salt&pepper days 

ともすれば、子どもとの時間に埋もれそうな日々。でもやりたいことは他にもいっぱい。刺激を求めて悪あがき中。

本の感想・欲張らない生き方

2010-11-15 17:14:40 | 本・雑誌

元来、几帳面ではなく

とちらかというと、テキトウでがさつな性質なので

ていねいな暮らしぶりを目にしたり

人が書いた文章などを読むと、我が身を恥じ入り

憧れと反省とあきらめのような思いでいっぱいになる。

ていねいな暮らしぶり、とは

物腰や言葉づかいの問題だけではない。

単純に、部屋がモデルルームのようにナチュラルで美しかったり

服や持ち物、食にもポリシーがあって、お金をかけていて

ブランドや有名な店について

情報をたくさん知っていて、というのとは違う。

「ていねい」というのは、暮らしぶりが華美、というわけではなく

どちらかといえばシンプル、質の良いものを選ぶ目をもち

生活になじませ、長く大切につきあうやり方。

あれもこれもと、迷わない、欲張らない。

そういう心持ちがあるかないかって、ちょっとしたところで出るんだろうな。

行動、仕事や人との関わり方にも。

がさつで、その場その場でバタバタと対応して

なんとか切り抜ける、そんなやり方がすべて悪いとは思わないし

そうやって鍛えられる部分は、たしかにある。

いま、ていねいに暮らしている人もきっと

ドタバタしたり、迷ってあれこれ手を出したり

自分がどうなるのかわからないままに

走り続けてきた日々があって、いまがあるのかもしれない。

痛い目にあったり、失敗をしてたどりついたのが

ていねいな暮らし、というなら納得できる。

そんなことを思いながら、読んだ本。

 

『今日もていねいに。』(PHPエディターズ・グループ)

『くちぶえカタログ』(静山社)

著者は、松浦弥太郎さん。

中目黒の「COWBOOKS」という本屋さんを経営し

雑誌『暮しの手帖』の編集長。

ものへのこだわり、日常生活のなかでの心持ち。

人へのやさしさ、心が行き届いた暮らしぶりが見えてくる。

その生き方を「主義」として振りかざしたり

「ファッション的」な見せ方だと、「ああ、またか」と思ったりするし

女性でこういう本を書く人は、べつに珍しくない。

男の人の目線でとらえられた「ていねい」は

なんかどきっとさせられたり、柔らかさの中にも頑丈さがあって

かっこいいなあと思う。

「この人が使っている、これがほしい」というんじゃなくて

「こういう考え方のできる人になりたい」と思う。

好き嫌いはあるかもしれないけれど

私はこの本を、ひとりでひっそりと読み

心の中の、ずっとふてくされていた部分が持ち直したりもした。

忙しかろうと、何があろうと、誰に何を言われようと、傷つけられようと

どうでもいいやと投げたり、ていねいさを捨ててはいけない。

暮らしも仕事も人に対しても

そして、自分に対しても。

もともとの性格がなせる業、というだけでなく

ていねいな生き方は、築き上げていくものなんだろう、と思う。

だったら、私にもできる・・・、かも。

 



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