それなりの ノタリ

地域活動がそれなりにやることがあって、かと言って、多忙というほどでもなく、ノタリの生活。

【贖罪】~~湊かなえ 作

2012年07月01日 | 再開(読書)

湊かなえの小説は【告白】に次いで、この【贖罪】が2冊目だった。
【告白】は映画も見たが、小説より映画の方が最後の締めがはっきりしていて良かった。

双葉文庫の文庫本で、316ページの長編ミステリーである。
単行本は東京創元社から2009年6月に発刊されているとのこと。
【告白】と同様に、舞台は小学校のプールでの殺人というのは、新味に欠けるような?

ボクは難しい本はもともと苦手で、推理小説やノンフィクションを好む傾向がある。
去年読んだ本では、【1Q84】(村上春樹)などは面白かった。
(=今、文庫本で6分冊になって売り出されているようだ)

ノンフィクションでは【終わらざる夏】(浅田 次郎)が勉強になった。
(=太平洋戦争中の千島列島・北方四島を舞台にした戦記もの)

この【贖罪】は、15年前のお盆の日、ガランとした小学校グラウンドで遊んでいた、
女の子5人のうちの一人が、プールサイドの更衣室のなかで
性的暴行を受けたうえ、絞殺されてしまうことから始まる。

殺された女の子の母親と、発見者になった4人の女の子たちとの、その後の
葛藤というか、犯人を見つけなければ償いが必要だとの母親の脅迫が、
15年間(時効)経とうとしている頃、更なる悲劇の連鎖を産んで行く。

構成がとても冗長で、話題があちこちに広がり、焦点がボケていくような形で
進んでいくので、どうもピンボケの感が否めない。
3日間もかけて読んだせいなのかもしれないが。。。 

この程度の長編は一日で一気に読み終えないと、
最初の方が「忘却の彼方」になってしまって、話がこんがらがるという
事態を生じてしまう。もともと記憶力が乏しいボクの年齢のせいなのだが。

自分の年齢と、前頭葉の働きの悪さを感じさせられ、いい気分で読み終えた
という実感に乏しい読書であった。 間違いなく作者が悪いわけではないのだ。