2017/08/01 (火曜日) 曇り
VHF帯で使うVFOを作ろうと思って小型のバリコンをオークションで落札して入手した。
このバリコンは4連で最小容量9pF、最大容量は30pFになっている。
VFOに使うのは単連でいいのだがまぁ、4連は他で使う時があるかもしれない。
安いんだからこれでいい。 早速VFOを作ってみた。
“VFO”って言ったてオイらが作ったのは今まで周波数を調整すするために取り付けていた
半固定可変コンデンサ(セラミックトリマコンデンサ)をこのバリコンに変えただけのもので
バラック組み立てのいい加減なものだ。
このVFOを320MHz→110MHのダウンコンバータに取り付けて実験してみた。
今度はバリコンで局発の周波数を自由に変えられるから便利に(放送局を)選局できると思った
のだが、全然そうはいかなかった。
受信機(超再生受信機やSDR)の周波数の調整とこのダウンコンバータの周波数調整という
二つの調整に加えてコンバータのバリコンを回すときに手を触れたり離したりするたびに
局発周波数が大きく変わってしまい、結局何が何だかさっぱりわからなくなってしまった。
失敗!
まぁ、いいや。 どうせ遊びなんだから・・・・ と、いいながらも折角買ったバリコンだから
これを使って何か実験してみよう。
今まで、超再生受信機も、ダウンコンバータも、アップコンバータも発振回路はコルピッツの
ベース接地回路を使っていた。
どうという理由はないのだが、超再生受信機がうまくいったのでその回路を引き継いで工作してきた。
コルピッツ発振回路にはベース接地の他にエミッタ接地、コレクタ接地などがある。
ウェブサイトを検索してみると沢山の参考資料や回路図がアップされている。
それを参考に図のような回路を組んでみた。
最初はうまく発振しなかったがRFCを追加したり回路定数を変えたりして何とか強力に
発振するようになった。
ただ、周りの雰囲気に敏感で手を近づけたりすると周波数は大きく変動してしまうが、
でもベース接地型よりは少し変化は鈍いようだ。
最初はコイルは2回巻。 これで320MHz~570MHzを発振した。
もっと高い周波数を・・・と思ってコイルを1回巻にした。
SDRで受信して確認してみると何と1100MHz付近で発振している。
こんな高い周波数は立体回路(分布定数回路)で組まなくては発振しないのではないか?なんて
思っていたのでびっくりだ。
ただ、画面に現れる波形は入り乱れてどれが本当の1000MHzなのかわからない。
オールバンドPCレシーバで受信して確認してみた。
組み立てた発振回路のバリコンを回すとSDRソフト(HDSDR)上ではスペクトラムが複数入り乱れて
動き回わる。
1000MHzの目盛を行ったり来たりしている。
PCレシーバの受信(同調)周波数を1000MHzに設定してある。
発振回路の高調波ならPCレシーバーは反応するはずだがそれはない。
この入り乱れて動く波形はSDR受信機のイメージ出力かな?
やがて発振回路のバリコンに追従するような動きの波形が現れてきた。
1000MHzの目盛上に近づくとPCレシーバのバンドスコープにシグナルが現れる。
ジャスト1000MHzになると黄色のシグナル表示になる。
この時のスペクトラムが1000MHz(もしくは高調波)だろう。
確かに1000MHzで発振している。
今まで30MHzの発振もままならなかったのに、1000MHzとはびっくりだ。
そんなテストの様子を動画でご覧ください。
何とか500MHz~1000MHzを発振させることができてうれしかった。
今回の実験で使用したトランジスタについて不思議な現象に出会った。
それは取り付ける前の測定ではhFE(直流電流増幅率)が150以上もあったのに
実験途中で測った時には“2”とか“4”とかの極端に小さな値になってしまっていることだ。
でも、このトランジスタを取り付けて動作させれば正常に発振するのだ。
(工作中、半田ゴテの高温でトランジスタを不良にしていないか、機会があるごとに取り外して
hFEをチェックしています。
実験的にわざと高温の半田ゴテを接触させて加熱してその後のhFEをチェックして見ましたが
トランジスタが不良になったことはありませんでした。)
この現象は今回だけではない。
超再生受信機工作のときも、コンバータ工作のときも発生している。
その時はこのトランジスタはもう使えないと、廃棄していたのだが最近はトランジスタも残り少なく
なってしまったのでこの「異常?」なトランジスタも再利用している。
この現象はfT(トランジション周波数)が高いものに発生する(ような気がする)。
今度はこの原因を追究してみたい。
hFEの測定に使っているテスタはもう40年以上前のデジタルテスタだ。
だから何か不都合があるのかもしれないが・・・・
(SOAR 8050 というデジタルテスタで当時は相当高価だった・・・)