UO回想シリーズ 前回分
はじめに ~ UOについて ~
UO回想1 ~ KDKの歩み ~
UO回想2 ~ サクラ大戦(1) ~
UO回想3 ~ サクラ大戦(2) ~
UO回想4 ~ 酒場と暴力と、出会い ~
UO回想5 ~ サクラ大戦(3) 連盟発足 ~
連盟が発足されてから1ヶ月か2ヶ月ぐらいすると、
素人や新キャラばかりだった連盟もそこそこやるようになっていた。
組合とも関係を深め、共に行動することが多くなった一方で、
一般から「連盟も所詮組合の傘下組織」という批判も根強かった。
特に連盟中心部には組合メンバーの浸透が著しく、役職にも就いていた。
恐らく組合としても、あわよくば連盟を吸収する、陰謀めいた画策があったものと感じる。
ある日、連合との間で大規模な戦闘が勃発したことがあった。
パプアの村がある地帯で、周辺は密林と沼で覆われており、視界も足場も悪い一帯だ。
組合構成員として、我がKDKもその戦場に出撃した。
組合と連盟は共同で連合との戦いに臨んでいた。
連合も組合も相当の人数が出撃していた。
開けた戦場なら両軍ともに大きく固まって、一斉にぶつかり合うのが普通だ。
しかしここパプアのように、迷路のように入り組んだ密林地帯での戦いは様子が違った。
両軍ともに分散し、広範囲で少人数同士での白兵戦が至るところで行われていた。
前線も何もない、乱戦だ。
どっちを向いても敵か味方か、そして死体が転がっていた。
2010年に訪れる、パプア村周辺の密林地帯。 7年前サクラ大戦中、ここで凄惨な戦闘が行われた。
戦闘は長期化した。
両軍ともに兵力が分散していた分、一気に勝敗が決することはなく、
またパプアの村が近いこともあり、戦死者の復活も容易だった。
戦いは消耗戦の様相を帯び始めた。
そんな中、俺は連合員を殺し続けた。
2人、3人、4人、青ネームも赤ネームも区別なく、連合とあれば殺した。
しかし何人殺そうと、抗争は終わりを見せない。
殺し合いは長く続いた。
その内に物資は底をつこうとしている。
補給・・・
探すまでもなく、死体はそこらにごろごろしている。
一番手近な死体を漁る。
魔法を使うのに必要な秘薬と、ポーション類を抜き取る。
それでまた戦う。
俺が抜き取った死体は味方のものだった。
連盟の実力者、orenoaの死体だ。
何故俺が敵の死体からじゃなく味方の死体から抜き取ったのか。
今となってははっきりと思い出せないが、恐らく、
連盟なんて所詮素人集団の役立たずという気持ちがあった。
そして連盟に徐々に浸透していく、組合の中心部も気に食わなかった。
要するに当時の俺にとっては、自らが所属する組織の体制が気に入らなかった。
あるいは他意もあったのかもしれない。
とにかく、連盟員の死体を漁って補給する俺の姿は、連盟員には悪く映った。
それにその死体は、連盟の中では信頼されている武闘派の実力者、orenoaである。
当然抗議が起こる。
俺は
「すぐ近くにある死体から抜き取っただけ。」 と答えた。
それでも抗議は収まらなかった。
結局、俺は抗議に来た連盟員を一人殺した。
どっちから手を出したかは忘れたが、とにかくやってしまった。
そしてその瞬間、KDKメンを集合させ、命令を下す。
「連盟を狙え!」
まるでルビコン河を渡るような気持ちだった。
そしてKDKメンたちは連盟を狙いだした。
連盟員はわけもわからずさっきまでの味方に殺されていく。
やっと事態を把握し反撃し始めたのは大部分が死んでからだ。
組合員は混乱していた。
戦闘の最中に突然、内部組織のKDKが反旗を翻したのだ。
しかし、このときKDKが殺したのは連盟のみであり、組合員には手を出していなかった。
KDKは裏切ったのか?味方なのか?
それすらもわからない様子だった。
それ以降KDKは、連盟を至る所で襲撃するようになった。
組合のKDKが連盟と敵対を開始・・・
では組合自体はどうなのか?
連盟内部にも組合員は多数浸透しており、役職にもついている。
連盟と組合は敵になったのか?それともまだ味方?
では何故組合のKDKは連盟を殺す?
・・・関係者が入り交じった両組織間は、混乱の極みにあった。
ある日俺を宥めるために、ある組合員がKDKのギルドハウスを訪ねてきた。
しかし口論の末に、俺はこの組合員を殺害した。
もはや決定的であった。
KDKは組合・連盟を裏切った。
この日からKDKは組合・連盟両方を至る所で襲撃した。
連盟内[OS!]ギルドマスターでありKDKメンでもあったtoumaは、このときKDKから追放した。
組合にはPlatinumという女性がいた。
彼女は俺と仲が良く、いつも心配してくれた。
彼女は俺が組合・連盟とまた仲良くやっていけるように取り持ってくれた。
しかし俺の決定的な裏切りに、彼女の努力は全て無に帰することとなった。
そして彼女はSakuraシャードから去る決意をした。
当時はこのことに動揺を覚えたが、仕方ないとも思った。
振り返れば、この時の事件がその後の全てのきっかけだったように思う。
すなわち、ギルド単位での抗争・裏切りなど、「揉め事大好きギルド」という方針。
これ以降のKDKはそんな活動ばかりで、KDKが解散した後に設立したPrtZギルドも、
また他のMMOで設立したギルドやクランでも、ずっとそんな方針で活動している。
UO内に限らず、7年経た今に至る全てのきっかけがこの時だったのかなぁって。
(ちなみにこれはギルド方針の話であり、Dancho-個人としては当時既に腐れ行為を行う「ややこしいやつ」で有名だった。)
とにかく、組合を裏切り離脱するという結果を以て、これでKDKにとってのサクラ大戦は終結した。
以降のKDKは、サクラ大戦で培った実戦経験などを活かし、
PKギルド、そして腐れギルドとして、本格的な活動を開始していく。
サクラ大戦自体は、連合内部でも組合と同じようにすこしずつ離反するギルドが出てきたことにより、
連合の弱体化と影響力の低下を以て、自然消滅に近い形でサクラ大戦は終結した。
恐らく2003年8月か9月ごろである。
誰もが影響を受け、経済的状況を壊滅させた、史上最大の戦争はこうして幕を閉じた。
続き UO回想7 ~ 大戦後のSakura ~