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 ゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

生きるしくみ<カルシウムシグナル>

2008-10-02 16:30:00 | 健康・病気

体の働き促す“指揮者”=當瀬規嗣解説

人の体は細胞でてきています。そもそも細胞は、遺伝子や酵素など                             人のからだの働きに不可決なものを入れた、袋のような構造をして                              います。そして、遺伝子や酵素などを保護し働きやすくするために、                              カリウムやナトリウムなどの塩分を含む塩水で満たされています。                              こうしてできている細胞をむき出しで空気中に置くと、たちまち乾燥し                             てだめになってしまいます。ですから、細胞の乾燥を防ぎ、保護する                              ために、細胞の回りにも塩水があります。ちょうど、イクラのしょうゆ                              漬けを冷蔵庫に保存しているときの様子に似ています。この細胞の                              周りの塩水は、組織液とよばれます。すりむいたときににじみ出る水                            や、関節を痛めたときにたまる水は、この組織液です。ところで、細                                胞の中と外の塩水の成分は同じではなく、大きく異なっています。                               たとえば、細胞の中はカリウムが多く、細胞の外はナトリウムが多い                                 のです。でも、細胞の内外で一番濃度が違っているのはカルシウム                             です。カルシウムは、電解質の一種で塩分として水に溶け込みます                             が、その濃度は細胞外が細胞内の2000倍以上もあります。ですか                              ら、細胞外から少しだけカルシウムが細胞内に入っても、細胞内では                            濃度が何十倍にも増えることになってしまいます。実は、細胞はこれ                             を利用して、細胞の働きを引き起こす合図、シグナルに使っています。                            血管や内臓が動くとき、心臓の拍動、唾液の分泌、脳内で神経が活                             動するとき、それぞれの細胞の中にカルシウムが入ることが合図と                              して使われているのです。たとえて言えば、カルシウムシグナルは、                             「生きる」しくみの“指揮者”なのです。                                               (とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)

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