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 ゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

日本流行歌変遷史=菊池 清麿著

2008-10-22 17:30:00 | 本と雑誌
日本流行歌変遷史―歌謡曲の誕生からJ・ポップの時代へ… 日本流行歌変遷史―歌謡曲の誕生からJ・ポップの時代へ…
価格:¥ 3,360(税込)
発売日:2008-04

黒船が変えた歌と社会  評・新井 恵美子(ノンフィクション作家)

歌が時代を作のだろうか。時代が歌を生むのだろうか。はやり歌とよ                             ばれるものはいつの時代にもあった。人は太古の昔から歌を歌って生                            きて来た。それがレコ-ドやラジオというメディアを得た時、圧倒的な                             力で広まって行った。流行歌史のオ-ソリティである菊池氏はこの昭                            和初期の革新を一つ目の<黒船>と位置付ける。街角に立つ演歌師                            によって社会や政治に対する恨み節が語られた時代が終わりを告げ、                            レコ-ド会社の企画による新しい流行歌に、人々は熱狂する時がやっ                            て来たのだ。菊池氏はこの最初の<黒船>を太平洋を越えてアメリカ                             から蓄音機やラジオという文明機器と共に渡来したと表現する。働くこ                            としか知らなかった大衆にとって流行歌というものがどんなに大きな喜                            びであったことか。熱狂する民衆に支えられて美しい歌謡曲の時代が                            到来する。ここに登場するのが藤山一郎である。東京音楽学校(現東                            京芸術大)の優等生でありながら大衆音楽に身を投じた藤山の存在は、                          流行歌そのものの格調を高めたと言う。藤山は身につけたクラッシック                            の音楽技術を、戦前戦後を通じて惜し気もなく表現し続けた。                                 二つ目の<黒船>はイギリスからやって来た。ビ-トルズ旋風は日本                               ばかりではなく世界中の若者を変革させてしまった。ビ-トルズ来日は                           昭和41年6月のこと。この新しい音楽に触れた者はまるで伝染病にか                            かったように8ビ-トのリズムに浮かされた。グル-プサウンズ、フォ-                           クソングの全盛時代の到来であった。さらには現代のJポップ。それでは                          日本の歌謡曲は絶滅したのだろうか。そんな事はない。高度成長の波に                          乗れない人々の悲しみを慰めたのも流行歌だった。本書は、流行歌の                           流れと社会史を見事に関連づけて説き明かしてくれた。時代を読み解く                           大人の教科書として貴重なものであると思われる。

きくち・きよまろ 1960年生まれ。音楽評論家、歴史家。著書に「藤山                            一郎 歌唱の精神」「流行歌手たちの戦争」など。

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現代読書<ナビ>灯“教育”

2008-10-22 16:20:00 | 本と雑誌

「地域に開かれた学校」智恵、力 総結集し実現=尾木 直樹

学びの学校づくり―学力テスト不参加校犬山北小学校の改革への挑戦! 学びの学校づくり―学力テスト不参加校犬山北小学校の改革への挑戦!
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2008-02

学校開放でまち育て―サスティナブルタウンをめざして 学校開放でまち育て―サスティナブルタウンをめざして
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2008-01

言うは易しく、行なうは難しいのが、「地域に開かれた学校」づくり、                               ところが、PTAが学校の「教育活動」の一翼をになう中で成功させた                              学校がある。それが、全国一斉学力テストに2年連続不参加で「有                              名」になつた愛知県犬山市立犬山北小学校だ。「学びの学校づくり                              -学力テスト不参加校犬山北小学校の改革への挑戦!」には、「学                              校体制にPTAを位置づけること」が強調されている。つまり、PTAが、                            ①学校運営委員会に所属する②校務分掌に位置づけた協力体制                               を敷く③企画委員会にも参加する。これはPTAが文字通り学校運営                              の中核に位置することを意味している。学校と保護者同士だけでなく、                             子どもと保護者、保護者同士、子どもと地域、地域住民同士のふれあ                            い、さらには“学校を拠点にした地域住民が支え合う場”、つまり学校                             を地域の絆を取り戻す砦にしたいのだという。PTAによる活動は、一                             年生の給食支援、ソファカバ-作り、清掃活動見回り指導、親子ふれ                             あい授業、お相撲さんとの交流会など多彩だ。市内のPTAと共同して                            「教育フォ-ラム」を成功させたりしている。一方、「地域支援者学校                              支援」はNPO法人「ぽんぽこネットワ-ク」が「地域で支える町づくり」                             のスロ-ガンの下に活動。保護者、教諭、支援者が同じ土俵の上で、                            個々の子どもに対して何ができるかじっくり考えている。学校の重要                             事項は大学の教員、地域住民、PTA、学校関係者の四者、20人で                             構成する「学びの学校運営委員会」で決している。なんと民主主義的                            で解放的。みんなの智恵と力を総結集して学校づくりを進めている。                              

このように、深部運営の民主主義的改革に成功している例は、北小だ                             けではない。「学校開放でまち育て-サスティナプルタウンをめざして」                            の方は、犬山北小とは反対に、地域側から働きかけた「地域に開かれ                            た」学校づくりを通した“まちづくり”への挑戦である。地域が機能する小                            学校段階の特性を生かして、学校(千葉県習志野市立秋津小)の「施                            設」を活用して市民が学んでいる。つまり、学校を介して、地域の大人                            同士が手をつないでいるのである。著者はこれを「子縁(こえん)」と呼                            ぶ。市民が学校を活用し、楽しもうというのである。だから楽しくなけれ                            ばやらないと強調する。学校支援が目的ではないのがミソ。これこそが、                           十六年も続いている秘訣だろう。木工、陶芸、料理、家庭菜園、読み聞                           かせ、大正琴など、退職者や高齢者も含めて、市民がまるで公民館に                           集うように学校に足を運ぶ。しかし、学校には子どもがいるから、これら                            の活動がいつの間にか子どもたちを巻き込み、学校と地域が一体化し                            ていくのだ。「学社融合」である。訪問すると、エプロン姿の女性が気さ                            くに出入りしているのに驚く。まるで学校の中の“街”だ。こんな気楽な、                            逆転の発想が子育てと学校づくりとまちづくりを一体的に発展させるの                            だから、日本の学校もまだまだ希望が持てる。(教育評論家)

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こどものほん「河田由美子・ぼんぼん代表=釧路市」

2008-10-22 14:07:00 | 本と雑誌

「幼児向き」

だるまさんが だるまさんが
価格:¥ 893(税込)
発売日:2007-12

だるまさんが」といえば?「ころんだ」ですよね!子どものころよく遊                              びました。今の小さい子たちも知っているかしら・・・と思いながら「だ                              るまさんが」と読みますと、「ころんだ!」と自信たっぷりに応えてくれ                             る子がいます。でもペ-ジをめくると、期待を裏切る展開が・・・。                                  次を?今度こそ!みんなが息をこらして見守る中、だるまさんはいた                             ってマイペ-ス。乳幼児のおはなし会でも驚くほどみんなを引きつけ                             ます。その場の空気を温かく揺り動かしてしまうだるまさんのふしぎ                              な絵と言葉の魅力に脱帽です。

ふってきました (講談社の創作絵本) ふってきました (講談社の創作絵本)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2007-02-01

いまにもふってきそうなそらです。つるこちゃんは、おかあさんにあげる                            ためのお花を摘んでいます。すると、ふってきました。雨でも雪でもな                            く・・・なんとおおきなわにが! つるこちゃんびっくり。お花はばらばら。                            でもわにが一緒にお花を摘んでくれることに・・・。するとまたふってき                             ました。今度は何?次々ふってきたみんなと一緒に、すてきな花束を                             完成させたその時、最後にふってきて、みごとな着地をみせたのは?                            その日お誕生日の・・・誰でしょう?ふふふと笑いがこぼれます。

「低・中学年向き」

おじいちゃんと日の出を見たよ (クローバーえほんシリーズ)

おじいちゃんと日の出を見たよ (クローバーえほんシリーズ)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2008-04

数年前札幌から釧路へ帰る時、夜行列車に乗ったことがあります。その                           車窓からみつめた夜明けの光景は今も鮮やかに心に残っています。太                            平洋の水平線から、さんぜんと輝きながら昇ったおひさまは、まさに希                            望のようでした。この絵本は、「ぼく」がおじいちゃんと一緒に「日の出」を                           見る様子が、丁寧な絵と思いのこもった言葉で描かれています。夜明け                           前の静けさ。少しずつ明るくなり、動きだす生命の息づかい、おひさまへ                           の感謝、平和への祈りが静かに伝わってきます。

ヤクーバとライオン 1 (1) (講談社の翻訳絵本) ヤクーバとライオン 1 (1) (講談社の翻訳絵本)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-03

アフリカの奥地にある小さな村。成長した少年ヤク-バは、一人前                              の戦士として認められるために、一人でライオンと戦ってたおさなけ                              ればなりません。夜になり、暗闇で出合ったライオンは、傷を負い力                             も尽きていて、しとめるのはたやすいことでした。みつめ合ったヤク-                            バが選んだ行動はどんなことだったでしょう。本当の勇気とは何か?                             現代社会の現状も重ね合わせて考えさせられます。モノクロで力強                              く描かれた絵。圧巻です。

「高学年以上」

被爆者―60年目のことば (シリーズ・自然 いのち ひと) 被爆者―60年目のことば (シリーズ・自然 いのち ひと)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2005-07

決して忘れてはならないこと、風化させてはならないことのひとつに「戦                           争」という残酷な事実があります。広島や長崎で被爆し、顔や体や心に                            書き尽くせない傷を負った人々か゛、後遺症や苦しみを抱えながら自ら                            をさらけ出し、語り継ぐ努力をしておられます。彼らの願いはひとつ。「こ                            の地球上から核兵器がなくなり、安全で平和な世界を築いていくこと」で                          す。母のおなかの中で被爆し、原爆小頭症という病気を持って生まれた                           百合子さんほか6人の写真と言葉が、深く重く胸に迫ります。

アリスは友だちをつくらない アリスは友だちをつくらない
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2008-04

深い悲しみを抱え、心を閉ざしている少女アリスと、ポ-ランド生まるれ                           の少年ジコルカが、同じ日に同じ学校に転校してきて出会い、心を通わ                           せ合うようになるまでの物語。2人の家庭の事情の孤独感を深める要因                           になっています。「子どもはおとなより小さな胸に、おとなとおなじかなし                            みをかかえなければならない」という文が胸をつきます。でも2人は誇り                           を持っていて成長する力を感じさせます。アリスの祖父母の楽天的な柔                           軟性と思いやり深さも魅力的。

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