ボクは北海道の地銀に30数年間勤務していたことから、当然、地元企業のことや経営者に
大いに興味がある。 そうかと言って、リタイアして何年も経つと、実際の企業社会、
経済活動、経営者の資質などに直接に触れることがなくなると並行して、
そうした興味も薄れてきている。
しかし、男から仕事を取ると抜け殻しか残らないとか言われないためにも、
せめて本で最近の道内企業の活躍ぶりを知って、頭の補充をすることは必要だ。
そこで読んだのが地元新聞社がこの5月に発刊したこの本。
書評には「北海道の主要企業のトップが、会社のターニングポイントに下した決断を通して、
その人物像に迫る。生き残りを懸けた経営者のあるべき姿が見えてきます」とある。
本書では60社60人の経営トップを取り上げている。
会社規模の大小を問わずに、全国的に知られていると思われる企業を下記に。
・アインファーマシーズ == ドラッグストア
・ニトリ ======== 家具販売
・セイコーマート ==== コンビニエンスストア
・ツルハ ======= 調剤薬局・ドラッグストア
・石屋製菓 ====== 洋菓子製造 (白い恋人など)
・西山製麺 ====== 麺類製造 (縮れラーメン)
・雪印メグミルク ==== 乳製品製造
・六花亭製菓 ===== 洋菓子製造
・ジャックス ====== クレジット 信販
北海道の多くの企業は、卸小売業・食品製造業・土木建築業が多く、
ホントの意味での2次産業である製造業が育っていない。 その歴史が
開拓を中心に進められ、「お上」から下されるインフラ整備(開拓予算)が
重要であったことに起因する。
したがって、本書でも必然とそうした企業の紹介が多くなっている。
自分自身、この60社60人の経営者のうち、当時、3分の1くらいの人たちと
面識・親交があったが、本に書かれている人となりや「トップの決断」の中身などは
ちょっとボクのイメージと違うなぁと思う人もいた。
この種の本は、どうしてもそうならざるを得ないのかも知れない。
提灯的書き方になってしまうのだろう。
残念なことだが仕方ないのかも知れない。