さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

私はとんかつの衣になりたい8

2008年08月28日 01時01分11秒 | とんかつ
携帯電話が修理中です。

えーとですね、今の携帯電話は、去年の10月に機種変更したものですが、
どうも、この携帯、自分と相性が悪いようで、
買って間もなくして、ネットにつながらない症状で、
修理に出し、基盤を取り替えています。

そして、沖縄旅行中には、水没事故。
帰ってきて1カ月ほどして、
今度は電波の受信感度が著しく悪くなってしまい、
二度目の修理中ですが、ソフトバンクショップの店員さんいわく、
「もう基盤がないようです。」

修理もできず戻ってきて、かつ同じ機種がもう販売終了になっていたら、
機種変更しか道は残っていないのですが、
旅行記でも書きましたが、分割払いの料金が、まだまだ残っています。

代替機が、初代アクオスケータイで、
通勤中に普段見れないニュース番組なんかが
ワンセグで見られて、ワンセグ携帯もいいかななんて
思ってしまっているのですが、パソコンも買い換えたばかり。
あまり余計な出費はしたくないのも本音かな。

画像は、千代田区外神田1丁目「丸五」で、特ロースかつと、ごはんセット。

秋葉原にあるとんかつの名店ということで、
とんかつマニアだけでなく、アキバ系のみなさんにも
人気のお店のようです。

賑やかな電気街のはずれにある、小さな建物のお店。
狭い店内には、カウンターにずらっと難しそうな店員さんがずらり。
テーブル席もありますが、携帯カメラでパチリと余計な音がしようものならば
怒られてしまうんじゃないかと思うほど。
反対に言えば、それだけ本格的な老舗の雰囲気が漂っています。

ごらんのとおり、特ロースかつは、
その厚さも素敵なのですが、
やはり、特筆なのは肉の味!
いい品種の豚肉を使っているのでしょう。
脂身がおいしいのはもちろん、
上質な豚のとろける脂が程よく
赤身にさしが入っているからかな、
食べるほどに肉のうまみが、口の中に広がり、
オリジナルのとんかつソースが
ごはんへと誘います。

ただ、あまりにも上品な豚の肉質で、
ご飯をがっつくのではなく、反対に、ごはんが、
おいしく豚肉を食べるための添え物のような存在にさえ感じます。

キャベツの千切りには、青じそが入っており、
これがまた風味が最高!
口がさっぱりとして、最後までおいしくとんかつが食べられます。
赤だしの風味も完璧、すべてはパーフェクトです。

帰りに「ごちそうさまでした」というと、
厳ついカウンターの揚げ職人さんたちも、
笑顔で「ありがとうございました!」。

連れて行ってくれた相方さんのオーダーしたエビフライも
ぷりぷりして、とても、うまかったとか。

味も一流ならば、接客もすばらしいと、唸った秋葉原の夜でした。

コストコグルメの深慮遠謀。

2008年08月26日 01時49分19秒 | 食べ物の話
ずっと、沖縄旅行記を書いていました。
旅行が7月の初めで、帰京後、
一回だけHIVのことをブログに書きましたが、
かれこれ、1か月半も旅行ネタづくしでした。

さすがに、旅行記の最後のほうは、
旅行から一か月もたってしまってしまい、
行動と、その時系列をひとつひとつ思い出すだけでも大変で、
そこから、事実確認や背景なんかを、ネットで調べたりして、
文章に仕立てるのは、とても大変でしたが、
ブログにアップするスピードが遅くなっても、
あとから読み返して、思い出になるようなエピソードなんかも
ちゃんと盛り込めたし、
とても楽しい1か月半でした。

一か月半の間にも、
ブログには書いていませんでしたが、
相方さんの友人たちと、桃狩りに行ったり、海ですごしたり、
花火大会で若い20代グループに混じったり、
お料理教室なんかにもいったり、
いろいろと楽しく過ごしておりましたが、
すったもんだの北京オリンピックも終わってしまい、
東京は、秋のように涼しい気候と長雨で、
季節が通り過ぎていくようで、さびしい毎日です。

が、しかし!
自分の部屋には、沖縄の食材が、まだまだ残っています。
ちょこちょこ食べながら、またブログでアップしていこうかな。

画像は、コストコ入間店で、ピザ。
コストコは、アメリカにある会員制のホールセールクラブ(卸売店)ですね。
簡素な店内に、コストをかけない陳列方法や、
まとめ売りすることによって安く売る仕組みになっていますよね。
1999年に福岡に上陸して以来、徐々に店舗数を広げています。

…そっかー、コストコが幕張にできたのが、2000年なので、
当時あったカルフールと幕張で外資系スーパー戦争みたいな話題も、
つい最近のことだと思っていたら、もう8年も前のことだったんですね。


卸売なので、業務向けの大容量の調味料や洗剤はもちろん、
消費者向けにも、まとめ売りされる野菜や缶詰の他にも、
生理用品の箱売り(たまらなくすごい量!)とか
電化製品やペットフード、調理器具などの雑貨や、靴下などの実用衣料、
バスケットボールのゴールなどのエクステリア(どうやってレジへ!)も。

普通に買ったら、使い切れない量なので、
家族や友人同士でやってきては、分け合ったりするそうです。

店の一角には、デリカテッセンや
インストアベーカリーのコーナーがあって、
寿司やサラダ、デザートなどが売られていますが、
見ての通り、ピザにしても何にしても、すべてパーティーサイズ。
画像に映っているクレラップが22cmなので、
どれほどの大きさか、想像できるかと思います。

アメリカでは、あんな大きなピザ、どーしてるんだろう?
少なくとも、日本のオーブンには、こんな大きなピザ入らない!
って言ったら、うちの相方さんは切ってから焼くのだとか。

自分も、4つに切って、冷凍しておいて、毎晩、ひとりピザ祭りです。

これで約1400円だったかな。
4割引の冷凍食品ピザ換算にしたら、安いかどうか。

一面チーズだらけのビジュアルにノックダウンして
チーズピザを買ってみましたが、チーズの良し悪しだとか別にして、
とろとろぐつぐつ溶けたチーズに生地が風味があっておいしいし、
ボリュームだけとっても、おいしいピザで、お買い得です。

このアメリカンサイズのままで、
日本でもう何店舗も出店して定着しているのだから、
日本の食生活…というか消費行動も、
毎日のスーパー通いから、週や月に一度のまとめ買いへと、
コストコの狙い通りに変わりつつある証明なのかもしれませんね。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「どこにも帰らない旅」

2008年08月22日 15時50分58秒 | 旅行
7月12日午後1時半。
沖縄県中頭郡北中城村。

北中城の観光名所を回って帰ってくると、昼飯にちょうどいい時間。
テレビには、「Big1」というディスカウントストアのCMに美川憲一が映っています。
似てない瀬川瑛子と八代亜紀の間を「おどきなさいよ」と言わんばかりに、登場します。
美川憲一、なんだか安っぽい感じです。

くまぞー「えー、美川憲一って、こんなCM沖縄でやっているんですね。両側が、似てないな~」

後でわかったのですが、本物だと思っていた、この美川憲一も、実は沖縄で活躍する
魅川憲一郎さんというローカルタレント。あとの二人は、瀬川瑛理子さんと、八代亜妃子さん。

沖縄は、芸能が盛んですよね。
唄うことと生活が結び付いた文化の歴史があってのことなのでしょう。
音楽やダンスだけじゃなく、お笑いや演劇の分野でも、郷土色豊かな沖縄の芸能。
また次の旅行のお楽しみになりそうです。



おっちゃん「ヘチマのステーキ食べるか~」
くまぞー 「いただきます!」

ヘチマのステーキとヘチマのシチューをごちそうになります。







内地では、ヘチマはあまり食材に用いませんが、
沖縄では「ナーベラー」と呼ばれていて、
煮物やみそ汁などに入れたりするのだとか。
一昨日会ったIkunoさんも、大好きだとおっしゃっていました。

ヘチマのシチューは、缶詰を使った料理。
沖縄ではシチューの缶詰がメジャーで、「ストゥー」と呼ばれいて、
鍋に移し替えて温めてご飯にかけて食べたりします。
ヘチマが沖縄由来の食材なら、ストゥーはスパム同様、アメリカ由来の食材ってところでしょう。
温めるときに、ヘチマを一緒に入れて煮込んでくれました。

ステーキは、ナスや冬瓜とも違う、とろみがあるみずみずしい食感に、塩コショウが効いてます。
シチューは、ご飯の進むジャンクな味(大好き!)で、ヘチマが食感のアクセントです。

くまぞー 「ヘチマすごくおいしいですね!」
おっちゃん「沖縄のスーパーだと安いけど、東京のショップで買うと、めちゃくちゃ高いさ。」

ヘチマステーキを食べていたら、おっちゃんの相方さん、けん様がご実家から帰ってきました。

けん様  「ヘチマの味あまり好きじゃないけど、このステーキはおいしいさ。食べれるー」
おっちゃん「よかったー」


テレビには、高校野球沖縄大会の準決勝。
沖縄は、今でも高校野球の人気が高いようです。
八重山商工が甲子園に出場した時の、地元のフィーバーぶりは、
記憶に新しいですね。


試合は春の選抜を全国制覇した沖縄尚学と興南の戦い。
地元でない自分も、試合の行方に見入ってしまいます。
試合が進んでいく毎、僕は、ちょっとずつ寂しさが募ってきます。
旅立ちの時間が近づいています。


九回表、興南高校の最後のバッターが打ち取られました。

けん様「さー、行こうか」

朝、荷造りしておいた、大きなバックパックを背負って玄関に向かいます。
飼い犬のワンコロが、靴を履いて玄関の外に出た俺のところまで
来て飛んだり駆けたりして、部屋中を駆け回っています。

くまぞー「また会おうね…元気でいるんだよ」





おっちゃんが、お留守番してもらうためのおやつを飼い犬に与えると、
ワンコロはおやつに夢中になります。
その隙に、僕らはドアを閉めて、車に乗り込みます。

エンジンがかかり、車が出発します。
僕らより、とてもはかない命だろうに、
小さい体いっぱいで僕を歓迎してくれたワンコロ。
愛おしい、その無垢な存在とのお別れに、
涙なくて気持ちを切り替えることができませんでした。


ありがとう。ワンコロ。




車は、空港へ向かって走り出します。
が、そのまえに!

立ち寄ったくれたところは、沖縄県那覇市にある「首里城」。
ご存じのとおり、1879年に沖縄県となるまで、琉球王朝の首府であったところですね。
小高い丘に築かれたこのグスク跡も、世界遺産として登録されています。

午前中に訪れた中城城跡と違い、
沖縄戦までは国宝として存在していた正殿などが再現されています。
中には、琉球王朝の成り立ち、歩み、そして行政組織や儀式の解説などが、
わかりやすく展示してあります。




守礼門など、いくつかの門を通り抜けると。





おなじみの正殿。この広場は御庭(うなー)というのだとか。

南殿・番所に展示してある琉球王朝時代の美術品を眺めながら、
資料が展示してある書院、鎖之間(さすのま)を通り抜け、正殿内部へ。


正殿内は厳かな雰囲気です。
朱色に塗られた壁や柱、いたるところに竜や獅子の装飾が、金色や紫色などに輝きます。

つづいて、北殿へ。沖縄サミットでは、こちらで、
森首相主催の晩さん会が行われたのだとか。

くまぞー 「えー食べ物食べるような所じゃないですね。こんな所で無理にやらなくても…」
けん様  「いや、昔はここで大切なお客さんを接待したんだ。会議やレセプションはブセナでやったんだけどね。」
おっちゃん「沖縄サミットのときは、大変だったろうねー」
くまぞー 「そうか、8年前はおっちゃんは、まだ内地にいたんだよなー。」




北殿の出口付近では、お土産コーナー。
二千円札で払うと、5%引きになるキャンペーンを実施していました。
2000円札の発行を決めたのも、東京以外でのサミット開催を決めたのも、
そういえば、小渕首相でしたね。




土産物を見ていたら、おっちゃんが、俺に何か手渡してくれます。

おっちゃん「ワンコロがくまぞーおじちゃんにお土産だって言っていたよ。」
くまぞー 「あはは、うれしいなあ。ワンコロにありがとうって言っておいてね」

ワンコロがお小遣いで、僕にお土産を買ってくれたようです。
さきほどお別れしたばかりのワンコロの顔が心に浮かびます。

陽が傾きかけた那覇の町並み。
琉球石灰岩のつるつるした坂道を、下ります。
だんだんと、飛行機の時間が迫ってきています。

おっちゃん「最後は、そば屋でいいかな。」
くまぞー 「ありがとうございます!」


そんなわけで、向かった先は、沖縄県那覇市鏡原町で、うるくそば。
空港にも近く、ゆいれーる沿いのお店。

くまぞー「安いですね!このセットも魅力的だけど、ゆっくり食べていて時間なくなるのも嫌だしなあ。」



頼んだのは、普通の軟骨ソーキそばでしたが、
ジューシーにミニぜんざいもついてきて、まるで、セットをオーダーしかたのような充実感!
ソーキの骨を取り出すためのお皿も、いらないほどの、骨の柔らかさ。
圧力鍋で煮込むのでしょう。


くまぞー「いやー、おいしかった!ありがとうございます!」


車に乗り込み、いよいよ空港へ。
チェックインして荷物を預けて、お土産物を買いに行きます。
職場へのお土産物や、友達、相方さんへの土産物で、
手荷物もかなりの重さに。でも、こればかりは、仕方りません。


おっちゃん「あっという間だったなー、」
くまぞー 「本当、沖縄、まだまだまわり切れなかったですね」
おっちゃん「時間足りなかったなあー」

セキュリティゲートの前で最後の挨拶です。
もうすこし、沖縄に残っていたい気持ちが邪魔します。

くまぞー「また、来ますね。」

そんなありきたりの言葉しか、口を突いて出てきません。

いや、また来るのではなく、帰るのでもなく。
帰る場所がないのではなく、行きたい場所がないのではなく。
沖縄も東京も、大切な人が、友達が、働く場所がある。心安らぐ場所がある。
中田英寿みたいに、「人生とは、旅であり…」なんて、気取るつもりもないけれど、
僕は、どこにも帰りたくない。

くまぞー「行ってきます!」

セキュリティゲートの向こうで、いつまでも笑顔で手を振っていてくれたカップルの間に、
お留守番をしているワンコロの顔が、ふと浮かびました。


気がつけば、出発時間まで30分を切っていました。
今度はみんなにいつ会えるのだろう。
ワンコロはそれまで元気にしていてくれるだろうか。

搭乗ゲートの前で、心に誓って、機内に乗り込むのでした。







八重山・沖縄おひとりさま6Days「うちなんちゅと北中城巡り」

2008年08月19日 02時12分49秒 | 旅行
8月12日午前10時。
沖縄県中頭郡北中城村。

飼い犬が俺の脚をペロペロと舐めては、
僕が寝ている部屋と飼い主の寝ている部屋を
行ったり来たりして、フローリングの床を
カタカタと鳴らして元気に駆けています。

6日間の旅行も、今日で終わり。
今朝は、6日間で一番遅くまで寝ていたかもしれません。
前日は、遅くまで桜坂で飲んで、そのあと、
友人の自宅で友人の相方さんと飼い犬の3人プラス1匹で、
午前3時半くらいまでワンコロの話やうちの相方さんの話などをしていましたが、
僕が一足先にダウン。
ベッドに寝させてもらっていました。

くまぞー 「おはようございます!」
おっちゃん「今日も、くまぞーのところでワンコロ寝ていたさー」
くまぞー 「いやいや、今朝は行ったり来たりしていましたよ!」

今朝も飼い主やきもちを焼かせてしまったようです。
荷作りが苦手な自分は、おっちゃんが起きだす前に、
とりあえず、いつでもどんな形でも出発できるよう、
膨れ上がった荷物を、やっとの思いで荷作りしていました。
名残惜しいのですが、仕方ありません。

くまぞー「おっちゃん、今日は何か用事あるかい?」
おっちゃん「いや、何にもないさ、飛行機の時間まで大丈夫さ。」
くまぞー「申し訳ないです!ありがとうございます!。」

ワンコロが朝ごはんを食べながら、ワンコロと自分も、一緒になって遊びます。
本島に来て一番写真を多く撮ったのは、このワンコロの写真でした。
寝転がったりして、ワンコロと友達になった気分で写真をぱちぱちと。
フォトジェニックなワンコロです。




くまぞー 「相方さんは、今日は…」
おっちゃん「また午後くるよ。」

けん様は、朝早く、ご実家に戻っていました。
自分も寝ぼけながら、今朝、玄関先で見送った記憶があります。

くまぞー 「朝見送る時に、どうやって挨拶していいのかわからなくて困っちゃいましたよ。
      もう会えないなら、お礼ちゃんと言ったほうがいいのかなって。午後会えるんですね。よかった!」
おっちゃん「それじゃ、けん様が来るまで、近所をまわってこようか…」
くまぞー 「北中城村の公式ホームページで観光名所調べてみたんですよ。
      すごく行ってみたかったところでしたよ!」


…そんなわけで、この日の午前中は、
中城城(なかぐすく)跡と、中村家住宅の2か所へ出かけてきました。



中城城跡は、世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つです。
世界遺産には、文化遺産と自然遺産があり、ユネスコが認定する、
顕著な普遍的価値がある記念物、建造物群、遺跡、
景観や動植物の生息地などを指すそうです。

「世界遺産」とはよく聞く言葉ですが、
実際に、どれが遺産でどれが遺産じゃないか、
その基準は、自分もよく判っていません。
富士山はゴミが多くて世界遺産(自然遺産)に認定されないと、
とある新聞社の文化活動の宣伝CMで流れていましたね。




くまぞー「なんかですねー、どこにでもあるようなものじゃ、世界遺産に登録されないらしいみたいですよ。」

旅行から帰ってきてブログに書くにあたって、ちょっと調べてみたのですが、
奄美諸島から八重山諸島まで200以上ものグスクがあり、
その中でも世界遺産基準に達する9か所が登録されています。

単に豪族の城というだけでなく、食糧庫でもあったり、地域の信仰と結びついたシンボル的な構造物でもあり、
グスクの役割については、いろんな研究がなされているとか。
また琉球石灰岩という、この地方特有の岩を使った石積みであることも、
世界遺産に認定された理由のひとつかもしれません。
その建築技術は江戸時代に来航したアメリカのペリーも沖縄に立ち寄った時に
関心したとかしないとか。




この中城城跡は14世紀後半(内地で言うと、鎌倉時代後半から室町時代?)に作られています。
画像では分からないのですが、
全体像は、なだらかな丘に一直線上に城郭がつくられ、とても美しい形。
九高島や首里への遥拝所や雨乞いの御嶽などの後もあります。
また、沖縄戦までは、こちらの城に、中城村役場があったとか。


大型バスも停まれる駐車場はがら空きで、
訪れる観光客は、寂しいけれど、グスク跡が漂わす風格は、
21世紀の今でも、存在感があります。


つづいてやってきた中村家住宅は、18世紀に建てられたといわれる豪農の住宅。
沖縄戦の戦火を逃れたというその建物は、
鎌倉室町時代の様式を伝えつつ、沖縄の氏族と農家の住宅様式両方を兼ね備えているので、
戦前の沖縄の住宅様式のすべてが取り入れられているのだとか。



外壁は、先ほどの中城城の石積みと同じ、琉球石灰岩を使い、
石積みの内側には、昨日訪れた備瀬の並木と同じフクギを植えて、防災の役割を持たせています。
写真の屋根は、明治時代以前は茅葺だったのだとか。士族にしか瓦屋根が認められていなかったらしく、
廃藩置県後に瓦葺きにしたようです。



室内は、客間、仏間、居間にそれぞれ裏間を設え、
また首里から中城の役所にやってくる役人が宿泊するために
用意されたアシャギという部屋もあります。
豚小屋や台所など、風水の影響を受けて、位置が決められていて
戦前の沖縄の農家の特徴もよく表しているとか。

風がよく通り、涼しく過ごせそうです。





沖縄本島では沖縄戦によって被害を受け、その後の米軍の占領によって
古くからの文化や生活様式を大きく変えざるを得なかったと思いますが、
戦禍をくぐりぬけて、今もこうして残っている貴重な文化財に触れることができた
北中城のひと時でした。












八重山・沖縄おひとりさま6Days「どれだけ沖縄を好きになればいいですか?」

2008年08月16日 02時18分31秒 | 旅行
7月11日午後2時。
沖縄県名護市。

山間部の高速道路を走り抜けると、左手に海が見えてきました。
高速道の終点を過ぎて、車はさらに、目的地を目指して、
夏の太陽の光がキラキラと輝く海岸沿いを走ります。

しばらくすると、車は本部町に差し掛かります。
パイナップルの観光農園が右に左に見えてきました。
このあたりは、沖縄で最初にパイナップルの栽培がはじまったエリアなのだとか。

看板   「ハブとマングースショー」
くまぞー 「……なんか、いかにも観光地らしいですね。今どきハブとマングースって!」
おっちゃん「動物愛護団体から抗議が来て、今は決闘は、やってないさ。」


ハブとマングースは必ずハブが負けるらしく、
ハブが足りなくなってしまうのだとか。
決闘を実演できなくなった今では、決闘の様子を映像で見せたり、
水泳させて競争させたりするらしいです。

やがて車は、立派な立体駐車場に入ります。
到着したのは、沖縄県国頭郡本部町「海洋博公園沖縄美ら海水族館」。
2002年にオープンした、観光客に圧倒的な人気を誇るスポットですね。
その名前の通り、この水族館があった一帯は1975年に沖縄海洋博が開催されていたエリアで、
広大な敷地の中には、歴史や文化を学べる施設や植物園やスポーツ施設などがあり、
一日滞在してもすべて回れないくらい、広い公園です。

以前から、この公園には水族館があったらしいのですが、
新水族館の建設に当たり、名称募集をしたところ、全国から多数の応募があったとか。


くまぞー 「名前がいいですよね。『美ら海』っていかにも沖縄らしいじゃないですかー」
おっちゃん「あのころは、ちゅらさんブームだったから、『ちゅら』って名前が流行っていたさ」

2年前に沖縄を旅行した時には、沖縄で水族館って邪道だと思っていましたが、
やはり一度は行ってみくて、今回は念願がかなった形です。

水族館は沖縄の海を再現した展示で、ヒトデなどが生息する浅瀬から、サンゴの海、
そして深海へ生態系が変化していく様子をわかりやすく展示してあります。
よくテレビ雑誌で見る、マンタの泳ぐ巨大水槽は最後のクライマックスです。




餌付けの様子。たくさんの魚が群がって、とてもきれい!





見かけは、巨大液晶テレビにも。とにかくでかいです。





外にはウミガメ館(入場無料!)やマナティ館(入場無料!)
人工尾ひれをつける研究も行っている「いるかラグーン」(入場無料!)もあり、
珍しい海の生き物を間近でみられます。



くまぞー「ありがとうございました!」
おっちゃん「それじゃ、備瀬のフクギ並木でも寄って行こうか。」

というわけで、車で、ちょっと移動した先は、備瀬集落。
この備瀬の集落は、格子状に道が整備され、道沿いには、
家屋を風や日光から遮るためにフクギという背の高い木を植えているそうです。
その古い集落と並木の様子は、海洋博公園とは、まったく違う、沖縄の生活そのもののようです。
うみんちゅの集落なのに、まるで森の中にいるかのようで、吹く風は涼しく、山羊の鳴き声が響き、
日が暮れてきて、ゆんたくの賑やかな様子も垣間見えました。









集落内に順路の案内はあるのですが、格子状の集落なので、迷ってしまいそうです。
なんとか駐車場に戻ったころには、駐車場のおじさん達は、もういませんでした。

くまぞー「絶対に一人じゃ来れないところですよ。本当にありがとうございます!」


車は、一路、コザへ。
来るときには、キラキラと光っていた海が、一転、
大きな夕陽が沈んでいき、空と海が赤く染まっています。

BGMで流していた中孝介の「花」が景色に溶け込みます。
写真には残っていませんが、今回の旅行で僕が一番感動した景色かもしれません。


ご実家で留守番していた、おっちゃんの相方、けん様を迎え、
そしてワンコロがお留守番しているおっちゃんの部屋へ向かいます。

おっちゃん「一度帰ってあげないと、ワンコロがいたずらし始めるさ」
けん様  「全然電話繋がらなくて、心配したさー。」
くまぞー 「のんびり見ていて遅くなってすいませんでした。」
けん様  「くまぞーもブログ更新してないし、事故でもあったんじゃないかって」
くまぞー 「電源が切れそうだったんで、この後の夕食も楽しみだったんで、ちょっとセーブしちゃったんですよ」

ワンコロには、再びお留守番してもらって、
向かった先は、沖縄県那覇市西「ジャッキーステーキハウス」。
けん様の行きつけのステーキレストランで、
僕も、この日のステーキを楽しみにしていました。

沖縄で古くから営業しているレストランの一つで、
店内には占領下の米軍のお墨付きであったAサインの証書を今でも飾ってあります。

くまぞー「どのメニューもすごくおいしそう!たぶん一人だったら毎晩食べに来るかも!」


焼かれてきた肉をテーブルの上にあるステーキソースとしょうゆ、
お好みで、味付けして、食います。




くまぞー 「肉食ったー!すごく満足ですよ」
おっちゃん「くまぞーの後ろの二人組は…」
けん様  「こっちの人か、ほんまもんか、わからないな」


その二人組の正体は、桜坂で飲んだ店で、
再び遭遇したことで、無事解決です。
この日行った一軒目のお店は、明後日開かれるテニス大会で
ないちゃーやうちなんちゅのお客さんで大賑わいです。

二軒目に行った店は、はこじんまりしたお店。
観光客の僕にも、お客さんがかまってくれます。

お客さん「備瀬行ったの?備瀬崎まで行かなくちゃ!海きれいさー」
くまぞー「残念だったなあ。まだまだ沖縄知らないところばかりですね」
お客さん「生まれどこ?静岡?さかなセンター行ったよ!」


…かまってくれるというか、だんだん「絡まれ」モードに。

おっちゃん「ちょっと心配になったさー」
くまぞー「ゲイバーなんて絡まれてくれているうちは、まだ華があると思っているから、ぜんぜん大丈夫ですよ!」


時刻は午前1時半を回っていました。
長かった沖縄旅行も、今夜が最後の夜です。
店を出て、運転代行を呼ぶ僕ら。
シャッターが閉まり、誰も歩いていない牧志の商店街を、ぶらぶらと。
寂しげな風景を僕の心と重ねるように、カメラで追っていました。





八重山・沖縄おひとりさま6Days「ワンコロのお墓参りに行く」

2008年08月13日 02時37分54秒 | 旅行
7月11日午前6時。
沖縄県中頭郡北中城村。

せみの泣く声の大合唱が、
アルミサッシのガラス窓とカーテンの向こうから聞こえます。

そして、腕をペロペロとすごい勢いで舐める奴が。


くまぞー「…飼い主、間違えていないか?おまえー!」

……


この日の前夜、ゆいれーるの「おもろまち」に向かった僕は、
とある沖縄の友人と待ち合わせていました。友人宅が、この日の宿泊先です。
友人との出会いの最初は、ブログを通じてでした。
僕がとあるハンバーガー屋の紹介をしていた記事に
コメントをくれたのがきっかけです。

友人のブログを通して知る、飼い犬との生活や、犬とふれあう様子は、
心豊かで、やさしい雰囲気に、溢れるもので、
沖縄に住む人たちの人柄や考え方などに
興味を持つきっかけの一つにもなりました。

一昨年、沖縄を旅行した時にも、その友人に会って、
その相方さんともお会いして、楽しい夜を過ごさせてもらいました。
しかし、この時、僕は「次回のお楽しみ」ということで、
その友人の飼い犬には、会わずに帰ってきてしまいました。

また次回の沖縄旅行のときに会えるだろうと思っていた、
その飼い犬は、実は、ちょうど去年の夏の今頃、
突然、天国に旅立ってしまいました。
楽しい時も、つらい時も一緒に過ごしてきた飼い犬を、
失ってしまう悲しさは、犬を飼ったことがない自分にとっても、
十分伝わるほどでした。

友人は、天国に旅立った飼い犬の気持ちを思いながら、
付き合っている相方さんと一緒に相談して、
新しい飼い犬を、二人の間に迎えることになったのでした。

新しい飼い犬は、最初、とてもドライな性格で、
飼い主としてはちょっと寂しい思いもしたそうですが、
飼い主である友人の性格に似て、
人懐っこくて愛嬌のある性格に変わっていったのだとか。

今では、ストレートの人向けに、
飼い犬との生活を書いたブログが大人気で、
ストレートのワンコロ仲間達の輪が増えて、
楽しい毎日を送っているようです。
なによりも、死んだように静かになってしまっていた二人の生活の場に、
明るい光が差し込んで、会話が弾むようになったんだとか。

僕は、今回の旅行の大きな目的の一つに、
僕や友人、友人の相方さんはもちろん、
ストレートのワンコロ仲間との縁を紡いでくれている、
この亡くなった飼い犬のお墓の墓参りをすることでした。

……

ペロペロなめてくれるワンコロにうれしさを感じつつ、
昨晩は携帯電話の充電切れで
満足にブログやmixiの更新ができなかったので、
寝ながら更新をし、再び、うとうとと。
結局起きたのは、朝8時半すぎだったでしょうか。
飼い主の友人は、もう起きている様でした。

おっちゃん「ぜんぜん俺のとなり来なかったさー」
くまぞー 「いやいや、俺が寝ていたところで、いつも寝るからじゃないんですかー」
おっちゃん「いや、いつも俺の隣で寝てるさー」

飼い主に、ちょっとやきもちを焼かせてしまったようです。
おっちゃんは、相方さんに電話をして、相談です。

おっちゃん「じゃ、そろそろ、行こうか~」


……

友人の住む場所が「村」だということで、
ひっそりとした古い沖縄の自然に囲まれた山村だと思っていたのですが、
実は、北中城村は、日本全国で一番、人口密集度が高い村だとか。
沖縄県中部東海岸に位置し、那覇から北東に約15km。
米軍基地の施設も多く、
近くには、移転でずっともめている、アメリカ軍の普天間飛行場もあります。


……

自動車に俺とワンコロを乗せて、出発です。
程なくして、相方さんの住むご実家の近くに到着です。
しばらくすると、窓越しに久しぶりの顔がのぞきます。

くまぞー「どうも、久しぶりです!」
けん様「最後に会ったのは何時さー」
くまぞー「たしか、シャングリラ3の時だったから、去年の9月だったかな」

前回沖縄に来た時にもお会いしていて、
その後、東京で2回お会いし、今回が4回目。
今回は、こちらのカップルにとてもお世話になることになります。

車は、亡くなった前の飼い犬が眠るお墓に到着。
自分は犬を飼ったことがないし、
ペットのお墓というところにやってきたのも、もちろん初めてです。
お線香を墓前に手向けます。

けん様「座ったほうがいいよー」

立ったまま手向けようとした自分。
冠婚葬祭にからっきし弱いという以前に、
どこに行っても、失礼な奴です。

前回の旅行で会えなかったことをお詫びして、
いつまでも、友人と相方さんと僕ら友達との絆を明るく照らしてくれるよう、お願いして、
天国では安らかに暮らせるよう、心の中でお祈りをしました。




続いて、車は、南部へ向かいます。
車の中では、この日発売の「i Phone」の話題に。
表参道のソフトバンクショップでは前日から並んだとか
ニュースに話題になったそうですが、沖縄のとあるソフトバンクショップでは
並ばずに当日買えたとか。機種変更しようか迷っている、けん様の友人の話題で盛り上がります。
離島を旅していると、テレビを見る機会も減って
日本中が大騒ぎしている話題にも、疎くなってしまいます。

車が到着した先は、とあるドッグカフェ。
おっちゃんとワンコロがよく行くドッグカフェの一つで、
ずっと前から、気になっていた場所です。

くまぞー 「うわーすごくおいしそう。迷うなー」
おっちゃん「プレートランチが安くてボリュームあるさー」

というわけで、僕らは、ミラノ風カツレツプレートに、ワンコロには豚とキャベツのパスタです。




ドッグカフェの看板犬をはじめ、たくさんのワンコロ仲間と触れ合う
おっちゃん達のワンコロを見ていると、
動物と僕らが紡いでくれる不思議な縁の尊さとか
命あるものの大切さに想いを巡らせたり、
すべてのものが愛おしくて仕方なく感じたりして
たまらなくなりました。



八重山・沖縄おひとりさま6Days「宇宙、アジア、牧志の片隅で。」

2008年08月10日 03時39分47秒 | 旅行
7月10日午後7時半。
沖縄県那覇市牧志。

ゆいレールの自動改札の向こうに広がるのは、
夕闇が迫り、夜の輝きを宇宙に向けて放ちはじめた、奇跡の1マイル、国際通り。

静謐と見紛うような離島の暗闇とは、趣を異にし、
車と人が行き交い、光と音の喧噪が支配する、
このアジアの街角に飛び出すのを目前にして、
僕は胸の鼓動が高まるの感じずにはいられません。

が、しかし!
東京から持ってきた、 6日分の着替えやカメラの三脚のほかに、
石垣や波照間で買ってきた黒糖や泡盛で、
バックパックは、それはそれは、たいそうな重さ!
その重さに耐え切れず、駅のコインロッカーにでかい荷物をしまうために、四苦八苦していました。
ようやく荷作りを終え、自動改札へ向かうと、
そこには、お目当ての人が待っていました。


くまぞー「どうも!お久しぶりです。」

ブログつながりの友人、Ikunoさんです。

くまぞー「もー重たくて大変でした!さっきまでがさごそコインロッカーの前で荷物を漁っていたんですよ。
     だから、店とか全然考えてなくて、どーしようかと。それよりも携帯!」


そうそう、那覇に来る2日前。 大雨の夜に水たまりに携帯電話を落としてしまい、
Ikunoさんとの待ち合わせ場所を最終確認していなかった自分は、
焦りまくったのでした。

Ikunoさん「おおよその場所と時間は決めていたから、心配していなかったですよ」
くまぞー 「もーあの時は、どうしようかって気持でいっぱいで、パニックってましたよ。」
Ikunoさん「食事の候補を3つほど考えていたんですけれど…。」
くまぞー「ありがたいです!…じゃ、市場近くのベトナム料理屋で!」

あとの二つは、居酒屋とイタリア料理。
ずっと泡盛続きだったので、本当は酒の弱いくまぞーさんは、休肝日にしたいところ。
そして、イタリア料理は、ちょっと遠かったので、断念です。

Ikunoさん「それでは、行きましょうか~」

駅のエスカレーターを降りると、せまい車道と歩道に、
あふれんばかりの車と人で賑わっています。
沖縄で一番の繁華街の、この通り周辺には、
OPAや三越などの百貨店や高級ホテルやドミトリーなど、
さまざまな宿泊施設に、 市場を核にした商店街から網の目のように伸びる路地があり、
東京で見かけるようなチェーン店からコンビニ、地元の人向けや観光客向けのさまざまな商店が
びっしりと並ぶ、内地ではあまり見られないユニークな風景です。

向かった先は沖縄県那覇市松尾・ベトナム料理店「DAO(ラーオ)」。
ベトナムを愛して何度も訪れたIkunoさんのイチ押しなら、
心配ありません。

階段を昇って扉を開くと、カジュアルでこじんまりとした雰囲気。
テーブル席に案内されます。


くまぞー「えっ、ここには彼氏さんと一緒によく来るんですか?」
Ikunoさん「いや、それがまだ連れてきたことがないんですよ」

メニューには、生春巻やフォー(米麺)など、ベトナムらしい料理が並びます。

くまぞー「空芯菜炒めものってうちの相方さん好きで、
     ってか、空港で県外持ち出し禁止になっていましたよ!」
くまぞー「へちまの煮物ですかー、すごくおいしそう!
     ってか、いま沖縄なんだからここで食べればいいんですよね!」
くまぞー「ホーチミンから南方面にある、
     あの廃墟の観覧車って宗教団体が作ったんですか?
     ってか、なんでそんなことまでIkunoさんご存じで!」




…ベトナム料理を話題の肴にして、
旅行の話や、付き合っている相方さんの話、お仕事の話に、タイプの男の話、アジア周辺の国の話…など、
つぎから次へと、話題があふれてきます。

くまぞー「旅行していると、サミットの話題とか全然気にならなくなりますね!。」

しゃべっている間に、次から次へと料理が運ばれ、並べきれないようで、
二人で隅から皿が片付いていき、危ないところでセーフです。





離島の旅行は見るもの触れるもの新鮮で楽しいけれど、
それは普段の生活とは違う不便さを伴います。
でも、ここは、アジアの街角、那覇市牧志。
窮屈さから解放され、いろんなものが揃う、この街の一角で、
久しぶりのゲイの友達に会って、だんだんしゃべりに夢中になる自分。
どこからかやってきて、ふたたび旅立つ前の、ほんのひと時の小休止です。

くまぞー「甘いものもイッちゃいますか?」
Ikunoさん「もちろん、そのつもりですよ」

ちょっとおしゃれなチェー(ベトナム風ぜんざい)とベトナムコーヒーをいただきます。

くまぞー「すごくおしゃれですよね。ベトナムの市場でチェー食べた時は…」
Ikunoさん「毒々しい色でなんの味かよくわからないけれど、カラフルですよね」

そうそう、4年前、ホーチミンの市場で、
女の子の学生たちが食べているチェーを指さして
同じようにつくってってお願いしたら、
女の子たちに笑われて一緒に笑った思い出が蘇ります。

くまぞー「なんか、今沖縄にいるってことさえも忘れてしまいそうですよ」
Ikunoさん「そろそろ、外に出ますか?場所移しましょうかねー」

階段を下ると、ふたたび、商店街のアーケードの中。
夜10時に近づき、シャッターを閉める店も多いですが、
まだまだ観光客で賑わっています。

Ikunoさん「たしかスターバックスコーヒーがあったんで、探してみますね」

国際通りに出ると、再びネオンサインの光の放射がまぶしく、心躍らせます。

くまぞー「いやいや、本当、いま国際通りにいるんだと思うと、わくわくしてきますよ」
Ikunoさん「すごくわかりますよ。海外でも、地方を回ってその国の首都に行くと、
     日本とあまり変わらないお店が並んでいて、ほっとしたりしますからね」


大騒ぎする外国人。酔っぱらう観光客。
開放的な景色を背景に、コーヒー飲みながら、さらにトークは延長戦に。


くまぞー「いやいや、本当、お会いできてうれしかったですよ。
     こうして、たまに会って近況を伝えあって、おしゃべりできるって、いいですよね。
     ブログを通じた交流って、また一味違うじゃないですか!」

「ニフティサーブ」なんて名前で言っていたパソコン通信の時代から、
あちこちオフ会に飛び回っていたというIkunoさんは、
僕の言う、この「一味」の違いが分かってもらえているようです。

Ikunoさん「今夜はどちらへ…」
くまぞー「北中城村のほうにいる友達のところに泊らせてもらおうかと。
     迎えに来てくれるんですよ」
Ikunoさん「遠いですね!」
くまぞー「そーなんですよ。タクシーで行くと3000円くらいらしかったので、
     そんな遠くないなと思ったら、東京と違って、初乗り運賃が全然安いんですよね。
     だから同じ3000円でも距離が全然違うことに、こっちに来て気がつきましたよ。」
Ikunoさん「じゃ、そろそろですね。」
くまぞー「本当、ありがとうございます。また会いましょう!」

まだまだ日中の熱気が冷めそうにない、この街をあとにして、
僕は、次の待ち合わせ場所に向けて、コインロッカーから荷物を取り出し、
再びバックパックを背負うのでした。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「何もない島の暮らしと風景」

2008年08月07日 02時00分24秒 | 旅行
7月10日午前8時。
沖縄県竹富町黒島。

くまぞー「ハート型だ…あっそうか、黒島の形ですね!」

八重山と沖縄を回る旅行の4日目。
昨晩は民宿で夜中の2時半まで飲んでいました。
おっちゃんと常連客さんは、そのあと3時半まで飲んでいたとか。
朝食の卵焼きの上に、黒島の形のハート型にケチャップが飾られいて、
一生懸命作ってくれた上に、なんだか、愛嬌も感じます。

テレビには、NHKが映っています。


NHK「それでは天気予報です。」

八重山地方には、なんの躊躇のなく晴マークがついています。
でも、今回は、天気予報ほど、当てにならないものはありませんでした。

前回の八重山旅行は、ずっと晴れ続きでしたが、
今回は天気予報は「晴」でも、雲が多く、
突然雨に降られたり、それも島の反対側では晴天だったり。
目の前で半分晴れて、半分雨が降っているっていうような感覚です。

いや、もちろん、低気圧が近づいてくるだとか、
天気予報も、ある程度参考になるのですが、
やはり、この地方の暮らしにおいて、必要なのは、
空を見て、風の流れや雲の形などを見て、
数時間後の天気を自分で感じることかもしれません。

食事が終わり、食堂の壁に張られている
宿泊者さん達の記念写真などを眺めます。
その食堂の一角には、プロカメラマンによる黒島の写真が貼ってあります。

くまぞー「これは、誰が撮られた写真なんですか?」
ヘルパーさん「渥美徳太郎さんって言って、この島をずっと撮っていらっしゃる写真家さんですよ。」

島の祭りや日常のシーン、そして風景の写真が、
心にしみる言葉と一緒に展示されています。

良い意味でも悪い意味でも、「何もない島」と呼ばれる島の、
積み重ねてきた歴史に思いを馳せます。
この島の人たちは、別れの挨拶に「さよなら」ではなく
「まわってらっしゃい」と声をかけるのだとか。

島の人の表情や風景と言葉がシンクロし、すっと吸い込まれそうです。


ヘルパー「くまぞーさん、何時の船で出発しますか?」
くまぞー「飛行機が5時なんですよ。だから…3時の船でどうでしょう?」
ヘルパー「10時か11時くらいに部屋から荷物を出しておいていただければ、それまで使っていただいて大丈夫ですよ。」

…ありがたい!ならばということで、海に入ってくることにしました。
自分はちょっと外に出かける時でも、カメラとか小銭など、
荷物をたくさん持ってしまうので、
一人旅だとどうしても荷物が気になって、海で泳いだりするのが奥手になります。
ほんとはゆっくり海の上でぷかふか浮かびたいのですが、
今回も六日間の旅行の中で海に入ったのは、この日が最初で最後です。

朝の海岸で、ほとんどお客さんのいない海で、ひとり、波の上で浮かびます。
ただシュノーケルのセットを持ち合わせていなかったので、
サンゴや魚は見られなかったのですが、
ちょっと離れたところに行けば、クマノミなんかもたくさんいるのだとか。
ここは、日本最大のサンゴ礁が広がる、「石西礁湖」と呼ばれる一帯です。
さすが!というか、やはり、もったいない!


しばらく海で泳いで民宿に戻ります。
シャワー浴びて、着替え、濡れたものや汚れものをなんとか詰め込み
苦手な荷造りをこなして、
高速船の時間ぎりぎりまで、島めぐりに再び、出発です。



「SENCHO」さんちのポスト。



思わず触ってしまいたくなる、危険な柵。



舗装されてない道を自転車に揺られて恐る恐る進んだら…







こんなきれいな海岸がありました。西の浜です。




毎日来ても飽きなさそうな、伊古桟橋。




静かな集落。






なんだかとてもかわいい標語。




見渡す限り、牧場です。





今日も、雨が降りそうです。



おしゃれなレストラン「パームツリー」にて。
焼きたてパンやゴーヤのパスタなど、おいしそうなメニューが
たくさんありますが、今回は、ご飯の誘惑には勝てません。
チキンカツ丼と、牛のたたき。この牛は…


さてさて、昼飯も食べて、少しゆっくりしたら、
頭がくらくらしてきました。
炎天下をぐるぐる回りすぎたようです。雨もパラパラと降ってきました。
黒島ビジターセンターを少しのぞいて、あとは、ゆっくり、この木の下で休むことにしました。




ヘルパー「あー失敗した~」
くまぞー「雨ですか??」
ヘルパー「寝ている間に雨降っちゃって、洗濯物濡らしちゃったんですよ。窓も閉めてきますね。」


慌てて、客室の網戸を閉めてくるヘルパーさんは、
今回の旅で、一番ヒットした、男の子です…体が大きくてくりっとした目に、ラウンド髭。
まるで、沖縄出身のような、きりりとした顔立ちですが、本土の出身だとか。

ヘルパー「そろそろ行きますか」
くまぞー「みやきさんは寝てますかねー、ありがとうございましたとお伝えください!」


午前中、まとめておいた荷物をワゴンに乗せ、港に向かいます。

くまぞー「黒島で一番好きなところって何ですか?」
ヘルパー「伊古桟橋が、満潮で隠れるか隠れないかまで海が満ちる時が一番きれいですよ」

その景色は、また次回のお楽しみです。

くまぞー「でも、不思議ですよね。さっきまで、あんなに雨が降っていたのに、
     港のほうは全然降ってないんですね。」

ワゴンが港に着いたら、船がやってくるところでした。

くまぞー「ありがとうございました!」
ヘルパー「気をつけて!」

船に乗り込み、いざ、石垣島へ。
離島から帰ってくると、730交差点は、いつも、大都会に映ります。



「あやぱにモール」でちょっとブラブラしたら、空港へ。
そして、夕方には飛行機に乗って、那覇へ向かいます。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「旅先で邪魔をするのは、何ですか?」

2008年08月04日 14時27分21秒 | 旅行
7月7日午後2時。
沖縄県竹富町黒島。

波照間ではバイクを借りて島内を回りましたが、
アップダウンがほとんどないというこの島では、自転車で十分という
みやき荘のおっちゃんのアドバイスで、
自転車で島内探検に出発です。

島の周囲をぐるっと取り囲むように、
両側2車線の道路がある波照間と違って、
黒島の主要道路は、港から、島の中央にある集落へと延びる県道くらい。

集落内の道路でさえ、舗装されていないし、
集落同士を結ぶ道路も、舗装が少しガタついています。

そんな道を自転車でゆっくり進みます。
バイクで見える景色とはまた違う速度で、
島の風景が視界に入っていきます。



この島で、一番興味を引いたのが、雲。
東京で見る雲とは、スケールの違う、この入道雲!
刻々と表情がかわる様子は、見ていて飽きません。




昼飯も食べます。ポーク玉子定食。味処「はとみ」にて。




戦前に完成した、伊古桟橋。現在では使われていませんが、
空と海が溶け合うような、そんな眺めです。




暑くてぜーぜーしている犬。「おい小池」も一緒です。




牛。草食べながら牛舎のほうから出てきました。




「仲里海岸」の海の家。おじさんの不在時は、セルフサービスのようです。





青い海を期待していたのですが、だんだん空が暗くなり始めて、
風が吹いてきました。先ほどかずっと遠くで雷が鳴っています。

夕立がやってきそうな雰囲気。
部屋に帰って、少しうとうとしていたら、土砂降りの雨が降ってきました。
予感が当たりました。また雨があがって、夕立後の海岸へ向かいます。






散策から戻ってきて、玄関先のテーブルで夕食の準備を待ちます。
どうやら、今日の宿泊客は6人。
前日まではたくさんの人が泊っていたようですが、
この数日間は、行楽シーズンを前に、最後の一休みのようです。

ヘルパー「夕食の準備ができました」




建物内の食堂へ移動です。
今日の夕食は味噌とんかつ。
一人旅の宿泊客さん達三人で食卓を囲みます。
波照間の民宿の食事のボリュームからすれば、ほっと一安心の量です。



ヘルパー「豆腐にはわさび漬けがのせてみました。苦手な方は、どけていただいてくださいね。」
くまぞー「自分、静岡出身なんで、ぜんぜん、大丈夫ですよ」
宿泊客A「よく仕事で浜松行くんですよ。」
くまぞー「浜松って餃子なんかもおいしいんですよ。ぜひ、行ってみてくださいよ」

テレビを見ながら、和やかな食卓です。
おいしくいただいて、食べ終わった後は、庭先に出て、ゆんたくです。

酒飲みの民宿のおっちゃんに先ほどの宿泊客さん達、子供連れの家族客、
そして、他の宿に泊っていたという女性客2人組も加わって、
泡盛飲みながら、いろんな話をしていきます。




若いころに、東京へ出て働いたことがあるという民宿のおっちゃん、
いろんなお客さんのエピソード、世の中の話や、結婚のこと。
人生について、語る夜。
みんないろんなこと抱えて生きているんだなあ。

同性愛者だとか、HIVだとか、
みんなはどんな風に思っているんだろう。
少し聞いてみたいと思ったけど、何かが邪魔したようです。

一人戻り、また一人戻り…気がつけば、午前2時半。
自分もそろそろつらくなってきました。
ゆっくり語り合う心地よさを感じながら、
今夜は眠りに就くことにしました。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「黒島上陸」

2008年08月02日 02時35分24秒 | 旅行
7月9日午前11時。
沖縄県石垣市大川。

高速船で、波照間島から石垣に戻った自分は、
この後、黒島に向かうために、荷物を船が到着した離島ターミナルに預け、
昨晩泊った民宿の宿泊客から教えてもらったソフトバンクショップへ向かったのでした。

昨晩、水たまりに携帯電話を落としてしまった自分。
一晩経って、ほぼ機能は回復していたのですが、
携帯カメラの機能だけが、回復していませんでした。

店員さん「…ポケットに入れてしまったまま海に入られてしまったんですか?」
くまぞー「…ん、まー、水たまりに落としたってところですかね。」

店頭の在庫を見ながら、
安く買える端末を教えてもらいますが、
「おっ、欲しい!」と思える商品がありません。

何よりも、今の携帯電話は昨年の秋に買い替えていて、
端末の分割払いが18か月も残っています。

店員さん「新しい端末にすると、今までの端末への特別割引がなくなりますから…」

そう、あと4万円以上を分割で払いながら、新しい携帯も買わなくてはなりません。

くまぞー「…まだ石垣にいるので、もう少し考えてから、近いうちに来ますね。」

やはり忘れることにしよう。
そうだ、八重山そばを食べて、黒島へ向かおう。

が、しかし!

目当てにしていた「嘉とそば」は、水曜休業。
ボリューム満点と聞いていた「あさひ食堂」は、
ソフトバンクショップの目の前にあったのに、気付かずじまい。

くまぞー「……。」

まあ、仕方ありません。
運が悪い時には、悪いことが続くものです。
そんなとき、通行人から、不意に声をかけられました。

通行人 「あっ、どうも!」
くまぞー「あーこんにちは!」

波照間で、同じ民宿で昨日まで泊っていた宿泊客さんでした。

くまぞー「どちらから?」
通行人 「黒島で一泊してきたんですよ」
くまぞー「黒島って昨日天気どうでしたか?」
通行人 「いい天気でしたよ」
くまぞー「実は、昨日の夜、波照間すごい雨だったんですよ。
     ゆんたくしていたテーブルの下の水たまりに携帯落としちゃって、大変でした。」

…やはり、携帯電話が気になっています。

宿泊客「気をつけて!」
くまぞー「気をつけてお帰りくださいね!」


離島ターミナルへ戻って、コインロッカーから荷物を取り出し、チケットを買い、
黒島へ向かう高速船に乗り込みます。
ほんの数時間前に、通ってきた海を、今度は反対に向かいます。

波に揺られながら、約30分ほど。
そろそろ、港に着くか着かないかの頃のことでした。

くまぞー「!」

先ほどまで、カメラのレンズを擦っては、水蒸気を追い出し、
またすぐにびっしりと水蒸気で覆われていたレンズの内側が、
少し、見えてきたじゃないですか!
午前中、ひたすら、水蒸気を追い出してきた、その結果が見えてきたようです。

船内アナウンス「到着いたしました。お忘れ物のないよう、気をつけて降りてください」


……


黒島は、石垣島から、南西に約18km。
東西に約3km、南北に約4kmの、ハート型をした島です。
標高は高いところでも17mで、海から見ても、まっ平らな島です。
人口は約200人。集落は5つあり、主な産業は、畜産業。
島のほとんどが放牧地で、ここで生まれ育った牛が、日本各地に運ばれ、
「神戸牛」ほか、各地のブランド牛として飼育されるのだそうです。

……

高速船から、最後に降りた自分は、
宿泊予定のワゴンを見つけて、
待っていた運転手のおっちゃんに向かって、帽子をとって頭を下げます。

くまぞー「先ほど電話した、くまぞーと申します!」
おっちゃん「はい、さー乗って!」

ワゴンに乗っている間も、携帯電話のレンズを擦っていました。
でも、明らかに、先ほどまでとは、状況が良くなっています。

おっちゃん「黒島は人口よりも牛の数のほうが多いといわれて、他に何もない島なんて言われます」
くまぞー「いや、何もないのが、いいじゃないですか。」

舗装が荒く、ガタゴトと進むワゴンの外には、
柵がずっと続き、その向こうには、草原。そして、青い空に入道雲が見えます。
波照間とは、また全然違う、その景色に、圧倒です。

程なく、ワゴンは民宿に到着です。

看板「みやき荘」
みやきさん「では、こちらに荷物を置いて。」

玄関前には、やはり長椅子にテーブル。ガジュマルの木が印象的な、雰囲気が◎です。

黒島の簡単な説明を受けて、部屋へ案内されます。
実は、てっきり相部屋だと思っていたら、なんと、個室!
個室といっても、簡単な壁で仕切られ、扇風機と布団以外にはなにもありませんが、
風通しには問題なさそうです。
荷物を置いて、携帯電話の充電し、先ほどのテーブルで一休みです。

宿泊客A「黒島にはどうやって来たんですか?」
くまぞー「波照間二泊してきました」
宿泊客B「どこに泊まったんですか?」
くまぞー「たましろです」

八重山には、有名な民宿がいくつかあり、それぞれに常連客さんがたくさんいます。
この「みやき荘」も「民宿たましろ」も宿泊客が重なっているらしいとか。

宿泊客B「たましろにはずいぶん泊っていないなあ。おじさん元気だった?」
くまぞー「元気っつーか、お客さん多くて、大変そうでしたよ。」

そんな挨拶をひととおりしたら、腹が減っていることに気付きました。
石垣で食べ損ねた昼飯を食べに出かけることに。
部屋に戻って、充電が終わった、携帯のレンズを擦ってみます。

くまぞー「!」

カメラ内のレンズは、ほんの少し水滴しか残っていません。
カメラを起動してみます。

くまぞー「!!!」

波照間では全然映っていなかった画像も、
問題なくきれいに映っています。

ようやく、楽しい旅が復活したようです。
玄関の庭に置いてある、民宿の自転車を借りて、いざ出発です!