えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。
……
正午。
沖縄県那覇市久茂地(くもじ)。
待ち合わせの場所で、お目当ての人物を探します。
はっきりと場所を決めてなかったのですが、
目印はスキンヘッド。でも相手は俺の顔を知りません。
少しずつ正午を過ぎていきます。
相手を待たせることに、少し焦り始めます。
あっ、いた。(笑顔)
俺「はじめまして」
名前はIkunoさん。
俺がブログをはじめた初期のころから、
コメントをいただいていて、
いつかお会いしたいと思っていたのですが、
こうして、この機会に実現できました。
ikunoさんの書くベトナムへの旅行記がとても充実していて、
そこからだんだん惹かれていきました。
また韓国への留学経験もあるとか。
そしてなによりも、ここ最近の沖縄ブームでの移住ではなく、
もうすでに何年も前に移住している方です。
いろいろ話を聞けるのが、楽しみでした。
Ikunoさん「相方が今日は仕事だから、バスでの移動になるけれど…」
俺「大丈夫です!」
Ikunoさんの
ブログには、
相方さんとのラブラブな日々が綴られています。
Ikunoさん「何に食べましょうか?」
俺「ノープランなんで、なんでもいいんですよ」
Ikunoさん「3つほどプランを考えているんですよ…」
俺「Ikunoさんはどれ食べたいですか…」
というわけで、パレットくもじ前のバス停から、
Ikunoさんイチオシの店に向かいます。
バスが程なくやってきます。
座席に座り、ぐるっと見回します。
俺「俺が中学生のころ乗っていたようなバスですね、懐かしい感じ…」
Ikunoさん「本土から中古車両がやって来るんですよ」
バスは、広い道路をぐんぐん進みます。
そんな路線バスの中で、俺はIkunoさんに根掘り葉掘り質問攻撃です。
俺「いつごろ沖縄に移ったんですか?」
俺「ベトナムとか韓国とかどうしてまた興味があったんですか?」
俺「仕事を辞めて移住するって大変だったんじゃないですか?」
俺が凄く気になっていたことをIkunoさんが答えてくれます。
Ikunoさん「2000年の少し前…」
Ikunoさん「中国の文化の影響を受けた、まわりの国というのに興味があって。」
Ikunoさん「いや、もう地元と言うのがなかったからね」
なろほど。
本土の人から見た沖縄の良さだとか、気になるところだとか、
移住組ならではの視点から、Ikunoさんは沖縄を語ってくれます。
間違えなく、沖縄への愛が溢れています。
Ikunoさん「以前は那覇市の中でも、方言があって通じないことがあったんですよ」
俺「それだけ集落の中の結びつきが強いという証拠ですね」
強固な結びつきのある沖縄へ移り住むという決断をさせたのは、
たぶん、言葉で説明できない沖縄の人たちに対するシンパシーがあってこそかも。
停留所に到着し、バスを降ります。
バス停の名前を指します。
Ikunoさん「これ、読めないでしょ」
俺「んーわからない!」
Ikunoさんによる超難関地名読破クイズで盛り上がりつつ、
店に到着です。
というわけで、到着したのが、那覇市安謝(あじゃ)にある、
「だいこんの花 安謝店」。オーガニックをテーマにした、
沖縄料理中心のビュッフェです。
店内に入ったとたん、いい予感。
おおっ、麩チャンプルー!沖縄産トマトのふわふわオムレツ!
もう、メロメロです。
俺「東京に似たような店があるんですよね」
Ikunoさん「いや、沖縄資本の店だよ」
そうです、
「アメニティ」という会社が運営するこの店。
東京・新宿の伊勢丹会館やルミネエストなんかにも、
「
ナビィとかまど」という居酒屋タイプの店を出店しています。
これは行かなくては♪
正午を回り、随分たちますが、
お客さんは、現れては消え、入れ替わり混雑しています。
人気がある証拠ですね。ちらほら、組合員っぽい2人組も!
オーガニック&ビュッフェ…おかま受けするツボ、押さえてます。
俺「あー朝のビュッフェお変わりしなければよかった!」
しゃべっていると、全然時間が足りません。
帰りの飛行機の時間は、たしか16時30分発だったような。
コインロッカーに荷物を預ける前にチケットを確認してこなかった
自分の詰めの甘さが悔やまれます。
時間は2時半を過ぎます。だんだん焦ってきます。
俺「隣にあるマックスバリュー行ってもいいですか?」
というわけで、次に向かったのが、
隣にあるマックスバリュ安謝店。普通のスーパーマーケットです。
でも、ここでお目当てがあったのは、実は、スパム(ランチョンミート)。
近所のスーパー「オリンピック」では、
スパムが税込み600円以上しますが、
こちらでは、特売で200円切ることもあるのだとか。
Ikunoさんと一緒にマックスバリューデートです。
他にも、いろいろあって、Ikunoさんの沖縄食材解説が続きます。
俺「うあ、スパム沢山ならんでる!」
Ikunoさん「あまり、自分では買って食べないけどね」
たしかに、体に悪そう。
自分も以前はそれほど食べたいと思う食材ではありませんでした。
あまりにも種類が、たくさんあり、わくわくしてきます。
俺「
ponpoko君にぜひひとつ贈ろうかな」
Ikunoさん「じゃ、自分も…」
菓子パン、生菓子売場へ向かいます。
Ikunoさん「ないな…今日に限って!」
黒糖で出来たクレープ風の生菓子「ちんぴん」を探したのですが、
残念ながら品切れのよう。
そこで、ponpoko君には、ちんぴんミックスを献上です。
ジューシー(炊き込みご飯)の素だとか、
さんぴん茶だとか、
買って帰りたいものばかりでしたが、
死ぬほど重たい荷物になってしまうので、今回は残念。
俺「ありがとうございました!」
Ikunoさん「モノレールの駅まで行くよ」
帰りもバスに乗りこみます。
ゆれる車内に張られたバス会社の営業終了の告知。
沖縄のバス会社の現状だとか、
若年層の失業率の問題だとか、
沖縄の抱える問題を鋭く指摘するIkunoさん。
沖縄の歴史と、あの戦争、そして現在。
この地域の運命と沖縄の人たちのメンタリティへ複雑な思いが交錯します。
俺「ずっと琉球王国のまま独立国というか属国の方が、この地域の人には、
よかったかもしれませんね。とはいえ、どちらにしても
我の強い中国や周辺国に編入されたかもしれないですけれどね。」
政治では、周囲の大国相手に、相当したたかでないと
独立を保てないだろうし、経済的にも行き詰まる可能性が高いでしょう。
日本への編入を決めたのは、合理的な決断だったのかもしれません。
でも、その後、この地域のたどる運命は…。
観光客である自分が、踏み込んで考えることではありませんね。
Ikunoさん「また会いましょう!」
空港へ向かうモノレールの駅へ急ぎます。
預けてあったバックパックをロッカーから取り出し、
スパムでさらに重たくなった荷物を背負い、
空港へ向かいます。
琉球王国から出国する人たちで保安検査場は長い列です。
宮古島へ、石垣島へ、そして福岡、関空、羽田へ…
また帰ってくることを約束して、満席の飛行機に乗り込むのでした。