何でも実習生の実習日誌

電子工作、模型スチームエンジン工作など、何でも工作が大好きです。
手持ちの工作機械は卓上ボール盤だけ、全て手作りです。

短波放送受信コンバータ工作

2017-08-21 11:15:06 | 電子工作


2017/08/20(日曜日) 曇り


短波放送をSDRドングルで受信するためのコンバータを工作している。
手持ちの(安物の)SDRドングルはFM放送を聞くためのものだから
このままでは短波放送は受信できない。
手持ちのSDRドングルは受信できる周波数範囲は60MHzぐらいから
1000MHzぐらいまでで短波放送の数MHz~数十MHzの電波は
受信範囲外なのだ。

そこでこの数MHz~数十MHzの低い周波数の電波をドングルの
受信範囲の周波数に変換する装置(コンバータ)が必要になるのだ。

といってもそんなに大げさな装置ではない。
普通の放送受信用のラジオだってアンテナでとらえた電波を内部で
扱いやすい低い周波数の(電波)に変えている。
その回路を応用すればよい。

しかし周波数は100MHz付近だから、普通のラジオのそれに比べたら
ちょっと難しいかもしれない。
この工作でも最初は何も受信できなかった。
あれこれ試行錯誤を繰り返してやっと短波放送を受信することができた。


短波放送受信中。


まだ工作中のコンバータ。 何れはケースに収めようと思っている。


回路図



短波放送をドングルの受信周波数に変換する部分はMIX(ミキサ(混合)回路)という部分で
この工作ではトランジスタを使っている。
いい加減な調整で混合させているが、多分、この混合する電波の強度は受信感度にも影響がある
のではないだろうか?

100MHzの電波ならその波形を手持ちのPCオシロで観測することができる。
果たしてどのくらいの強度なのか調べてみた。


上図、回路図の①のポイントの波形観測。


304mVpp(約0.3V)だ。



次は②のポイントの波形観測。


640mVpp(0.64V)だ。



①と②の間の結合コンデンサ(1pF)の大きさを変えれば混合する電波の強さを調整できる
のではないだろうか?
今度はこの実験をしてみよう。
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発振回路のトランジスタ異常?を調べてみた

2017-08-18 19:20:50 | 電子工作


2017/08/17(木曜日) 曇り一時晴れ


UHFをVHFに変換したり、SWをVHFに変換するコンバータを
工作して遊んでいるが、ひとつ気になることがある。

このコンバータにはLC発振のLOCを組み込んでいるのだが
使用しているトランジスタのhFEが「2」とか「4」とかの非常に
小さな値になってしまうことだ。

  トランジスタ:2SC3355 (fT:6.5GHz hFE:50~300)
  hFE測定:SOAR8050(三昔も四昔も前のデジタルテスタ)

MIX回路で使う場合にはこのようなことは起きない。

確かにこの2SC3355はちょっと変わっている。
自作のトランジスタチェッカーでhFEを測定しようとするとメータの針が
ふらふらと揺れ動いたり、手を近づけると更に大きく変化するようになり、
測定ができない。
今までのトランジスタではこんなことは起きたことがない。

そこで今日はこの辺のことを調べてみた。

先ず半田付けのときの温度が悪さをするのか・・・・だ。

使用している半田ごてはANTEX MODEL CX 18W。 こて先は細く尖っている。
半田付けでこてを当てている時間は長くても5秒ぐらいだ。

今回はわざと長い時間(30秒~40秒ぐらい)リードにこて先をくっつけてみた。


(1) テスト前のトランジスタの測定。 hFEは186で規格表の範囲内だ。



(2) コレクタ・リードにこて先を接触させて熱を加えた。


リードに熱を加えた瞬間からメータの数値は上がっていく。

(3) 30秒ばかり加熱した状態のhFEは318にもなった。 (-マークは警告か?)


こて先を離すとhFEは減少していく。



約4分後、手で触ってもほとんど熱を感じない状態になった。
hFEは196. テスト前より+10だ。

(4)


(5) 更に25秒後には192になった。



(6) 次はエミッタ・リードにこて先を触れさせた。 
    hFEメータの値がふらついた。 トランジスタに誘導作用が働いたのかな?



(7) 約40秒加熱してこて先を離した。
    デジタル表示が変化しているので正確ではないが相当大きな数値(300以上)になっている。



(8) 熱を感じなくなった頃のhFE。 198だ。



この後、ベース・リードに対しても同じような加熱を行った。
温度が上昇するに伴ってhFEは上昇していくが過熱を停止すれば190台に低下する。


トランジスタのリード線に30秒も40秒も加熱することはほとんどないだろう。
でも、もしこの程度の過熱をしてもhFEは規格値近くに戻ってくる。
「2」とか「4」とかにはならなかった。

これでもトランジスタは動作するだろうか?
このトランジスタを使ってLOCを組み立てた。

(9)



(10) 基板に半田付けしたトランジスタ。 
     次は部品がくっつくのでhFEは測れない。 もう一度hFEを測っておいた。



(11) 組み立てたLOCの動作テスト。 
     コレクタ電流は2.8mAだ。 絶対最大定格は100mAだから十分余裕のある値だ。



(12) 発振テスト。 SW→VHFでは100MHzを基準にするのでこの発振確認をした。
    



発振は安定していてかなり強力だ。

トランジスタは半田ごての長時間過熱を繰り返したのに問題なく動作している。
hFEが「2」とか「4」の異常低下は熱が原因ではなさそうだ。


(13) 発振テスト後、このトランジスタを取り外してhFEを策定してみた。





(14) hFEは46に減少していた。 わずか10分ぐらいのテスト動作でこんな値になってしまった。



これでもトランジスタは正常に発振している。(ちゃんと100MHzを確認している・・・)
もう一度組み込んで今度は短波放送を受信してみよう。


コンバーターを再組立てした。
今度はLOCはバリコンを使ったVFOもどきにした。
(15)





(15) SDRドングルを接続してHDSDR(ソフト)を起動した。



HDSDRの周波数設定を調節して短波放送を探った。
やがてフェージングしながら放送が入ってきた。
今回は結構よく聞こえた。

そんな受信の様子を動画でお聞きください。





トランジスタの足(リード)に半田ごてを何十秒もくっつけて加熱したり、
何だかわからないけどhFEが46に低下した(発振テスト前は186)トランジスタでも
正常に働いているようだ。

MIX回路で使用しているトランジスタ(LOCと同じ2SC3355)は大分前から使っていても
hFEが減少してしまうようなことは起きない。
発振回路は何か特別なことがあるんだろうか・・・
今度はこのhFEが低下したトランジスタをMIX回路で使ってみる実験をしてみよう。



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工作友人からのプレゼント

2017-08-16 09:06:46 | 電子工作

2017/08/15(火曜日) 雨


朝の10時ごろ、宅配便で荷物が届いた。
送り主は工作友人のJANJANJANさんだった。
梱包を開いて中をみるといろいろな部品が入っていた。



コイルのインダクタンスやコンデンサのキャパシタンスを直読できるLCメータ。


高周波工作で使うトロイダルコア。



DBM(リング変調器)。 1000MHzまで使えるものだ!



小容量のトリマコンデンサとピストントリマ。



高周波用のトランジスタとLED.



この工作友人は以前から高周波工作を趣味にしていて、何だか現役時代の仕事も高周波関係だったらしい。
それで高周波関係には造詣が深く、高周波工作に入門したてのオイらにいろいろアドバイスをしてくれる。
今回もコンバータ工作で悪戦苦闘しているオイらを励ます意味でこのプレゼントをしてくれたのだろう。
ありがたいことだ。

早速LCメータを使ってみた。
今まではコンデンサの容量やコイルのインダクタンスはメーカー製(キット組立)GDMと値のわかっている
(一応標準コンデンサ、標準コイルと位置付けたコンデンサとコイル)と組み合わせてその同調周波数を測定
して計算によって求めていた。





いちいち機器を取り出してセットして適当な発振コイルと組み合わせて同調点を探るとても面倒な方法だった。
(でも、これも面白かった・・・のかな?)

今まで“標準コンデンサ”としていた100pFのコンデンサ。 一応”シルバードマイカ”とかいうものを
使って誤差の少ないものを使った。(つもりです・・・)

測定結果は103.4pFだ。 これは上等な結果だった。 今までの測定もOKだったんだな・・・



“標準コイル”の測定。

測定値は9.297μHだ。 これも上等な値だ。 今までの測定もOKだったんだよ。



市販のマイクロインダクタを測ってみた。



コンデンサの容量を測ってみた。







LCメータはなかなか便利なメータだ。
これからの工作が楽しくなるだろう。

次はDBM(リング変調器)を動かしてみよう。
これはオイらのコンバータ工作の本命になるものだが原理はとても難しくて動作させるのは
高度なテクニックが必要になるらしい。

JANJANJANさん、本当にありがとうございました。
これからもアドバイスをよろしくお願いします。




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悪戦苦闘の末にやっと信号音が聞こえた

2017-08-13 11:19:58 | 電子工作


2017/08/12(土曜日) 曇り・午後から晴れ


やっとケースの工作を終えてダウンコンバータの回路基板をケースに収めた。
早速テストの準備をして電源を投入した。
ところが受信機はノイズを発するばかりで全然反応してくれない。
ダウンコンバータ回路はバラック組み立てではうまく動作してくれて実際のエアーバンドも
よく聞こえた。(ただ明瞭度はイマイチだけど・・・これはコンバータのせいではない)
どうしたんだろう?

コンバータの局発は210MHzに、テストオシレータの信号周波数は322MHz。
そして超再生受信機の同調を110MHzにセット。
何度確認してもこのとおりだ。

仕方がない。
一つずつチェックしていこう。

メーカー製の広帯域アンプ。
取り付けられていたSMAコネクタを無理やり取り外したりしたから壊れたのかもしれない。
NWT150(簡易スペアナ(50KHz-300Mスィーパ))でチェックしてみた。


結果は全域にわたって約30dBのゲインがある。(バラック組み立て時は40dBちかくだったが)
波形には大きな乱れはない。
負荷電流は約29mAっだ。  アンプは問題なしだろう。




局発(LOC)を確認中、セラミックトリマコンデンサに半田ゴテを当て過ぎて端子が外れてしまった。


何とか修理しなくては・・・・・



また外れては困るのでエポキシ樹脂接着剤で補強した。


これを使うのは問題があるかもしれない。
ジャンク箱を探したら小さなエア・トリマコンデンサが出てきた。


このトリマコンデンサはどのくらいの容量何だろうか?
またNWT150の出番だ。

今まではGDMで同調点を探って計算(換算表)で容量を確認していたがNWT150は
少し便利になった。(容量を直読することはできないので換算表で見当をつけるのは同じだ。)


エア・トリマは最小1.2pFぐらい。 最大10pFぐらいだ。


ついでに修理したセラミックトリマも調べてみた。

最小4pF、最大25pFだった。 


これは容量差が大きくて細かい発振周波数の調整はしにくいかもしれない。
そこで容量差の小さいエア・トリマコンデンサを取り付けた。
これで発振周波数の調整はしやすくなるかもしれない。


LOC発振周波数は210MHz。
トランジスタは2SC1923.(fT:550MHz hFE40~200)
コレクタ電流は1mAぐらいだからこれでOKだ。



次はMIX回路の確認だ。
電流を測ったら0.16mAしか流れていない。 トランジスタがいかれたかな?


MIXのトランジスタは2SC3776(fT:1.5~3.0GHz hFE:40~200)だ。
取り外して調べてみた。 hFEは48で規格表の範囲には入っている。



コレクタ電流が0.16mAではちょっと少ないかもしれない。
トランジスタのhFEが規格内に入っているならバイアス抵抗が大きすぎるのかもしれな。
もう少し小さいものに変えてみた。

ついでにトランジスタも2SC3355に変えてみた。

2SC3355はfTが6.5GHzもある。
LOCに使って相当の数を不良?にしてしまったが(hFEが異常に少なくなってしまう。)
追加注文したものが届いたので数的には余裕がある。
MIX回路なら不良にはならないだろう?(後で取り外して使用後のhFEを調べてみよう。)


MIX回路のバイアス設定用抵抗。 当初は51KΩにしていた。


段階的に抵抗値を下げてコレクタ電流を確認していった。(ベース電流その他バイアス回路電流も
含まれているがほとんどがコレクタ電流だろう)


最終的には20KΩ。


コレクタ電流は0.36mAにした。 MIX回路は少なめが良いかもしれない。(非直線歪が必要か?)


以上のような調整をしていよいよテストを始めた。

テストオシレータが発する320MHzの信号をコンバータのLOCの210MHzとMIXして
結果、生成した110MHzを確認しようというわけだ。

SDRドングルが3台。信号受信アンテナも3基。 パソコンは2台。
机の上は配線でごちゃごちゃ・・・ 何が何だか分からなくなってしまう。
ドングルやアンテナに色分け付箋紙を張り付けて区別した。

しかし、どうしてもコンバータ出力の110MHzは確認できない。 どうしてだろう?



このテストによる110MHzの確認は中止して、超再生受信機で確認してみることにした。


昨日のテストでは超再生受信機は無反応だったが今度はどうかな・・・



今度は受信機は反応してくれた。
常時発生しているノイズ(超再生ノイズ)がテストオシレータのシグナルで変化するのだ。
同調を取ると変調音が聞こえる。
感度が良いのか悪いのかはわからない。
しかし、確かに110MHzを受信している。


そんなテストの様子を動画でご覧?(お聞き?)ください。





超再生受信機で受信できる信号をSDRドングルは受信しない・・・・・・
ダウンコンバータが生成する110MHzはそんなに弱いのだろうか?
そしてそれを受信できる超再生受信機はそんなに感度が良いのだろうか?
とてもそうとは思えない。

今度はコンバータの出力(110MHz)をアンプで増幅してテストしてみよう。
急いで広帯域アンプを注文しよう。








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初テストはNGでした・  - 322MHz→110MHz変換 -

2017-08-11 15:00:42 | 電子工作


2017/08/10(木曜日) 曇り・小雨


基板回路をケースに収めて配線を済ませた。

アンテナ接続コネクタ、出力コネクタ(SMA)の配線は同軸ケーブルを短く切って使用した。
狭いところでの半田付けには手間取った。


配線完了。



時刻は大分遅い。
テストは明日にしようか、と思ったがやっぱり早く結果を知りたい。
散らかった机の上を整理して(といっても整理のしようがないけど)機器をセットした。



コンバータのLOC発振周波数を確認するSDRドングル(ソフトウェアはHDSDR)と
テストオシレータの出力を確認するSDRドングル(ソフトウェアはSDR#)を動作させて
テストを始めた。

テストオシレータからの322MHz電波とコンバータLOCの210MHzを混合すれば
112MHzが出力されるはずだ。
それを超再生受信機で受信できればOKなんだけど・・・・・・


HDSDR(左側)はLOCの210MHzを受信してスペクトルを表示している。  
SDR#(右側)はテストオシレータの322MHzを受信してスペクトルと変調音を出力している。


条件はこれでOKのはずだけど超再生受信機は超再生ノイズを発するばかりで反応がない。
どうしたんだろう・・・・・
ケースに収めたからおかしくなったのかな?
もっとしっかり確認しなくっちゃ・・・・
コメント (2)
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