牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

肥育牛の歯は歯槽膿漏

2008-04-03 19:32:51 | 牛の鼻と口
牛の口は、大きい程よく育つと前述した。
同様に鼻鏡も幅広い程いいが、口が大きければ、当然鼻鏡も大きい。
口とは、餌を体内へ取り込む入り口だから、口なのだろう。
下唇の幅が広い程、口が大きい。
口腔内にある主なものは歯と舌である。
歯は前歯と奥歯があり、前歯は草などを口の中に食い込むためにある。口の中へ入った草などは、そのまま胃袋へ入っていく。牛の胃は、反芻胃で四つの胃が有り、食べた草はその一つ目の第一胃内に入る。反芻胃についての記述は後述するので省略するが、草を消化させる過程で、牛は反芻をする。反芻は、いったん第一胃に入った草を再度口の中に戻し、奥歯で咀嚼を繰り返し噛み砕いてから第2胃へ送る操作のことを言う。
前歯は咀嚼をしないため、下唇の内側にだけ有り、写真のように上側には歯がない。上唇は鼻鏡に繋がっているため、唇としてはその位置が確認できない。
奥歯は口の奥まった左右両側の上下にあり、反芻はこの奥歯で行われる。
本来牛は草食動物である。だから草が主食である。ところが肥育牛には、穀類や糠など濃厚飼料を多給する。しかも牛は歯磨きをしない。そのため、歯ぐきには糠などが詰まるため、歯槽膿漏状態となり、腫れて歯より歯ぐきの方が盛り上がったようになる。それでも肥育牛は、一般的に三歳までに出荷されるため、差ほど問題視されていない。奥歯は前歯ほどその症状は見られない。
繁殖雌牛の餌は、草が主体なので、歯ぐきは引き締まっていて歯槽膿漏になりにくい。