小説「新・人間革命」
【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)7月22日(月)より転載】
奮迅67(7/22)
新しい峰へ。
希望の旅へ――。
民衆詩人ホイットマンは高らかに歌った。
「さあ、もはやここにはとどまるまい、いざ錨を上げて船出をしよう」(注)
戦う人生は美しい。
戦う日々には、生命の燃焼と充実と歓喜がある。
一九七八年(昭和五十三年)一月の初めに発表された広布第二章の「支部制」は、山本伸一の奮闘によって魂が打ち込まれ、組織の隅々まで新生の息吹にあふれていった。
全国各地の各支部が、各部が、轟音を響かせ、広宣流布の新章節に、雄々しく飛翔していったのである。
伸一は、三月の半ば、首脳幹部に語った。
「ようやく支部制も軌道に乗りました。
一つのことを決め、スタートさせたならば、本格的に軌道に乗るまでは、あらゆる角度から考え、さまざまな手を打ち続けていくんです。
人間は、物事が軌道に乗ると、すぐに安心してしまう。
すると、油断が生じ、組織の活動も惰性に陥り、マンネリ化していきます。
それを、日々、打ち破っていってこそ、みずみずしい息吹で前進することができる。
したがって、これからも『日々挑戦』なんです。
広宣流布の道は険路です。
平穏であるはずがない。
必ず大難が競い起こるでしょう。
ゆえに、全会員が決して堕ちることなく、幸せになるように、一人ひとりの胸中深く、創価の『師子王の魂』を打ち込む時なんです。
それは、広宣流布に生き抜く『師弟の精神』です。
『一人立つ心』です。
私は、そのために生命を削ります。
皆にもその決意がなければ、魔に翻弄されていきます!」
学会は、この時、猛り立つ波浪のなかを突き進んでいた。
宗門の悪侶らによる誹謗中傷が、日ごとに激しさを増していたのである。
伸一は、今こそ、不撓にして不屈なる創価の「師弟の精神」が脈動した組織を、つくり上げなくてはならないと痛感していた。
彼は、広宣流布を破壊せんとする魔軍の跳梁をひしひしと感じながら、雄々しき二十一世紀の広布の峰を仰いだ。
(第二十六巻終了)
※ 小説『新・人間革命』の引用文献
注 ウォルト・ホイットマン著『草の葉』鍋島能弘・酒本雅之訳、岩波書店
【おことわり】 資料収集のため、しばらくの間、休載させていただきます。ご了承ください。 筆者
、
【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)7月22日(月)より転載】
奮迅67(7/22)
新しい峰へ。
希望の旅へ――。
民衆詩人ホイットマンは高らかに歌った。
「さあ、もはやここにはとどまるまい、いざ錨を上げて船出をしよう」(注)
戦う人生は美しい。
戦う日々には、生命の燃焼と充実と歓喜がある。
一九七八年(昭和五十三年)一月の初めに発表された広布第二章の「支部制」は、山本伸一の奮闘によって魂が打ち込まれ、組織の隅々まで新生の息吹にあふれていった。
全国各地の各支部が、各部が、轟音を響かせ、広宣流布の新章節に、雄々しく飛翔していったのである。
伸一は、三月の半ば、首脳幹部に語った。
「ようやく支部制も軌道に乗りました。
一つのことを決め、スタートさせたならば、本格的に軌道に乗るまでは、あらゆる角度から考え、さまざまな手を打ち続けていくんです。
人間は、物事が軌道に乗ると、すぐに安心してしまう。
すると、油断が生じ、組織の活動も惰性に陥り、マンネリ化していきます。
それを、日々、打ち破っていってこそ、みずみずしい息吹で前進することができる。
したがって、これからも『日々挑戦』なんです。
広宣流布の道は険路です。
平穏であるはずがない。
必ず大難が競い起こるでしょう。
ゆえに、全会員が決して堕ちることなく、幸せになるように、一人ひとりの胸中深く、創価の『師子王の魂』を打ち込む時なんです。
それは、広宣流布に生き抜く『師弟の精神』です。
『一人立つ心』です。
私は、そのために生命を削ります。
皆にもその決意がなければ、魔に翻弄されていきます!」
学会は、この時、猛り立つ波浪のなかを突き進んでいた。
宗門の悪侶らによる誹謗中傷が、日ごとに激しさを増していたのである。
伸一は、今こそ、不撓にして不屈なる創価の「師弟の精神」が脈動した組織を、つくり上げなくてはならないと痛感していた。
彼は、広宣流布を破壊せんとする魔軍の跳梁をひしひしと感じながら、雄々しき二十一世紀の広布の峰を仰いだ。
(第二十六巻終了)
※ 小説『新・人間革命』の引用文献
注 ウォルト・ホイットマン著『草の葉』鍋島能弘・酒本雅之訳、岩波書店
【おことわり】 資料収集のため、しばらくの間、休載させていただきます。ご了承ください。 筆者
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