さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

ひとりで過ごす休日に選んだ、この映画。

2008年06月22日 00時41分55秒 | 映画
そんなわけで、うちの相方さんは、
友達とちょっと遠いところへ旅行に出かけております。

どんな景色を見てくるのか、
いろんな写真や土産話を聞けるのが楽しみなんですけれど、
ここのところ、週に一回ペースで会っていたので、
こんなに会えない期間が空くのは、ちょっと久しぶりです。

今日は、梅雨空の中、副都心線に乗って
おすぎがCMで宣伝していた、あの映画を見たくて、
出かけてきました。

画像は、渋谷区宇田川町・シネマライズで、「ぐるりのこと。」
監督はゲイの方にはおなじみの橋口亮輔監督。6年ぶりに撮った作品だとか。

靴の修理屋だったカナオ(リリー・フランキー)と
子供を身ごもりながら出版社に勤め続ける祥子(木村多江)。
カナオは先輩の勧めで法廷画家に職を変えることを勝手に決めてしまうが、
それでも、二人の生活は、ささやかな幸せに包まれていた。

しかし、祥子は、身ごもった子供を流産し、次第に精神のバランスを崩していく。
カナオは社会で次から次へと起きる事件の裁判の法廷画を書き続けながら、
祥子のそばで、幸せの意味、生きる意味を問い続ける…

なんて、寄せ集めの言葉で文章を書いてしまっていますが、
自分の足りない言葉で感想を書くには失礼なくらい、よい映画でした。

先ほど死刑囚の死刑が執行された東京・埼玉幼女連続誘拐殺人事件や
地下鉄サリン事件、大阪池田小児童殺傷事件など、
実際に起きた事件を連想させるような映画の中の事件の裁判の様子と
一人の女性が自分の流産によって、苦しんで壊れていく様子が
10年という長い時間軸でシンクロしていきます。
法廷で行われるやりとりから、夫は生きることや、幸せの意味を考え、
それが彼女の支えとなり、妻は明るさと希望を取り戻し、立ち直っていく様子が
コミカルだけれど、とてもリアルな夫婦の会話の中で鮮やかに描かれています。

あーごめんなさい、こんな感想しか書けなくて。
リリー・フランキーさんと木村多江さんの二人の感情が交わる長いシーンは
多くの観客は、涙を流していました。
ほんと、夫婦の幸せだとか、スクリーンから醸し出される空気が
とてもすばらしい映画でした。
これを読んだ人も、読まない人も、ぜひ、劇場へ。

映画でもなく、ドキュメントでもなく、むしろバラエティ。

2007年07月04日 01時58分17秒 | 映画
てなわけで、映画を一本見てきました。

画像は渋谷区「シアターイメージフォーラム」で、「選挙」。
一ヶ月前ほどに、ベルリン映画祭で上映されたということで、
マスコミで話題になった映画ですね。

2005年、小泉旋風が吹き荒れた総選挙の年の秋に行われた
川崎市市議会議員補欠選挙に自民党公認で立候補した山内和彦さんの
選挙活動の様子をカメラが追った作品です。

脚本もなく、効果音や演出も一切なく編集のみで作られたこの映画は、
ほぼドキュメント映画ですね。
映画監督と候補者は、大学時代の同級生で、
監督は、共通の同級生から送られてきた携帯メールの選挙ポスターの画像に
候補者が映っていて、それだけでおかしくて、
映画を撮ってみようと思ったそうです。

自民党の候補者公募に応募した山内さんが、
落下傘候補として、川崎市宮前区の補欠選挙の自民党公認に選ばれ、
ずぶの素人が、先輩市議達の指導や応援を受けながら
旧来からあるどぶ板選挙で戦っていきます。

この選挙では、同時に川崎市市長選に参議院補欠選挙も行われ、
川口より子の応援に駆けつけた小泉純一郎総理大臣をはじめ、
有名国会議員や川崎市長候補、先輩県議、市議の中で、
必死に頑張る山内さん。
具体的な政策について突っ込まれると、まだ覚束ない山内さんは、
小泉改革を川崎市でも!と情熱を前面に闘っていきます。

朝、駅前で一運動員が一列にならび、順番に候補者名を宣伝しながら、
「行ってらっしゃいませ」と声をかけていくシーンや、
当選したら仕事を辞めたらどうかと、
候補者の妻が先輩市議に言われたことについて、
妻が車の中で不満をぶちまけるシーンなど、見所満載。

結果、山内さんは、民主党公認の候補者に僅差で勝って当選しますが、
改選となる今回の春に行われた川崎市議会選挙では、
立候補しなかった(できなかった?)ようで、
今は、再び本業のコイン販売業にもどったようです。
スクリーンに映るドキュメントは、
まさにバラエティ番組。
「爆笑」という意味ではないけれど、
ここまで面白い映画が撮れたのは、
やはり立候補者が監督と同級生だったということで
カメラがかなり裏側まで入り込んでいったことと、
旧来からある自民党の保守的な選挙システムの中で右往左往する
山内さんというキャラクターが際立ったことでしょうか。

政策を一切訴えない選挙を批判するのは簡単で、
むしろ、あのような選挙が
私達が政治に対する姿勢だとか求めるものを
映し出している鏡なのかなと思わずにはいられませんでした。

プラダを着ているから面白い悪魔。

2006年12月01日 01時51分48秒 | 映画
相方さんとの出会いの中で、
映画の話で盛り上がったのもきっかけの一つでした。
映画って、観るとなると上映スケジュールにあわせて行動するのが
面倒だったりして、自分にとっては縁のないものでしたが、
「心にも栄養が必要なのよ」とガチムチ専デブの会社の先輩からの忠告もあり、
「かもめ食堂」「プロデューサーズ」「ブロークバックマウンテン」
と面白い作品にも恵まれて、少しずつ観るようになり映画知識ゼロの自分にも、
ちょっとずつストックが出来つつありまます。

映画にもいろいろあり趣味が合う合わないがあるそうですが、
どちらかと言うと娯楽大作好きな相方さんが言うのです。

「『プラダを着た悪魔』って面白そうだよ。」

てなわけで、画像は、プラダを着た「悪魔」とアシスタント。
アメリカのファッション雑誌の編集長のアシスタントをしていた女性が書いた、
そのエピソードをふんだんに盛り込んだと思われる小説の映画化です。

六本木TOHOシネマズで夜7時15分からの上映。
劇場内はやはり女性が多い!男二人組というのはいささか浮きます。
「女の子必見の映画!」みたいなナレーション?キャッチコピー?が
テレビCMで流れていましたが、映画の内容はまさにそんな感じです。

ジャーナリストを目指す主人公の女性は、
自分の夢をかなえるために、
雑誌の編集長のアシスタントの募集に応募したのですが、
その雑誌はアメリカでも権威のある人気ファッション雑誌。
しかし、ジャーナリスト志望の彼女は、ファッションについては無頓着・無関心。
セール買ったような流行おくれのニットのセーターで満足で、
そんな彼女が面接に訪れた、
ニューヨークのファッションの最前線ともいえる編集部では、
彼女の服装は浮きまくりなわけです。
編集長の面接が終わると、当然のように、結果を待たず立ち去る彼女。
しかし、今までにないタイプの応募者であることが編集長の目に留まり、
アシスタントとして採用されたのです。

編集長はアシスタントに仕事で厳しい要求を突きつけることで有名で、
みんながあこがれる仕事にもかかわらず、次々と辞めていきます。

そんな職場に飛び込んでしまったから、新人アシスタントは、大変。
雑用から電話のやりとり、飼い犬のお迎えなどプライベートなことまで
編集長の要求どおりにするよう、次々とアシスタントに求めるのですが、
リクエストに応じきれずに、少しでも遅れたり失敗すると、
編集長は、アシスタントをひどい言葉で叱責をします。

いくら頑張っても頑張りを認めらない主人公。
その怒りについに耐え切れずに、
「辞める!」と言って、
ファッションディレクターの元へ行き、愚痴を話し始めます。
しかし、話を聞いたディレクターに、
慰められるどころか、「辞めたければやめなさい」と厳しく諭されます。

そして主人公は、その言葉に、
自分が編集長から何を求められているのか、気づき始めます。

最初は「ガッバーナ」のつづりもわからなかったような主人公が、
ヒールを履き始め、最新のモードを見にまとうようになり、
どんどん変身しながら、仕事を自分のものにしていく姿や
24時間鳴り響く編集長からの電話とそしてプライベートの恋の行方は、
どの世界にもありがちな、ありふれたストーリーのように思えますが、
コメディータッチで、かつ、ファッション業界の最前線の厳しさや
華やかさを体験できるかのような、楽しい映画です。

主人公の女性を演じるのは、
「ブロークバックマウンテン」でジャックと結婚したお金持ちの娘を演じた
アン・ハサウェイ。公式ホームページを見るまで全然気がつきませんでした。
だから女って、怖いです。

「女の子必見」なのですが、たぶん、ゲイの皆さんも、
見かけ男でも心が「女の子」なので、結構楽しめると思います。

「涙そうそう」は歌の方がいい

2006年11月01日 01時37分41秒 | 映画
今日は仕事が休み。部屋の片付けや掃除をしていたら、
すでに時間は午後2時。以前からずっと
「フラガール」を見たかったのですが、
休みの度に、出かけるのが遅くなって、ずっと見逃していました。
そろそろ見なくては、劇場公開が終わってしまいそうだったので、
今日は気合を入れて、夕方の予定に間に合うような上映スケジュールの
映画館を探したところ、豊島園のユナイデットシネマならば、
夕方6時からの予定に間に合う!!

がしかし!
実際に劇場へ行くと、何故か「フラガール」は一時間前に
始まっています。見間違いか、ウェブのミスか、
しかし、そんなことを考えている暇もないくらい、
今、入場すれば、本編に間に合う映画がありました。

てなわけで、今日は「涙そうそう」を見てきました。
血のつながりのない兄と妹の愛情を描いた映画で、
もちろん、森山良子作詞BIGIN作曲、夏川りみの歌で
大ヒットした「涙そうそう」をモチーフにしています。

すでに観た方も多く、どちらかと言うと、評判はよくなく、
自分がよく見るブログで「涙そうそうにはならなかった」と書いてあったり、
おすぎも「予告編の出来がよかった」と言っていたので、
あまり期待はしていませんでした。

しかし、自分はオープニングのタイトルが出る前の
最初の5分くらいですでに、涙。
「出会い」「別れ」「死別」など、典型的なシーンで、涙をボロボロと。
見終わって、トイレに入って鏡に映る自分の泣顔を見て、
本当にブサイクで死にたいと思うくらい、泣いてきました。

長澤まさみは妻夫木を「にーにー」と呼ぶシーンなど、
とてもかわいらしく、
長澤も妻夫木もまるでうちなんちゅであるかのように
方言豊かに演じていて、とても感心したし、
オール沖縄ロケで、海や空はもちろん、
山がちな那覇の住宅街の養子や
離島の古い家並みなど、映画のどのシーンをとっても、
沖縄の空気を感じることが出きました。

でもですね…
すごく偉そうなことを言いますが、
ストーリーの展開に深みがないのかな。
たとえば、2人を捨てた父親に妻夫木が再会するシーンで、
「母親(小泉今日子!)が死んだ後、どれだけ苦労しのか知ってるのか~」的な
事を言うのですが、
その苦労はそれほど描かれていなかったり、
台風の中、妹を助けに駆けつける妻夫木は倒れてしまうのですが、
妹と一年半の間、別れて暮らしている間の妻夫木の苦労ぶりだけでは、
その後の容態の急変ぶりがあまり結びつかなかったりと、
ストーリーの展開があまりにも平べったく、思えました。

脚本の問題か編集の問題かよく判りませんが、
製作はTBS中心で進められたようで、
やはり「お金のかかった2時間ドラマ」という批評は、
ハズレではない気もします。

ただ、沖縄に興味や関心のある方は是非、今のうちに!

「ゆれる」に心ゆざぶられた黄昏

2006年07月27日 22時34分52秒 | 映画
ごめんなさい。食べ物の話ではなく、映画の話です。

映画評論家のおすぎが、
こないだ、「とくダネ」(フジテレビ)の金曜日のコーナーで、
とある映画を絶賛していたんですね。

おすぎ「オダギリジョーという俳優をいままで一度も
    認めたことがなかったけど、この映画見て随分成長したんだなと
    思いました…」

オダギリジョーの作品なんて見たことがないので、
よくわかりませんが、
ライフカードの駅貼りポスターでは、
すごく表情が豊かな俳優さんだと感じてはいましたが、
おすぎがそこまで言うとは…。

おすぎの薦める映画をみて、
あまり外したことがないので、ぜひ行かねば…と思っていた映画見てきました。
ということで、画像は新宿武蔵野館、
オダギリジョー・香川照之主演の「ゆれる」。


ガソリンスタンドを家業とする家族の母親の葬儀に東京から帰ってきた、
プロのカメラマンの次男・オダギリジョー。
久しぶりの帰省を暖かく迎える、家業を継いだ長男・香川照之。

そんな葬儀の翌日、幼馴染みでガソリンスタンドの従業員である女性と、
香川と、オダギリと三人で、兄弟が昔、よく行った渓谷へ
遊びに行きます。

つり橋をわたろうとする女性に、おいかける香川。
その時、女性と香川との間にアクシデントが起き、
女性は川へ転落してしまいます。

女性を転落させてしまった香川。その瞬間に何が起きたのか。
その現場付近にいたのは、二人。
香川とオダギリの関係をつないでいた思いが何であったのか、
ひとつ、またひとつ、
裁判を通じて明らかになっていくのです。

オダギリに対する香川の思いは絶えずかわらなかったのです。
そして幼いときからのオダギリの本質さえも理解していたのです。
しかし、その香川から、その本質を指摘され、
ストーリーはさらに大きく展開し、そして、
オダギリの、この映画の一番の見せ場の「泣き」のシーンを迎えるのです。


非常に、身につまされました。
1人暮らしをはじめ、東京に出てきて13年経ちますが、
最近は妹とも両親とも満足に話もしていない状態。
話す必要がないし忙しいというのも理由ですが、
長期の休みは全て自分の旅行に費やし、
家族へ対する思いは、かなり希薄。

そして、もしかしたらあるべき人生から逃げていたオダギリと
自分というのは本質的に重なるのではないかと映画を見て思ったのです。
オダギリは逃げているつもりはなかったのです。
ただ、残っていた両親や長男から奪っていたものに気づかされたとき、
ふと自分がおざなりにしてきたものが大きいのではと、
その大きさに少し怖れを感じました。

映画館を出て、行く当てもなくふらふら歩く自分。
ラストの香川の演技に救いを求めたいほど。

おすぎも言っていましたが、
香川照之さんが、すごくいい演技だと思います。
こんな俳優さんだったんですね。
帰ってきて数時間たったいまでも、ゾクゾクします。

松子!

2006年06月13日 22時29分42秒 | 映画
こないだですね、
とある友人と、埼玉でジャスコデートをしてきたのですが、
観劇や映画、コンサート観賞を趣味としている、その友人に、
「最近、どんな映画見たいですか?」とか訪ねると、
「間宮兄弟が見たいんだ。塚地好きなんだ~」
とか言うじゃないですか。
「塚地って、ドランクドラゴンの?へーっ。
 あの『嫌われ松子の一生』とかどうですか?下妻物語とか撮った監督で…」
「邦画って、10年以上見てないんだ。」
「……」

塚地ごときで、10年間の封印を切るかに思った、
その彼氏ナシ普通体型の40歳ゲイから、
俺にメールが届くじゃないですか。
「嫌われ松子の一生、観たよ。面白かったよ」

というわけで、観てきました。
画像は六本木TOHOシネマズで「嫌われ松子の一生」。

いやあ、なんていうんですかね。
ブロークバックマウンテンの時も感じましたが、
なんだか俺の浅い体験でこの映画を語るには、
とても申し訳ないくらい、いい映画ですな。

ほら、ゲイってさ、家族だとか地域だとか、
そういうしがらみから切り離された存在じゃないですか。
だからさ、自分の周りにコミュニティをどうやって
作っていくか、どうやって人とつながっていくかというのは、
生きていくうえでとても重要じゃないですか。

それがとても長けている人もいれば、
とても不器用な人もいて、
それだけに、どうやって自分の人生を切り開いていて
楽しいものに、幸せなものにしていくかというのは、
自分の手にかかっていると思うのですよ。

松子は、それが凄く下手な女で、
それでも、死ぬ寸前まで、もいちど、
頑張ってみようと思っていたわけじゃないですか。
そういう必死に生きていこうとする姿勢だとか、
目の前にある幸せにすがりついてしまう弱さだとか、
そういうところが、自分の心をわしづかみにされたわけです。
最期に戻る場所は、やはり彼女の原風景なのでしょう。
泣けました。

それよりも、劇場に案外、お客さんが入っていたことが、
うれしかったです。
主演の中谷美紀は監督から、
「ヘタクソ、女優なんか辞めてしまえっ」と
罵声を何度も浴びせられたらしいですが、
封切の舞台挨拶では
「監督にありがとうといいたい」と涙を流したとか。
いや、そのくらい、いい作品だと思います。

なんだかわけのわからない解説でごめんなさい。
見ていない方は、他の人が書いたちゃんとした解説を
読んでください。ごめん。あとは任せた。

ナイロビに行ってきました

2006年06月02日 00時10分22秒 | 映画
というわけで、
とある日の、職場での出来事。
俺が現場から戻り事務所へ入ると、
おばさんたちが、俺を見てくすくすしてるじゃないですか。

「なに?なに何?どーしたの?」

おばさんたちは、なんにも教えてくれません。
しつこく聞くと、
「何の映画を見に行くのかしらっ」
とか言うじゃないですか。
どうやら、俺が映画の半券を落としたようなので、
おばさんたちは、俺が映画を見に行くのを、意外に思ったようです。

たぶん、その予想は半分当たっています。
だって、基本的には、食い気が勝っていますからね。
そんなおばさんたちが言うのです。
「ナイロビの蜂とか面白そうじゃないのよ~」

というわけで、「ナイロビの蜂」を観てきました。
外交官の主人公は、講演会で講演したのをきっかけに、
平和活動家とでもいうのでしょうか、
とある女性と出会い、結ばれることになるのですが、
ナイロビへ異動することが決まり、
それをきっかけに結婚。
女性は、活動の場をナイロビへ移し、
貧困とエイズに苦しむスラム地区を精力的に回るのですが、
その地で行われている医療支援の現場を見て回るうちに、
そのスラム地区を舞台におきている、
製薬会社とボランティア団体が結託した人体実験の実態を
知ることになり、告発しようとするのです。

旦那の外交官は、妻の行動には口を挟まず、
何も知らず傍観しているのですが、
妻はにぎっている事実を夫に話さなかったため、
その不審な行動を誤解します。
そして妻は、その秘密の告発を恐れる権力から追われ、
殺されることになります。

夫が、妻の行動について、不審な点を調べていくうちに、
どうやら、浮気ではなく、何かを調べるために
密かに行動していたことを知った直後、
イギリス本国に償還されてしまいます。

イギリスで、妻がやり取りしていた相手を探し出し、
その人体実験という事実を知ることになります。
その事実を知り、妻を疑ったことを悔やみ、泣き崩れる夫。
が、しかし、どうして妻は殺されてしまうことになったのか。
公安当局から監視され正規には出国できない夫は、
偽造パスポートで再び、ベルリン経由でナイロビへ向かうことになります。

んーとっても筋が凝ったストーリーです。
映像で、物語を語らせるシーン多く、とてもすばらしいのですが、
一方で、たとえば、ユーロスターに乗って移動するシーンは、
その映像だけで、それが国際列車でパリへ向かっていることが、
すぐには理解できなかったりするわけです。
あとから、
「あーそうか海底トンネルで繋がってるのね。
 飛行機だとは捕まっちゃうからな」
てな具合です。

たぶん、くまぞーも、かなり見落としていたり理解不足のシーンあり、
事前に少しストーリーは予習しておいたほうがいいのかも。
ぼけっと見ていると、ちょっと訳がわからなくなってしまいます。
流せる涙も流せません。

妻の行動を知る旅に出たとき、
今そこにある命を救えないアフリカの現実、
そして、一人ひとりの命が非常に軽く実験台にされている現実、
妻が目の前にして告発しようとした、その現状を再び夫が出会うわけです。

もしかしたら、夫はロンドンを立つ時から、
妻と同じように命を狙われる可能性か、死を覚悟していたかもしれません。

最後のシーンで告発の手紙を読み上げるシーンは、
ぞくっとします。
とにかくストーリーの筋立てがうまい映画です。
すごく楽しませてもらいました。

ちなみに、ナイロビってアフリカで一、二を争う
すごく治安の悪い都市だとか。
そんな緊張感も充分に伝わる映像でしたよ。

「明日の記憶」から老人ホームへ直行せよ。

2006年05月19日 00時52分30秒 | 映画
たぶん、病気にブームがあるとしたら、
少し前が「うつ」ブームで、
今、一番人気なのが「若年性認知症」では?

「呆け」という言葉が、差別的だからでしょうか、
「認知症」という呼び方が定着したために、
いままであまり光が当たらなかった「若い人のボケ」
がクローズアップされてきているのでしょうかね。

そんなブームの一翼を担っているのが、
今日見た「明日の記憶」という映画でしょうか。

広告代理店で、バリバリ仕事をしていた主人公が、
若年性アルツハイマーにかかり、症状が悪化していくとともに、
妻との絆を描いたもの。

いや、ほらね、この映画、ハッピーエンドじゃないのですが、
仕事を外され、会社を辞め、どんどん症状が悪化していく夫に、
皿で頭を殴られても、自分の名前を忘れられても、
それでも寄り添っていく妻の気持ち…

自分には、
せつないのではなく、わからないのではなく、
ただあるがままに生きていくしかない絶望を感じてしまいました。

たぶん、妻にとっては、それが「愛」というものなのでしょうが、
夫は、今まで仕事を優先にし家庭を顧みず、
家族の気持ちを踏みにじりながら生きてきただけに、
そこまでして夫に寄り添わざるを得ないのか?
…いや、そうしてまで寄り添うからこそ、夫婦ということで、
いいんでしょうかね。

見ていて辛かったのは、
本人が病気を受け容れることに苦しんでいた以上に、
周囲の無理解が、本人や妻を苦しめていたこと。
本人と周囲に受け容れる体制や理解ができてこそ、
はじめて幸せな生活がおくれることを痛感。
数々の認知症の特集でも、共通してますね。

それよりもですね、
俺の前列に座っている年寄り夫婦が、
ふくろゴソゴソさせながら、なにか食べ物食べているし、
小声でボソボソしゃべりながら、笑っては二人で話すし、最悪!
しかも途中で2人とも席を経ってどこかへ消えるじゃないですか。
いいシーンで、気が散って、映画どころではなかったです。

日本経済のいいところばかり生きてきて、
年金もたくさんもらって、
その上、俺の映画鑑賞の邪魔をするとは!

だから年寄りはキライです。
せっかくだから、映画館に張ってあった、
画像の介護老人ホームに早く入居して、
ホームの中で映画を見てもらいたいものです。

アメフト!スポ根?コメディ!

2006年05月12日 09時39分13秒 | 映画
同じ会社に勤めるガチムチ専デブの友人から、メールが。
「アメフトスポ根コメディの映画が面白かった」
とか言ってるじゃないですか!

アメフト?スポ根!コメディ?
面白そうな予感がしたので、見てきました。
てなわけで、場所は新宿K'sCINEMA「ロンゲスト・ヤード」

あの場所って、数年前まで任侠映画ばかり上映していた、
古い映画館でしたが、大きく建て替え、
テナントビル+普通の映画を上映するようになりました。
受付にガラス越しにいた「いかにも!」なおばさんも、
今度は、カーペットがひかれ、カウンターがおかれた受付に
ベストを着た若い女性が。随分と様変わりです。

1974年にヒットした映画のリメイクだとか。
八百長でアメフト界を追われ、飲酒運転でカーチェイスを繰り広げ、
実刑判決の下ったアメフト界の元スーパースターが、
刑務所の中で看守VS囚人の試合で対決を行うわけです。

ですね、これがですね、
全編にわたって体育会系にありがち(だと思われる!)、
同性同士のエロが漂う、ほんのりゲイテイストな映画だったわけです。
さらに、囚人の中で男だけで結成されるチアリーダーあり、
笑いを誘います。
さらに、刑務所だけに社会通念から大きく外れた
囚人のキャラクターも、コミカルに描かれています。

反対に、看守による陰湿ないじめ、暴力、殺人など、
かなり殺伐とした行為を描くことより、
物語は余計に面白く、痛快なストーリーとなっていくわけですね。

あまり考えず、ただ面白く見ることができます。
デートにおすすめです☆

ていうか、そんな映画を一緒に見に行ける彼氏募集中です。
↑しつこいな、自分。






ルワンダって何処ですか?

2006年05月05日 09時59分12秒 | 映画
てなわけで、行ってきました。
「ホテルルワンダ」…ラブホテルではなく、また映画です。

民族対立の激化するアフリカ中部にあるルワンダで、
1994年、権力側の民族の急進派の民兵が、
被支配側の民族と権力側でありながら穏健派であったり擁護する人間を、
民間人、戦闘員を関係なく、つぎつぎと殺し、
数ヶ月の間で何十万人、何百万人という数の人間が殺されたらしいですね。

その民族対立を背景に、とあるホテルで、
欧米からの観光客や国連などの宿泊客を守るために、
権力側の民族の支配人が奮闘しているところに、
民族対立が激しくなった被支配側の近所の住民たちをかくまうようになり、
しだいに、ホテルの支配人に対して「ゴキブリ(被支配民族)をかくまう奴」
というレッテルを貼られるわけです。

国連や欧米諸国は、
とりあえず、欧米人だけを国外脱出させるのですが、
さまざまな金品を賄賂として渡し、ホテルを切り盛りしてきた
黒人の支配人は、自分たちまったく救ってもらえないという
絶望を味わいます。

民兵の扇動活動は激しくなり、
大量に被支配民族が殺され、家が焼かれ、死体が町中に溢れていく中、
ホテルのスタッフ、住民、そして孤児たちなどを1200人もの人たちを、
なんとか安全な難民キャンプへ移送する作戦が始まるわけです。

なんだか、ここまで書いて、
とても疲れてしまったわけですが、
すごく重たい映画です。怖いですよ。

もともと違う民族だったのかどうなのかも怪しいのに、
ベルギーとドイツによる植民地時代に、
強引に違う民族に分けて、IDを発行し、
支配に利用したという経緯もあるそうで。
日常生活の中に、対立構造があるというのは、
日本ではとても想像しがたいですが、
普段の生活の中に、耐え難い緊張感が存在するのは、
なんとなくわかるような気がします。

もちろん、安全な難民キャンプに逃れたらといって、
映画はそこで終了ですが、
事実としては、そこからさらに現在に至るまでも展開を見せるわけです。
難民キャンプでは、孤児たちの中から支配人の妻の姪を探し出し、
出会うわけですが、
その周りには、自分の親が見つからない子供たちがたくさんいるわけで、
どういう思いで、その光景を見ていたのか。

現在のルワンダは、政情が安定し、
外務省の渡航情報でも、アフリカにしては、
安全なほうだと思うのですが、
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info4.asp?id=131
ルワンダのあとにもスーダンで虐殺があり、
一向に、民族対立に対する有効な手段がとれない国際社会にも、
やはり責任の目が向けられて当然だと思います。


こういう言い方をすると、
思想的に反発する人もいるとは思いますが、
だからさ、無用なトラブルや対立は作らないほうが、
いいんですよ、ね、小泉首相。

「RENT」はREALでした

2006年04月30日 22時49分00秒 | 映画
自分の仕事はお客さん相手なので、
本来ならば、日曜日なんかなかなか休めないのですが、
去年からの休みがたまっていて、臨時にお休みをもらいました。
本来ならば連休を望むところですが、
へなちょこサラリーマンなので、
現場仕事なので、仕方なく飛び石。
今日はゴールデンウィーク気分を満喫してきました。

というわけで、今日も、とりあえず映画見てきました。
場所は渋谷区・東急文化村ル・シネマで「RENT」。
「寝ずの間」「ブロークンフラワーズ」…何見ようか迷ったのですが、
土曜の夜、フジテレビで放送していた深夜番組で、
笠井アナウンサー(またか!)が、必死にPRしていた、
「RENT」に決定です。

あのですね、すごーく簡単に言うと、
1990年前後のNYを舞台に、
それぞれが自分の夢を抱えつつ、
貧困、ドラッグ、エイズに、
レズビアン、ゲイといったセクシャルマイノリティや
ストレートの若者達が、
寄り添い立ち向かっていくという話。
ミュージカルの映画化で、俺がここであれこれ説明したところで、
たぶん、俺なんかより、この作品の事をずっとよく知っている
ゲイは方々は沢山居るでしょう。

詳細は、Yahoo!やGoogleで調べていただくとして、
この作品を語る上で、重要なキーワードの、
全てとはいわないけれど、殆どを、
そのまま一人で背負い込む自分としては、
とてもリアルで、泣く以前に、心がえぐられる思いでした。
もちろん、泣いたけれど、泣きつつ、心動かされ、勇気付けられ、
うなずくほうが多かったかな。

いや、ほら、今はエイズでは死なないし、
今目の前に迫る危機ではないけれど、
15年以上前、HIVという目に見えない怪物を前に、
迫り来る死に怯え、コミュニティが崩壊してしまうかもしれないという
恐怖の中を生き抜いてきた人たちの、
「この、今、生きている瞬間」の尊さ、大切さを
21世紀の日本の観客はどれだけ感じたことが出来たのかな。

日本でも、80年代や90年代前半を
東京で過ごしたゲイの中には、
目の前で友人を亡くしたり、または感染=死を告知され、
あと何年生きられるかという、ギリギリのところを
生きてきた人たちもいるだろうし、
そうしたエピソードを幾つも知っている人たちにとっては、
俺以上に、この映画をリアルに感じたに違いありません。

つべこべ言う以上に、
とにかく歌・音楽すばらしいと思います。
オープニングから泣けます。
ごめん、まだの人は、とにかく見てくださいよ。
自分は、見終わって、そのままCDショップへ
直行してサウンドトラックを買ってしまいました。

The有頂天でないホテルでした

2006年04月28日 00時04分42秒 | 映画
てなわけでジャスコで映画見てきました。

嘘です。新宿の昔ながらの映画館で。

何を見ようかと悩んだのですが、
面白そうで気になっている映画は公開がもう少し先のよう。
映画館の入り口には「寝ずの番」と「The有頂天ホテル」のポスター。

おおっ、まだ上映していたんだ、有頂天。
どうもレイトショーでの上映らしく、
昼間は「名探偵コナン」を上映しているのですが、
最終回だけの上映のようです。
ということで、今夜はThe有頂天ホテルを選択です。

出演している俳優さんたちは、
役所広司、佐藤浩市、香取慎吾、松たか子、原田美枝子、YOUだとか、
それはそれは、台本に、どの順番で並べて書いていいのか判らないほど
スターばかりなのですが、
んーちょっと退屈だったかな。

役所広司演じる副支配人が、さまざまなキャラクターの物語の展開の中で、
スジ一本通った軸だと思って映画を見ていたら、
副支配人も、どうもおかしな嘘をついたところから、
どうもヘンテコなストーリーに。
「あれ、このキャラクターもおかしなことになっちゃうの?」
というあたりから、どうも、
自分にとっては退屈な映画になってしまったようです。
最初から戸田恵子中心に映画を見ていたら、
こんなに混乱しなかったのかも。

テレビ朝日で、深夜、井筒監督が自腹でチケットを買い、
映画を見て辛口の映画批評するバラエティ番組があるのですが、
退屈な表情で映画を見る井筒監督の気持ちが、
少し判りました。なるほど。