salt&pepper days 

ともすれば、子どもとの時間に埋もれそうな日々。でもやりたいことは他にもいっぱい。刺激を求めて悪あがき中。

本の感想・寝る前のひとときに

2008-01-30 00:42:39 | 本・雑誌
小説を読む楽しみのひとつは
知らない世界、違う価値観に触れられること。
そして、自分の中にはない言葉や表現に触れて
圧倒されたり、憧れたり、妬ましく思ったりすること。

小川洋子さんの作品は、この楽しみを
じっくりじんわりと味わえる。

今回読んだのは、『海』(新潮社)。
表題作のほか、全7編の短編(掌編)小説からなる。

シンプルな言葉、フレーズで構成された物語の
行間にたゆたう空気に絡めとられ
気づいたら違う空間に連れて行かれていた、
そんな感覚に陥る作品ばかり。

どの作品にも、ひとクセある人物が登場。
実際にいたら周囲を苛立たせたり、困惑させそうな人が
とても穏やかな風情で存在する。
その人に対し、周囲も優しい。

小説家というのは、作品によって
季節だとか時代だとか景色なんかを感じさせてくれる。
小川さんの作品は、手触りというか、匂いというか
湿っぽさとか埃っぽさとか乾いた質感とか
風の色や気配も伝える。

ハラハラするような事件は起きない
どちらかといえば、心が静まる物語。
寝る前に1編ずつ読む、というのもいいかも。


プロ意識

2008-01-29 02:27:50 | ヒーリング
先週、ここ数年通っているマッサージサロン、
Tさんのもとへ。
数ヶ月行けなかったので、今回は電話で予約。
人気サロンだから、予約が取れるのは
来月の後半くらいかなあ、と思ったら
キャンセルが出て、急遽予約が取れた。
必要なときに、自分に必要なものが与えられる
そんな流れを感じる。

体や心が疲れているときって
マッサージの内容はもちろん、サロンの雰囲気、
エステティシャンの方との相性って、すごく大切。
マッサージがそこそこうまくても
いまひとつ会話がかみ合わないとか
テンションが合わなくて、かえって疲れる人って
意外といるんです。

その点、Tさんのサロンは
帰りには満ち足りた気持ちになれる。
それはTさんのお人柄もあるけど
いつも感心するのは、ほかのスタッフたちの気配り。

教育が行き届いているなあと、つくづく思う。

Tさんはエステティシャンであると同時に
サロンの経営者でもあるから
経営やスタッフの管理・教育まで心を配る立場。
その苦労は折に触れ、聞いているけれど
今いるスタッフは、どの人も感じがよくて。

予約の時点で、だいたいの体調をお伝えしたとはいえ
関わってくださるスタッフの誰もが
それを把握していて、動いてくれる。
こまやかな心づかいが、すごくありがたい。

これって、スタッフ個人の心がけや気配りだけでは
ここまで徹底して、いきわたらない。
Tさんはじめ、各スタッフの仕事に対する意識が
高いんだと思う。

仕事をするって、生活のためのお金をいただくという
大切な要素があるけれど
結局は人間がすることだから
そこには必ず「心」が表れる。
「お金だけじゃない」と言ってしまうとキレイごとと言われるけど
やっぱりお金だけじゃないのだと思う。

「心」というのは、向上心、仕事に対する情熱、
今、自分に何ができるか、何が求められているかという問いかけ、
一緒に働く人や、仕事相手に対する心配りなど。
そんな「心」が伴わない仕事ぶりは、傍から見てもわかる。

体をラクにしてもらおうと思って行ったのだけど
ついつい、そんなことを考える。
ここは私にとって、癒しだけではない
「学びの場」でもあります。

本の感想・憧れと現実

2008-01-24 00:35:13 | 本・雑誌
登場人物の多い本は、苦手。
まあメインキャスト3人以内、脇がせいぜい3,4人。
それくらいが良いんだけど。

だから今回の小説で最初にズラリと
「登場人物の紹介」があったのを目にして
図書館の棚に本を戻しそうになった。

けど、読んでみた。
大家族とか下町風人情ドラマに
もしかしたら憧れがあるのかもしれない。

『東京バンドワゴン』(小路幸也・著 集英社)

3代続いている古本屋を舞台に
4世代同居の家族、その周辺の人々が繰り広げる話。
語り部があの世の人、というのが意表をつくけど
少しも不自然じゃなく、そのあったかい視線が
この小説を引っ張っている。

ミュージシャンあり、シングルマザーあり、
異母兄弟あり、押しかけ婚約者あり、の
多彩な顔ぶれでありながら、ちっとも特異な感じがしない。
ものすごく自然に、それぞれがいるべきところに
当たり前に集まって暮らしている。

この大家族や近所にいたら、秘密も何もない。
あけすけで、誰かが必ず顔を突っ込み、口を出してくる。
なんでそうなるかな、勘弁してよ、と
思うところもあるある。

これが現実なら、すごい疲れますね。
それが普通だった時代や暮らしが
あった(今もある)んだろうな、と思う。

心のどこかで、誰かにおせっかい焼かれることを
期待している部分も、人間はあるとも思う。

ドラマ化、舞台化してもおもしろいなあ
なんて思いながら読んだ。
この手のホームドラマは、流行らないのかな。


新ドラマ

2008-01-23 01:17:54 | 出来事
最近、娘とテレビ権の奪い合い。

ひよこはアンパンマンや、しまじろうが大好きで
録画してあるアニメやDVDを、しょっちゅう見たがる。
はっきりいって、見せておけばラクである。
でも、それでいいんだろうか。
…いいわけない、と思う。

で、唐突だけど新ドラマ
今クールはおもしろいの発見。
『鹿男あをによし』(木曜10時)が笑える。
原作の小説、読みたいなと思っていたら
ドラマに先を越された。
玉木くんがカッコいい男じゃないのがいい。

鹿は、修学旅行のとき奈良公園で
鹿の頭突きに遭い、追いかけられ
苦手意識もあったけど、けっこうかわいいじゃん。

初回だからだと思うけど
観光地をざざっとまわる映像もあって
奈良に行きたくなりました。
春あたり、私と同じような人で混むだろうか??

野島ドラマ『薔薇のない花屋』(月9)は
出演者たちの演技が、あんまり好きじゃないんだけど
思わせぶりな展開に、結局見てしまいそう。
初回オープニングの父子回想シーンは、ちょっと泣けた。

『交渉人』(木曜9時)、ありがちだけど
米倉涼子のまわりの男たちが
卑劣でダメダメな人ばっかりなので
かえって米倉さんに肩入れして見られる。

新ドラマではないけれど
『ちりとてちん』(NHK朝ドラ)は
毎朝、これを見るためになんとか目を覚ます日々。
朝だから、元気に前向きガッツ! でもいいけど
ヒロインの「一生懸命なアホ」さが、笑いと涙を誘う。
それにしても京本政樹って、年取らないよね。
高校時代、「京本さん大好き! 結婚する!」って子がいて
「なんちゅう趣味・・・」と思っていたけど
いや、カッコいいです。
彼女は見る目があった。

9時台のドラマは、ちょうど
ひよこの寝かしつけの時間なので、録画して見てる。
これだと、CMとばして見られるのもいい。
なにせ、せっかちなもので…。

本の感想・母子関係の複雑

2008-01-21 01:41:21 | 本・雑誌
「母には何でも話せます」って言う誰かの言葉を聞くと
単純に、すごいなーと思ってしまう。
うらやましい・・・、とは違う
「えっ、マジで!?」に近い。

実際、姉妹のように、あるいは友達ののように
仲がいい親子っていますよね。

母と娘の関係、私にとっては長年の課題。

リリー・フランキー氏の『東京タワー』を読んだとき
描かれている、お互いの底抜けの愛情みたいなのは
母と息子だからじゃないかなーと思った。
たぶん、母と娘では、あの甘さはない。

今回読んだのは
『身がわり 母・有吉佐和子との日日』(新潮社)
作家・有吉佐和子さんの娘、有吉玉青さんの本。

作家である母をもつ娘が感じ続ける
母への愛情、嫉妬、苛立ち、劣等感、反発。
子どもの頃から「あの有吉佐和子の娘」と
誰もが自分を通して、母を見ていること。
母から注がれる、過剰なほどの愛情に対する息苦しさ。

やがて、嫉妬や劣等感は、母が自分に与えたのではなく
自分で勝手に感じ、縛られてきたと気づいたときの悲しさ。

母親が有名な作家という環境だから
普通なら感じないようなことも、味わってきたのだろうけど。

でも、一般的な家庭の母子でも、あると思う。
母は娘だからこそ、こまかなことが心配で
あれこれ口を出したり、知りたがったり、離れられない。
同性だから、自分と重ね合わせて考える。
ときには、自分の思いを託す。

娘はそんな母親に対して、同性だからこそ
母の優れたところも、イヤなところも目につく。
「私はお母さんとは違う」
「お母さんみたいにはなりたくない」
ときにはそこまで思う。

肉親だからこそ、反発も大きくなる。
無関係な人なら、関わらなくて済む。
無関係ではいられないから、恐ろしくて苦しい。

玉青さんの場合、ある日突然、その母子関係が断ち切られる。
取り返しのつかないような形で。
そしてそこから、自分と母の関係だけでなく
母と祖母との母子関係も見えてくる。
2組の母と子の、それぞれの形。
どちらもわかるから、やりきれない。

この本は、10年以上前に書かれたものなので
現在はまた、玉青さんのお母さんへの気持ちも
変わっていると思われる。
だけど、本に描かれた母と子の関係は
身につまされ、胸に重く残る。

感想まで重くなってしまったけど
決して暗い話じゃありません。
母親の、憎めないかわいらしさも
愛情をもって描かれていますので
世の中の、すべての娘さんにおすすめできる本です。


緑茶のおかげに違いない!・・・たぶん。

2008-01-15 01:35:30 | 出来事
この冬、まだ風邪をひいてません。

それなりに人ごみにも出かけているけど。

娘が元旦から熱を出し
休日の当番医院に連れ込んでも。
同じように咳コンコンしている子たちが
ウヨウヨいて、その近くにいても。
娘にはこれまで何度かうつされたけど、今回は平気。

「絶対風邪ひくもんか!」という気合いもさることながら
思い当たるのは、緑茶がぶ飲みの効用か? ということ。
朝から一日中、飲んでる。
トーストに緑茶ってヘンですか?

カテキンとビタミンだけは
異様に摂取していることになるでしょ。
これって、逆に「悪い」ってことないよね??

コーヒーばっかり飲んでいた私が
秋ごろから、緑茶に目覚めました。
今までの人生で、一番飲んでる。

「緑茶がこんなにおいしいなんて!」

30ウン年生きてきて、初めて知りましたよ。
ペットボトルの緑茶じゃ物足りない。
ちゃんと茶葉で淹れなくちゃ。

うちの急須は、お茶に目覚めてない頃に買ったので
デザインだけで選んでしまった。
そのため、中の茶漉しが短いのが不満。
茶葉がきちんと浸らない。
だから、一度にお湯をたくさん入れなきゃならない。

ところで、緑茶って一度茶葉を替えたら
何回くらいお湯を注げるのでしょう?
人数や、お湯の量にもよるけれど、3回くらい?
薄くなるまで飲むことないけど
3回でももったいないくらい、まだちゃんと出るよね。

今夜も寝る前までお茶がぶがぶ。
ひとつ困るのは、濃いお茶を飲むと
寝つきが悪くなり、結果、寝不足で
不規則な生活になること。

それでも元気なのは、やっぱりお茶のおかげ?
一長一短ですがねー。


2008年始動、キーワードを出せ!

2008-01-07 22:28:44 | 出来事
明けました、2008年。
遅ればせながら、おめでとうございます。

新年は空も街の雰囲気も
何かと「気持ち新たに」なれる
空気が満ちていますが
気を抜いていると、いつのまにか
「いつもどおり」になっている。

いかんですね。
七草粥も食べたことだし(関係ないけど)
今年も動き出しましょう。

で、何をどうするかって
毎年年始には何となーく思っているんだけど
いつの間にか、自分の中でさえ曖昧になってしまうので
ちゃんと宣言しておきましょうね。

今年のキーワードは「育む」です。

もちろん、子ども育てることもそうなんだけど
自分の中身もね。
それは「精神的な強さ」だったり「ゆとり」だったり
「手にしたいものへの思い」だったり「作品」だったり。
「人間関係」だったりもしますね。

ここ数年、一足飛びにいろんなものを手にしようとしてきた。
すぐ答えがほしいと思ってきた。
でもそれじゃダメなんだ。
育てるべきものが、育っていなかった。
今年はいろんなものを「育む」ことで
未来へつなげていけたらいいな、と思っています。

それから、とっちらかっているものを
何とかする年にしたいとも思っています。
手始めは、ブログかなー。

もうひとつやっている、子育てブログ、
こっちはちょっと、管理しきれなくなってきた。
もともと、ここのブログで書いていた子どもネタを
独立させたんだけど…。
なので、近いうち(予定は未定)に
またここに持ってきちゃうかも。

あと、実はやっているmixiも
ほとんどマイミクさんの日記を読ませてもらっているだけ。
この存在も、ひそかにプレッシャーになっていて
どうしたもんか、とも思うのですが
これは辞めるに辞められない感じもあるので
せめて、ブログのほうの負担を軽くさせてもらおうかと。

というわけで、新年、いろいろ考え中です。

では、今年もどうぞよろしくお付き合いくださいませ。