Paradoxの新作は冷戦版HoI、East vs. Westが発表!

2012-10-16 21:13:39 | HoI3

East vs. West: A Hearts of Iron Game Announced!
http://www.paradoxplaza.com/press/2012/10/east-vs-west-a-hearts-of-iron-game-announced





Hearts of Ironシリーズの最新作が発表。
1946-1991の東西冷戦が舞台になるらしい。
45年間のスケールとは、HoI3よりもだいぶ長く大規模になりそう。

冷戦といえばアメリカとソ連の2大国が世界を股にかけて覇権を争った期間で、
そのパワーゲームに於いて世界各地で様々な事件が起こったけども、
冷戦とは直接の武力衝突よりも裏工作やスパイ合戦による代理戦争が多かっただけに、
それらをどう表現するか楽しみ。

朝鮮戦争はある意味単純なのでHoI3と同じシステムでできるだろうけど、
ベトナム戦争とかはどういう風にあの泥沼の戦争が表現されるのか。
他にも延々と続く中東戦争や、核戦争に発展しかけたキューバ危機、
実は冷戦とは直接関係がないのだけど西側諸国同士で武力衝突したフォークランド紛争など、
数々の事件や紛争の登場が楽しみである。

また必ずスパイシステムには力が入れられるだろう。
宇宙開発競争も冷戦の中では大きな存在だけど、それらも包括されるのかな。

発売日は来年の4~6月らしいので、さらなる情報に期待。

HoI3の拡張パック第3弾、Their Finest Hourについて解説

2012-10-01 20:50:24 | HoI3

9月26日、第二次世界大戦の戦略級RTS、Hearts of Iron3の新拡張パック「Their Finest Hour」が登場しました。
これは「Semper Fi」「For the Motherland」に続く第3弾の拡張パックで、
プレイには前2つの拡張パックが必要となる。


大きな変更点としては、

・各主要国にUnique Unitが登場。ドイツなら武装SS、アメリカならレンジャーなど。
・上陸戦用の新ユニットとして「上陸用舟艇」と「強襲艦」が登場。
・レンドリース(武器貸与)システムを一新。
・指揮官たちはHoI2のように実戦経験を経て新しい特性を習得する可能性がある。
・歴史上の作戦計画を読み込むか、独自に作戦計画を立案しMAPに書き込むことができる。
・思考AIの改良。



まずUnique Unitに関しては生産上限が決まっており、最低で6個旅団が編成でき、
それ以降は歩兵系旅団総数の4%までが生産可能だという。
歩兵系旅団が200個あれば8個旅団編成できる。
Unique Unitは士気が高かったり指揮統制値が高かったりするし、
またイギリスのグルカ兵などでは平地での火力は通常の歩兵旅団に負けるものの、
山岳やジャングル地帯ではボーナスが付き歩兵旅団を凌駕するといったものもある。

新ユニットの上陸用舟艇と強襲艦は通常の輸送艦よりも攻撃向きな輸送ユニットで、
上陸用舟艇は強襲上陸の際の速度と防御力が上昇、
強襲艦はさらに装甲ユニットで強襲上陸する際に防御が上昇したりする。


一番下にレンドリース欄が追加されている

レンドリースシステムは生産画面で操作するようになった。
レンドリース協定を結んだ国に対して、ICをいくつ分け与えるかを操作することができる。
例えばアメリカがイギリスにレンドリースでIC20分を与えたなら、イギリスはその20を生産に充てることができる。
レンドリースはドイツやソ連などでも同盟国などに対して行うことができる。
協定を結べればドイツでレンドリースによってスペイン内戦や冬戦争にさらに強力に介入することができるかもしれない。


史実のバルバロッサ作戦の作戦計画図

新要素の作戦計画図に関しては、歴史上の実際の作戦図を取り出して戦略の参考にするか、
もしくは自分で作戦計画図を描いてメモ代わりにすることができるかもしれない。
このMAPに描き込む作戦計画図はマルチプレイだと同盟プレイヤーに共有できるらしいので、
シングルプレイよりもマルチプレイで真価を発揮するのかも。

思考AIの改良は、プレイしているとなにやらライセンス生産に関してが目立つ。
例えばアメリカでプレイすると、たくさんの国々が戦闘機や爆撃機や艦船類のライセンスを要求してくる。
これらを分け与えると中小国でもアメリカ製の優れた兵器を生産できるようになる。
ライセンス生産自体は以前よりもあったが、今作からAIがそれを積極的に利用するようになったようだ。
思考AIに関しては他にもたくさんの改良点があるだろう。


他にもインターフェイスなどで若干の改良があり。
例えば部隊に配置する指揮官を選ぶ際に特性でフィルターをかけられるようになっていたり、
「戦略的戦争」の画面が追加されて、例えばどれぐらい本土が戦略爆撃に晒されたかとか、
潜水艦に輸送船が何トン沈められたかとかが概要として見れるようになった。

ドイツプレイ(15) - モスクワ陥落

2010-07-24 17:20:53 | HoI3

HoI3AAR、前回分からの続き。
前回分 → ドイツプレイ(14) - バルバロッサ作戦
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「戦友は皆死んだ。ドイツ兵は城門を突破した。手榴弾は、あと一発。だが決して降伏はしないぞ!」

「情勢は不利だが、我々は勇気を失わずに死ぬ。1941年7月。」

「俺は死ぬ。降伏などするものか。許せ、祖国よ。」

──玉砕したブレスト要塞の壁面に書かれたソ連兵の遺言





9月も後半に入ると、もはや北方軍集団の行く手を阻むものはなかった。
北方では大突破を敢行し、ソ連軍の大部分は撃滅され、
中央でも似たような情勢の下にモスクワへの道が開かれていた。
敵の主力は南方ウクライナ地方に集中するのみとなっていた。

このような情勢に入ると、もはやこの大戦線は安定したといって良い。
ゲーム開始当初からずっと手動操作でやってきたのだけど、
さすがにプレイ時間的に優しくないので、この時点からロシア戦線は全て将軍たちに一任して、
俺自身は大西洋からの脅威・・・西部戦線の守備に注力するとする。

ロシア戦線のそれぞれの軍集団に遂行すべき目標を与え、
その進捗に対する報告を受け取れば良いだけになったので、
戦争指導がだいぶラクになった。


北方でレニングラードが陥落。
レープ将軍がフィンランド軍と連絡をつけ、そのまま軍港都市アルハンゲリスクも手中に収める。
またバルト海にて、北方軍集団の支援の任に当たっていた我が海軍の重巡「プリンツ・オイゲン」がソ連軍の戦艦「マラト」を撃沈する。
しかしこの戦いで傷付いたプリンツ・オイゲンも、ソ連海軍の潜水艦の追撃を受け撃沈される悲運を遂げた。

中央からはスモレンスク・ミンスク・オリョールなどの都市を順次占領成功の報告。
また、11月6日にはとうとうモスクワにも第216歩兵師団が入城したとのことで、決定的勝利を得たといえる。
マンシュタインもグデーリアンもよくやってくれているようだ。

南方はまだ残敵が多く苦境を強いられていたが、余裕の出た北方や中央から戦力を抽出したことにより、
ウクライナ地方でロンメルの麾下部隊が突破作戦を成功させた。
キエフを攻略し、クルスクを突破し、ハリコフも陥落した。
また、セヴァストポリ及びクリミア半島はルーマニア軍が攻略に成功し、なかなか頑張ってくれているようである。
新たに南方軍集団にはスターリングラード及びバクー油田への進撃を命じる。


ここまでは想定していたよりも順調な進捗だが、しかし一つ問題が発生していた。
それはとうとう本格的なロシアの冬が到来したことにより、進撃速度の遅滞はもちろん、
それよりも補給物資の消耗の増大が目立ち始めていたことである。
1日に物資が-1,000以上減少する日が続き、また消耗量も加速度的に増大していたので、本国での備蓄物資も40,000を切った以上、
物資的にあと一ヶ月もすれば戦線全体で作戦行動の停止を余儀なくされるものと予想されていた。

しかし、モスクワ・キエフ・ハリコフなどの重要都市を陥落させたことにより、
それらの都市に備蓄されていた大量の軍需物資の鹵獲に成功。
備蓄物資が90,000まで回復したので、このまま全力で行動しても2ヶ月半ほどは問題なさそうである。
しかしいずれ補給の破綻が生じるものとして、鹵獲物資で得たこの猶予期間を利用し、
補給路の効率化及び物資生産量の増大などの対策をとっていくことにする。




1941年12月30日の戦線状況。
7月22日からこの4ヶ月半で、ここまで進出した。
距離にして800km以上の進出で、電撃的速度である。

もはやソ連軍の抵抗は続かないのか、この戦争は終わりなのか?
ヒトラーの言ったとおり、ソ連とは腐った納屋だったのか。
ドイツ軍圧倒的優勢のまま、戦争は1942年に入っていく。


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ドイツプレイ(14) - バルバロッサ作戦

2010-06-03 19:05:57 | HoI3

HoI3AAR、前回分からの続き。
前回分 → ドイツプレイ(13) - 新たなる夜明け
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我々はついに将来の領土獲得政策へ移行する。
我が民族の子孫の為、領土獲得は権利ではなく義務である。
この世界で最も神聖な犠牲は土地の為に流される血である。

ドイツは世界の強国となるのか、あるいは滅亡するのか、
そのどちらかである。
我がドイツ民族は植民地ではなく、ヨーロッパのふるさとの大地に
その力の源を求める。

今日、我々がヨーロッパで求める新しい領土、それはロシアである。
それに従属する東ヨーロッパの衛星諸国である。

──アドルフ・ヒトラーの「我が闘争」より



1941年7月22日午前3時、黎明の静けさを破り、国境線から一斉に火の手が上がる。
轟音と共に東に飛ぶ爆撃機の大群、撃ち込まれる砲弾・ロケット弾の下を、
戦車が、トラックが、歩兵が、列をなして進行していく。
長大な独ソ国境全体でバルバロッサ作戦 が開始された。




本当は史実通り6月22日に開始したかったのだけども、
対英戦が長引いた影響で一ヶ月延期してしまった。
これにより、軍隊の身動きが取れないほどに厳しいロシアの冬が近づいた為に、
雪が降り始める11月や12月までにいくらほどロシアの中枢部に進行できるか。
時間との勝負という側面が現れた。

また現実のドイツ軍が145個師団約300万人でバルバロッサ作戦を開始したのに対し、
今回のプレイでの77個師団約150万人での作戦開始というのはいかにも心細い印象を抱くかもしれない。
これは今回のドイツプレイが史実よりも海軍の増強に何倍もの力を入れており、
そのしわ寄せが陸軍に来ているということだ。

現在のドイツ海軍:
巡戦 2隻
戦艦 2隻 +1隻
空母 2隻 +1隻
重巡 6隻 +3隻 -5隻
軽巡 7隻 -4隻
駆逐艦 11個 +3個 -5個
潜水艦 14個 +5個 -4個
輸送艦 8個 -6個
(+はさらに建造中のもの、-はそれまでの海戦で喪失した数。)


また陸軍は、アメリカの欧州参戦に備えて西部フランス・イギリスに22個師団が、ノルウェーには6個師団が展開されている。
これと東部での77個師団がこの時のドイツ陸軍の全兵力である。

ちなみに戦線全体で装甲師団は19個ある上に、新兵器として
8.8cm砲を搭載し100mmもの重装甲を持つ50t級重戦車
陸軍の生産リソースの大半を割いて量産準備中の為、
歩兵師団との割合を考えれば戦車重視といってもいい陸軍に育った。
ふふふ、しかしこの新型重戦車が戦線に投入されれば、
ソ連の保有するT-34中戦車やKV-1重戦車などものともせずにあっという間に戦線を押し上げることだろう。
来春には投入可能な予定である、お楽しみに。




8月に入る頃になると、戦線各所で包囲網が形成される。
3個軍集団それぞれに攻略目標があるが、まずは敵軍兵力の野戦撃破に注力する。
ソ連軍の無限とも思える兵士を減らさねば、たちまち数の洪水に飲み込まれてしまう。

ドイツ軍のお家芸電撃戦により、戦線のあちこちで突破・包囲戦が展開され、
9月も終わる頃になるとソ連軍の100個師団近くは殲滅されたものと推定された。
諜報網によると、特に戦車の数が開戦時よりもほぼ半数になっているらしい。
普通ならば、これはいうまでもなく決定的大勝利である。

しかし、まだまだソ連軍には220個以上もの師団が生き残っている。
77個師団で攻め込み、2ヶ月で100個師団を撃破し、しかしまだ220個師団も残っているという現実。
これがソ連軍の圧倒的物量なのだ。
質で勝っている今のうちに部隊を殲滅していき、この絶望的な兵力差をなんとか埋めないと、
もはや鉄の濁流に飲み込まれベルリンまで押し流されることは明白だろう。

兵力差だけではない、時間の問題もある。
かつてモスクワを占領したナポレオンはロシアの冬に負けて敗退した。
厳寒の訪れは道路を凍結させ、銃も戦闘機も戦車も、そして兵士も、
平常通りの働きを期待できなくなってしまう。
我が軍は攻め手に欠け、その間にソ連軍は回復してしまうだろう。


冬将軍が到来するまでに決定的勝利を得られるか。
これがまず1941年における戦争の行く末を占うキーポイントとなった。


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ドイツプレイ(13) - 新たなる夜明け

2010-05-29 16:45:10 | HoI3

HoI3AAR、前回分からの続き。
前回分 → ドイツプレイ(12) - ブロークン・イングリッシュ
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スターリンとの交渉で我が国の背後は確保され、

かつて前大戦でドイツを敗戦に導いた二正面作戦を阻止した。

この同盟を私の外交政策の頂点とみなすものである。

──リッベントロップ外相、独ソ不可侵条約締結について



1939年ポーランドでの戦いが終結した後、その土地には引き続き1個の軍集団が駐留していた。
西ではフランス・イギリスという強大な宿敵たちとの戦争があったにも関わらず、
北ではノルウェーで、南では北アフリカや中東で戦争があったにも関わらず。
ベルリンからどちらを向いても敵ばかり、一兵たりとも暇のないこの大戦争の最中で、
当面の敵は既に駆逐されたはずの東部ポーランドに大兵力が配置され続けていた。

当初、A軍集団 から改称されたこの東方軍集団 は、フランス・イギリスを欺く陽動作戦だと理解されていた。
ソ連とは8月に不可侵条約を締結し世界を驚かせたばかりであるから、第一次大戦の轍を自ら踏むことはないだろう。
当の東方軍集団の指揮官から、兵卒に至るまでそう信じ込んでいた。


ノルウェーでの戦いが終わり、北アフリカ・中東も制圧されたとき、
その都度各戦線から、主兵力が抽出され東部に送られていた。
そして1941年6月、イギリスの降伏を勝ち取ったB軍集団 までもが、
連戦続きの割に休暇を与えられることもなく、慌ただしく東部に送り込まれた。




独ソ国境地帯での兵力・物資の移動は一段と著しくなった。
何かが始まろうとしている。
それが何かは、もはや誰の目にも明らかだった。
ドイツは1939年8月以来の不可侵条約を裏切るつもりなのだ。
ヒトラー総統はスターリンと戦争をやる気だ!

予期していたこととはいえ、ドイツ軍将兵たちは、
開戦数時間前になってようやくその旨を告げられた。
ソ連に対し奇襲大侵攻作戦を実施することを。
その為に現在この独ソの無限の国境線に、77個師団がかき集められていた。

130年前にナポレオンが、30年前にヴィルヘルム2世が、
なしえなかったロシア侵攻をヒトラー総統は実現させる気だ。

この眠れる巨人を叩き起こす行動に、懸念を示すドイツ軍首脳部に対しヒトラーは、
「ソ連は腐った納屋のようなものだ。
入り口を一蹴りすればたちまち倒壊してしまう。」

と豪語した。


かくしてドイツは、戦史上最大の戦争に足を踏み入れる。
独ソ国境に集められた兵力は3個の軍集団として編成され、
それぞれが北方軍集団、中央軍集団、南方軍集団 と改称された。

1941年7月22日深夜2時。
独ソ国境に潜んだドイツ軍部隊は息を潜め、黎明を待つ。
1時間後に始動する歴史的な大作戦、この「バルバロッサ」 はかつてない大戦争の夜明けであり、
第三帝国の暁でもあるのだ。


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