さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

映画でもなく、ドキュメントでもなく、むしろバラエティ。

2007年07月04日 01時58分17秒 | 映画
てなわけで、映画を一本見てきました。

画像は渋谷区「シアターイメージフォーラム」で、「選挙」。
一ヶ月前ほどに、ベルリン映画祭で上映されたということで、
マスコミで話題になった映画ですね。

2005年、小泉旋風が吹き荒れた総選挙の年の秋に行われた
川崎市市議会議員補欠選挙に自民党公認で立候補した山内和彦さんの
選挙活動の様子をカメラが追った作品です。

脚本もなく、効果音や演出も一切なく編集のみで作られたこの映画は、
ほぼドキュメント映画ですね。
映画監督と候補者は、大学時代の同級生で、
監督は、共通の同級生から送られてきた携帯メールの選挙ポスターの画像に
候補者が映っていて、それだけでおかしくて、
映画を撮ってみようと思ったそうです。

自民党の候補者公募に応募した山内さんが、
落下傘候補として、川崎市宮前区の補欠選挙の自民党公認に選ばれ、
ずぶの素人が、先輩市議達の指導や応援を受けながら
旧来からあるどぶ板選挙で戦っていきます。

この選挙では、同時に川崎市市長選に参議院補欠選挙も行われ、
川口より子の応援に駆けつけた小泉純一郎総理大臣をはじめ、
有名国会議員や川崎市長候補、先輩県議、市議の中で、
必死に頑張る山内さん。
具体的な政策について突っ込まれると、まだ覚束ない山内さんは、
小泉改革を川崎市でも!と情熱を前面に闘っていきます。

朝、駅前で一運動員が一列にならび、順番に候補者名を宣伝しながら、
「行ってらっしゃいませ」と声をかけていくシーンや、
当選したら仕事を辞めたらどうかと、
候補者の妻が先輩市議に言われたことについて、
妻が車の中で不満をぶちまけるシーンなど、見所満載。

結果、山内さんは、民主党公認の候補者に僅差で勝って当選しますが、
改選となる今回の春に行われた川崎市議会選挙では、
立候補しなかった(できなかった?)ようで、
今は、再び本業のコイン販売業にもどったようです。
スクリーンに映るドキュメントは、
まさにバラエティ番組。
「爆笑」という意味ではないけれど、
ここまで面白い映画が撮れたのは、
やはり立候補者が監督と同級生だったということで
カメラがかなり裏側まで入り込んでいったことと、
旧来からある自民党の保守的な選挙システムの中で右往左往する
山内さんというキャラクターが際立ったことでしょうか。

政策を一切訴えない選挙を批判するのは簡単で、
むしろ、あのような選挙が
私達が政治に対する姿勢だとか求めるものを
映し出している鏡なのかなと思わずにはいられませんでした。

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