疲労感ではなく疲労物質FFを軽減!?
渡り鳥はなぜ1万㌔以上も疲れることなく飛べるのだろう。秘密の一つが、胸の筋肉に豊富に蓄えられているたんぱく質「イミダゾ-ルジペプチド(略してイミダペプチド)」。疲労の研究で知られる梶本修身・大阪市立大疲労医学講座教授によると、イミダペプチドには疲れを生じにくくさせる効果があり、鳥の胸肉をはじめ、海を回遊するマグロやカツオの尾びれにも多いという。人間にも同じような効果があるのだろうか。梶本教授らはイミダペプチドドリンクを開発した日本予防医薬(大阪府)の協力を得て試験を実施した。 健康な成人17人を2群に分け、一方には鶏肉から抽出したイミダペプチド(200㍉㌘)ドリンク、もう一方には偽のドリンク(プラセボ)をそれぞれ4週間飲んでもらった。その後、自転車をこぐテストを行って10秒間の最大回転数の変化を調べたところ、偽ドリンクを飲んだグル-プは徐々にペダルの回転数数が減っていったのに対し、本物のドリンクを飲んだ方は途中で回転数が落ちた後に回復し、7時間半後でも30分後の回転数を上回った。 全国の医師約70人が協力した大規模な試験もある。疲労を感じている207人を三つのグル-プに分けて①イミダペプチド200㍉㌘(ドリンク)②同400㍉㌘③偽ドリンク--をそれぞれ8週間飲んでもらい、日々の疲労をどれくらい自覚するかをテストした。その結果、本物のドリンクを飲んだ人たちは、飲み始めて2週間後から徐々に疲労感が緩和されていったという。
■ 眼精疲労防止にも有効
なぜイミダペプチドを摂取すると疲労回復が早いのか。日常生活や運動などで細胞が活動すると活性酸素が生じ、細胞を酸化させたり傷つけたりする。こうして起きる細胞機能の低下が疲労の正体だ。長く走ると、活性細胞は筋細胞だけでなく、呼吸や心拍数をコントロ-ルする自律神経をつかさどる脳神経細胞まで傷つけてしまう。イミダペプチドには細胞の酸化を抑え、細胞の傷を抑える働きがある。同じような抗酸化物質は他にも多くあるが、イミダペプチドの最大の特長は、脳内の自律神経の中枢でも抗疲労効果を発揮することだという。 人間の脳と主な骨格筋には、イミダぺプチドを合成する酵素が豊富にある。食べ物から摂取したイミダぺプチドはいったん体内でアミノ酸に分解されるが、脳内に元々ある酵素によって再合成され、最も消耗の激しい自律神経の中枢で抗酸化力を発揮し、疲労を抑制する。 現代人の多くが悩む眼精疲労の防止にも、有効なこちが分かってきた。眼精疲労や肩こり、冷え性なども、元は自律神経の機能低下が一因であるため、イミダペプチドが効果を発揮するわけだ。また、疲労の負荷で上昇する血液や尿中の疲労マ-カ-(TGFβや8-インプロスタンなど)も抑えることが科学的に実証されている。梶本教授は「自律神経に働くので肉体疲労だけでなく、デスクワ-クなど精神的な疲労にも効果がある」と話す。さらに「疲労と老化は全く同じメカニズムで起こるためアンチエ-ジングにも期待できる」と強調する。 では、どれくらいの量を摂取すればよいのか。過去の研究結果によると、望ましいのは1日200㍉㌘程度。鶏の胸肉なら約100㌘でよい。毎日継続して摂取すれば、1週間後から7割以上の人が効果を実感できるという。さらに、ビタミンCと一緒に摂取すると抗疲労効果がより早く表れるといい、「アセロラ、イチゴ、ミカンなどと組み合わせて取ると効果的です」と梶本教授。
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