牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛を肥育すること

2008-04-17 22:07:16 | 肥育
我が国で、牛を肥育して、食肉を生産する産業が定着したのは、60年代である。この当時は、牛の肥育を若齢肥育(生後7~8ヵ月令の去勢牛を約1年間肥育して出荷)、普通肥育(成牛になった牛を半年前後肥育する)、理想肥育(若齢肥育をさらに1年延長して仕上げる肥育)、雄牛の肥育、乳用雄牛や雌牛の肥育などがあった。最近の和牛は理想肥育に近い肥育が大部分となっている。一口に牛の肥育と言っても様々な肥育がある。和牛(黒毛和種・褐毛和種・無角和種・日本短角種)、乳牛(日本ではホルスタイン種・ジャージー種など)、和種間交雑種(黒毛和種×褐毛和種・黒毛和種×日本短角種・黒毛和種×無角和種)、F1牛(和牛×乳牛)、外国産牛などの品種において、去勢牛の肥育と雌牛の肥育がある。
ブログでは、和牛、とくに黒毛和種の肥育について取り上げる。
端的に言って、牛を肥育すると言うことは、成長過程にある育成牛の発育の勢いを生かし、可能な限りの増体を期待して、飼料を飽食させ、生後約30ヵ月令で体重を去勢牛800kg、雌牛750kg程度にすることである。
生産者の肥育に対する思いは、仕上がった出荷牛が、出来るだけ高価に取引されることを期待する。
そして究極の生産目標は、枝肉格付けで、A-5にランクされることであり、その最高品質であるBMSナンバーを12(このナンバーは12 ~1のランクがあり、12が最高品質)に格付けされることである。
つまり、写真のような霜降り肉の生産を狙っているのである。

写真は06年度、近畿東海北陸肉牛共進会で優勝牛のすき焼き用ロース肉