黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

スロベニアにて(17)

2006-04-14 16:35:33 | 近況
 現在、現地時間午前9時20分、あと40分で、1ヶ月暮らした客員教授宿舎を出なければならない。
 1ヶ月、あっとうまであった。到着した翌日から講義をして昨日まで、講義もようやく軌道に乗ってきたと思ったら、もう帰らなくてはならない。いささかなりとも「沖縄文学」を当地の学生たちに伝えられたか、文学のおもしろさを理解して貰えたか、確信はないが、なんとか責務だけは果たせたのではないかと思っている。昨日は朝から、二人の卒業発表があり、一人は近代日本の「神話」構造、もう一人は「日本のおける女性雇用の問題」、どちらも客員教授として意見を求められたが、いずれも外国でこれだけの卒業研究ができるのかと感心させられた。勿論、いろいろ欠陥もないわけではないが、それでも努力賞もので、一人の学生の論文は、本当によくできていた。
 そんなことがあって夜は、僕の歓送会。トルコ料理店で、ベリーダンスのおまけ付き。何も遊びをしない僕のために、日本研究科の先生方が最大限のサービスをしてくれたのかも知れない。トルコの強い酒を飲み、いささか酩酊。
 また、この日は、筑波であった留学生のエヴァさんと再会。彼女とはメールで卒論に対する意見を求められていたのだが、いよいよ仕上げと言うことで、直接意見を聞きたいと訪問してくれたのである。彼女は「日本における被差別の問題」という大きなテーマで卒論を書く予定で、僕のできる限りの助言をしたのだが、どうなるのだろうか。
 というようなわけで、あと25分で出発。最後の荷物整理をして、このパソコンをしまって。
 スロベニアからは、さようなら。

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