7月 8日

2019-07-07 15:47:29 | Weblog
              桔梗・白桔梗・きちこう・沢桔梗 (季=秋)




     前裁に貧しき桔梗茎からむ                沢木欣一


     おもかげをさだかにしたり白桔梗             細見綾子


     桔梗や朝の茶席のほの暗し                鈴木英子


     母いつも人待つ暮し白桔梗                山口秀子


     木道をはみ出してをり沢桔梗               鈴木真理子




          



     桔梗や高嶺へ戻る夜明雲                  望月たかし


     梅雨桔梗雨に褪せざる濃さをもて              三村純也


     山中に一夜の宿り白桔梗                  野澤節子


     光秀を祀る社の白桔梗                   奥村皐月




          


              沢桔梗
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7月 7日

2019-07-06 18:25:17 | Weblog
                  七夕・七夕祭り・星合・星祭




     みなもとに七夕竹や男女の川              沢木欣一


     土間冷えに七夕竹を横たへる              細見綾子


     子と飾る七夕妻に姉妹なし               栗田やすし


     七夕の笹ちぢれをり草津宿               河原地英武


     香焚いて過ごせり雨の星祭               下里美恵子


     読み聞かす賢治の童話星祭               中野一灯


     鞠人も七夕笹も祓はれし                角田勝代


     あかね空七夕竹の騒ぐ道                武藤光晴


     七夕竹弔旗となりし震災地               近藤文子


     短冊に長寿と記し星祭る                大石ひさを


     折れさうな月早や沈む星まつり             内田陽子




          



     七夕竹いづくに置くも雨となる              吉田鴻司


     水の色して雨の七夕笹飾り                寺井谷子


     七夕や昼あをあをと湯屋の澄み              秋元不死男


     七夕や星より先に灯がともり               井上和子


     七夕竹惜命の文字隠れなし                石田波郷
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7月 6日

2019-07-05 18:46:17 | Weblog
                 入谷朝顔市・朝顔市


     東京の風物詩、入谷鬼子母神の朝顔市が始まります
     ご承知の通り「朝顔」は秋の季語となっていますが
     朝顔市は夏の季語になっています
     朝顔の別名が牽牛花、この牽牛は七夕の彦星の別称ですから
     七夕に縁深い花と言えましょう
     その7月7日の七夕を挟んで今日6日から8日までの開催となります




     絵硝子の風鈴が鳴る朝顔市           細見綾子


     切火せし朝顔市の護符賜ふ           佐藤とみお


     着流しの小粋な会釈朝顔市           岸本典子


     鬼子母神朝顔市で賑はへり           福田邦子




          



     売り急ぐ雨の朝顔市さびし            福田蓼汀


     明けゆくや朝顔市に水打たれ           水原秋櫻子


     下谷二丁目朝顔市へ路地抜けて          坪見美智子


     始発電車の窓明け朝顔市に行く          菖蒲あや


     狭き道狭め朝顔市の立つ             内田喜美子



     
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7月 5日

2019-07-04 14:28:10 | Weblog
                   虎杖の花・名月草




     いたどりの花を活けたり加賀料理           細見綾子


     虎杖の花のこぼるる登山道              角田勝代


     昌平坂いたどりの花散りしきる            若山智子


     虎杖の紅きざしたり古窯跡              上杉美保子


     虎杖の呆けし花や馬防柵               橋本紀子


     窯煙噴き虎杖の花焦がす               梅田 葵




          

           名月草


     束ねゐて雲の上なり名月草               手塚美佐


     義経堂虎杖の花なだれ咲く               皆川盤水


     虎杖の花に鏡山肌かくあらは              鈴鹿野風呂


     虎杖の花の月夜の簗番屋                宮下翠舟
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7月 4日

2019-07-03 16:19:31 | Weblog
              夕顔(季=夏)・夜顔(季=秋)




     百姓の渋きしはぶき夕顔棚            細見綾子


     夕顔の地に触れて咲く雨上がり          丹羽康碩


     夕顔の襞解くまでのうすみどり          平松公代


     夕顔の終の一花や訃のしらせ           漆畑一枝


     夕顔や連歌師来たる滝之坊            中川幸子



     夕顔に母よ短い杖ついて              三橋鷹女


     夕顔や櫛すべりたる洗ひ髪             鷲谷七菜子


     夕顔のとどまりがたき花の数            中村汀女




          



     咲き出づる夜顔に酔覚めにけり           影島智子


     夜顔の花のうしろに廻りけり            大野信子


     少し手に余る花なり夜顔は             高澤良一


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7月 3日

2019-07-02 13:25:32 | Weblog
              凌霄花・のうぜんかずら・凌霄の花




     伸びきつて風捉へをり凌霄花           伊藤範子


     のうぜんの花散る子規の土蔵裏          奥山ひろみ


     凌霄のなだれて咲けり間垣村           二村美伽


     凌霄花男住まひの塀上る             小原米子


     凌霄の高さを風の渡りけり            吉田明美





          



     旅に遭ふ岬のまつり凌霄花             能村登四郎


     のうぜんのかさりかさりと風の月          下村槐太


     凌霄花の灼土に花のおびたゞし           百合山羽公


     雨夜の空のうぜんかづら咲きのぼり         大野林火


     笠雲の岩木間近に凌霄花              佐藤鬼房
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7月 2日

2019-07-01 16:27:19 | Weblog
               百日紅・さるすべり・白百日紅




     藁草履買ふ山麓の百日紅               栗田やすし


     百日紅一樹が炎ゆるたよりかな            沢木欣一


     島のバス曲がりて散らす百日紅            小原米子


     百日紅雨に明るし石光寺               長江克江


     百日紅墓提灯の杭正す                清水弓月


     ほろほろと百日紅散る苔の庭             河合義和


     夕風に枝毎揺るる百日紅               吉川利雄


     百日紅のみに風ある真昼かな             梅田 葵


     病院の裏くれなゐの百日紅              森 靖子


     喪の家に百日紅の揺れやまず             上杉和雄



          



     百日紅園児ねむりの刻来る               飯田龍太


     満月出て白さるすべり遊ぶごとし            森澄雄


     女来と帯纏き出づる百日紅               石田波郷


     身を澱と思ふ日の白さるすべり             岡本眸
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