（みやこわすれ）
都忘れふるさと捨ててあり久し 志摩芳次郎
老ゆらくをさやさや都忘れかな 岩城久治
(れんげ）
れんげ野の幼児漂うたいらな昼 増田まさみ
赤ちゃんは音楽が好き蓮華草 岩根真由美
一蝶を放ちて蓮華浄土かな 富安風生
（著莪群生）
かたまつて雨が降るなり著莪の花 清崎敏郎
花著莪に涙かくさず泣きにけり 長谷川かな女
（みつがしわ 三つ柏）
三つ柏庭の一葉もいただかん 椎本才麿
（ きゃべつ 甘藍 ）
甘藍の一片をさへあますなし 加藤楸邨
甘藍の珠くもるなり霧のあと 藤原たかを
（すみれ）
すみれ植う父子や髪をふれ合はし 細見綾子
（しゃくなげ）
石楠花を隠さう雲の急にして 阿波野青畝
石楠花の紅迸る雹のあと 岡田貞峰
（くさいちご）
死火山の膚つめたくて草苺 飯田蛇笏
あさあさと麦藁かけよ草苺 芥川龍之介
俳句に没頭することが出来ない忙しい一週間でした
仕事と俳句と二股かける心積もりも体力的な疲れには勝てないです
ころころの場合・・・
慣れというものは恐ろしいもので、仕事や人間関係での悩み等で
眠れない時にでも布団の中で俳句を考えていると自然に寝付く
普通なら頭が冴えきってしまうのだろうけど・・・
安心空間？なのかも知れない
そんな時に生れた佳句（本人がそう思っている）は朝には夢の如く
消えうせる
人からよく言われることに「ころころさんは俳句する時には余裕が有って
いいね」 そうじゃ無いんですよ
いざ俳句ではなくいつも俳句だから、ON OFF が無いのです
人からよく言われることに「いつ仕事してるの？」
ころころは一生懸命さが他人に伝わらないタイプの人間なのです
それって、一般社会では「いいかげん」って言われるのでしょうね
（レンギョウ・連翹）
連翹の一枝づつの花ざかり 星野立子
連翹の縄をほどけば八方に 山口青邨
（やまぶき）
山吹の茎にみなぎり来し青さ 細見綾子
つきさしたやうに山吹雨の中 松瀬青々
