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食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

「ゆれる」に心ゆざぶられた黄昏

2006年07月27日 22時34分52秒 | 映画
ごめんなさい。食べ物の話ではなく、映画の話です。

映画評論家のおすぎが、
こないだ、「とくダネ」(フジテレビ)の金曜日のコーナーで、
とある映画を絶賛していたんですね。

おすぎ「オダギリジョーという俳優をいままで一度も
    認めたことがなかったけど、この映画見て随分成長したんだなと
    思いました…」

オダギリジョーの作品なんて見たことがないので、
よくわかりませんが、
ライフカードの駅貼りポスターでは、
すごく表情が豊かな俳優さんだと感じてはいましたが、
おすぎがそこまで言うとは…。

おすぎの薦める映画をみて、
あまり外したことがないので、ぜひ行かねば…と思っていた映画見てきました。
ということで、画像は新宿武蔵野館、
オダギリジョー・香川照之主演の「ゆれる」。


ガソリンスタンドを家業とする家族の母親の葬儀に東京から帰ってきた、
プロのカメラマンの次男・オダギリジョー。
久しぶりの帰省を暖かく迎える、家業を継いだ長男・香川照之。

そんな葬儀の翌日、幼馴染みでガソリンスタンドの従業員である女性と、
香川と、オダギリと三人で、兄弟が昔、よく行った渓谷へ
遊びに行きます。

つり橋をわたろうとする女性に、おいかける香川。
その時、女性と香川との間にアクシデントが起き、
女性は川へ転落してしまいます。

女性を転落させてしまった香川。その瞬間に何が起きたのか。
その現場付近にいたのは、二人。
香川とオダギリの関係をつないでいた思いが何であったのか、
ひとつ、またひとつ、
裁判を通じて明らかになっていくのです。

オダギリに対する香川の思いは絶えずかわらなかったのです。
そして幼いときからのオダギリの本質さえも理解していたのです。
しかし、その香川から、その本質を指摘され、
ストーリーはさらに大きく展開し、そして、
オダギリの、この映画の一番の見せ場の「泣き」のシーンを迎えるのです。


非常に、身につまされました。
1人暮らしをはじめ、東京に出てきて13年経ちますが、
最近は妹とも両親とも満足に話もしていない状態。
話す必要がないし忙しいというのも理由ですが、
長期の休みは全て自分の旅行に費やし、
家族へ対する思いは、かなり希薄。

そして、もしかしたらあるべき人生から逃げていたオダギリと
自分というのは本質的に重なるのではないかと映画を見て思ったのです。
オダギリは逃げているつもりはなかったのです。
ただ、残っていた両親や長男から奪っていたものに気づかされたとき、
ふと自分がおざなりにしてきたものが大きいのではと、
その大きさに少し怖れを感じました。

映画館を出て、行く当てもなくふらふら歩く自分。
ラストの香川の演技に救いを求めたいほど。

おすぎも言っていましたが、
香川照之さんが、すごくいい演技だと思います。
こんな俳優さんだったんですね。
帰ってきて数時間たったいまでも、ゾクゾクします。

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