知ってるか
Wargamerのデッキは3つに分けられる
物量重視のやつ
性能重視のやつ
ある国で統一するやつ
この3つだ
あいつは──
──片羽の妖精と呼ばれた男より
Wargame: European Escalationに於けるデッキ構成は、量より質か、質より量かのせめぎ合いである。
高価なユニットは強力であるが、一度死なせるとコスト的なリスクがある。
安価なユニットはたくさん死なせても良いが、高価なユニットに一方的に打ちのめされてしまう可能性がある。
俺自身のデッキ構成はその真ん中ぐらいといったところかな。
高級戦車の代名詞、M1エイブラムス |
まず高級な兵器は、正面戦では強いが状況によっては脆い。
例えばアメリカ軍のM1エイブラムス、ソ連のT-80などでは、
正面からの戦車戦では分厚い装甲、強力な火砲、高い命中率で無類の強さを発揮する。
だが戦車の装甲が最も分厚いのは正面だけである。
囲まれて側面から撃たれてしまえば脆弱な面が攻撃に晒されてしまい、一撃で大ダメージを受けてしまう。
またこのゲームには士気の低下によるソフトキルの概念がある。
一度に多数の攻撃を受けると、ユニット自体は無事でもパニック状態となり、
攻撃能率に悪影響、もしくは敗走してしまう。
つまりいかに高級な戦車でも、多数の格下の戦車に一度に襲われてしまえば、
側面を撃たれるか、もしくは恐慌状態となり一方的にやられてしまう状況が生まれる。
上記は戦車戦の例だが、一方的に遠距離からの榴弾砲だとか、攻撃ヘリだとかに攻撃を受けるとなおさら脆くなる。
つまり高級な兵器こそ性能に過信して雑な扱いにせず、慎重に用いなければならない。
T-55とT-72の安価な戦車軍団 |
安価な兵器にリスクがないかといえばそれも違う。
例えば、M1エイブラムス1両相手にT-55AMが5両で襲いかかって一方的に撃破される場面を目撃したことがある。
M1とT-55の圧倒的な攻撃力・命中率、装甲の違いである。
T-55の貧弱な照準器では遠距離からの命中は期待できないし、当たったところでM1の重装甲に跳ね返される。
これを打破するには接近してゼロ距離射撃に近い状態で貫通力を発揮させねばならないが、
接近してる間にM1戦車の正確な照準器による大威力の主砲で、全車両が1撃ずつで撃破されたという話。
完全な攻撃力・装甲にモノを言わせたアウトレンジ戦法であった。
こうなるといくら安価な兵器といえど、1両30$のT-55AMが5両やられたことで150$の損失で、
M1エイブラムス1両の100$を超えた損失となる。
しかも相手には何のダメージも与えていない、ただ払いである。
安価な兵器も数にだけ頼って何も考えずに突っ込ませるだけでは、安さの利点を活かせない、
ただ弱いだけの七面鳥撃ちとなるということである。
数にモノを言わせるなら、半分は正面に立たせ、半分は側面から迂回攻撃するか、
もしくは森や街の遮蔽物を利用して遠距離から撃たれないように接近する工夫をしなければならない。
安価な兵器と高価な兵器、それぞれに使い所がある。
その兵器の性能を最も活かせる局面で適切に運用できれば、
高級な戦車などはまるで「連邦の白いヤツ」の如く強力無比な戦闘能力を発揮するだろうし、
さらにそのようなユニットが戦闘経験を積んで成長すればもうニュータイプの域である。
しかしそれであっても集中攻撃を受ければ容易く死んでしまう。
安価な兵器もただの数に頼った突撃ばかりではただのマリアナの七面鳥撃ちの再現。
しかし適切な戦術に則って運用すれば高級な兵器を撃破することも可能で、
まさしく「モビルスーツの性能の差が戦力の決定的な差ではない」ということである。
個人的には初心者が高級な兵器を配備して、そのコストを上回る戦果を挙げることは難しいように思う。
それは高級な兵器を配備して、「死なさなければいいんだろ」と後ろに引っ込めておくのも、無駄な金の使い方だ。
配備した兵器は戦闘させてこそ購入した意味があるのである。
高級な兵器なら尚更積極的に戦闘に投入していかなければならない。
ということは、まさしく投入するべき場面を選んで運用するべきである。
今度の機会にはそういった話をしよう。