のために<すぐ行動できる>人間は、出世する(たぶん)!

その介護ドラマを送ってくれた人物は、今、日本のIKEA(某店)の幹部になっている。

人のために<すぐ行動できる>人間は、日本でもスウェーデンでも少ない。

今その介護ドラマのテープが2本手元にある。

任侠ヘルパーのテレビ局、番組提供会社にこのテープを持っていこうか。

問題は、全部スウェーデン語。

売り込むのも難しい。

相棒は、IKEAで頑張っているし。

何とか内容を噛み砕いてPRし、この介護ドラマを日本で放映できるようにしたい。

ケア先進国と言われているスウェーデンにおいても、こうした<ジレンマ>の只中になることを理解することは重要だと思う。

この介護ドラマのタイトルが<ソルバッケン>

地名から来ているようだ。

この<ソルバッケン>のプロデューサー女史は、このドラマで一躍脚光を浴びた。今はどんなドラマをプロデュースしているのだろうか?

 

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